【園城寺怜SS】怜「何しに来たん?」煌「遊びにですよ、遊びに」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:32:53.19 ID:fzQxmus10

次鋒戦中、新堂寺控え室にて

アラサー「ついに次鋒戦も前半が終わりましたね、前半を受けて後半ではどのように打ち筋を変えるか楽しみです」

煌「うーむ…」ソワソワ
姫子「流石の花田もこの状況は精神的にくるんとですかね」

哩「それはないとは思うけん、ただ」

姫子「ただ?」

哩「まあええ、ちょっと花田」

煌「は、はいっ!」

哩「行って来い、様子が見たいんだろ?」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:42:53.48 ID:fzQxmus10

煌「そうですね、いくら私がここまで点を失ったとはいえ誰かが後半戦に向けて声を掛けに行くべきですね」

哩「そうじゃなくて、千里山の見舞いにだ」

煌「えっ?」

哩「どうせお前のことだから救急車送りになったあの先鋒が気になって気になって仕方ないんだろ」

煌「確かにそれはそうですが…」

姫子「まー、少なくとも敵である他校の心配されると雰囲気わるーなるんだけど」

哩「姫子、その言い方はなかとね」

煌「そうですね、その意見は全くもって正論です」

煌「ただ、一人の雀士として共に卓を囲った友人が倒れて平気な人間であることはすばらくないと思います」

煌「私は捨て駒としての役割を果たしました、後は先輩方のすばらな闘牌に期待しています。では失礼します」ペコリ
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:47:31.46 ID:fzQxmus10

哩「行きおったか…にしても姫子あの言い方はなかとね」

姫子「でもあれくらいのほうが花田も行きやすいと思いまして」

哩「あのままだときっと断るだろうし、もしかして姫子…」

姫子「部長」

哩「ん?」

姫子「考えすぎは良くないですよー?」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:52:34.27 ID:Fq8QIPLJ0

この組み合わせはすばらです!
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:00:49.33 ID:HswCeVvs0

煌「考えなしに部屋を出てきてしまいました、どーすんのこれ…」

煌「千里山の応援してる子に監督か指導者の居場所を尋ねる、そしてその人にエースさんの居場所を尋ねる」

煌「この計画、実にすばらです!…っと早速千里山の制服の人が」

煌「こんにちは、お尋ねしたことがあるのですが」

竜華「ん?どないした?って新堂寺の先鋒やないか」

煌「おっと、大将の方ですね、そちらの先鋒の方のことでお尋ねしたいことが」

竜華「どーぞ」

煌「えっと先鋒さんが運ばれた病院にお見舞いに行きたいのですが」

竜華「丁度ええですね、是非こちらからもお願いしますわ」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:08:28.71 ID:HswCeVvs0

煌「?」

竜華「きっと怜もチームメイトであるウチらがいきなり様子見に行ったら怒ると思うんです。んなことより試合に集中せーやって」

竜華「ウチの部のコーチが付き添いで行ってるんですが、そんな大事やないって連絡があっただけで」

竜華「ウチとしてもウチらとしても怜の様子が細かく知りたいんですよ」

煌「そういう事情ですか、すばらな信頼関係ですね」

煌「私はあんなに点を失って、どうせ控え室にいたら戦犯扱いですし」

煌「様子見、任されましたっ!」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:14:33.70 ID:HswCeVvs0

染谷先輩「後は病室訪ねるまではカットでもええじゃろ?な?」

コンコン

煌「失礼します」

怜「な、なんで新堂寺が、ここ、に」

愛宕「ん、さっそくお見舞い第一号か、歓迎するでー」

煌「私個人の希望『も』ありましてお見舞いに参りました」

愛宕「へぇー」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:22:59.02 ID:HswCeVvs0

愛宕「怜、丁度いいし私は少し席を外す」

煌「い、いえそこまでして頂かなくとも」

愛宕「そういう訳じゃなくて煙草が吸いたくなってな、病院じゃ吸えへんやろ?」

愛宕「それに携帯で他の部員に連絡せなあかんしそのついでに外で吸ってくるわ、ほなよろしく」

煌「行ってしまいましたね…」

怜「あの人はそういう人なんよ」

煌「冷静さを失わないビジネスマンって感じがしますね」

怜「せめてウーマン言ったってや、一応あの人子持ちなんやし」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:27:57.02 ID:HswCeVvs0

怜「で、聞きそびれたけどこのタイミングで聞くわ」

怜「何しに来たん?」

煌「遊びにですよ、遊びに」

煌「仮病で病院送りにされるなんてすばらくないと思いまして」ニコッ

怜「凄い演技力やろ?役者でも目指してええかもな」

煌「本当に、元気そうで何よりで」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:40:51.00 ID:HswCeVvs0

怜「わざわざ見舞いどうもありがとな、しんd…」

煌「申し送れました新堂寺2年、花田煌です。先程の試合は実にすばらでしたよ、園城寺怜さん」

怜「すまんな、ウチ対戦相手の名前覚えてのーて」

煌「いえいえ、私もそんなものですから謝らないで下さい」

怜「花田さんはあのチャンピオンとは二回目の対戦やったっけ?」

煌「はい二回目です、あと花田と呼び捨てにして頂くか、煌とフレンドリーに呼び捨てていただいても構いませんよ」

怜「すまんな、じゃあ煌、チャンピオンに前回やられてよく大丈夫やったね」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:47:16.15 ID:fIQnhB6DO

咲で一番楽しそうに麻雀してたのはすばらさんだと思う
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:52:50.89 ID:HswCeVvs0

煌「まあそれには戦略上の秘密があるのでお答えできませんが…」

怜「アカンこと聞いてしまったみたいやな」

煌「でも、お教えしましょう」

怜「大丈夫なん?もし決勝に千里山と新堂寺が同時に上がったら戦略バレたらマズいんとちゃう?」

煌「いいってことですよ、だって新堂寺が一位抜けして二位はまあ妥当な所で白糸台になるでしょうし」

怜「さっきからナマなこという年下やなー、最多失点してるのによーゆうわ」

煌「まあ冗談ですよ、冗談。ただ私の呼びかけに応じてくれたすばらな園城寺さんへの感謝のしるし代わりです」

怜「ウチも下の名前で呼んどるし、怜さんでええで、こっちだけ下の名前呼びは恥ずかしいわ」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:02:47.73 ID:HswCeVvs0

煌「では、怜さん。極論ですが私は正直トバされなければ仕事を遂行したことになるのです」

怜「えっと、どういう意味なん?」

煌「深い意味はありません、新堂寺は元より先鋒戦を捨てているというだけです」

煌「だから捨て駒の私が次鋒以降の4人にバトンを回せば私の仕事は成功ということですね」

怜「えっと…」

煌「おっと、同情はしないで下さい。私はこの役目を誇りに思っています、実にすばらな役目です」

煌「だから同情は不要です、ああやって早流ししようとしたのも私の役目を全うしただけです」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:14:55.70 ID:HswCeVvs0

怜「そういうことやったんか、あの早流しを催促するような打ち方にも納得したわ」

煌「そういうことになりますね、後一つあんな打ち方をしたのかと強いて言うなら怜さんと同じ理由ですよ」

怜「あぁ、煌も一巡先が見えるんか?仲間が出来て嬉しいわ」

煌「そんな訳ありません、ってやっぱり一巡先が見えるんですか」

怜「やっぱり気付かれたたかーまあでもこれでウチもネタばらしたし、おあいこやな」

煌「そのフェアプレー精神、すばらです。でもソレが原因で次は負けても文句言わないで下さいよ」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:26:59.30 ID:HswCeVvs0

怜「言わへん言わへん、煌のあの早流しの呼びかけへのお礼や」

煌「お礼?」

怜「煌があんな安手で聴牌してるって伝えてくれんかったらずっとあの卓を二人のものにしてた」

怜「そしたら今回より酷い結果になったやろなぁ」

煌「そうですね、私だけ変なフーロし続けて変な子扱いですよ」

怜「話戻るけど私と同じ理由とやらって何?」

煌「私も仮病なんですよっ!」

怜「もうそういうのえーから」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:36:58.03 ID:HswCeVvs0

煌「あのチャンピオンをここで落としたかったのでしょう?」

煌「そうでもなければあのオーラスで私か阿智賀がトぶのを待ったほうが懸命です」

怜「おお、当たっとる。もうウチも倒れとーないしな、二度目は簡便や」

煌「あと私には個人的な理由があってですね、誰もトばしたくなかったのですよ」

怜「はぁ」

煌「誰かがをトばしで試合に勝つのは立派ですが、それじゃ納得いかない、大将までバトンを繋げて勝ちたいんです」

怜「知り合って間もないけどなんか煌らしいな」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:39:48.45 ID:cBEvty3n0

この二人は大会後も連絡とっててもおかしくない
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:45:52.81 ID:HswCeVvs0

怜(ウチにとっては竜華にバトンを繋いで勝つ、か…)

怜(ひたする勝つことを貪欲に求めてきたけど、そういう考えもアリかな)

怜(でも、来るなとは言ったけど大将戦まで時間があるんやし竜華くらいきてくれてもええんとちゃうかな、泣きながら)

煌「どうかしました?」

怜「本当にここを逃したらもうあのチャンピオン止まらんやろなと思ってな」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:54:54.95 ID:HswCeVvs0

煌「というと?」

怜「いやな、阿智賀がドラ置き場になって、煌が早流しを手伝ってくれて、ここまで恵まれた状況もなかったんやない?」

煌「そうですね、二回戦なんて私だけが必死に役牌のみで上がって止めるゲームでした」

煌「怜さんみたいに私の意図を読んでくれるすばらな方はいませんでした」

怜「多分、そこなんやろなぁ。ウチが仮病こじらせるまで必死になったんは」

怜「決勝でチャンピオンとその他の魔物相手するなんてウチには無理や、HP的に」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:59:37.28 ID:x2huB0XR0

ドラ置き場言うなwwww
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:06:51.57 ID:HswCeVvs0

怜「そんなわけで本当にありがとうな、煌」

煌「そのセリフは決勝へ新堂寺と千里山とが上がるが決定してからでお願いします」

怜「それもそうやな、ところでなんでウチの病院とかわかったん?」

煌「会場で千里山の大将の方から伺いました、見た目も言動も実にすばらでした」

怜「竜華か!竜華のやつウチに何か言っとった?」

煌「いいえ、特には何も…」

怜「そうか…」
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:16:32.64 ID:HswCeVvs0

煌「ってなんで暗い顔してるんですか、怜さん」

怜「病人やから、多少はね」

煌「でも本当に怜さんと大将さんとは信頼関係が強固ですね」

怜「えっ」

煌「大将さんが『ウチらは怜の帰りを信じとるから余計なことは言わない』って仰ってましたよ」

煌「直接的な言葉がなくても信頼関係は崩れませんからそんな病人みたいな暗い顔しないで下さい」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:23:03.12 ID:HswCeVvs0

怜「はいはい、どうもご高説ありがとーな」

煌「多少はお顔に血の気が戻ったようで何より」

煌「ちなみに私は帰ったら大将さんにお礼を言いにいきますが、何か伝えたいことはありますか?」

怜「んーそうやな」

怜「何も伝えんでええわ」ニコッ

煌「すばらです」ニコッ
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:26:19.92 ID:HswCeVvs0

煌「ではそろそろ私は試合会場に戻ります」

怜「そうか、試合中にわざわざ来てくれてホントありがとうな。楽しかった」

煌「こちらこそ、すばらな一時を過ごさせていただきました、では失礼します」

怜「待って、煌」

煌「はい?」

怜「決勝の卓でまた会おうな」

煌「はいっ!」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:31:22.57 ID:HswCeVvs0

愛宕「ふぅ…連絡も楽じゃないわ、ってあの見舞いの先鋒の子は?」

怜「帰りましたよ、試合中でしたし」

愛宕「えらい楽しかったって顔しとるな、怜」

怜「それより一つ質問いいですかコーチ」

愛宕「ええよ」

怜「コーチってタバコが死ぬほど大っ嫌いでしたよね、なのに連絡ついでにタバコを吸うってどういうことですか?」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:39:06.40 ID:HswCeVvs0

新堂寺控え室

煌「ただいま戻りましたっ!」

哩「おかえり」

姫子「せっかくの次鋒の頑張り見逃すなんて、すばらじゃないよー」

煌「ごめんなさい。でもその言葉遣い、かなりすばらです」

煌「あの、部長、姫子。少しお話が」

煌「私とある病気の少女に決勝まで進出すると約束してしまいました」

煌「そんな訳で、私の失点もありますがどうにか後はよろしくお願いいたします!!」ペッコリン

哩「言われなくとも、」

姫子「元からそのつもりだって!」

煌「…すばらっ!!」
おわり

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