1 :既出ネタだったらごめんね [sage saga]:2013/02/19(火) 15:50:20.93 ID:pw3aM3xA0
咲(う~……また迷っちゃったよ……)
咲(京ちゃんが探しに来てくれるらしいけど……って、あの後ろ姿は!)
咲「京ちゃん!」タタッ
男「?」
咲(あ……ひ、人違いか)
男「」スタスタ
咲(どうしよう……なんか人多そうなとこに来ちゃったし――)
恭子「……宮永?」
咲(!?!?)ビクビクッ
恭子「………」
咲「………」
恭子(え、なんか静寂やけど……。呼んだのはお前の方やろ、宮永)
咲(わわ、姫松の怖い人……なんでこんなときに……)
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 15:51:51.01 ID:pw3aM3xA0
恭子(いやさっき『恭ちゃん』だなんて呼び方しとったな……ってことは)
咲(京ちゃんじゃなくてもいいから誰か助けてよ~~っ!)ナミダメ
恭子(こいつ……私のことを弄ぼうとしてそんな呼び方したんか……!)
咲(うわ、なんか睨まれてるし……)
恭子(宮永、卓上やなくても魔王の風格持っとるんやな……末恐ろしい)ブルッ
咲(ど、どうしよう)
恭子(でも今度は負けへんで……今は休憩中やけどプロと一緒に特訓しとるんや)
咲(っていうか、この人何で私の前から動こうとしないんだろう……)
恭子(明日、首洗って待っとれよ……!)ゴォッ
咲「ひぃっ!?」ビクッ
恭子(そんな変な声だして油断させようとしても無駄や。お前の本性はすでに読みきった)
咲(も、もうなんなの……怖いし動かないし喋らないしで……困るよ)
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 15:52:47.63 ID:pw3aM3xA0
恭子(……ってゆーかさっさ用件言えやこいつ!いつまで黙っとんねん!!)
咲(……あっ)ブルッ
恭子(………)イライラ
咲(あわわ……お、おトイレ……)
恭子(………)トントン
咲(で、でも末原さん何か言いたげにしてるし……このまま素通りするのもかわいそうだし……)
恭子(……やっぱあれかな。宣戦布告とかしに来たんかな。『明日勝てると思うなよ』とか)
咲(それにひとりで行ってもトイレどこにあるか分かんないし……)
恭子(何て言い返そう。『それはこっちの台詞だ』……は定番過ぎる気がするし)
咲(いっそこの人に聞く……?いやダメだ、下水道に連れてかれて『ここでしろや』とか言われるのがオチだよ)
恭子(うわ、気づいたら宮永のオーラがやばい……卓上の時とおんなじ感じや……!)
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 15:53:48.59 ID:pw3aM3xA0
咲(うぅ~~……っ!ど、どうしよう。どこかにトイレ……)キョロキョロ
恭子(急に辺りを見回し始めた……!周りの被害を考えて何か技を繰り出す気か……!)
咲(や、やばいよ……!目の前が霞んで……)
咲(す、末原さん……!)ヨロッ
恭子「うわぁっ!?」ビクッ
咲(あ……寄りかかっちゃった……)
恭子(ま、まずい……!こんなゼロ距離で技繰り出されたら……!)
咲(………)
恭子(ここは人が多い。場所を移動するで!)ギュッ タタッ
咲(わ、なんかお姫様だっこされてる……)
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 15:54:41.83 ID:pw3aM3xA0
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恭子(よし、人気もない公園。ここなら……)
咲(……!!)
咲「あ、ありがとうございます!末原さんっ!!」ダダダッ
恭子(!?)
ガチャッ バタンッ
恭子(公園のトイレに駆け込んでいった……個室で気を練り上げる気か……)
恭子(『ありがとう』っていうのは『いい場所を選んでくれてありがとう』って意味やろうな……)
恭子(どうする……この間に逃げるか!?いや、そうしてうちの心を折ろうとしてるのかもしれんし)
恭子(くっ……)
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 15:55:25.18 ID:pw3aM3xA0
ガチャッ バタンッ
咲(末原さん、おトイレ我慢してた私を見かねて何も言わず運んでくれたんだ……)
咲(私誤解してたよ。末原さんって優しい人なんだ……)
恭子(遂に来たか……。まだ特訓は途中やけど、会ってしまったからにはもう戦うしかない!)
咲(……それにしてもどうしよう。ここどこだろう)キョロキョロ
恭子(また周りを見渡しとる……。ここは周囲に被害なんて及ぼさんで。もちろん誰にも見られることもない)
咲(末原さん優しいから帰り道とか教えてくれるかな?甘えすぎるのも悪いけど……)
咲「……あの、末原さん」
恭子(……!)ビクッ
恭子「な……なんや」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 15:56:09.81 ID:pw3aM3xA0
咲「私宿舎に帰りたいんですけど、ここからどう帰ればいいですか?」
恭子(……は?)
咲「わ、私方向音痴で……よく道とか迷っちゃうんですよ」アハハ
恭子(方向音痴……)
恭子「……場所はわかるか?住所とか」
咲「は、はい。手帳にメモしてます」
恭子「じゃあそこまで送ったるわ」
咲「え?いいんですか?!」
恭子「ああ」
咲(うわぁ……!末原さんかっこいいなぁ!こんなにストレートに優しいなんて!)キラキラ
恭子(迷子になっとる内にもし暴れだしたりでもしたら大災害になるからな……)
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 15:57:04.64 ID:pw3aM3xA0
恭子(それにしても方向音痴か……。麻雀で恐るべき能力持っとるから、代償として何かを捨てとるんやな)
恭子(宮永……恐ろしい奴……!)ゾゾッ
咲「じゃ、案内よろしくお願いします!」ペコリ
・
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・
咲「………」トコトコ
恭子「………」テクテク
咲(どうしよう、会話会話……)キョロキョロ
恭子「あんまりきょろきょろすんなよ。はぐれでもしたら大変や」
恭子「ちゃんと私の背見てついてき」
咲「は……はいっ」
咲(末原さんかっこいいー)ポワーン
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 15:57:48.64 ID:pw3aM3xA0
恭子(はあ……敵に背を無防備で見せる羽目になるとは……)
恭子(こいつがきょろきょろしてたんも『ちゃんと案内しろ。この街の人間がどうなってもいいのか』ってことやろうし)
恭子(そんでもって私の命も今宮永に握られとる……くそっ、ここまで計算して呼び掛けてきたんか)
恭子(これはやはり……力の差を示したいがためやろうな。『お前なんていつでも殺れる』って)
恭子(恐らく公園で決着をつけようとしなかったのもそのためや)
恭子(でも私はそんなもんに屈さへんで……!)
ぐぐー……
恭子(………)ピタッ
咲(あ、ああ……)//
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 15:58:53.01 ID:pw3aM3xA0
恭子「……そこにコンビニがある。寄って、何か買ってこうか」
咲「はい……すいません」//
恭子(な、何が気に召すんやろ……)
ウィィーン
恭子(いや、ミスったか……!?ここはやっぱりレストランとかにしといた方が良かったかも……?)
咲(とりあえずおにぎりと……あっちに着いたらおそうめんでも食べよ)
恭子(……おにぎりとそうめんか)
恭子(少し迷ったから別に怒ったわけではなさそうやな。よかった……)ホッ
咲(こんなところでいいかな)
恭子「決まった?」
咲「あ、はい。末原さんは……?」
恭子「私は別に」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 15:59:47.36 ID:pw3aM3xA0
レジ「合計で442円になりますー」
咲「はい……ってあれ」
恭子(……ん)
咲(さ、財布がない……?落とした?!宿舎に置いてきた?!)アワアワ
チャラッ
咲(……!)
レジ「502円、お預かりいたしますー」チャキーン チャキーン
レジ「ありがとうございましたーまたお越しくださいませー」
ウィィーン
咲「す、末原さん……!」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 16:00:27.33 ID:pw3aM3xA0
恭子「財布なかったんやろ?」
咲「は、はい……」
恭子「……宿舎に着いたら部屋に財布があるか確認して、無かったら来た道辿るか」
咲「そ、そうですね……すいません……」
恭子(やばい……これで落としたのが見つからんかったりしたら私の命ないわ)
咲(ビシッと決めてくれた……それに暗に手伝ってくれるとも言ったよね)モグモグ
咲(やっぱすごく気遣いができる人なんだ……憧れるなぁ)モグモグ
咲「あ、末原さんもお腹減ってませんか?よかったらおにぎりひとつくらい……」
恭子「ええよええよ。そんな気遣わんでも」
咲(それまで気遣ってくれたのは末原さんの方なのに……)
恭子(何か毒でも盛られとるかもしれんしな……こわー)
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 16:01:07.46 ID:pw3aM3xA0
恭子「よし、食べ終わったら行くで」
咲「はい!」
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~宿舎・清澄の部屋~
咲「財布ありました」
恭子「よかったな、落としたんやなくて」
恭子(私としてもよかったわ……)ホッ
咲「はい。……あ、コンビニのお金」
恭子「そんなんいいって。じゃあ」クルッ
恭子(いやだからお前から渡される物とか怖すぎて受けてれんわっていうな)
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 16:01:59.26 ID:pw3aM3xA0
咲「末原さん……今日はホントにありがとうございましたっ」ペコッ
恭子「ああ。明日は負けへんで」
咲「私もです!一緒に楽しみましょう!」
恭子(こえええええええ!!!)ゾゾッ
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15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 16:02:32.95 ID:pw3aM3xA0
~姫松のホテル~
ガチャッ
恭子「ただいま戻りましたー」
郁乃「ずいぶん遅かったんやねぇ。どうかしたん~?」
恭子「……宮永に見つかって。背筋が凍る思いでした」
郁乃「それは大変やったねぇ……」
恭子「ええ。でも明日、絶対に勝ちます」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/19(火) 16:03:11.71 ID:pw3aM3xA0
~一方その頃~
京太郎「咲!?」タタッ
女「はい?」
京太郎「あ、すいません。人違いでした……」
京太郎(どこにいるんだよ咲ィィイーーー!!!)
カン!
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/19(火) 16:17:12.57 ID:OgZKLR7Uo
最後までわかりあえなかったね…
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/19(火) 16:53:18.13 ID:B7ZVtg14o
折れずに向かってくる凡人とか咲さんにとっては珍しいんだろうな
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/19(火) 18:42:13.15 ID:l6j3QkxMo
乙
咲からのアプローチに全力でビビる末原先輩をもっと見たいわ