【SS】塞「えっ!? 胡桃、アンタ床屋で散髪してもらってるの?」【エイスリン】

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 16:54:17.56 ID:+Gx1HDaV0


……
………

――昼 岩手>理美容店ミヤモリ
白望「……」

白望「ん――あれ……塞……?」

白望(……いない あぁ買い出しだったけ
それにココ、部室じゃない……?)

白望(なら 今のは――)

白望「……夢か――懐かしいな」

>カランカラーン
>ただいまー

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:00:10.30 ID:+Gx1HDaV0

白望「……」

胡桃「あっ いま寝てたでしょシロ!」

胡桃「隙あらばサボろうとするんだからもう めっ」

塞「ははっ シロのクセは社会に進出しても健在だね」

白望「店長 持病が芳しくないんで……
長期休暇もらってもいい……?」

胡桃「そーゆーのいーからお仕事する!」

白望「なんてブラックな職場なんだ……」

胡桃「シロが黙ってれば潔白! ホワイトでいられるのっ」

白望「ちぇっ……」
>カランカラーン

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:06:12.04 ID:+Gx1HDaV0

照「うえーん」

塞「いらっしゃいませ――って、照さん!?
今日はどうしたの? また道に迷った?」

照「な、長野で……っさ、咲と遊んでて
お菓子の匂いを追いかけてたら はぐれてグスン
石につまづいて……わーん!」

白望(ここ岩手なんだけど……)

胡桃「はい! いつものアメ! 沢山食べて元気だして!」

照「グスッ……ありがとう」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:07:44.80 ID:O9HQqnVK0

ってなんで照さんが!?

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:13:48.65 ID:+Gx1HDaV0

塞「救急箱とってくるね
あっと照さん――携帯は?」

照「どこかに落とした……」

塞「了解 妹さんに連絡しておくね」

胡桃「照さん! こっちのソファーに座ろっ」

照「うん……」

胡桃「シロも! そこお客様のチェアでしょ
そのまま髪切っちゃうよ!」

白望「ふぁい」

照(ペロキャンおいしい)

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:16:22.90 ID:naMq6us/0

駄目なほうのお姉ちゃんでしたか

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:18:08.21 ID:Q4TYvk6L0

こいついつもお菓子食ってんな

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:19:46.66 ID:+Gx1HDaV0

白望「はい 顔はこの蒸しタオルでキレイにして
――今日も髪は切ってく?」

照「ありがとう うん、切りたい」

白望「おまかせでいい?」

照「うん」

胡桃「エイちゃーん 出番だよー」

>トテテテ ドテンッ……テクテク

エイスリン「コンニチワ!」

照(タンコブ出来てる……)

白望(コケたな……)

胡桃(コケた!)

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:25:28.23 ID:+Gx1HDaV0

エイスリン「ジャアカキマスネ!」

エイスリン「~♪」

エイスリン「デキタ!」

照「わぁ……その髪型ステキだね」

エイスリン「フンス」

白望「相手の夢も描けるようになったから……
今のエイスリンは――まぁ」

白望「トレースするだけじゃ“おまかせ”じゃなく
ただのお客様任せだから 多少はエイスリンの主観や……
センスによる手心は加わってるんだけどね――」

胡桃「ね!」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:30:58.23 ID:+Gx1HDaV0

照「ソレは麻雀にも転用できる?」

エイスリン「ヨユーデス!」

照「スゴいね」

エイスリン「ヨクイワレル!」

胡桃「ここの対局でも大人気なんだよ!」

照「スゴい」

エイスリン「デハマタ!」

>トテテテ ドテンッ……テクテク

胡桃(またコケた!)

白望(麻雀が強くなると 他の部分が劣化するって
聞いたことあるけど 本当だったのか……?)

照(ペロキャンおいしい)

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:36:52.62 ID:+Gx1HDaV0

塞「――おまたせ エイちゃんの手当てもしてきたから 安心して」

塞「じゃあ照さん痛いところ出しましょうね 消毒するから」

照「しみる……グスン」

塞「今トヨネがミルクティー淹れてくれてるから 我慢しましょうね」

照「うん……が、頑張る……ペロペロ――グスン
ペロペロ」

胡桃(照さん可愛い!)

白望(これで20代だからなぁ……)
>カランカラーン

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:42:22.69 ID:+Gx1HDaV0

内木「こんにちわ」

塞「こんにちわいらっしゃいませー あら内木さん
今日は長野からの来客が多い日だね」

内木「そうなんですか? あっ――み、宮永プロ!?
は、はじめまして 内木一太です」

照「はひぃへまふぃへ」

胡桃「こらっ ペロキャン頬張らない!
はしたないからめっ」

照「ふぁーい」

内木(あぁ胡桃店長は今日も可愛いな……ボクも叱って欲しいな
ロリポップキャンディも似合うんだろうな 是非とも頬張った姿を
いつか拝みたいもんだ 駄目かなぁ、しつこく頼み込んでみようか
もし断られても叱らさえすれば どっちに転んでも得になるし――あぁでも次の来店の時に気まずく)

塞「はいはい妄想してないで座ってましょうね
トヨネのミルクティーもそろそろ出来上がりますから
おっと――トヨネー 一人分追加ねー」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:44:02.56 ID:eZ13GtEu0

ロリコンきやがった

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:50:08.31 ID:+Gx1HDaV0

内木「本当ですか! 楽しみだなぁ
じゃあ自分も失礼して――宮永プロはどうしてこちらまで?」

照「迷子になってつい」

内木「それは……
長野の迷子センターにお世話になった方がいいのでは」

照「迷子にだって迷子センターを選ぶ権利はある」

胡桃「ある!」

内木「ありますよねー胡桃店長! アハハ!」

白望(ここは迷子センターじゃないんだけど……)

姉帯「きたよー」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 17:55:30.26 ID:+Gx1HDaV0

塞「お疲れ様トヨネ 私も半分運ぶね」

姉帯「うんっ――はい皆さんどうぞ
熱いから気をつけてねー」

照「美味しい」

内木「ありがとうございます――うん
なんか岩手に来たって気がします これを飲むと」

姉帯「もー大げさだよー」

内木(岩手に着いたらここに直行して
ここを出たら長野に直帰してるから
大げさでもないんだよなぁ……何してんだろボク)

姉帯「じゃあごゆっくりー」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:02:05.32 ID:+Gx1HDaV0

内木「――そういえば 前々から気になってたんですけど
いま姉帯さんがくぐっていったカーテンの向こうって」

胡桃「住居スペース! 私達5人の!」

塞「二世帯だからね 行き来が激しくて不快ならゴメン」

内木「じゃあ一つ屋根の下で乙女たちが百rじゃなくて
女性達5人が暮らす仲慎ましい生活空間なんですね!?」

胡桃「も、もうっ いきなり大きな声ださない!」

内木「すいませんありがとうございます!」

照(ミルクティー美味しい)

白望(みんなが話し込んでると自然とサボれていいな……)

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:06:34.33 ID:+Gx1HDaV0

内木(そうだったのか……あの一枚の薄布の向こうは
うら若き女性達が仲慎ましく暮らすプライベート空間……!)

内木(ぶつけどころのない性の渇望……そして 肩を並べながらも
互いを遠ざける同性という距離感によって、夜な夜な募る
彼女達の愛は次第に、一番近い同居相手に向けられる……!)

内木(たまらないなぁ……! 何よりそこには
胡桃店長もいるのか あ、ヤバい……鼻血が)

胡桃「あっ 鼻血でてるよ! はいティッシュ!」

内木(天使だ……この鼻ティッシュは自室に保管しよう……)

胡桃(なぜか分からないけど気持ち悪い! 今日の内木さん)

照「ミルクティー……ごちそうさま
そろそろ髪とか整えて? シロさん」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:08:25.56 ID:O9HQqnVK0

この副会長の言動まるでおまえらみたいだな

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:12:33.63 ID:+Gx1HDaV0

白望「では向こうの席へどうぞ」

白望「メニューはいつものメイルやら シャンプーやらを込みで?」

照「あとヘッドスパを食べたい」

>ヘッドスパは食べ物じゃないよ
>え!? わたしのスパゲティが……

塞「……なんとなくだけどさ 胡桃」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:17:39.45 ID:+Gx1HDaV0

胡桃「ん?」

塞「シロって照さん相手だと いつもより生き生きしてるよね」

内木(白照! そういうのもあるのか!)

胡桃「あーアレね! なんか照さんの∠がやたら気になるんだって
髪質が髪のソレとはまるで違うからとかなんとか」

塞「あぁなるほど……」

内木(なんだ……そういうんじゃ……ないのか)

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:24:37.61 ID:+Gx1HDaV0

>カランカラーン
塞「いらっしゃいませ――あっ 久しぶりね煌さん」

胡桃「久しぶりっ」

煌「ご無沙汰しております いやはや皆様方
息災のようで何よりです」

塞「今日も時間あるのよね?
なら適当にくつろいで行ってよ いま飲み物だしてくるわ」

胡桃「じゃあソファーで座って話そっ
あっ こちらは内木一太さん! 週一で来る常連さんっ」

煌「どうもはじめまして 花田煌と申します!」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:29:17.92 ID:+Gx1HDaV0

内木「あ、ご丁寧にどうも 内木一太です」

煌「それにしても 週一とはすばらですね
どちらからお越しになってるんですか?」

内木「長野からです」

煌「私は東京です! この距離がなければ毎日にでも……あっと
立ったままというのもアレですので座らせてもらいますね
はぁ、やっと落ち着けました」

胡桃「いつも遠いトコからありがとね!」

煌「こちらこそ いつも心安らぐ一時を提供して下さって
感謝していますよ 胡桃さん」

胡桃「えへへ……」

内木(可愛い)

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:35:44.63 ID:+Gx1HDaV0

煌「仕事柄 あまり人と接する機会が少ないものですから
様々な人が自然と集まるココは これ以上にないすばらな場所です」

>胡桃の考えたコンセプトが
>煌さんのニーズに当てはまってたんだね

胡桃「えっ」

煌「おっと 初耳ですねぇソレは 店主のコンセプトとは一体?」

胡桃「ちょ、ちょっとシロ そーゆー昔話は……えっと
恥ずかしいからめっ 仕事してなさい!」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:38:41.22 ID:+Gx1HDaV0

煌「よいではないかよいではないかー」

胡桃「キャッ き、煌!? そんなギュッとしちゃダメっ」

内木(ガタッ)

煌「おっと失礼」

胡桃「もうっ」

内木(スッ)

塞「お待たせ煌さん はい
トヨネ特製のミルクティー」

煌「待ってました!」

塞「よいしょ それでみんな何の話をしてたの?
ずいぶん楽しそうだったけど」

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:45:20.43 ID:+Gx1HDaV0

>……誕生秘話みたいな話 になるのかな
>この店にとっては
胡桃「シロ!」

煌「あらぁ ますます気になりますねぇ」

胡桃「~っ」

内木(照れる店長可愛い)

塞「はっはーん――誕生秘話か
どおりで胡桃が恥ずかしそうにしてるワケだ」

胡桃「むー……」

塞「はは まぁ、という私にとっても
あまり誇らしい話ではないんだけどね」

煌「そうなんです?」

塞「この店自体 若けの至りの延長線上に
乗っかって出来たようなモノだからさ」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:52:47.18 ID:+Gx1HDaV0

煌「まぁなんとっ 昔馴染みの同級生たちが集まり
お店を開くだけでも希有なケースとお見受けしていましたが
なにやら 嬉し恥ずかしい裏事情まであるのですね?」

煌「すばらです!」

塞(個人的にはその口癖の裏話も聞きたいけどなー)

内木(すばらって何だろう……)

煌「それで! 話して下さるんでしょう!? 店主!」

胡桃「んー……いいよ!」

煌「本当ですか!」

胡桃「恥ずかしいことづくめの思い出だけど
一番の思い出でもあるから! 言って回りたい気持ちもあったんだ」
>ぽふんっ

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 18:58:45.25 ID:+Gx1HDaV0

内木(キタ━(゚∀゚)━!!!!)

胡桃「ね! 塞」

塞「ちょっ……仕事中に充電なし!
膝枕禁止! みんなみてるでしょ」

胡桃「ぷー」

内木(なにこれ可愛いすぎワロタ)

煌「ふふっ 私は構いませんよ
そのままの体制でも一向に――ね 内木さん?」

内木「可愛いすぎワロタ」

煌「えっ 今なんと?」

内木「え? あ、はい――自分としては
永遠にそのままでも一向に、はい」

塞「も、もう……っ」

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:05:00.27 ID:+Gx1HDaV0

胡桃「というわけで! 話すねっ 塞も手伝って?」

塞「う、うん……あーもう 二倍で恥ずかしいですけど」

煌「真っ赤になってますよぉ塞さん
スキンシップには奥手なんですねー すばらです」

塞「うー……もう 話しますよ話しますっ
話しながら気分を紛らわせますっ」

胡桃「ははっ あれは確か――私達が高校生三年生になって
1ヶ月くらい後の話っ」
………
……

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:10:24.43 ID:+Gx1HDaV0

数年前――夕方 岩手>宮守女子 麻雀部室
塞「えっ!? 胡桃、アンタ床屋で散髪してもらってるの?」

胡桃「うんっ 今日の帰りがてら寄ってくよ!」

胡桃「髪も伸びてきたからね
最近、シロも充電されづらそうにしてるし」

白望「くすぐったい……」

塞「いやいや シロがくすぐったがってるのは自分の髪にでしょ」

塞「目元どころか顎先まで隠れてるんだから
シロもいい加減に髪を切りなさい」

白望「ダルい……」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:15:32.89 ID:+Gx1HDaV0

塞「そんな事より胡桃 アンタ今時の女子高生が
床屋で散髪してもらってるなんて よく臆面もなく言えたモノだわ」

胡桃「えっ」

塞「女の子なら美容院で調髪1択でしょ? フツー
理容と美容じゃ 髪に与える意味合いが全然ちがうんだから
法律的にも」

胡桃「でも! アメが食べ放題なんだよ?
待ってる間はファミコンだってやり放題の
そんな至れり尽くせりな空間なんだよ? 床屋って」

塞「はぁ……まったく そんなサービスを目的に
散髪しに行ってる訳じゃないでしょ?
見た目をより良好にする為じゃないの?」

胡桃「……」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:21:06.18 ID:+Gx1HDaV0

塞「それなら床屋で散髪より美容院で調髪しようよ ね?」

胡桃「プルプル」

塞「髪以外も一通り整えてくれるしさ 確かに
遊び心は少ないけど アメもゲームも欲しいなら持参できるでしょ」

胡桃「……違う」

塞「……え?」

胡桃「違うよ!」

エイスリン「キャッ」

胡桃「塞は分かってない!」

塞「な、なにがよ」

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:27:17.87 ID:+Gx1HDaV0

胡桃「容姿を磨くだけじゃなくて」

胡桃「そーゆートコ以外の事も 満足できる
あのお店が私は好きなの!」

胡桃「ゲームもアメも大事だけど 他にも沢山いいトコロがあって
そーゆートコが大事なの! 惚れ込んでるの!」

姉帯「ク、クルミー……あ」

胡桃「帰る!」

>バタンッ

姉帯「……行っちゃったよー」

塞「……ハァー」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:33:28.76 ID:+Gx1HDaV0

エイスリン「クルミ……オコッテタネ」

塞「ごめんねエイちゃん ビックリさせて」

白望「塞はほんと……胡桃にゾッコンだから」

塞「べ、別にそういうワケじゃ」

姉帯「確かにねー お母さんに髪を切ってもらってるエイスリンさんや
自分で髪を切るシロには 美容室に行けって言わないもん」

塞「……むー だって――」

塞「だって床屋よ? さっき言ったこともだけどさ
いつ潰れるかも分からない場所に通う位なら
もっと将来性のある場所に通った方が 胡桃のためになると思うの」

エイスリン「ベタボレ! ダネ!」

姉帯「ねー」

塞「も、もう あまり茶化さないでよっ」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:38:30.48 ID:+Gx1HDaV0

白望「まぁ……胡桃って可愛いよね」

塞「ちょっ!?」

エイスリン「シュラバダ! サンカクカンケー!」

白望「いや……そうじゃなくて その可愛い胡桃を維持するのが
……必ずしも 美容室とは限らないでしょって話」

塞「いやいや、維持じゃなくてさシロ
胡桃が美容室でもっと可愛くなれば 胡桃も喜ぶんじゃないかって……」

白望「……可愛さって外面を良くすれば 獲得できるモノなのかな」

白望「胡桃が言ってた内面への充足感だって……
塞が言ってるのと同じ位 胡桃の可愛さを引き立てる要素だと……思うけど」

塞「あ……」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:43:47.42 ID:+Gx1HDaV0

姉帯「いつもニコニコしてるからねー」

エイスリン「ポーカーフェイス! エガオノ!」

塞「そう、だよね……ありがとシロ
私、勘違いしてたかもしれない」

シロ「次はあまり……長セリフ喋らせないでね ダルいから
あと――」

シロ「もう1ヶ月は散髪しなくていい? 内面を良好を保つために」

塞「アンタは度が過ぎてるから今日中に切り揃えろ
良好どころかさっき くすぐったい言ってたでしょうに」

シロ「しょぼーん」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:49:18.02 ID:+Gx1HDaV0

姉帯「今ごろ床屋でゆっくりしてるかなー」

塞「そうね 可愛くしてもらってるんじゃない?」
数十分後――夕方 岩手>みちばた
胡桃「……」

>【閉店しました】

胡桃「うーん……? 目の錯覚かな
さっきからどーも 目が有り得ない二文字を捉えるんだけど」

胡桃「ゴシゴシ」

>【閉店しました】

胡桃「…………」

胡桃「……」

胡桃「」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:54:03.55 ID:8zoPbQnf0

これは辛い

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 19:56:10.87 ID:+Gx1HDaV0

次の日――夕方 岩手>宮守女子 麻雀部室
胡桃「」

塞「……」

胡桃「」

塞「……なにこれ?」

姉帯「例の床屋が閉店してたんだって
朝からずっとこの調子なんだ……」

エイスリン「~♪」

>バッ【 ・v・ → ゚△゚ 】

姉帯「見事なまでの放心だねー」

塞「うーん……まさかここまで入れ込んでいたとは」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:01:32.09 ID:+Gx1HDaV0

エイスリン「シロ! モット! ジューデンガンバッテ!
100マンボルト!」

白望「……無理」

姉帯「ふふ 放心してても充電は欠かさないんだねー」

塞「条件付けされてるんじゃない? シロの顔を見たら
無意識にくっつくように……もう」

胡桃「」

白望「ダルいなぁ……」

塞「明日には立ち直ってくれるといいけど――」

塞(胡桃……)

胡桃「」

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:03:44.61 ID:O9HQqnVK0

電気ネズミの知名度はキーウィーにも知れ渡ってるのよー

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:07:09.33 ID:+Gx1HDaV0

次の日――夕方 岩手>宮守女子 麻雀部室
塞「――はい 案の定
精神的に弱った胡桃が風邪をもらって欠席したので
今日はみんなで緊急会議です」

塞「昼にメールしたから議題は行き渡ってるね?」

エイスリン「クルミフッカツ!」

塞「うんそう みんな考えてきてくれた?」

姉帯「うーん……考えてみたけどさー はてさてどうしよー状態だよ……」

エイスリン「スゴイジュウデンヲ! カマス!」

塞「シャドーしながら言わない シロは?」

白望「……ダルい」

塞「シロでさえ思いつかなかったかぁ……」

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:12:25.30 ID:+Gx1HDaV0

エイスリン「ムムム――」

塞「……私は胡桃が通ってた理容店に
連絡をとってみたりはしたんだけど もう機材や道具も処分したみたいで……」

塞「思いついた事も どこかの娯楽施設に遠出して
埋め合わせをする……なんて事ばかりだし」

塞「胡桃にも詳しく聞いてみたんだ
再現するにはどんな内容や内装をすればいいのか
みたいな事も メールで……でも、やっぱりダメみたいで」

塞「もう……どうしたらいいか ……グスッ
分からなくて」

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:17:45.46 ID:+Gx1HDaV0

姉帯「あわわわー……塞ー 泣かないでー……?」

塞「ん、ゴメン……大丈夫 ありがとうトヨネ」

塞「本当に辛いのは 私じゃなくて胡桃なんだ
私が泣いてたらダメだよね うん」

>お困りのようだね

エイスリン「コノコエハ!」

熊倉「大事な教え子の危機を救うための会議に
私を入れてくれないなんて 寂しいじゃないのさ」
\熊倉先生!/

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:22:51.44 ID:+Gx1HDaV0

塞「――というワケなんです」

熊倉「なんだ そんなの簡単じゃないか」

塞「か、簡単なんですか!?」

熊倉「要はあの子が気に入ってる場所に見合った
お気に入りの場所に 髪切り所を仮設してやればいいのさ」

姉帯「そんな場所があるんですか?」

熊倉「通ってたいた髪切り所のように 高校の拘束時間外に
通える場所に限るなら アンタ達が一番よく分かってるだろう?」

白望「……麻雀部 この部室――」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:27:00.67 ID:+Gx1HDaV0

熊倉「まぁ あの子を満足させられるかどうかは
アンタ達次第だけどね まぁ勝算はあるだろう」

熊倉「アンタ達以上に 胡桃を理解できる人はいないんだ
それくらいアンタ達が過ごしている 高校時代という時間は
濃密で、信用に値する力をくれるモンなんだ」

熊倉「それが裏打ちしてくれるよ
アンタ達の行く先々の道をきっとね 私も若い頃は――」

塞「熊倉先生」

熊倉「ん? なんだい」

塞「話が長いです」

熊倉「あ、うん ゴメン……」

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:33:03.16 ID:+Gx1HDaV0

塞「でも――ありがとうございますっ
おかげで分かってきました」

塞「どこまで出来るか分からないけど……私は
胡桃のために やれるだけのことはやってみます!」

姉帯「私もいるよー」

エイスリン「イルヨ!」

白望「よ」

塞「みんな……ありがとう」

熊倉「じゃあ私は行くね 頑張ってみんな」

塞「はい!」

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:37:49.93 ID:+Gx1HDaV0

二日後――夕方 岩手>宮守女子 ろうか
白望「部室に連れて行くだけなら分かるけど……
胡桃をおんぶする必要はあるの?」

胡桃「」

塞「仕方ないじゃない
シロにくっついて離れないんだから」

塞「風邪も治ってソコは大丈夫ないんだし
なにより今は胡桃にサービスする時間なんだから キビキビ運ぶ」

白望「ダルい……」

塞「もう ホントは私が運びたかったのに……」

白望「え?」

塞「なんでもない」

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:42:50.21 ID:+Gx1HDaV0

塞「はい到着――じゃあ胡桃を下ろして?」

白望「うん」

白望(くっつかれながら下ろすの難しいな……)

胡桃「」

塞「はい胡桃 どうぞ? この扉を押して
――うん その調子」

胡桃「」

胡桃「……」

胡桃「あれ? ここ部室だよね?」

胡桃「わぁ……!」

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:47:28.42 ID:+Gx1HDaV0

――夕方 岩手>宮守女子 麻雀部室
胡桃「スゴい! なにこれっ」

胡桃「照明とか!」

胡桃「壁紙とか!」

胡桃「床もいつもと全然ちがう! ピカピカしてる!」

胡桃「なんか真ん中に椅子もある おっきー鏡も!」

姉帯「いらっしゃいませー胡桃さまー
こちらへどうぞー」

エイスリン「オイデヤス~」

胡桃「トヨネもエイちゃんもエプロンしてて可愛い!」

塞(私もしてるんだけどなー)

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:51:09.97 ID:Q4TYvk6L0

塞さんは割烹着ですね

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:53:24.01 ID:+Gx1HDaV0

胡桃「で、でもみんな コレって一体どーゆー」

姉帯「どうぞー こちらがメニューだよー」

胡桃「メニュー……? 料理がたくさん書いてあるけど」

エイスリン「ウデニヨリヲカケマスヨー」

胡桃「う、うんと……? じゃあこのミルクティーと
クレープをお願い」

姉帯「うんっ しばらくお待ち下さい」

>ガラッ バタン

胡桃「え? え? トヨネー?
行っちゃった……」

塞「じゃあ 準備が整うまでの間
こっちで遊びましょ? 胡桃」

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 20:57:34.66 ID:+Gx1HDaV0

>ウィーンガシャン
胡桃「……」

塞「どうしたの? ボーっとして
風邪で麻雀のやり方を忘れちゃった?」

胡桃「う、ううん 平気」

>トンッ

胡桃(なんだか いつもの麻雀部じゃない)

胡桃(内装もだけど みんなの様子とか)

>トンッ

胡桃(それに……何だろう このニオイ)

胡桃(スゴく落ち着く……)

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:01:33.55 ID:+Gx1HDaV0

胡桃(なんだっけ ニオイの名前――)

>トンッ

胡桃(タルカムパウダー? だっけ)

胡桃(えへへ、何だか床屋さんみた
――あっ……)

胡桃(……)

胡桃(そっか――これ……全部みんな)

胡桃(私のため……なんだ)

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:05:34.22 ID:+Gx1HDaV0

胡桃「……」

塞「……胡桃? 大丈夫? まだ、どこか悪い?」

胡桃「ううん……グスッ そうじゃないの
ただ、嬉しくて……えへへ」

胡桃「――ありがとね エイちゃん、シロ、塞 あとトヨネもっ」

胡桃「私、もう 無くなった事を悲しんだりしないよっ」

胡桃「無くなった場所を 補えるくらいの場所を
自分で作れるように頑張る!」

胡桃「その気になれば出来るんだって みんなが教えてくれたから」

胡桃「だから ありがとっみんなっ」

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:11:58.83 ID:+Gx1HDaV0

エイスリン「ドウイタシマシテ!」

白望「……お礼なら 後でトシ先生にもね――あと」

白望「いちばん必死になってた対面の人には 特に」

塞「……へ!?」

胡桃「塞が?」

塞「べ、べつに大した事なんてしてないって
私が胡桃の為に必死になる事なんて――」

白望「ふーん……胡桃のためだったんだ
塞以外はみんな 部活仲間のために頑張ってたハズだけど」

塞「も、もうシロ!? そういう屁理屈はなし!」

胡桃「さーえっ」

>ギュッ

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:17:41.12 ID:+Gx1HDaV0

塞「キャッ」

胡桃「ありがとう!」

塞「あ、あはは……ふ ふふふふふふ」

エイスリン「サエ! ニヤケテル! カオマッカ!」

胡桃「んっ シロじゃなくて塞でも充電できるかも!
あっちで試そっ ねっ」

白望「……」←これからは少し楽が出来るなぁと喜んでいる

>ガチャ

姉帯「ミルクティーできたよー」


……
………

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:17:49.40 ID:cjivHDrJ0

宮守はみんな仲良しですばらですよ

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:21:23.16 ID:+Gx1HDaV0

現在――昼 岩手>理美容店ミヤモリ
煌「なるほどなるほど ここの基本的なスタンスは
店主が理容店に対してもっていた 思い入れを元に作られたモノだったんですね」

胡桃「うんっ」

内木「ですけど ここって美容店も併合されてますよね
その点は胡桃店長が認めたって事ですか?」

胡桃「ソコは塞のこだわりっ ねー?」

塞「う、うん……」

煌「すばらですねぇ 対立して別の道に歩むハズだった気持ちが
互いに認めあって 手を結ぶと決めた」

煌「いやはや 羨ましい限りですよ」

内木(これをキッカケにシロ胡が胡塞になった……アリですね)
※実際には理容と美容を合同して経営するのは
あまり勧められたコトじゃないから よい子はマネしちゃダメだし! カナちゃんと約束だし!

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:27:04.36 ID:+Gx1HDaV0

>カランカラーン
咲「お姉ちゃん! ……いた
あぁ……よかったぁ」

>あ、咲
>ちょ 直しがダルくなるから動かないで……

塞「いらっしゃいませ咲ちゃん」

胡桃「いらっしゃい!」

咲「塞さん 胡桃さん
いつもお姉ちゃんがお世話になってます」

塞「座って? いまミルクティー持ってくるわ
っと、いい加減にどきなさい胡桃!」

胡桃「はーい……」

内木(一時間足らずで長野からココに来た事はツッコまないのか)

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:33:07.44 ID:+Gx1HDaV0

咲「よいしょ――あれ?
副会長じゃないですか! それに煌さんも」

煌「お久しぶりです宮永さん! 以前ここでお会いしてから
半年ぶりといったところでしょうか」

内木「ボクは高校の卒業式以来――になるのかな あはは」

胡桃「不思議! 照さんは二週間おきに迷子になって
内木さんは一週間おきに来てるのに 今まで一度も会わなかったんだ」

煌「ホントですねぇ 私は約2ヶ月おきですし」

内木「ほ、ホントだ! 不思議ですね! あはは
は、はははは……」

内木(ボクの狙いバレてないよな……?)

咲(副会長は胡桃さん目当てなんだろうな)

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:34:30.74 ID:eZ13GtEu0

まこを通じてロリコンバレてるんだろうな……

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:39:06.97 ID:+Gx1HDaV0

白望「――おまたせ 一通り終わったよ」

照「ただいま 咲」

咲「もう! ただいまじゃないでしょ
いつもお姉ちゃんは――あ……」

照「おめかししてきた」

咲「お姉ちゃん スゴく可愛い……
いつもだけど、いつも以上に」

胡桃「シロってば相変わらずいい仕事するね!」

シロ「そうすか」

照「私が可愛くなったのは咲のため つまり
私がいつも、道に迷うのは咲のため」

咲「いやその理屈はおかしい! でも――嬉しいよ! お姉ちゃん!」

93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:46:44.99 ID:+Gx1HDaV0

咲「じゃあはやく帰ろう! お姉ちゃん
私のためにしてくれた事なら 私だけに見せて欲しいもん」

照「うん」

内木(なんというシスコンカップル……!
今日はなんて収穫の多い日だ 来てよかった……!)

白望「会計はこちらで――」

>――お預かりします
>またね あ……咲、今日の夜ごはんはスパゲティが
>カランカラーン

煌「いやはや 宮永妹さんはお姉さんしか
眼中にないといった感じでしたね」

胡桃「シロとエイちゃんがスゴいからねっ
それだってお店の自慢!」

塞「あれ? 咲ちゃんは……あれ? 帰っちゃったの!?」

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:51:26.83 ID:+Gx1HDaV0

数時間後――昼 岩手>理美容店ミヤモリ
煌「――さて そろそろ私も失礼しますね」

塞「あれ? もういいの?」

白望「みんなで閉店までのんびりしよう」

内木「しましょう!」

胡桃「シロはのんびりしすぎっ」

煌「……」

煌「いえ 見た目は整えて頂きましたし
それに――良いお話も聞かせてもらえましたので」

塞「そ、そう 私としては適度に思い出した後
忘れてもらえると助かるかな……はは」

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:56:27.43 ID:+Gx1HDaV0

煌「考えておきます! では、ありがとうございました
また会う日まで皆さん」

>カランカラーン

煌「……」
………
……

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 21:57:11.85 ID:+Gx1HDaV0

――「花田……なんでば東京に行く!」

――「私らと一緒にいよう約束は のうなったんか……?」

煌「……すいません」

煌「やはり私には 皆さんが用意してくれた場所は
荷が重すぎます……私では 皆さんの足を引っ張ってしまう」

――「そんなことなかばいて! インターハイば思い出しと」

――「花田をがとなか言うヤツんおったら 私がやかましゅ言うてやる!」

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:01:14.90 ID:+Gx1HDaV0

煌「……すいません」

――「なんでよ……花田 花田はそこまでネガティブばこと言わん!
すらごと言うな!」

煌「……」

――「っ……!」

――「もう知らん! 花田なんて
どこへとも行うてしまえ! 顔も見たくなか!」

……
………

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:06:59.92 ID:+Gx1HDaV0

>ぴっ、ぴっ
煌(怖いですねぇ 向き合うというのは)

煌(数年もの長い間、一度たりとも連絡を取り合わなかった
仲間達が その相手であれば尚更)

煌(きっと私はずっと逃げていたんですね
あのお店に……)

煌(強い結びつきを感じられる場所に……
別れた仲間達との 繋がりを感じさせてくれる場所に)

>トゥルルル トゥルルルル

煌(店主――次そちらにお伺いする時はきっと
逃げるためではなく 進むためにお邪魔いたします)

煌(そして感謝させて下さいな
自分の意も 仲間の意のどちらも蔑ろにしない
アナタ達の在り方が 私の背中を押してくれた事を)

煌「もしもし、花田 煌です――お久しぶりです 部長」

煌(きっと 仲間達と一緒に――)
カン!!!!

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:14:24.90 ID:+Gx1HDaV0

数時間後――夜 岩手>理美容店ミヤモリ
胡桃「さっ そろそろ閉店だよ!
帰った帰った!」

内木「せ、せめてあと一分 いやあと十秒――」

胡桃「めっ」

内木「めっいただきました――」
>カランカラーン
>バタンッ

胡桃「んっー……みんな! 今日も1日お疲れ様!」

塞「お疲れ様ー 先にあっち戻ってシャワー浴びるわ……」

白望「もう動けない……」

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:20:21.16 ID:+Gx1HDaV0

胡桃「もう! ソファーで寝たら風邪引くよ!
はい毛布!」

白望「ありがと……」

姉帯「お疲れさまー 二人とも」

胡桃「トヨネっ」

姉帯「ご飯なら あとあと30分くらいで出来上がるよー」

姉帯「今日はちょっと豪勢だから楽しみしててねー」

胡桃「うんっ だってさシロ!」
白望「起き抜けに食べるから……今は寝かせて」

胡桃「りょうかい!」

胡桃(今のうちに明日の仕込みを済ませておこっと
なんたって明日は――)

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:25:11.82 ID:+Gx1HDaV0

30分後――夜 岩手>理美容店ミヤモリ
住居スペース>居間
塞「ふーさっぱりさっぱり――うっわスゴっ
ローストビーフにチーズフォンデュ ケーキまであるじゃない」

塞「今日って誰かの誕生日とかじゃないわよね
コレって……」

エイスリン「キネンビ!」

胡桃「開店一周年のね! 正確には明日だけど」

姉帯「腕によりをかけて頑張ったよー」

姉帯「みんなとずーっと一緒にいた記念と
みんなとこれからも一緒にいたい 私からの気持ち」

塞「トヨネ……」

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:30:08.72 ID:+Gx1HDaV0

姉帯「えへへ……不束者ですけれど
これからも末永くよろしくねー」

塞「嫁入りかっ――まぁ私からもありがとう
これからもよろしく」

エイスリン「ウンッ アリガトウ」

胡桃「ありがとっ 店長として
これからも邁進するよっ」

白望(一周年か どおりで……あんな夢をみたわけだ
――ん 記念日ってことは……まさか)

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:36:12.10 ID:+Gx1HDaV0

エイスリン「シロ! ナンカ アオザメテル!」

白望「店長――明日の店の方針も
もしかして記念日仕様に……?」

胡桃「もちろん! 粗品を配ったり
割引で会計も少し勝手が違ってくるかな
開店前には特別な飾り付けを――」

白望「うん、明日は有給とるね 一日中
夢の中へ旅行しに行くから 探さないで下さい」

胡桃「めっ」

白望「なんてブラックな職場なんだ……」

胡桃「シロの名前で中和すれば グレーゾーン!」

白望「そんな無茶な……」

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:41:13.80 ID:+Gx1HDaV0

姉帯「それにしてもスゴイよねー」

塞「スゴイって?」

姉帯「高校生の時みんなとやってた事を 今のお仕事にしてるって」

エイスリン「ハフハフっ! ハムハフハフっ!」

姉帯「あ、わわわー 冷ましながら食べないと火傷するよー エイスリンさん」

塞「仕事なら麻雀でもよかったんだけど 胡桃に誘われてさ
こういうのも 意外と楽しそうかなって思ったのよね」

白望「というのは建て前で……塞は誘われるまでもなく
胡桃の居場所を一緒に作っていきたいって いつも言ってt」

塞「わーわー! もうシロ!」

胡桃「くす――」

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:46:11.03 ID:+Gx1HDaV0

塞「もう――でもさ シロまで乗ってくれたのは意外だった」

白望「……麻雀よりはダルくなさそうだし いつも自分で散髪してたから
……実際は免許とか試験とか面倒だったけど」

塞「シロらしい消去法だね」

姉帯「私は美容とかとか興味あったのが強いかなー
もちろん みんな一緒なのが第一だったけどね」

エイスリン「トヨネ! オシャレ!」

胡桃「エイちゃんもオシャレ! スタイリスト!」

塞「ふふっ、今となっては みんなオシャレになっちゃうのかな」

姉帯「うんうん みんな一緒だよー」

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:50:45.72 ID:+Gx1HDaV0

>イッショイッショ!
>あ、そこのオタマとってー
>えへへー


……
………

数時間後――夜 岩手>理美容店ミヤモリ
住居スペース>塞と胡桃の部屋
塞「――あっ そうだ胡桃?
って胡桃はシャワーだったか」

塞(……胡桃)
>カタン

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 22:55:47.81 ID:+Gx1HDaV0

塞(卒業式に撮ったこの記念写真)

塞(あれからもう何年も経ってるのに
私達はみんな 何も変わらずいられたね)

塞(変わらないために 変えてしまったこともモチロンある
でも 私達の本懐はいつでも同じままだった)

塞(これからもずっと このままでいられるかな……)

>ガチャ

胡桃「さ、塞……?」

塞「胡桃? どうしたの、隙間から顔だけ出して
湯冷めするから早く入ってきなさい」

胡桃「う、うん――えへへ どうかな?」

塞「どうってなにg――へ!?」

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 23:00:54.94 ID:+Gx1HDaV0

胡桃「じゃじゃん! タンスから引っ張り出してきたんだ」

塞「」

胡桃「みんなと話しているうちに色々と思い出しちゃって」

胡桃「あの頃から 腰とか胸周りとか
カラダがまるで成長してないのは複雑だけど……」

胡桃「変わり映えが少ないおかげで
高校の制服を着こなせると考えると 割とお得だね!」

塞「」

胡桃「塞……?」

塞「……は!」

塞(ヤバいヤバいヤバい! いまめちゃくちゃ見惚れてた!
何コレ不意打ちすぎんでしょ! と、とにかく落ち着くんだ 素数を数えてry)

118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 23:04:32.94 ID:+Gx1HDaV0

胡桃「あれ……? もしかして変だった?
襟が立ってるとか――」

塞「そ、そそんなワケないひゃニャい!」

胡桃「そっ よかった」

>ピョコン

胡桃「充電充電」

塞(……変わらないなぁ この感触も)

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 23:10:12.35 ID:+Gx1HDaV0

胡桃「さーえっ」

塞「なに?」

胡桃「好き」

塞「私も」

胡桃「お昼もその位オープンならいーのに」

塞「仕事中は別なんです」

胡桃「……分かってる 分かってるけど
ときどき怖くなるのっ」

胡桃「塞の好きがだんだん少なくなって
塞が私を 好きじゃなくなるんじゃないかって」

胡桃「変わっちゃうんじゃないかって……怖くなる」

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 23:14:48.89 ID:+Gx1HDaV0

塞(そっか 胡桃も私と同じことを……)

塞「……」

塞「大丈夫 私は変わらないよ」

塞「胡桃が小さくなったり大きくなったり
どんなに変わってしまったとしても 私の胡桃に対する気持ちは変わらない」

胡桃「ほんと?」

塞「うん だから胡桃は
胡桃の思うままに変わって 頑張ればいいの」

塞「私がいつまでも側にいるから ね?」

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 23:16:11.46 ID:+Gx1HDaV0

胡桃「嬉しい!」

>チュッ

胡桃「じゃあ いつもみたいにシてくれる?」

塞「する!」

塞「っていうか私は 胡桃のその姿を見た時からもう
ギューッとしたくてたまらなかったの――」

胡桃「きゃっ」

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/12(水) 23:19:54.29 ID:+Gx1HDaV0

昔を懐かしみながらする秘め事は いつも以上に燃え上がり

これからも変わらないという気持ちを誓いあうように

朝日が登るまで、二人は行為をただひたすら繰り返した――

>クルミクルミィ
>サエサエサエー
>ギシアンアン

白望「……この分だと
明日の準備は一人になりそうだな……ダルい」
もいっこカン!!!

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