【蒲原智美SS】蒲原「久しぶりー」ワハハ 睦月「あ、先輩……」

1 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】 2012/10/04(木) 21:46:03.97 ID:QpwJP5Bb0

蒲原「むっきー、元気してたかー?」

睦月「え、ええ……まあ」

蒲原「お土産だぞー」ドサッ

睦月「どら焼き……ですか」

蒲原「おいしそうだろー」ワハハ

睦月「どこか有名なお店のものですか?」

蒲原「いや、そこのスーパーで買ってきたー」ワハハ

睦月「なんですかそれ……」

2 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 21:51:01.45 ID:QpwJP5Bb0

睦月「……」ハムッ

蒲原「ワハハー、うまいかー?」

睦月「……んぐ……え、ええ」

蒲原「ところでむっきー、佳織やモモはどうしたー?」

睦月「えっと……」

蒲原「??」

睦月「先輩、実はですね……そのことでひとつ、先輩に相談がありまして……」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 21:55:44.45 ID:SIojOX2c0

むっきー×ワハハとな

7 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:02:24.10 ID:QpwJP5Bb0

蒲原「なんだってー!? 二人が部活に来なくなった!?」

睦月「はい……」

蒲原「どうしてまた……」

睦月「……」

睦月「おそらくですが、私なんかが部長を務めるこの部に、嫌気がさしたんだと思います……」

蒲原「そ、そんな……来なくなったのはいつ頃からなんだ……?」

睦月「……先輩方は引退後もちょくちょく顔を出しに来てくれましたよね?」

睦月「そのおかげか、3月まではまったく問題もなく活動していたのですが……」

睦月「先輩方が卒業し、新学期になったとたん、二人とも部室にくる回数が極端に減っていって……」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 22:05:58.89 ID:xK338sMo0

出だしからちょーきついよー

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 22:07:05.29 ID:SIojOX2c0

ワハハ、いきなり重いなー…

11 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:08:26.39 ID:QpwJP5Bb0

睦月「もちろん新一年生たちを勧誘してはみました……」

睦月「その頃はまだ、妹尾さんも桃子もしぶしぶながら活動には参加してくれていたので……」

睦月「ですが、興味を持ってくれるような子は誰一人いなくて……」

睦月「……」

蒲原「……」

睦月「そして今では、二人とも月に何回か足を運んでくる程度になってしまいました……」

睦月「今月に至ってはまだ顔も見ていません……」

睦月「……っ」

蒲原「むっきー……」

13 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:12:35.69 ID:QpwJP5Bb0

睦月「……!」ハッ

睦月「ご、ごめんなさい……! いきなりこんな暗い話をしてしまって」

睦月「今日はせっかく先輩が遊びに来てくれたというのに……私ったらダメですね、ほんとすみません……」

蒲原「いや、いいんだむっきー……」

睦月「た、楽しい話をしましょう! あ、そうだお茶入れてきますね?」タタタッ

蒲原「……」

蒲原(私が卒業してから、こんなことになっているなんて……)

蒲原(……)

蒲原(わたしはどうしたらいいんだ……ゆみちん……)

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 22:13:37.30 ID:KM4c3gW40

モモは毎日来てるけど、むっきーに気付かれてないだけじゃないのか

16 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:23:18.29 ID:QpwJP5Bb0

睦月「それで、東京の生活はどうですか? 大学は楽しいですか?」

蒲原「え、えっと……うん、まあそれなりだぞー」

蒲原「大学は、残念ながらゆみちんとは違うとこになっちゃったけど、まあ充実してるかなー」

睦月「充実……ですか。それはよかったです」

蒲原「……む、むっきー」

睦月「せ、先輩はたしか一人暮らしですよね。大変じゃないですか?」

蒲原「うん、大変だぞー。なにしろ掃除に洗濯、料理までぜーんぶ自分でこなさなきゃならないんだからなー」ワハハ

睦月「でも、たしか門仲におばあさまの家があるとか言ってませんでした?」

17 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:32:34.25 ID:QpwJP5Bb0

蒲原「まあなー。でも、大学は左の方だから門仲からだとそれなりに時間かかっちゃうんだよなー」

睦月「同じ東京といっても乗り換えとかあるとけっこう大変そうですしね」

蒲原「うんうん、それに母ちゃんが『もう18なんだから一人暮らしくらいしてみなさい!』って言って無理やり……」

睦月「厳しいお母さまですね」

蒲原「まあ、早起きするのはつらいけど、それなりに頑張ってるよー」ワハハ

睦月「ふふ、それはなりよりです」

蒲原「……むっきー」

睦月「ん、なんですか?」

蒲原「私のことなんかより、お前の方は……」

睦月「……っ」

18 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:37:44.08 ID:QpwJP5Bb0

睦月「そ、その話はもういいですって……」

蒲原「で、でも……!」

睦月「……せめて」

蒲原「……?」

睦月「せめてこんな時くらい……楽しい気持ちでいさせてください……」フルフルッ

蒲原「……」

蒲原(むっきー……すごくつらそうだ……)

蒲原(私はむっきーのこんな姿、見たくない……でも)

蒲原(私に何ができるっていうんだ……っ)

20 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:41:55.01 ID:QpwJP5Bb0

睦月「……」

蒲原「……」

睦月「……先輩」

蒲原「……な、なんだ? むっきー」

睦月「……」

睦月「……麻雀、打ちませんか?」ニコッ

蒲原「……」

蒲原「……うん」

―――それは、今にも涙がこぼれてきそうなほど、脆く儚い笑顔だった……

21 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:45:21.18 ID:QpwJP5Bb0

睦月「……」カチッ

蒲原「……」カチッ

蒲原(……)

蒲原(こんなことをしていて……いいのか?)

蒲原(今はいいのかもしれない……だけど、私が東京へ帰ったあと、むっきーはどうなる……?)

蒲原(……)

蒲原(これは、逃げでしかない……むっきーにとっても、私にとっても……)

蒲原(……)

蒲原(こんなとき、ゆみちんならどうするんだろうな……)

23 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:48:08.27 ID:QpwJP5Bb0

蒲原「……っ」

蒲原(またゆみちんゆみちんって……私はいつもそればっかりだな……)

蒲原(自分では成長した気になっていても、何も変わっちゃいない……)

蒲原(後輩ひとり救えないようじゃ……部長失格だ)

蒲原(いやそもそも、私はもう部長じゃないんだったな……)

蒲原「ワハ、ハ……」カチャ

睦月「先輩……どうかしましたか?」

蒲原「……」

26 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:51:55.49 ID:QpwJP5Bb0

ガタッ

睦月「先輩……?」

蒲原「……むっきー」

睦月「は、はい……」

蒲原「……」

蒲原「ちょっとドライブにでも行かないか?」ワハハ

睦月「え」

―――――――――――――――――――

車内

睦月「あれ……普通だ」

蒲原「どうしたー? むっきー」ワハハ

睦月「先輩……運転うまくなってません?」

蒲原「そうかー? 東京の道路に慣れすぎたのかもなー」ワハハ

27 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 22:56:07.13 ID:QpwJP5Bb0

睦月「それより、いきなりどうしたんですか。ドライブだなんて」

蒲原「いやぁ、なんだ。室内で麻雀ばかり打ってても退屈だろうと思ってなー」

睦月「……まさか先輩、さっき私に負けてたから中断したわけじゃないですよね……?」ジトッ

蒲原「ま、それもちょっとはあるけどなー」

睦月「あるんですか!」

蒲原「ワハハー」

睦月「もう……」

蒲原「……むっきー」

睦月「なんですか?」

蒲原「もういいんだぞ」

睦月「えっ……」

30 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 23:01:11.42 ID:QpwJP5Bb0

蒲原「もう無理するなー」

睦月「……」

蒲原「たぶんお前のことだから、『先輩たちが残してくれた麻雀部を守りきらなければ!』なーんて思ってたんだろー」

睦月「そ、そんなこと……」

蒲原「……むっきー、あのなー」

睦月「……」

蒲原「鶴賀の麻雀部での思い出は、私の中では宝物だ。それは死ぬまで……いいや死んでからも変わらないさー」

蒲原「それはおまえも同じだろー?」

睦月「……」

32 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 23:11:30.42 ID:QpwJP5Bb0

蒲原「だからこそ、部活を守り、受け継いでいくってことはとても尊いことだと思う」

蒲原「でもなー」

蒲原「そのことがお前を縛り付けて、苦しめてるんなら、私はそんなもの捨ててしまってもかまわないと思ってる」

睦月「……」

蒲原「だって本末転倒だろー? 楽しむために部活やってるのに、それを守るために苦しまなきゃならないなんて」

睦月「……で、でも」

蒲原「ん?」

睦月「でも……楽しいことばっかりじゃないはずです。苦しいことだってあります……」

睦月「それが部長という立場ならなおさらです。だから私は……!」

蒲原「……」

蒲原「そうだなー。苦しくても頑張った思い出があるからこそ、楽しかったときの思い出が映えることだってあるなー」

蒲原「でもそれは、みんなで、だろ?」

睦月「……」

35 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 23:18:48.29 ID:QpwJP5Bb0

蒲原「もしかしたら、むっきーは必要以上にお固くなりすぎてしまったのかもしれないなー」

蒲原「それは、ちゃんとこういうことをお前に教えてこなかった私の責任でもある」

睦月「そんな……先輩のせいなんかじゃないです……」

蒲原「……」

睦月「先輩は……私にとっては憧れの先輩でした」

睦月「部員を縛りつけることなく、それでいてチームの心を引きつけ、まとめあげてしまう……」

睦月「たしかに加治木先輩に比べたら少し頼りないですし、いつも飄々としていてふざけてるように見えます……けど」

睦月「そんな先輩が……私は誇らしかった」

睦月「そして……私もこんな部長になりたいと、そう思ってました」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 23:32:37.41 ID:XAU+vuMZ0

この二人は良いな

39 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 23:36:06.31 ID:QpwJP5Bb0

蒲原「それは、なんか照れくさいなー」ワハハ

蒲原「でも……ありがとう」

睦月「……はい」

蒲原「……」

蒲原「……むっきー」

睦月「……はい」

蒲原「あとは考えるだけだ。むっきー自身が」

蒲原「一人で部を守っていくもよし、佳織やモモに向き合うもよし」

蒲原「少し活動を休めていろいろ考えるもよし、全部投げ出して新たな一歩を踏み出すもよし、さ」

蒲原「むっきーが考えて考えて、考え抜いた末に出した結論なら、私は応援するよ」

蒲原「だってそれは、『ただがむしゃらに部活を守っていかなくちゃ』っていう責任感に囚われていた今までのものとは違うんだから」

睦月「……」

45 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 23:43:00.37 ID:QpwJP5Bb0

睦月「……わかりました。私、考えます」

蒲原「……うん」

睦月「考えて、考え抜いて、そして自分で決めます……自分のやりたいことを」

蒲原「うん、がんばれよ」

睦月「……」

睦月「……っ」ポロッ

睦月「……ぅ……っく……」

蒲原「ど、どうしたんだ?」

睦月「!」ゴシゴシ

睦月「な、なんでも……ありません……っ」

睦月「それより先輩、前見てください……」

蒲原「え……ああああっ!!」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 23:45:30.07 ID:XIsdLgMk0

ころたああああん

48 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 23:47:12.64 ID:QpwJP5Bb0

キキッ

衣「ふぇ……」

衣「ふぇえええええええええええええええん!!」

透華「衣、大丈夫ですの!?」

―――――――――――――――――――

蒲原「ふぅ……危なかったなー」ワハハ

睦月「よそ見するからですよ、まったく」

蒲原「だってむっきーが泣いたりするから……」

睦月「泣いてませんっ!」

蒲原「んー? ほんとかー?」

睦月「ほんとですよ!」

蒲原「それならいいがなー」ワハハ

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 23:50:38.38 ID:fyZjiUxB0

ころたんセーフ

52 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/04(木) 23:52:42.70 ID:QpwJP5Bb0

睦月「ところでこれ、どこへ向かってるんですか?」

蒲原「んー? 海」

睦月「……え? 今なんて?」

蒲原「だから海だって」ワハハ

睦月「えええええっ!? わたし明日学校ですよ!」

蒲原「まあいいじゃないかー、一日くらい」

睦月「よくないです! 私たちは大学生とは違うんですから!」

蒲原「ワハハ、ちょっとスピード早めるぞー」ブィーン

睦月「ちょ、ま、待ってくださいっ!!」

蒲原「長野の道路は広いなー」ワハハ

睦月「だ、誰かとめてぇえええええええ!!」

54 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/05(金) 00:00:19.01 ID:ENm7D/vJ0

蒲原「とうちゃーく」キキッ

睦月「……」

蒲原「大丈夫かー? むっきー」

睦月「うっ……!」ダダッ

ゲェエエエエ

蒲原「おいおい……あんまり無理するなよー」

睦月「だ、誰のせいだと思ってるんですか……それにもう夜ですよ! 帰れないじゃないですか!」

蒲原「飛ばせばまだ間に合うぞー」ワハハ

睦月「もう乗りたくありませんっ!」

蒲原「まあまあ、ウチに泊まってけばいいじゃないかー」

睦月「はあ……もういいです」

蒲原「ごめんごめん、謝るよむっきー」

睦月「もう知りませんよ!」プイッ

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 00:10:38.77 ID:gBGCkjnkO

ワハハは良いなー

58 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/05(金) 00:11:17.58 ID:ENm7D/vJ0

睦月「……」

蒲原「……」

睦月「……なーんて」

蒲原「え」

睦月「少しからかってみただけですよ」フフッ

蒲原「び、びっくりさせるなよー……」ハァ

睦月「先輩……ありがとうございました」

蒲原「ん、なにがだ?」

睦月「先輩のおかげで、なんかいろいろと吹っ切れました、わたし」ニコッ

蒲原「そのことはもういいってー」ワハハ

睦月「……」

睦月「……これからも」

蒲原「えっ?」

睦月「これからも、また遊びに来てくれますか?」

59 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/05(金) 00:19:47.11 ID:ENm7D/vJ0

蒲原「んー、まあそう簡単にはこれないけどなー。なにせ長野と東京だし」

睦月「そう……ですよね」

蒲原「なに落ち込んでるんだよむっきー。誰も来ないとは言ってないだろー」

睦月「先輩……」

蒲原「暇になれば行くさー。むっきーの楽しそうな姿を見になー」ワハハ

睦月「……ふふ」

睦月「それじゃ、私も楽しくしていられるよう、がんばらなくちゃいけませんね」

蒲原「ああ、素敵な笑顔を見せてくれよー」

睦月「はい!」
カン
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 00:20:23.35 ID:90JZIVNk0


もっとワハむき流行って欲しいです

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする