【胡桃・豊音】エイスリン「ミヤモリジョシコーコーマージャンブ」SS

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 00:10:10.46 ID:Lthykd7v0

〈マッサージ〉
ガラッ
塞「あれ、まだシロだけしか来てないの?」

シロ「…ん」

塞「ん…って、ちゃんと返事くらいしなさいよ。まったく、だらしないんだから」ドサッ

シロ「…体育ダルかった…」

塞「そーいやサボろうとしてるところを捕まって、一人先生とマンツーマンだったもんねー」

シロ「ん…身体中がダルくて、喋るのも…」ダルー

塞「いや、ちゃんと喋るならちゃんと最後まで喋りなさいよ」

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 00:32:26.54 ID:Lthykd7v0

シロ「………」ダラー

塞「まったく、しょうがないなー」ガタッ
タッタッタ
シロ(………?)
モミュ
シロ「!?」バッ

塞「うぉ!?急に振り返らないでよ。びっくりしたじゃん」

シロ「いや塞こそ急に肩揉むなんて。こっちがびっくりするんだけど」

塞「あ、ごめん。疲れてるみたいだし、肩揉んであげようかと思ったんだけど…」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 00:34:11.45 ID:Lthykd7v0

シロ「…………」

塞「まぁ、いらないならいいけど」

シロ「……肩」

塞「ん?」

シロ「……いきなりじゃないなら揉んでいい…」

塞「ほーほー」ニヤニヤ

シロ「何?」

塞「いやいや別になんでもないですよ。じゃあ揉んであげましょうか」フフフ

シロ(塞がダルい…)

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 00:38:49.67 ID:Lthykd7v0

………………………………………
モミュモミュ
シロ(……肩揉まれるのは気持ちいいんだけど……)

塞「フフーン、フーン♪」モミモミ

シロ(…塞の手の感触が服越しにだけど伝わってきて、落ち着かない…)

塞「シロって結構肩凝ってるね。なかなかほぐし甲斐があるわ」グイッ

シロ「っん///」

塞「あ、強過ぎた?」

シロ「だ、大丈夫だから続けて…///」

シロ(そして何より、塞の指遣いが…うまくて…なんか気持ち良くて…)

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 00:42:29.89 ID:Lthykd7v0

…………
………
……

胡桃「全く、豊音には困ったものだよ」

豊音「えー。私のせいなの?」

胡桃「それはそうだよ。声かけなれなかったからあんなことにはならなかったんだからね!」

豊音「むむむ~。私がいなかったら余計危なかったと思うけどね。いろんな意味で…」

胡桃「そ、それは……って、あれはエイちゃん?」

豊音「なんで部室に入らないでドアに耳当ててるんだろうね?おーい。エイスリンさーん」

エイスリン「!」カキカキ バッ

豊音「なんかすごい勢いで描いたね…」

胡桃「『シャラップ』って、珍しく絵じゃなくて文字になってるけど、とりあえず静かにすればいいのかな?」

豊音「シャラップ…?え?なんなんだろう…日本語じゃないし、ロシア語とかかな?うーん、でもエイスリンさんはニュージーランド出身だからニュージーランド語?……」ブツブツ

胡桃「…豊音、とりあえず静かに近づこうか…」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 00:45:55.40 ID:Lthykd7v0

豊音「え?う、うん。でも、エイスリンさんが何か伝えようと…」

胡桃「静かにしていれば怒られないから。ほらさっさと歩く!」グッ

豊音「ちょっと、いきなり押さないでよー」
タッタッタ
胡桃「で、エイちゃん。部室がどうかしたの?」ヒソヒソ

エイスリン「クルミ、トヨネ…ナカガ…///」カァァ

豊音「中って、部室の中だよね?何かあるの?」
ンン・・・・・・・・・・・・イヤ・・・・・・デ・・・・・・
胡桃「ん?なんか音がするね…」
チョッ・・・・・・ンンッ シロホ・・・・・・・・・ダイジョウブ? ウン・・・ダカラ・・・・・・・・・ヤメ・・・・・・・・・デ ソレジャア・・・・・・

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 00:47:29.41 ID:Lthykd7v0

豊音「え?これって…///」

胡桃「え!?中にいるのってシロと塞なの?」

エイスリン「タブン…」

豊音「そもそも、私たち5人以外にこっちまで来る人いないよー。ということは…///」アワワ

胡桃「………よし………」

豊音「胡桃?」
ガラガラ!!!
シロ塞「「!?」」

胡桃「こらー!!!ふたりで何して………る………?」

豊音「ちょっと、いきなり入るなんて、だめだよー」

エイスリン「クルミ、トッコウ、ナイス!」グー

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 00:54:04.34 ID:Lthykd7v0

塞「みんなしていきなり入って来てどうしたの?」

胡桃「どうしたのはこっちのセリフ!いったいなにしてたの?」

塞「何って、肩揉んでただけだけど…」

シロ「私は揉まれてただけ…」

豊音「そ、そうだったんだ。私たちてっきり///誤解してたよー」

胡桃「そ、そんな…だって変な声だしてたじゃん!」

塞「変な声って…シロの声だね。それ」

シロ「!?」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 00:55:49.02 ID:Lthykd7v0

エイスリン「………」ジー

シロ「な、何?」

エイスリン「シロフケツ!」ムー

シロ「そ、そんなこと言われても、塞の指遣いがいやらしいのが悪い」

塞「そ、そんなこと思いながらされてたの!?」

胡桃「さーえー?」

塞「いやいや、私のせいじゃないでしょっ!?」

胡桃「言い訳禁止!とにかく今後は部室でこーいうの禁止だからね!」

豊音「こーいうのって?」

胡桃「こーいうのは、こーいうの!!!」
その日から『こーいうの禁止令』というよくわからないものが出された宮守女子高校麻雀部であった

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 00:58:46.04 ID:Lthykd7v0

こういう感じのSSが後2本ほど続くんですけど、需要ありますかね?

わからない

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 01:02:57.59 ID:v74dzO2Q0

とりあえず思いつく限りやってみよう

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 01:07:20.19 ID:Lthykd7v0

おもいっきり間違えました。

とりあえず、できるとこまでやってみます

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 01:12:33.49 ID:Lthykd7v0

胡桃「むむむ…」

私こと鹿倉胡桃は悩んでいた。それは他の人から見れば些細な問題なんだろうけど、私にとってはとても大きく、困難な問題だし、そして誰かに頼るなんてことは絶対にしたくない難題だった…

胡桃(本棚が高くて本が戻せない…)

胡桃(台は置いてあるけど、それでも高さが足りない…。全くそれじゃあこの台の意味がないよね。全く)

苛立ちをぶつけるように台を蹴る。だからといってこの問題が解決するわけでもなく、ただため息しか出ない

胡桃(後輩の図書委員は今日は休みだし、私が本を戻すのをしなきゃいけないんだけど…これは難題だよ)

いつもなら、もう一人の図書委員の後輩が手分けしていれてくれてたので、気にしていなかったが、どうやら本を戻す時に気を使って、手の届きやすいところを選んでくれていたらしい。そんな事に気づいたことも少なからずショックを受けた

胡桃(優しさなのはわかってる。でも後輩に気遣われる先輩って…)

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 01:18:33.52 ID:Lthykd7v0

高校の三年生にもなるのに、私の身長は未だに130cmという小学生と間違われても仕方のない身長である。実際、行く先々では子ども料金と勘違いされるし、この前近くの小学生とすれ違った時には残酷な運命を悟ったりもした。
ちなみに、130cmというのは、満八歳の女の子の平均身長らしい。世の中に対する憎しみが広がった瞬間だった

胡桃「まぁ、何を呪ってもこの問題を解決しなきゃいけないんだけど…」

こういう時、塞とかなら人にちゃんと頼れるんだろうけど、私は頼るということが苦手だ。誰かに何かをしてもらうということが我慢ならない。
たとえ、それがどんな善意からだとしても、自分が侮られてると感じてしまい、素直に受け入れられない。そんな自分のちっぽけなプライドが邪魔をしていることは理解してるけど、それを変えることはなかなか難しいものだったりもする

胡桃(まぁ、塞なら普通に届くんだろうけど…)

胡桃「まぁ、仕方ないから奥の手で…」

最終手段ということで、かなりマナー違反ではあるが、本棚に手をかけ、足をかける。片手には本を持っているのでバランスが取りにくいが、登れないほどではない

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 01:23:51.13 ID:Lthykd7v0

胡桃(だからって許されることじゃないだろうけど、今回はしかたがない…)

自分に言い訳をしながら本棚を登って行く。思ったより簡単に登れたので、後は本を入れるだけ……

豊音「く、胡桃!ちょっと何してるの!?」

あと少しのところで、見知った声がかかってしまった

胡桃「と、豊音!?今手が離せないから後に…」

豊音「そ、そんなことより、スカート、スカート!!」

胡桃「ちょっと、待って。もうすぐ終わるから…」

何かを訴えかける豊音を無視して、本を入れようとする。よし、あと少し…

豊音「大事件だよ!!スカートの中、丸見えだよー!!

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 01:28:15.50 ID:Lthykd7v0

胡桃「ふぇ!?」

今はそんなことを気にしてる場合ではなかったが、そう言われるとつい目をやってしまう。
そこにはスカートの裾など気にしていなかったので気づかなかったが、思いっきり見せびらかすように腰を出す形になっていて……

胡桃「うひゃぁぁぁあ!!///」

意図など関係なく反射的に、スカートを抑えようと思わず手を離してしまった

胡桃「あっ」

豊音「胡桃!!」

気づいた時には既に遅かった。本棚から離れた手は、スカートを守る代わりに、私の安全を手離していた。そのまま徐々に落下していく私の体。このまま床にぶつかるのを待つだけだった………

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 01:37:39.30 ID:Lthykd7v0

胡桃「ん…?」

しかし、自分が想像した衝撃は訪れず、その代わり、自分の体は何か柔らかいものに包まれていた

豊音「ふー。ちょーぎりぎりだったよー」

胡桃「と、よ…ね?あれ、もしかして?」

豊音の顔が近くにある。そしてこの感触。受け止められたようだ

豊音「もーびっくりしたよー。胡桃がお尻丸出しで本棚を登ってるんだもん」

胡桃「いや、それには理由があって……というか、落ちた原因は豊音なんだからね!」

豊音「えー。でもあんな格好で本棚登ってる胡桃も悪いよー」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 01:38:54.79 ID:Lthykd7v0

胡桃「ぐぬぬ…確かにそうだけど、声かけられなかったらあんなことにはならなかったし…」

豊音「そもそも何してたの?」

胡桃「そ、そうだった。まだ仕事が残ってるから一旦降ろして」

豊音「うん」

胡桃「この本を本棚に戻そうと思ってたんだけど…」

豊音「それで登ってたんだ。それじゃあ、私が入れてあげるね」

胡桃「あっ」

私の様子など気にするもなく、本を元の位置に戻してしまう豊音

豊音「よしっ。これでみっしょん・こんぷりーとだね。じゃあ一緒に部活行こうよ。胡桃」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 01:58:39.37 ID:Lthykd7v0

私は人を頼ったり、何かされたりするのが嫌いだ。そんな自分に、最近『例外』ができた。
それが豊音だった。

私とは身長も性格も正反対で、最初会った時から私とは全然違う存在なんだと思っていた。実際、私ができないことを豊音はできる。その姿に憧れを抱かなかったといったら嘘になるし、私ができないことを平然とやってのける豊音には、一時期嫉妬していた。

けれど、豊音は私にできないことをするけれど、私ができることをできないことも多かった。私ができないことをできる豊音。豊音ができないことをできる私。両極端に存在するような私達。

だからこそ、私は彼女に惹かれているのかもしれない。

それは最初、羨望だったかもしれない。自分が持っていないものを持っている存在に憧れるのは不思議じゃない。
私の足りないものを持っているあなたを求めるのも不思議でもなんでもないだろう。だけど、そんな感情を知られたくはないし、今はまだ誰にも伝えようとは思わない。だから…

胡桃「まったく、私の仕事とらないでよね。豊音!!」

私は今日もあなたの前では素直になれないのです
カン

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 02:02:36.54 ID:Lthykd7v0

二本目終了です。胡桃がお姉さんぽく振る舞うのは、
自分にコンプレックスがあるんじゃないかと思って作ってみたんですけど、なかなか難しかった。

人に子供っぽく見られたくないからこそ、そうやって振る舞う。
しかし、その正反対を行く豊音の存在っておおきいんじゃない?って思ったんですけど…

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 02:14:30.07 ID:Lthykd7v0

―幸せを描くということ―

ロ・・・シ・・・・・・・・・・・・・・・シロ・・・
シロ・・・…シロ・・・シロ!!

シロ「ん….ここは?」

エイスリン「シロ?やっと気づいた」

シロ「あれ?なんでエイスリンがここに…?」

エイスリン「もう、まだ寝ぼけてるの。そんなの当然でしょ」

シロ「え?(というか日本語喋って)」

エイスリン「私は………あなたの奥さんなんだから///」

シロ「は?へ?」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 02:20:00.00 ID:Lthykd7v0

エイスリン「もう、シロは朝弱すぎるよ。ほーら、早く起きて!

シロ「え?あ、はい」

エイスリン「なんで敬語なの?とりあえず、ん……」

シロ「え?(エイスリンが目を閉じてるけど…何の儀式……)」

エイスリン「もーいつまで待たせるの!」

シロ「……えっと…ちょいタンマ」

エイスリン「ちょっと、ここで?そんなの却下です。えい!///」チュー

シロ「むぐぅ///」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 02:25:50.15 ID:Lthykd7v0

シロ(これは一体どうなって………というか舌入って……)

エイスリン「ぷはっ。もう、シロからしてくれないから私からしちゃったwおはようシロ」

シロ「…………おはよう…………」

シロ(とりあえず、状況を整理しよう。私は小瀬川白望。高校三年生。宮守女子高校に通ってる。そうだ、ここまではいい。だけど…)チラッ

エイスリン「?」キョトン

シロ(完全にエイスリンがおかしい。私の知ってるエイスリンより背も大きいし、なんだか大人っぽい。そしてトレードマークだった、ボードも首から下げてない。そして何より……)

エイスリン「どうしたのシロ?まさかまだ寝ぼけてる?」

シロ(エイスリンはこんなに日本語を喋れるわけがない。私の知ってるエイスリンは言葉よりも絵で語るような人だったから、こんなに喋れるはずがない。
つまりその結果から導き出される答えは……)

シロ「……あ、夢か。もう一回寝よう……」

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 02:32:09.69 ID:Lthykd7v0

エイスリン「やっぱり寝ぼけてるー。ほらしっかり起きるー!!!」ユサユサ

シロ「ちょっ、頭揺すらないで…起きるから」ユサユサ

エイスリン「まったく。朝弱いにも程があるよ。シロは」

シロ「………」ホオツネリ

エイスリン「シ、シロ!?何してるの?」

シロ「痛ひゃい……」

エイスリン「それはそうでしょ!自分の頬をつねったら痛いに決まってるよ!今日のシロはなんかおかしいよ」

シロ(私的には一番おかしいのはエイスリンの方だと思うんだけど。あ、痛いってことは夢じゃないのか…。ここは、いろいろ聞いてみたいけど…)

エイスリン「シロ…?本当にどうしたの?大丈夫?」ケゲンナメ

シロ(ダメだ…これ以上何か聞いてしまうのは、マヨヒガ的にいけない気がする。おとなしくしてるのが吉か)

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 02:40:00.61 ID:Lthykd7v0

シロ「う、うん。なんとか落ち着いた…」

エイスリン「でも、なんか今日のシロはいつものシロと少し違う感じがする。どうかしたの?」

シロ「…そんなに違う?」

エイスリン「うーん。なんていうんだろう?昔のシロみたいっていうのかな?私たちが出会った高校時代みたいに」

シロ「高校時代ね…」

シロ(今のことから分かるのは、このエイスリンは未来のエイスリンだということ。
高校時代を懐かしむってことは、同じ世代ではないだろうし、少し大人になってることにも説明がつく。
しかし、そう仮定してしまうと、新たな問題が生まれる。それはなぜ私がその未来の世界にいるのかといいこと。確か私はいつものように……何をしてたっけ?)

シロ「思い出せない…」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 02:43:36.90 ID:Lthykd7v0

エイスリン「でも、新鮮な感じがする。私が片想いしてた頃のシロに戻ったみたいで、なんだか照れちゃう///」

シロ「そ、そう///(やばい。自分の問題が気にならない位にエイスリンが可愛い。一体エイスリンの身に何が起こったら、こんな恥かしいことを言うようになるんだろ?とにかく可愛い)」

エイスリン「そうだ!シロ、今日はデートしよ?どうせシロは家でゴロゴロしかしないんだし」

シロ「え?でも…」

エイスリン「ねーいいでしょう?」ウワメヅカイ

シロ「う、うん///(なんで魔性の女になってるんだろう。これは卑怯な上目遣い!!)」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 02:49:45.76 ID:Lthykd7v0

エイスリン「じゃあ早く準備しないと。あ、朝ごはん冷めちゃうから早く食べよ?」

シロ(完全に流されてる気がするけど、考えるのもダルくなってきたし、流れに身を任せよう)

…………
………
……

シロ(デートということで、家から出たけど、外は普通の宮守の風景だった。
私たちがいた家は、エイスリンが一人暮らししている家だったらしい。外に出てから初めて気づいた)

シロ「それで、デートってどこにいくの?」

エイスリン「んー。ちょっと川沿いを歩こうか?」

シロ「うん」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 03:00:21.33 ID:Lthykd7v0

タッタッタ
タッタッタ
エイスリン「ふふっ♪」

シロ「どうかした?」

エイスリン「うん。なんか昔のことを思い出しちゃって。私がまだ日本語をうまく喋れなかった頃のことね。
私はどうにかシロに近づきたくて、とりあえず一緒に帰ってたけど、日本語もうまくないし、シロもあんまり話しかけてくれない。嫌われてるんじゃないかなって思って、私毎日泣きそうだったんだよ」

シロ「ごめん…」

エイスリン「だよね~。シロは鋭そうなのに、肝心なとこで鈍感だもんね。知ってる、知ってる♪」

シロ「………うん」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 03:10:50.30 ID:Lthykd7v0

エイスリン「そういえば、あそこにポツンとあるベンチ、私座ったことないかも。一緒に座って休もう」
……………………
シロ(結局、流されるままに進んでいるけど、結局何がどうしてこうなったのか未だにわからけど、多分この世界は…)

エイスリン「ここ…さ。恋人の聖地って言うの知ってる?」

シロ「座るまでは知らなかった…」

エイスリン「やっぱりそうなんだ…シロらしいね。私はね、このベンチに二人で座るのが夢だったの。
恋人になって、二人で座って、一緒の時間を過ごすの。楽しいことも、うれしい事も全部話して、お互いを知っていきたかったんだよ」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 03:26:54.85 ID:Lthykd7v0

シロ「それで?」

エイスリン「?」

シロ「その先はどうなってるの?」

エイスリン「それからはどうなるのかって?それは・・・・・・・・・」

シロ「やっぱり、ここで終わりなんだね…」

エイスリン「そう。流石シロだよね。シロの思ってる通り、私の『夢』はここで終わりなの。私が描いた物語はここまで。でも、よく気づいたね」

シロ「特に難しい事じゃない。遠くのビジョンは鮮明になっているのに、私たちの高校時代の話となると、途端に視界がぼやけてくる。
遠い将来については理想を描くのは簡単だけど、近い将来の理想を描こうとすると、現実が邪魔をしてうまく描けないんと思っただけ。話には出てくるけど、意外と曖昧なところが多かったし…」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 03:33:50.01 ID:Lthykd7v0

エイスリン「シロもうすうす気づいてたんだ?じゃあ、私からは何も言わない。私はあの娘が描いた夢に過ぎないから。だから…『夢』の続きは自分たちで見てねってこと。
まあそれを見るのはシロ次第なんだけどね…できれば一緒に『夢』の続きが見たいなぁって思ったりもするけど」

シロ「この物語にはなんの意味が・・・」

エイスリン「それは秘密だよ。でも、それを知りたいなら私をもっと知ってほしいな。それじゃ、そろそろさようならだね。ばいばい・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 03:35:07.20 ID:Lthykd7v0

シロ「………!?」ガバッ

エイスリン「!?」

シロ「ハァ…ハァ…」

エイスリン「ダイジョウ・・・ブ?」

シロ「う、うん。大丈夫」

エイスリン(笑顔の人)カキカキバッ

シロ「安心した?かな」

エイスリン「!」コクコク

シロ「あれ…他のみんなは?どこに行ったか分かる?」

エイスリン(学校から帰る人達)カキカキバッ

エイスリン「エット…カエッタ?」

シロ「大丈夫だよ。それであってるし、伝わってる。でも、どうしてエイスリンは私の事待ってたの?」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 03:44:35.60 ID:Lthykd7v0

エイスリン「エ…カイテタカラ…」

シロ「絵?」ヒョイ

エイスリン「ダメ!!!!」ガバッ

シロ「ごめん。無神経だった」

エイスリン「ウウン…ワタシコソゴメンナサイ(お互いに反省してる人の図)」

シロ「じえっと、何描いてたかだけ聞かせてくれる?」

エイスリン「エット…ワタシノ…ショウライノ…ユメ…」

シロ「将来の…『夢』か…。なるほど。それは見せられないね」

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/02(火) 03:54:50.99 ID:Lthykd7v0

エイスリン「ウゥ・・・オネガイ、カナッタラミセテアゲル…」

シロ「そっか・・・」

エイスリン「ウン・・・」
エイスリン・ウィッシュアート…。彼女が描いた『夢』。それが彼女の望むものなのだろうか?私が見たものはきっと彼女の描いた『夢』なのだろう。では、エイスリン自身の想いは?それは私が知れることではないし、考えても答えは出ないだろう。
けど、私は彼女の描く理想の世界に触れ、その世界をもっと見てたいと思ってしまった。
そう思わせるのは、彼女の描く世界を見たいと思ったのか、それとも、その世界を描く彼女を見たいと思ったのか。それは、今の私には分からないけど
シロ「それじゃエイスリン、もう遅いし一緒に帰る?」

エイスリン「!ウ、ウン!!カエル!!イッショニ!」
今の私は、彼女の描く理想の世界に魅入られていたのは確かだった
ーカンー

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