【阿知賀SS・赤土】晴絵「クビ……か」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 15:57:52.99 ID:dNOQy8IW0

―インターハイ決勝前夜―
灼「あの……ハルちゃん。まだ起きてる?」

晴絵「ん?どうした?」

灼「……あのね、ここまで来るのに色んなことがあったなぁって思って」

晴絵「そうだなー……皆よく頑張ってきたと思うぞ」

灼「うん……最初は麻雀部を作るところからだった」

灼「玄が私を誘ってくれて、皆と出会って、ハルちゃんと再会出来た」

灼「そして全国の頂点まであと一歩のところまで来た」

灼「そのことに、運命を感じてるんだ」

晴絵「ちょっと意外……なかなかロマンチックなんだな、灼」

灼「うっ/// い、いいじゃん!」

晴絵「ははっ。お前は大人しいように見えて実は熱い心を持ってるよな」

晴絵「私も……それに助けられたっけ」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:02:02.05 ID:dNOQy8IW0

灼「?……あぁ、あの時のことか」

晴絵「忘れたくても忘れられない出来事だったな、あれは」

灼「うん……あのことは忘れられないよ」

晴絵「お前と他の皆には本当に感謝してるよ」

灼「べ、別に……それにあれは私のせいでもあったし」

晴絵「灼は悪くないだろ……被害者だったじゃないか」

灼「でも、私がいじめられるような性格じゃなきゃ……ハルちゃんをあんな目に遭わせることもなかった」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:05:03.63 ID:dNOQy8IW0

―とある日のこと―
灼「あ……」

晴絵「おぉ灼、今日は購買なのか……って、なんだその量」

灼「こ、これは……その……」

晴絵「灼って大食いだったのか?」

灼「そ、そうなんだ! あはは、今日もおなか空いたなー……」

灼「そ、それじゃあね!ばいばい!」

晴絵「あ、おい……なんであんなに慌ててるんだ?」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:11:21.37 ID:dNOQy8IW0

宥「あら……赤土さん。こんにちは」

晴絵「宥?めずらしいな、お前が購買に来るなんて」

宥「ちょっとあったかいものが飲みたくて……寒い……」フルフル

晴絵「夏……なのになぁ」

宥「そういえば……さっき灼ちゃんが走っていきましたけど何かあったんですか?」

晴絵「何も。なんだか慌てた様子だったな」

宥「それにたくさん買ってましたね……灼ちゃん、小食なはずなのに」

晴絵「……」

宥「赤土さん?どうかなさいました?」

晴絵「いや……」

晴絵「(……気になるな)」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:17:21.64 ID:dNOQy8IW0

女子A「おっせーよ鷺森ー」

女子B「ほんっとにとろいな」

女子C「もっと早く買ってこいよばーか」

灼「ご、ごめん……」

女子A「とろいし根暗だしブスだし、こんなにいいとこ無しなのも珍しいわ」

女子B「何それウケるわー!ぎゃはは」

灼「……」

女子C「ん?なんか文句ありそうな顔してんな?」

灼「そんなことない。もういいよね、それじゃ」
女子A「なんかイラつくな……あいつ」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:26:20.30 ID:dNOQy8IW0

―廊下―

玄「あ、灼ちゃん!」

灼「玄……どうかした?」

玄「なんであんな人達の言うことを聞いてるの!?」

灼「別に……誰かが困るわけでもないし」

玄「でもっ……」

灼「それに、言うこと聞かないと私が困るから」

玄「駄目だよそんなの!私、ちょっとあの人達に――」

灼「やめて!!」

玄「!!」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:31:00.12 ID:dNOQy8IW0

玄「で、でもこのままだと灼ちゃんが……」

灼「私のことはいいの」

灼「それより、もうすぐ県予選だからそっちのことを考えて」

玄「…………」

灼「それじゃ、今日の部活も頑張ろ」タッタッタ

玄「……おねーちゃんに相談してみようかな」

灼「(……玄は心配し過ぎ)」

灼「(私もこのままだと自分が危なくなるのは分かってる)」

灼「(ただ……玄や宥さん、憧に穏乃)」

灼「(それに……はるちゃんに迷惑をかけるわけにはいかないから)」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:37:18.73 ID:dNOQy8IW0

―翌朝―
灼「……」

玄「灼ちゃん?どうかした?」

灼「……なんでもない」

灼「(なんで上履きの中に画鋲が……)」

灼「(玄に見つからないように取り除こう)」
女子A「ちっ、つまんねぇ」

女子B「てゆーか松実が一緒だと下手なことできねーな」

女子A「あいつ、ダチ多いからな。敵が増えちまう」

女子C「なぁなぁ。上履きに画鋲なんて古臭いことせず、もっと違うことやらね?」

女子A「例えば?」

女子C「そうだなぁ……ちょっと考えとくわ」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:43:10.22 ID:dNOQy8IW0

―昼休み―
晴絵「よう、灼。また購買か。それにしても多いな」

灼「うん。今日もお腹空いたから……」

晴絵「……そっか。食べ盛りなのはいいことだ」

晴絵「それに、栄養取らないと宥みたいにならないもんな?」

灼「ど、どこ見て言ってるの!///」

晴絵「ははっ、冗談冗談」

灼「じゃ、じゃあ私行くね」タタッ

宥「灼ちゃん……なんだかあったかくない……玄ちゃんの言ってたとおり」

晴絵「あの子は演技が下手だな……」

宥「止めないんですか……?」

晴絵「今の時点ではまだ……な」

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:47:31.54 ID:dNOQy8IW0

女子A「相変わらずおっせーなお前」

女子B「こっちは空腹なんですけど?」

灼「ごめん……」

女子C「赤土なんかと喋ってるからおっせーんだよ」

灼「! 見てたの……?」

女子C「お前、あいつの前だといい子ぶってるみたいだな」

灼「そんなんじゃない……」

女子A「顧問だか何だかしらねーけど、あんな奴と喋って遅くなんのは許さねぇぞ?」

灼「……止めて」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:51:42.09 ID:dNOQy8IW0

女子A「あ?」

灼「赤土先生のことをあんな奴だなんて言わないで」

女子B「何お前。もしかして赤土みたいなババアが好きなの?きもっ」

灼「……」ギリッ

女子C「おい。なんだよその目」

灼「赤土先生を悪く言わないで……何も知らないくせに……!」

女子A「おー、ウチらに逆らうんだー。そっかそっかー」

灼「な、何」

女子A「チッ……あんまり調子に乗んなよ、ブス」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 16:58:46.78 ID:dNOQy8IW0

女子B「お前、放課後にちょっと屋上に来いよ」

灼「放課後?そんな時間無い」

女子C「これ命令な」

女子A「来なかったらお前の大事なもんぶっ壊すからな」

灼「大事なもの?……それって」

女子C「決まってんだろ」

女子ABC「「「麻雀部」」」

灼「!!」

女子A「そんじゃ放課後な。とっととあっち行け」

灼「(そんな……駄目。麻雀部だけは……皆だけは……)」

灼「(これは……皆を守るため)」

灼「(玄に練習遅れるって言っておこう……)」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 17:05:52.58 ID:dNOQy8IW0

―放課後―
灼「……」

女子A「おー、来たか。てっきり来ないかと」

灼「麻雀部に行かせるわけにはいかない」

女子B「へー……いい度胸してんじゃん」

女子A「単刀直入に言うけどさぁ……お前、調子乗ってんだろ」

灼「そんなつもりない」

女子A「ウチらがそう感じてんだよ。鷺森ぃ」

女子B「というわけでちょっと大人しくしてもらおうかな」ガシッ

女子C「調子に乗らなきゃこんなことにはなんなかったのに」ガシッ

灼「っ!離して!」

女子A「っるっせーんだよブス!」

灼「がっ!ふっ……げほっげほっ」

女子A「いやぁ……お前みたいなサンドバックはいいストレス発散になるわぁ。オラッ!」

灼「ごほっ……うぅ……」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 17:15:15.77 ID:dNOQy8IW0

―数分前。麻雀部部室―
憧「もー。なんで灼さんは遅れるのよ。予選まで時間が無いのにー」

穏乃「きっと用事が終わったらすぐに来るよ、ねっ?」

憧「それならいいんだけどさー……てかなんで晴絵も来ないの?」

穏乃「そういえば先生も遅いね、いつもなら来てるんだけど」

玄「……」

宥「玄ちゃん?どうかしたの?」

玄「灼ちゃん……もしかしたら、あの人達に……」

宥「あの人達?」

玄「おねーちゃん!皆!ちょっと教室に戻るね!」

宥「えっ、えっ?あ、玄ちゃん!」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 17:21:51.55 ID:dNOQy8IW0

―教室―
玄「あ、あの!」

生徒A「どうしたのー?」

玄「灼ちゃんどこ行ったか知らないかな!?」

生徒B「あ、屋上行くの見たよ」

玄「え?屋上?」

生徒B「うん。なんだか周りを気にしてるみたいだったけど」

玄「屋上……分かった!ありがとう!」

玄「(なんだか嫌な予感がするよ……急がないと!)」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 17:30:04.16 ID:dNOQy8IW0

玄「はぁ……はぁ……あっ!」

晴絵「あれ?玄。部活は?」

玄「赤土先生!灼ちゃんがいないから探してるんです!ちょっと屋上に行ってきますね!」

晴絵「ちょっと待て。灼は一人で屋上に行ったのか?」

玄「一人で屋上に行くのを見たってクラスの子が……」

晴絵「他に何か言ってたことは?」

玄「周りを気にしてたようだって言ってましたけど……」

晴絵「……そうか」

玄「じゃ、じゃあちょっと行ってきますね」

晴絵「待て、玄。私が行く。お前は部室に戻っててくれ」

玄「え、でも……」

晴絵「もうすぐ予選だ。時間を無駄にするわけにはいかないからな」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 17:33:09.04 ID:dNOQy8IW0

玄「じゃ、じゃあよろしくお願いします!」

晴絵「うん!」ダッ

晴絵「(灼……)」
灼「なんで……こんなこと……」

女子A「ムカつくんだよ!お前の顔見てると!」パァン

灼「うぐっ……」

女子A「根暗でとろくて不細工なくせに!ウチらに歯向かいやがって!」ドゴッ

灼「あぐっ!ごほっごほっ……痛い……止めて……っ!」

女子A「あ?だったら赤土でも呼んでみろや!」

灼「っ……はる……ちゃん……助けて……」

女子B「はるちゃんだってよ!気持ち悪ぃ!ぎゃはは!」

バンッ!!!

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 17:38:31.73 ID:dNOQy8IW0

女子ABC「「「!!」」」

灼「あ……」

晴絵「お前達、何をしてるんだ?」

灼「はる……ちゃんっ……」ポロポロ

晴絵「灼、泣いてるじゃないか」

晴絵「そこの三人、何をしたか正直に言え」

女子A「……っ」

女子B「……」

女子C「……」

晴絵「なんて、聞かなくても分かるか。押さえつけられて顔を腫らして泣いてる灼を見れば」

晴絵「お前達、答えろ」

晴絵「三人で一人の人間をいじめて……」

晴絵「楽しいか?」

女子A「……」ゾクッ

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 17:46:11.39 ID:dNOQy8IW0

晴絵「……」ギロッ

女子B「……えっと。これはその……」

女子C「じゃ、じゃれ合いですよ!じゃれ合い!」

晴絵「じゃれ合い……だと?」

女子A「そうそう!いやー、灼の演技は凄いなー!」

灼「……っ」ボロボロ

晴絵「……灼、怖かっただろ?」

灼「っ……!」コクコク

女子A「な、なに頷いてんだよ!これは遊びだって言ってるだろ?」

晴絵「おい」

女子A「っ……はい」

晴絵「お前達は他人に心の傷を負わせた挙句、嘘までつくのか?」

晴絵「そんな生き方、誰が教えた?」
晴絵「…………答えてみろッ!!」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 18:15:40.32 ID:dNOQy8IW0

ただいま
犬の散歩行っておじゃる丸観てた
女子A「ひっ……」

晴絵「何故こんなことをした?」

女子B「……」ブルブル

晴絵「お前たちにとっては遊びでも、灼にとってはいじめに他ならない」

晴絵「それを分かっているのか?」

女子C「……」ガタガタ

晴絵「最低だな、お前達。はっきり言って醜いぞ」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 18:16:53.51 ID:dNOQy8IW0

女子A「……いいのかよ、教師が生徒にそんなこと言って」

晴絵「何……?」

女子A「教える立場の人間が生徒にレッテル貼りなんかしていいのかよ!」

女子A「醜いだぁ?醜いのはそこのブスだろ!」

灼「……」

女子A「とろくて根暗でブスなくせに!」

女子A「そんな奴とっとと死んじまえばいいんだよ!」

灼「!!」

晴絵「」ブチッ

パァンッ!!

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 18:23:44.28 ID:dNOQy8IW0

女子A「っ……」

晴絵「灼をこれ以上貶すんじゃない!ふざけるのも大概にしろ!」

晴絵「お前達はどこまで灼を傷つければ気が済むんだ!」

晴絵「私の可愛い教え子を傷つけるのは許さない!」

女子A「……」フルフル

晴絵「はぁ……はぁ……さぁ、灼。保健室に行こう」

灼「う、うん……」

女子A「暴力だ……」

晴絵「……」

女子A「暴力だ!覚えてろよ!お前は生徒に暴力を振るったんだ!」

女子A「このままじゃ終わらせないからな!」

灼「はるちゃん……」袖ギュッ

晴絵「勝手にしろ。行くぞ、灼」

女子A「こ、この……暴力教師!!」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 18:30:37.23 ID:dNOQy8IW0

―保健室―
灼「ごめんね……はるちゃん」

晴絵「ははっ、何回謝るんだ……ほら、これで少しはマシだろ」

灼「ん……ありがと」

晴絵「痛かっただろうに……」ナデナデ

灼「んっ……大丈夫……私、意外と丈夫なんだよ……?」

晴絵「……そんな華奢な体で何を言ってるんだ」

晴絵「怖くて怖くて仕方なかったんだろ?今くらいは素直になれ」

晴絵「私の胸でよければ貸すからさ」

灼「……っ」

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 18:42:24.78 ID:dNOQy8IW0

灼「……うぅ」ポロポロ

灼「ぐすっ……うぐっ……怖かった……よぉ……」

灼「はる……ちゃんっ……うあぁぁぁ!!」

灼「あぁぁっぁ!ふあぁぁぁぁっ!」ギュゥゥ

晴絵「よしよし……」ギュッ
―保健室前―

玄「今は邪魔しちゃ駄目、だね」

穏乃「本当に入らなくていいんですか?灼さん……」

憧「……晴絵と二人きりの方がいいんじゃないかな」

宥「そうねぇ……二人きりの方が心があったかくなるだろうし。皆、部室に戻ろう?」

玄「(……灼ちゃん、やっと助かったのかな)」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 18:53:08.61 ID:dNOQy8IW0

晴絵「少しは落ち着いた?」

灼「うん……」

晴絵「そっか……でも、もう少しこうしてよ」ナデナデ

灼「ん……ごめんね、はるちゃん」

灼「あの人達……きっとまだ根に持ってると思うから……」

灼「もしもはるちゃんがクビにでもなったら……私……っ」

晴絵「クビ……か……」

晴絵「それは困るな……まだ皆とインターハイに行ってないし」

晴絵「インターハイが終わった後だって皆と一緒にいたい」

晴絵「……嫌、だな」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 19:03:56.10 ID:dNOQy8IW0

―翌日―
ザワザワ……ザワザワ……

玄「何……これ……」

灼「……そんな……!」

黒板『赤土晴絵は暴力教師!!2年生のとある生徒に暴力を振るった!!』

玄「と、とにかく消さなきゃ!」ゴシゴシ

灼「……」キッ

灼「どうしてこんなことをするの!?あなたたちでしょ!」

女子A「うちは被害者なんだよ。あー、いってー……」

灼「っーーー!!」手を振りかざし

晴絵「やめろ!灼!」

灼「はるちゃん!?」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 19:10:46.69 ID:dNOQy8IW0

灼「でも!!」

晴絵「いいから止めるんだ。そんなことをしても何の意味もない」

玄「あ、赤土先生!」

晴絵「あぁ、玄。すまないな、迷惑をかけてしまって」

玄「いいんです!それより……他のクラスでも書かれてるみたいなんです!」

憧「灼さん!玄!晴絵!大変だよ!」

憧「一年の教室全部の黒板に同じことが書かれてる!それに噂も広まってるって!」

玄「噂?」

憧「晴絵が生徒に暴力を振るったって噂!」

玄「えぇ!そんなのでたらめだよ!」

憧「分かってる!だから速攻否定!」

――赤土先生。至急職員室へ来てください。繰り返します……―

晴絵「っ……行ってくるか」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 19:15:31.30 ID:dNOQy8IW0

憧「晴絵!こっちのことは私達に任せて、自分の無実を主張してきなさい!」

玄「事態は収束させてご覧にいれますから!」

晴絵「憧……玄……」

灼「っ……はるちゃん!」

灼「絶対! 絶対何とかするからね!」

晴絵「灼……ありがとう、行ってくる」

玄「灼ちゃん!とにかく二年生の教室を回りましょう!」

灼「うん!」

憧「さて……私もしずが来たら三年生の所へ……」

ザワザワ……ザワザワ……

憧「……」

ザワザワ……ザワザワ……

憧「あぁぁもう!うるっさいわね上級生!大人しく待ってなさい!」

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 19:25:19.13 ID:dNOQy8IW0

―宥のクラス―
宥「あったかくないいたずら……」ゴシゴシ

生徒C「松実さん、手伝うよー」

生徒D「こっち消すねー?」

宥「ありがとう」ニコッ

穏乃「宥さん!」

憧「宥姉!」

宥「あら、穏乃ちゃんに憧ちゃん。酷いいたずらをする人もいるのね」

憧「ホントよ。てか、なんかこのクラス……大人しいような」

宥「赤土さんはそんなことするような先生じゃないって主張したの。そしたら皆聞き入れてくれたわ」

宥「あったかいクラスでしょ?」ニコッ

憧「う、うん……(宥姉の人望凄いなぁ……)」

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 19:34:14.92 ID:dNOQy8IW0

―校長室前―
玄「職員室で赤土先生の居場所を聞いたはいいものの……

憧「晴絵、どうなったかな……」

宥「校長先生に呼び出されるなんて……なんだか寒くなってきちゃうね……」フルフル

穏乃「だ、大丈夫ですよ!きっと!」

晴絵『ですから!暴力だなんて誤解です!』

教頭『ではなんですか?体罰ですか?これはね、この学校の沽券に関わる問題ですよ!」

校長『まぁまぁ、落ち着いてください二人とも』

教頭『ですが大きな騒ぎになっている以上……クビも覚悟してもらうしか……』

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 20:03:10.72 ID:dNOQy8IW0

灼「!!」

憧「クビ!?教頭の頭湧いてるんじゃないの!?」

穏乃「憧!聞こえちゃうよ!」

玄「ど、どうしようおねーちゃん!」アタフタ

宥「玄ちゃん落ち着いて……ねっ?」

玄「う、うん……」

灼「わ、私のせいだ……私のせいではるちゃんが……っ……」

灼「そんなの……嫌……嫌だよ……っ……うぐっ……はるちゃんっ」

穏乃「っ……灼さん!」

灼「何……?」

穏乃「校長室に入りましょう!」

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 20:10:48.66 ID:dNOQy8IW0

憧「ちょ、何言ってんのよしず!」

穏乃「だって……そうしないと先生が!」

憧「でも、私達がどうこう言って解決する問題じゃ……!」

灼「……いけるかもしれない」目ゴシゴシ

憧「へっ!?」

灼「いや……なんとかする。そう約束したから……」

玄「灼ちゃん……よおーし!それじゃあ私も校長室に入るのです!」

宥「えぇ~……じゃあ、私も……」

穏乃「憧はどうする?」

憧「あぁ……もう……分かった、付き合うわよ!」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 20:22:26.13 ID:dNOQy8IW0

教頭「いいですか?いかなる理由があろうとも生徒に手を出すことは――」

バァン!!

灼「はるちゃん!」

晴絵「灼!?憧、しず、玄、宥も……どうして……」

灼「教頭先生!お願いします!はるちゃ……赤土先生をクビにしないでください!」

教頭「な、なんですかあなた達は!関係無いでしょう!今すぐ教室に――」

灼「関係あります!赤土先生は私達麻雀部の顧問であり、尊敬できる指導者です!」

教頭「しかし……彼女は……」

灼「赤土先生は私を助けてくれたんです……被害者を名乗った生徒から!」

教頭「そ、それはどういう……」

灼「私、いじめを受けていたんです……赤土先生はそんな私を助けて、私のために相手を本気で叱ってくれました」

灼「それなのに、どうして赤土先生がクビになるんですか!」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 20:35:54.09 ID:dNOQy8IW0

教頭「ですが……平手打ちをしてしまっては……」

憧「いじめの主犯格が被害者ぶるのを学校は容認するんですか?」

憧「結局、噂になって学校の名前に傷がつくからですか?」

玄「いじめられて傷を負った生徒より、加害者の味方をするんですか……そんなのひどいです」

宥「なんだか……あったかくない話ですね」

教頭「……」

灼「確かに私は根暗かもしれないし不細工だしとろいし……いじめの的になるのも分かります」

灼「ただ、そんな私を庇って本気で助けようとしてくれる先生がすぐそこにいるんです」

灼「私はそんな赤土先生が大好きだし尊敬しています」

穏乃「私達も同じ気持ちです!だからお願いします!」

宥「赤土先生はとってもあったかい人なんです!」

憧「私達の顧問は赤土先生しかいないんです!お願いします!」

玄「私達から赤土先生を奪うようなことはしないでください!」

五人「「「「「お願いします!」」」」」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 20:43:11.61 ID:EP/j+4yL0

スポ根が阿知賀の魅力だと思うんだけどな

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 20:43:51.65 ID:dNOQy8IW0

晴絵「皆……っ……教頭先生!お願いします!」

晴絵「私はまだまだこの子達を見ていたい!一緒にいたいんです!」

晴絵「インターハイへ一緒に行くって約束したんです!」

晴絵「お願いします!まだこの学校に居させてください!」

教頭「……」

校長「赤土先生……いい生徒に恵まれましたね」

校長「教頭先生。もっとちゃんと今回のことを調べれば十分に情状酌量の余地はあるでしょう」

校長「それに、彼女は麻雀の界隈で阿智賀のレジェンドと呼ばれるほどの存在です」

校長「そんな彼女がコーチとして指導をする新生の阿智賀女子高校麻雀部を……見てみたいとは思いませんか?」

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 20:51:08.94 ID:dNOQy8IW0

晴絵「校長先生……」

校長「実はね、赤土先生がこの学校の生徒だった頃……私は麻雀部のファンでしたよ」

晴絵「そう……だったんですか」

校長「そして麻雀部のエースとして全国で活躍するあなたはこの学校の誇りでした」

校長「そんなあなたがコーチをする麻雀部を私は個人的に見てみたいですねぇ」

憧「……ね、ねぇしず。校長先生……めっちゃいい人じゃない?」

穏乃「う、うん……そうだね」

校長「というわけで、解散しましょうか。そろそろ授業が始まりますよ」

晴絵「あ、ありがとうございます!」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 20:54:30.07 ID:mHr5V6mqO

青春漫画してるなぁ

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:03:45.94 ID:dNOQy8IW0

校長「そうだ、鷺森さん」

灼「は、はい」

校長「インターハイ目指して頑張ってくださいね。それと……」

校長「何か困ったことがあったら私にも相談してください。麻雀部のファンとして力になりますよ」ニコッ

灼「……っ、はい!ありがとうございます!」
―校長室前―
パタン
晴絵「ふぅ……」

灼「はるちゃん……」ギュッ

晴絵「わっ……どうした?」ナデナデ

灼「良かった……本当に良かったぁ……」

晴絵「ん……ありがとな、灼。それに、皆も」

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:06:37.72 ID:dNOQy8IW0

憧「結局、灼さんが一番活躍してたね」

灼「そ、そんなことない……」

玄「ううん、灼ちゃんかっこよかったよ?」

宥「とってもあったかい気持ちになったよ?」

穏乃「灼さんは頼れる部長さんですよ!」

灼「うぅ……///」

晴絵「ふふっ……成長したな、灼」ギュー

灼「は、はるちゃん!恥ずかしいって!///」

晴絵「よーっし……皆、絶対全国に行こうね!」

皆『おおー!!』

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:12:30.51 ID:dNOQy8IW0

晴絵「本当にあの時の灼は凛々しかったなー」

灼「うぅ……思い出したら恥ずかしくなってきた」

灼「(それに大声出したせいで喉痛くなっちゃったし……)」

晴絵「灼、本当にありがとうな」

灼「うん……こちらこそ、ありがとう」

灼「はるちゃんがいなかったら、きっとここまで勝ち進めなかったから」

灼「……はるちゃんに出会えて……良かった」

晴絵「私も……灼や皆に出会えて良かったよ」

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:13:25.75 ID:dNOQy8IW0

さて、はるちゃんとあらたその行為シーンへ行くべきかこのまま終わるべきか

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:15:35.55 ID:lbP0ilKs0

行ってバレてクビまで

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:20:08.81 ID:dNOQy8IW0

灼「ね、ねぇ……はるちゃん」

晴絵「ん、どうした?」

灼「そっちのベッド、行ってもいい……?」

晴絵「どうしたぁー?人肌が恋しくなったのか?」

灼「そ、そういうわけじゃないけど……」

晴絵「たまには一緒に寝るのもいいかもな。おいで、灼」

灼「うん……」ゴソゴソ

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:26:56.26 ID:dNOQy8IW0

灼「(あ……はるちゃんの匂い……)」クンクン

灼「(いい匂い……だな……)」ドキドキ

晴絵「どうかしたか?」

灼「な、なんでもないよ……///」

灼「(ち、近いよはるちゃん……///)」

晴絵「(顔赤い……そしていつもよりやけに可愛い……)」

晴絵「(って、何を考えてるのかな私は。確かに灼は可愛いけど達は教師と生徒なんだ……)」

晴絵「(ちゃんと自制しなきゃ……)」

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:27:43.26 ID:dNOQy8IW0

あ、下から二番目に「私」って字が抜けた

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:29:30.55 ID:su7Th9QSO

池田「体罰はやめるし!」

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:33:07.88 ID:dNOQy8IW0

>>71
久保コーチは咲日和だと優しいだろ池田ァ!!

晴絵「にしても、なんだか眠れないな」

灼「そう……だね。緊張してるのかな」

晴絵「(緊張か……)」

晴絵「……あーらた」コチョコチョ

灼「ひゃんっ……くすぐったいよはるちゃん……///」

晴絵「!?(って、なんで艶っぽい声出すんだ!?)」

晴絵「いや、緊張解れるかなって思って……」

灼「そ、そうなんだ……///」

晴絵「(可愛い……)」

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:38:17.65 ID:dNOQy8IW0

灼「あ、そうだ……はるちゃん」

晴絵「ん?」

灼「ぎゅって抱きしめてもらえたら……明日は平気な気がする」

晴絵「そ、そうか?じゃあ……」ギュッ

灼「(はるちゃん暖かいな……それに柔らかい……)」

灼「えへへ……」ギュー

晴絵「灼って意外と甘えん坊なのか?」

灼「そ、そんなことないよ……はるちゃんにだけだし」ボソボソ

晴絵「そっか。まぁ、しっかり者の灼にも甘えたい時くらいあるよね。その時は甘えてくれていいからな?」

灼「うん……」ギュー

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:45:28.73 ID:dNOQy8IW0

晴絵「(灼……皆の前だと頑張ってしっかりしようとしてるけど)」

晴絵「(よく考えたら、灼が甘えられる存在は他のメンバーにいないんだよな)」

晴絵「(しずと憧は昔の付き合いもあってお互いに信頼し合えている)」

晴絵「(玄と宥は仲の良い姉妹で、互いに依存している部分がある)」

晴絵「(でも灼は……幼馴染だったり、姉妹だったり……そんな依存出来そうな相手がいない)」

晴絵「(だからか、自分で何でも解決しようとする癖がある)」

晴絵「(せめて私がこの子にとって依存出来る相手であれたらいいんだけど……)」

晴絵「灼」

灼「何?」

晴絵「私と灼の関係ってなんなんだろうな?」

灼「急にどうしたの?」

晴絵「幼馴染なわけでも姉妹なわけでもないのに……なんか、ただならぬ関係な気がして」

灼「ただならぬって……なんだか意味深だね」

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:53:11.93 ID:dNOQy8IW0

灼「うーん……はるちゃんは私の憧れだし目標だけど……」

灼「はるちゃんにとっての私がなんなのか分からないから……」

晴絵「灼は……」

晴絵「(出会った時は私にとって可愛い小さなファンって感じだったかな)」

晴絵「(そして今は教え子……いや……しいて言うなら)」

晴絵「弟子、かな?」

灼「弟子?」

晴絵「うん。私のネクタイと魂を受け継いだ弟子!なんかカッコいいじゃん!」

灼「弟子……か……いいかも」クスッ

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:59:32.41 ID:dNOQy8IW0

灼「(弟子……はるちゃんの弟子……///)」

灼「はるちゃん師匠……」

晴絵「ぷっ、何それっ。なんか可愛い」

灼「うん。はるちゃんは可愛いよ」ナデナデ

晴絵「わっ。まさか灼に撫でられるとは……///」

灼「たまには立場逆転……」ナデナデ

晴絵「くっ……可愛い弟子め……///」ムギュー

灼「ひゃぅ///」ビクッ

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:03:41.45 ID:dNOQy8IW0

灼「は、はるちゃん……ちょっと苦しい///」

晴絵「(灼の吐息がくすぐったい……)」

晴絵「(それに……なんだかドキドキしてる……)」

晴絵「灼……本当に可愛いな、お前は……」

灼「えと……はるちゃん……どうしたの……?///」

晴絵「あ、いや……ごめん……」

晴絵「(さすがにこれ以上はまずい……理性が……)」

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:09:42.02 ID:dNOQy8IW0

晴絵「えっと……そろそろ自分のベッドに戻ったらどうだ?」

灼「……このままがいい」

晴絵「あのね……灼……私、なんだかおかしくなりそうなの」

晴絵「さっきからやけに恥ずかしいというか……なんというか」

灼「どういうこと……?」

晴絵「……これ以上灼と同じベッドにいると、私は間違いを起こしてしまうかもしれない」

晴絵「私と灼は教師と生徒。この遠征も部活の大会だ……」

晴絵「だから、もう……」

灼「はるちゃん……」スッ

晴絵「え……あ……」

晴絵「(灼にマウントポジションを取られた……)」

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:12:02.32 ID:hTrZT5M8O

淫行教師!!淫行教師!!

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:17:19.10 ID:dNOQy8IW0

晴絵「あ、あら……た……?」

灼「……」

――チュッ

晴絵「ーーー!!」

灼「私……はるちゃんのこと、好きだよ」

灼「はるちゃんは……どうなの?」

晴絵「え、あ……」

灼「……」

晴絵「と、とにかく降りて灼!」

灼「……いやだ」

晴絵「だ、だってこんな状態じゃ落ち着いて考えられないし!」

灼「ん……それも、そうか……」スッ

晴絵「ふぅ……えーっと……」

晴絵「(あれ?こんな時ってどんな顔でどう答えればいいの……?)」

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:31:23.12 ID:dNOQy8IW0

晴絵「(てか私よく考えたら恋愛経験皆無じゃん……)」

灼「……?」

晴絵「え、えっとね……灼……」

灼「……」ギュッ

晴絵「……あの」ドキドキ

灼「……」ギュウウ

晴絵「……その」ドキドキ

灼「……」ギュウウウ

晴絵「」

90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:40:23.55 ID:dNOQy8IW0

晴絵「(あー……こりゃバレたら社会的に終わっちゃうかな……)」

灼「はるちゃん……好き……」ギュー

晴絵「(とは言ってもしたのはキスだけだし……)」

晴絵「灼。明日のためにそろそろ休もうか」

灼「うん……明日、絶対勝つからね」

灼「私達が……新しい阿智賀のレジェンドになるから」

晴絵「私も最後まで一緒に戦い抜くよ……灼」

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:48:38.30 ID:dNOQy8IW0

―翌日―
晴絵「皆。ここまでよく頑張ってきた」

晴絵「正直、決勝まで来た実感が掴めないんだけどね」

晴絵「私のインターハイは準決勝で終わってしまったから……」

晴絵「相手は全国のトップ達。ただ、私達だってその一角だということを忘れないでほしい」

晴絵「今日は楽しんで打ってこい! そうすれば、結果はついてくる! そう信じてるからね!」

全員『はい!』
玄「ふぅ……深呼吸深呼吸。すーはー……」

宥「玄ちゃん……おねーちゃんがついてるからね?」

玄「うん!おねーちゃん!」

穏乃「ついに和とまた遊べるんだ……うおおお!燃えてきたあああ!」

灼「彼女と戦うのは私……」

憧「しずの相手は和以上の化け物達よ」

穏乃「とにかく頑張るぞおおおお!!!」

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:55:06.71 ID:dNOQy8IW0

晴絵「ふぅ……」

晴絵「(皆、いい顔してるなぁ……)」

晴絵「(麻雀を楽しむ心……どんな相手と戦っても折れない心)」

晴絵「(しずの相手は特に化け物が揃ってるけど……あの子なら)」

晴絵「(化け物といえば、玄の相手には宮永照がいるのよね)」

晴絵「(準決勝では一人だけ抜きん出てたな……でも、彼女だって完璧なわけじゃない)」

晴絵「(玄……きっと龍はあなたの味方よ)」

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:56:33.19 ID:ya0hDSi80

おい何勝手にスキップしてやがる

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 23:01:51.99 ID:dNOQy8IW0

>>95
キスだけですしおすし

晴絵「(宥は全国に来ても安定して戦えている……さすが、皆のお姉ちゃんね)」

晴絵「(あの子がいると、チーム全体が暖かくなる気がするのよね)」

晴絵「(まるで皆を照らす太陽のように、決勝でも輝いてね。宥)」

晴絵「(憧には特別な力はない。ただ、それを補って余るほどの技量と知能)」

晴絵「(それらを持ってるあの子なら……きっと決勝でも活躍出来る)」

晴絵「(和の仲間や絶対王者に見せつけてやりな、憧)」

晴絵「(そして……)」

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 23:09:51.60 ID:dNOQy8IW0

晴絵「(灼……)」

晴絵「(日本一を決める戦い。それに出場する我が母校。そしてそれを率いる部長)」

晴絵「(まさか、あの日ネクタイをあげた子がここまで成長するとはね)」

晴絵「(これは奇跡なのか)」

晴絵「(それとも、あのネクタイがここまで連れてきてくれたのか)」

晴絵「(どちらにせよ、凄いことよね)」

晴絵「(そしてあの子の相手は和。全中チャンピオンまで上り詰めたかつての教え子)」

晴絵「(私が応援するのはもちろん灼だけどね……ふふっ)」

晴絵「(そろそろ試合が始まる頃かな)」

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 23:18:39.75 ID:dNOQy8IW0

玄「(今日もドラが来てくれてるよ……見てて!おかーさん!)」
宥「(玄ちゃんと一緒にここまで来れたんだよ、お母さん。今、すごくあったかい!)」
憧「(和……見てる?私は最高の仲間と出会ってここまで来たんだよ!」
灼「(はるちゃん……皆……伝説になるなら……今しかないよ……!)」
穏乃「(ここまで来れたのは皆で一緒に夢を追いかけてきたから――)」

穏乃「(だから――今! 私がこの夢を叶える!」

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 23:30:02.39 ID:dNOQy8IW0

玄「……おねーちゃん」

宥「玄ちゃん……」

ほっぺむにー

玄・宥「「いひゃい……」

憧「しず……やったんだよ、私達!!」

穏乃「……なんだか、今までの時間が全部夢だったみたい」

灼「でも……夢じゃないんだよね」

晴絵「うん……夢じゃない……!」

晴絵「夢じゃ……ないんだよ! 皆!」

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 23:30:04.51 ID:waniIUda0

青春だなー

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 23:36:58.98 ID:dNOQy8IW0

晴絵「ありがとう……皆……日本一まで連れてきてくれて……」

灼「はるちゃん……違うよ……」

灼「皆で一緒に……ここまで来たんだよ」

晴絵「そうだね……色んなことがあったけど皆で一緒にここまで来て――」

晴絵「皆で一緒に夢を叶えたんだよね」

灼「私達が新しい阿智賀のレジェンド……だね」

晴絵「そう。皆が新しいレジェンドになったんだよ……」

晴絵「私はこのチームに、メンバーに出会えて本当に良かった」

晴絵「だから次は私の番。もう……何も怖くない」

灼「本当に?」

晴絵「うん……だって」
「最高の仲間達がたくさん勇気をくれたから」

おしまい

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