1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 03:37:35.74 ID:6dN37PpL0
蒲原「なぁユミちん、私、今度一緒に無人島いってくるぞー」ワハハ
ゆみ「何でまたお前は急にそんな考えに至ったんだ?」ハァ
蒲原「こないだテレビで無人島生活あっただろ、私もいつかやりたいと思ってたんだー」トッタドー
蒲原「それでなー、龍門渕の豪邸に行った時にその話を衣にしたんだー、そしたらなー」
衣『衣も無人島に行きたいのだ!大人の衣ならば無人島で生き延びることなんぞ容易いのだ!』
蒲原「――と言って、ハギヨシさん同伴を条件に岩手の無人島に一緒に連れてってくれるそうだー」ワハハ
佳織「ハギヨシさんがいるなら安心だけど……智美ちゃんってアウトドアの知識あったっけ」
蒲原「おいおい、私だって事前準備もなしに危ないところに行ったりなんかしないぞー?」
蒲原「それにもう一人強力な助っ人がいるんだ」
睦月「強力な助っ人?」
蒲原「衣が全国大会で知り合った子でな、ちょーデカイぞー」ワハハ
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 03:49:17.83 ID:6dN37PpL0
――当日
衣「皆よ、準備は出来ておるか!」
蒲原「こっちは問題ないぞー」
豊音「まさか私まで誘ってくれるなんてちょーうれしいよー!」
衣「豊音よ、お前はぼっちなんかじゃないのだ! 衣がついてるのだ、安心しろ!」
豊音「嬉しいよー、衣ちゃんありがとー」ウルウル
衣「うむうむ! それではハギヨシ、出発しようではないか!」
ハギヨシ「ハッ」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 03:59:08.61 ID:6dN37PpL0
――無人島
衣「着いたのだ!」
蒲原「綺麗なところだなー」ワハハ
豊音「空気が綺麗だねー!」
ハギヨシ「それでは私は船で待機しております」
衣「うむ! ご苦労であった!」
豊音「これからどうしようかー」
蒲原「よーし、まずは住むところを確保するぞー」
衣「おー!」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 06:24:08.42 ID:o6Y4BtAAO
組み合わせに一抹の不安が残るが…
期待
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 07:08:19.06 ID:FqkBqGfAO
と、豊音がいるから大丈夫……(震え声)
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 08:30:23.64 ID:6dN37PpL0
蒲原「おー、あんなところに洞穴があるぞー」
衣「あそこならば雨風をしのぐことができるな!」
豊音「縄文時代みたいだよー!」ドキドキ
蒲原「いってみるかー」ワハハ
蒲原「どうやらトヨネも眠れるだけのスペースはありそうだな」
豊音「私大きいから入らないかと思ったけどよかったよー」
衣「しかし真っ暗で何も見えないのだ……それに少し寒い」
蒲原「暖を取る必要がありそうだなー」
衣「でも、どうやって火をつけるのだ?」
蒲原「じゃーん、虫眼鏡だー! これで火をおこすぞー」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 08:42:20.18 ID:6dN37PpL0
蒲原「今なら晴れてるし、やるなら今のうちだぞー」
豊音「でも燃やすものなんてないよー?」
蒲原「冬だし枯れ葉がいっぱいあるだろうから、それを集めて燃やすんだー」
衣「よし、日没までの間に、枯れ葉拾いだ!」
蒲原「でもそれだけじゃ駄目なんだぞ、誰かが食料を取りに行かないとなー」
豊音「確かにこのままじゃおなかペコペコだよー」
衣「ではどうするのだ?」
蒲原「私が海にもぐって食料確保だー」ワハハ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 08:56:18.23 ID:6dN37PpL0
衣「おぉ、『獲ったどー』をやるのか!」
豊音「ちょーかっこいいよー!」キラキラ
蒲原「ハギヨシさんが地元の人の許可を貰ってくれているそうだ」
蒲原「これで好きなだけモリをつけるぞー」ワハハ
衣「こ、衣も、魚捕まえて『獲ったどー』をやりたいのだ!」
豊音「私もー!」
蒲原「『獲ったどー』は枯れ葉でもなんでもできるんだけどな、弱ったなー」
蒲原「そうだ、じゃんけんで役割を決めようじゃないかー」
蒲原「枯れ葉を集める係、海に潜って食料を確保する係、テーブルを作る係」
蒲原「じゃんけんが強い人順に好きな係を選べることにするぞー」
衣「じゃんけんならば恨みっこ無しだな!」
豊音「絶対勝つよー!」
蒲原「それじゃあいくぞー! じゃんけん……」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 09:15:47.75 ID:6dN37PpL0
――海
衣「衣の勝ちだー! いっぱい魚を取るぞー!」
衣「きっといろんな魚がおるのだろうな! 楽しみだぞ!」
衣「ハギヨシが衣用のウエットスーツまで用意してくれたのだ! ただでは帰らんぞ!」
――洞穴
豊音「……うー、負けちゃったよー」
豊音「畑は手伝いで耕したことがあるけど、テーブルなんてつくったことないよー!」
豊音「とりあえず木材を集めればいいのかなー?」
――森
蒲原「というわけで枯れ葉集めをするぞー」
蒲原「衣はやる気満々だし、トヨネは体力ありそうだから、なんとかなるだろー」
蒲原「そうだ、枯れ葉集めのついでに食べれる山の食材を集めるとするかー」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/09(水) 11:28:05.21 ID:4qMfFSFL0
ハギヨシがいるから大丈夫だと思いたい
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 11:47:59.19 ID:c11Uf07DP
知らなかったのか?
カンコロからは逃げられない!
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 12:04:23.65 ID:6dN37PpL0
――海中
衣「うぅ!冬の海は思っていたよりも冷たいのだ!」ブルブル
衣「しかし皆が衣が捕らえた獲物を待っておるのだ! そうやすやすと帰るわけはいかん!」
衣「まずは潜ってみるのだ!」
ザバッ
衣(おお!海の中は綺麗ではないか!魚や貝がいっぱいおるぞ!)
衣(しかし、思ったよりも息が続かんな)
衣(……限界か)
ザバッ
衣「ぷはぁ!」
ハァハァ
衣「……これは大変な大仕事だぞ」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 12:26:28.85 ID:6dN37PpL0
――洞穴
豊音「大きな木材みたいなの持ってきたよー」ワーイ
豊音「智美ちゃんが持ってきた鉈でこれで今からテーブルをつくるよー」
豊音「よいしょ、よいしょ」
ギコギコ ギュッギュッ
豊音「……あれーおかしいなー、うまくいかないよー!」
豊音「テーブルの物を載せる部分はできたんだけど」
豊音「気づいたら玄関台みたいになってたよー!」
豊音「テレビみたいに大きいテーブルは作れないよー……」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 15:58:28.43 ID:6dN37PpL0
――森
蒲原「枯れ葉は大分集まったぞー」ワハハ
蒲原「あとは食材だが、とりあえずおいしそうなキノコや山菜を探してみるかー」
蒲原「おっこっちのキノコはおいしそうだなー、とりあえずあるだけ採ってかえるかー」
蒲原「白いキノコや変な模様のキノコには毒があると聞いたことがあるなー、これはスルーだなー」
蒲原「おっこっちの花もおいしそうだなー、野草はヨモギとかヤマイチゴとか無難なのを採っておくかー」
蒲原「うーん、でもあまり自信が無いなー。あとでハギヨシさんに聞いてみるかー」ワハハ
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 16:15:06.79 ID:6dN37PpL0
――海中
衣「大分息が続くようになったぞ! 衣だってやればできるのだ!」
衣「よし、そろそろ今宵の獲物を狙いに馳せ参じるとしよう!」
ザバッ
衣(何か衣を楽しませてくれる獲物はおらんのか!)
衣(んっ?)
シャアアアアアアアアアア
衣(なんなのだ!? あの蛇みたいに長い魚は!?)
衣(そうか! 智美に聞いたことあるぞ! あれはウツボだ!)
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 16:29:41.73 ID:6dN37PpL0
衣(アレを生け捕りにすれば、皆もさぞかし驚くであろう!)
衣(決めたぞ! 衣は奴を狩る!)
シャアアアアアアアアアア
衣(気づかれていないようだな、よしよし)
衣(まずは奴との距離を狭める)
衣(慎重に、息を潜めるのだ)
シャアアアアアアアアアア
衣(奴との距離は残り1m弱)
衣(既にテンパイといったところか)
衣(息もあまりもちそうにない、一気に決めるぞ!)
衣(河底撈魚!)シュッ
ザクッ!
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 17:11:16.51 ID:6dN37PpL0
衣(やったのだ!奴に刺さったのだ)
シャアアアアアアアアアア
衣(自分の体をモリに巻きつけただと!? まだ動く余裕があるのか!? しぶとい奴だ!)
衣(このまま上まで一気に……!)
ガブッ
衣(ああああああああああああああああああっ!)
ゴボゴボ
衣(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!)
衣(こやつめ!最後のあがきか!)
衣(今すぐにでもこのモリを捨ててしまいたい!)
衣(で、でも智美や豊音がお腹を空かせて待っているのだ!)
ゴボゴボ
衣(ここは力を振り絞る時だ!)
ザバッ
衣「ぷはあああっ! あああああああ!痛い!痛いのだ!」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 17:25:59.89 ID:6dN37PpL0
――衣がウツボに噛まれる少し前
ハギヨシ「……水中望遠鏡で覗いたが、衣様には異常なしか」
蒲原「ハギヨシさん」ワハハ
ハギヨシ「これは蒲原様、どうかなされたのですか?」
蒲原「野草やキノコを採ってきたんだが、毒の食べ物があるかどうか見分けていただけないかー」
ハギヨシ「承知いたしました。……うむ、確かに何種類か毒が混ざってますね」
蒲原「本当か!? 危うく口にするとこだったぞー」
ハギヨシ「これは安全ですね、これは駄目、これは……」
衣『ぷはあああっ! あああああああ!痛い!痛いのだ!」』
蒲原&ハギヨシ「!?」
衣「ああああっ! 手が、手に激痛が!」
蒲原「どうしんだ、衣!」
衣「ウツボに噛まれたのだ! 早くっ、助けて!!」
ハギヨシ「待っていてください、すぐに救出を!」
ザバッ
蒲原「私のせいだ……私がじゃんけんなんて提案しなければ衣は……」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 17:42:12.64 ID:6dN37PpL0
――その後、衣はハギヨシさんに救出され、衣の手に噛み付いていたウツボははずされた
消毒処置は行われたから命に別状は無いみたいだが、傷が深く、念のため本土の病院に連れて行かれることになった。
蒲原「……すいません、私のせいで」
ハギヨシ「衣様の監視を怠った私にも責任はございます、どうかそう気をおとさないでください」
蒲原「でも……」
衣「そうだ。めげるでない、智美」
蒲原「衣!?……もう、平気なのか」
衣「……まだ噛まれた手がズキズキするぞ。利き手だったし、しばらくは麻雀も楽しめないかもな」
蒲原「そうか……」
衣「しかし、案ずるな。衣はこの程度ではくじけぬわ!」
衣「それに……短い期間であったが無人島生活も楽しかったのだ!また来たいのだ!」
蒲原「衣……」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 18:01:12.99 ID:6dN37PpL0
衣「そうだ、忘れていたのだ!」
蒲原「?」
衣「ウツボ、獲ったどー!」
蒲原「……ハハッ」
衣「?」
蒲原「ワハハハハッ!! 衣、今の最高に似合ってたぞー!」
衣「だろう!」
蒲原「ワハハッ……また、みんなで来たいな」
衣「そうだな!」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 18:24:36.92 ID:6dN37PpL0
ハギヨシ「それでは衣様、病院に行きましょう」
衣「わかったのだ! そうだ、智美! そのウツボは豊音といっしょに食べてくれ!」
蒲原「いいのかー?」
衣「衣がお前達の為に死力を尽くしてとってきたのだぞ! 遠慮なく食べてほしいのだ!」
蒲原「本当は三人で食べたかったんだがなー」
衣「それはまた今度でもよかろう!」
蒲原「それもそうだなー」ワハハ
ハギヨシ「では、お二人は明日の昼に迎えに参りますので、もしもの時は私の携帯に報告を」
蒲原「私達は衣の分までエンジョイしたいからなー、よろしく頼むー」
ハギヨシ「わかりました……それでは出発したします」
衣「智美、またな!」
蒲原「じゃあなー」ワハハ
蒲原「……行っちゃったか」
蒲原「さーて、トヨネのところにもどるかー」ワハハ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 22:04:36.29 ID:6dN37PpL0
――洞穴前
豊音「そっかぁ、天江さんの件は残念だったねー」
蒲原「ああ、その代わりいっぱい食材とってあるぞー」
豊音「わーい」
蒲原「何とか火はついたなー」
豊音「ちょー暖かいよー」
蒲原「ワハ八、じゃあ今からさばいたウツボ焼くぞー」
豊音「わぁー、おいしそうだねー」キラキラ
蒲原「衣の獲って来たウツボだぞー、腹いっぱい食べるんだー」ワハハ
ジュー
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 22:22:26.31 ID:6dN37PpL0
ムシャ ムシャ ボリ ボリ
蒲原「うまかったなー」
豊音「蒲原さんのキノコもおいしかったよー!」
蒲原「あっ……満月だ」
豊音「本当だ、月の光で海がキラキラしててきれいだねー!」
蒲原「衣にも見せてやりたかったなー」
豊音「そうだねー!」
蒲原「……知ってるかー、衣は満月の夜に麻雀すると強いんだぞー」
豊音「そうなんだー、じゃあ天江さんの怪我が治ったら、このメンバーで麻雀しようよー!」
蒲原「ワハハ、きっと私はビリだなー」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 23:00:53.81 ID:6dN37PpL0
豊音「でも麻雀はやっぱり四人で打ちたいよねー」
蒲原「ワハハ、そうだなー」
豊音「姫松の真瀬さんあたりがいいなー、なんとなく気が合いそうだよー」
豊音「あとは愛宕のお姉さんもこのメンバーに加えたいよー」
蒲原「ワハハハハ、私は誰でも歓迎だけどなー」
――姫松高校
洋榎・由子「!?」ブルブルッ
恭子「? そんなに震えてどないしたんです、二人とも」
洋榎「ビジョンが、ビジョンがみえたんや……」
由子「それもとてつもなく禍々しいものなのよー……」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 23:16:32.82 ID:6dN37PpL0
――洞穴
蒲原(衣は病院についたかな、何事もなければいいがな)
蒲原(ん? 誰か人影が立っているぞ? あれは――)
衣「智美、帰ってきたぞー!」
蒲原「衣!? 手の治療はいいのか!?」
衣「ハギヨシが港に病院の先生を連れてきてくれたのだ!そこでちゃんとした治療を受けたぞ!ほら!」
蒲原(ちゃんと包帯が巻かれてる……)
蒲原「でも無理してこなくてもよかったんだぞ! その手の怪我だし!」
衣「……智美は衣のことが嫌いか?」シュン
蒲原「いやっ、そういうわけじゃ」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 23:19:07.45 ID:6dN37PpL0
衣「ふふっ」
蒲原「?」
衣「いや済まぬ、智美がそういう人間じゃないのはわかっておるのだ」
衣「ただちょっとからかったみたかっただけで」
蒲原「ワハハハハ、こいつー!」
衣「あははははっ、くすぐったいぞ、智美!」
蒲原「ワハハハハハハハハ」
衣「あははははははははははははは」
蒲原「ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
衣「あははははははははははははははははははははははははは」
蒲原「ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 23:31:04.31 ID:6dN37PpL0
――翌日
豊音「……」
豊音「……うそだ」
蒲原「」
豊音「うわあああああん! 蒲原さんが死んじゃったー!」
豊音「やっぱり昨日食べたキノコがいけなかったんだよー……」
豊音「海面の月を眺めてた後、突然蒲原さんの笑いが止まらなくなって」
豊音「そのまま意識を失って……ぐすん」
豊音「それでハギヨシさんに急いで連絡しようとしたけど、ここ電波が届かないよー……」
豊音「昼までには迎えにくるって行ってたし、大丈夫だよね?」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 23:32:30.98 ID:o6Y4BtAAO
笑いダケか…
やっぱりこうなってしまったか…
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 23:40:45.36 ID:6dN37PpL0
ビュウウウウウウ ゴロゴロ ゴロゴロ
豊音「吹雪いてきちゃったよー……」
豊音「天気予報では今日の夕方まで持つっていってたのになー……」
豊音「もしものために重ね着はしてきたし、私にあうサイズの寝袋も買ってきたよー」
豊音「それに枯れ葉も、蒲原さんがたくさん採ってきてくれたから、当分の間暖を取るのは大丈夫だよー」
豊音「でも食料が予備の水とカンパンしかないよー……」
豊音「……」チラ
蒲原「」
豊音「ぼっちは嫌だよー……」シクシク
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/09(水) 23:57:35.53 ID:6dN37PpL0
豊音「あれ? 蒲原さんのリュックサックにまだ何か入ってるよー?」
豊音「これは……小麦粉だー!」
豊音「これなら空腹をしのげるかもしれないよー!」
豊音「でも私はパンより、ご飯派だよー……」
豊音「そうだ! 練った小麦粉をちねって米粒みたいにするんだよ! きっとおいしくみえるよ!」
豊音「水もあるし、蒸すための鍋も準備してあるよー」
豊音「よーし、がんばっちゃうよー!」
豊音「羊先輩が1566匹、羊先輩が1567匹、羊先輩が1569匹……」
豊音「あれ!? いくらまで数えてたっけ!? また一からやり直しだよー!」シクシク
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/10(木) 00:17:39.35 ID:U//oh4gX0
――8時間後
豊音「できたー!ちょー時間かかったよー!」
豊音「いただきまーす!」
モグモグ
豊音「ちょーうまいよー!」
豊音「……でも、やっぱりぼっちは寂しいんだよー」
豊音「宮守のみんな何してるかなー、元気かな」
豊音「早く会いたいよー……」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/10(木) 00:34:53.56 ID:U//oh4gX0
――しかし、彼女が宮守女子麻雀部と再会することはもう二度となかった。
あれから3日後、吹雪がやみ、島を訪れたハギヨシは絶句した。
大きく口をあけて、笑いながら死んでいた蒲原智美の姿があったからだ。
その横には、幸せそうな顔をした姉帯豊音の死体が転がっていた。
彼女の手には、ワライダケや他の猛毒キノコがあった。
枯れ葉がなくなっているところをみると、おそらく助からないと思った彼女が自殺目的で服用したのだろう。
迂闊だった。衣の怪我の一件で、キノコの仕分けをすっかり忘れていたのだ。
ハギヨシは自らの失態を悔やみ、龍門渕家の執事をやめることにした。
そして、二人の死を知った天江衣は嘆き、二度と麻雀を打つことはなくなったという……。
カン!