1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/28(木) 23:47:46.08 ID:OXezAJju0
○咲-sakiのssです
○キャラ崩壊アリです
○カオス注意
これらが苦手な方はご注意ください
それでもいい方は、短いですがお付き合いください
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/28(木) 23:50:44.24 ID:OXezAJju0
白糸台高校 麻雀部部室
照「たこ焼が食べたい」
菫「…は?」
淡「たこ焼!?いいねいいね!私も食べたーい!!」ガタッ
尭深「お、落ち着いて淡ちゃん」
誠子「どうしたんですか宮永先輩?ずいぶんいきなりですけど」
照「別に思い付きで行った訳じゃない。ちゃんとした理由がある」
菫「ほう、その理由をぜひ聞かせてもらいたいな」
照「分かった。それじゃあ説明させてもらうね」
淡「たっこ焼き!たっこ焼き~♪」ウキウキ
尭深「そんなにノリノリにならなくても…」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/28(木) 23:52:49.22 ID:OXezAJju0
照「今回のインターハイ、私は関西勢が強力なライバルになると踏んでいる」
照「個人戦2位だった荒川憩に全国ランクトップクラスの千里山と姫松、その層の厚さは私たちも油断できない」
照「もちろん他県の選手も気になるけど、何かしら対策をとっておいた方がいいと思う」
菫「成程、確かに一理ある。…で、それがどうたこ焼と結び付くんだ」
照「…だれかこの中でクロワッサンの歴史を知ってる人はいる?」
淡「クロワッサン?それってあのパンの?」
照「そう、あのパンの」
菫「いや、いきなりクロワッサンの歴史といわれてもな…」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/28(木) 23:54:26.98 ID:OXezAJju0
誠子「歴史といいますと、昔オーストリア軍がトルコ軍を破った際に、トルコ軍を食うという意味で作ったって言うあれですか」
照「正解!」
菫「そんな逸話があるのか…というよりよく知ってたな」
誠子「子供のころ学研のひみつシリーズを読んでまして、その中で覚えたんですよ」
尭深「ひみつシリーズとはずいぶん渋いね」
誠子「図書室に置いてある漫画なんてこれぐらいしかなかったからね。あってもはだしのゲンぐらいだし」
淡「はだしのゲンってあの『くやしいのぉくやしいのぉ』のやつ?」
菫「まあ間違ってはいないけどさ…」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/28(木) 23:56:31.36 ID:OXezAJju0
照「おっと話が脱線してるみたいだから戻すけどまあ要はそれと同じことだよ」
尭深「つまり関西→大阪→粉もの→たこ焼という流れな訳ですか」
照「そう、そしてたこ焼を食べる=関西勢を食べる→完全勝利という公式が成り立つという」
菫「成り立たないからな、というより関西=たこ焼って発想もどうなんだよ」
照「たこ焼はあくまで分かりやすくしただけ。深い意味はない」
菫「本当はただお前が食べたいだけじゃないのか?」
照「…否定はしない」
菫「そんな事だろうと思ったよ」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/28(木) 23:58:56.57 ID:OXezAJju0
淡「けどさー、大会前の息抜きも大事だと思うよ?」
菫「まあ、確かにそうだけど…」
誠子「いいんじゃないですか?ゲン担ぎにしては多少強引かもしれませんけど悪くないとは思いますし」
尭深「私も賛成。私も久しぶりにたこ焼食べたい」
菫「全く…まあみんなが言うならいいか。それじゃあどこかでたこ焼きを買ってくるか」
照「ちょっと待って。どうせならこのメンバーで一から作りたい」
淡「いいねーテル。みんなで作ると楽しいもんね」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:00:53.07 ID:9xzbhKNU0
菫「いや、作ると言っても道具が無いだろうが」
照「大丈夫、実はもう道具は買ってきてある」ドサッ!
淡「おお!電動のタコ焼き器だね」
照「そう、更に鉄板を変えればホットプレートにもなるという優れもの!」
尭深「無駄に高性能…」
誠子「部室の隅に何かあると思ったらそれだったんですか」
菫「おい、買ってきたのはいいがどこから費用を出した」
照「部の経費で」
菫「そんなもんのために経費を使うなー!!!」
照「部のレクリエーションに使うって言ったら簡単に申請が下りた」
誠子「流石に全国制覇をしてると申請の手続きも違うもんなんですね」
尭深「これも宮永先輩たちのおかげ」
照「えっへん!」
菫「威張るな、正直頭が痛い…」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:02:56.96 ID:9xzbhKNU0
淡「もー、スミレは気にしすぎだって。こうしてテルーが用意してくれたんだから楽しもうよ!」
菫「…そうだな、じゃあやってみるか」
照「それじゃあだれかたこ焼の材料を買ってきてもらえるかな」
淡「えー!なんで用意してないの!?」
照「いや、材料は作れる事が決まってからの方が無駄にならなくていいと思って」
誠子「そういう事でした私と尭深で買いに行ってきますよ」
淡「私も付いていこうか?」
尭深「淡ちゃんが付いてくるとたこ焼の材料以外のものも買わされそうな気がするからいいよ」
淡「ちぇー、せっかく数日分のおやつが手に入るチャンスだったのにさー」
菫「ってやっぱり狙ってたのか」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:04:36.59 ID:9xzbhKNU0
照「じゃあ2人ともおねがい。それと領収書をもらってきてね。あとで経費で落とすから」
誠子「了解しました」
淡「経費って便利だなー。私も今度使ってみようかな~」
菫「大丈夫だ。淡の買ったものは経費で落とさないように言っておくから」
淡「ひどい!スミレはおーぼーだよ!!」
菫「お前が買い物してたらこの部室がガラクタで埋まるだろうが…」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:09:05.68 ID:9xzbhKNU0
~ ~ ~
誠子「とりあえずたこ焼に必要な材料を買ってきました」
菫「おお、御苦労さま。結構重くなかったか?」
尭深「いえ、大体誠子が持ってくれたのでそこまでは…で、これが領収書になります」
菫「分かった。あとでお金の方は返すからな」
誠子「それで部室で材料を切るのもどうかと思ったので途中家庭課室を使って材料の仕込みの方を済ませてきました」
淡「さっすがー、手際がいいね」
照「2人とも、本当にありがとう!」
尭深「いいんですよ。先輩達が喜んでいただけるならそれで」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:13:00.68 ID:9xzbhKNU0
淡「ねーねー、それじゃあさっそく焼いてみようよー!!」
照「そうだね。それじゃあ型に油を引いてと」ササッ
菫「で、そこに生地を流し込む」トクトク
誠子「そしたら具のタコを中央にいれてしばし待つ」ジューッ
尭深「しばらくして周りが焼けてきたところで…」
淡「ねじりこむように生地をひっくり返すべし!!」ベチャッ
照「あ、崩れた」
淡「むむむ…なかなかの強敵だな」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:16:17.54 ID:9xzbhKNU0
菫「不器用なやつだな。ほら、こういうのはこうやってだな…」ベチャ
尭深「…崩れましたね」
淡「へー、スミレって案外…」
菫「う、うるさい!今のは気が乱れただけだ!いいか、今度こそ…」ベチャッ
照「ちょっと待って。菫が一人占めするのはずるいと思う」
誠子「そうですね、私もちょっとやってみたいです」
菫「うう、もう一回、もう一回だけやらせてくれ!!」
照「これが白糸台麻雀部の部長か…」
淡「はぁー、やれやれだね」
誠子「まあ、こういう一面があってもいいと思いますよ」
菫「お、お前らー!!!」
尭深「…みんな若いなぁ」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:19:14.13 ID:9xzbhKNU0
~しばらくして~
照「で、一通りやった結果、尭深以外はみんな不器用だという事が判明したと」
菫「うう、なんか悔しいな…」
淡「というよりなんでタカミーはそんなに上手いのさ?」
尭深「…昔、地域のお祭りでやった事があったの」
菫「なるほど、経験者だった訳か」
尭深「あの時は大変だった。両手で焼かないと間に合わなかったからそれこそひっくり返しながらの仕上げをしてたから…」
誠子「ずいぶん壮絶な過去があったんだね」
尭深「そのおかげで今では焼き方を身体が覚えてくれている。ミスすることは多分ない」
照「プロだ…まさかこんな所にたこ焼作りのプロがいるなんで驚いた」
淡「人は見かけによらないもんだね」
尭深「…///」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:21:44.45 ID:9xzbhKNU0
照「それじゃあ、ある程度は焼けた事だし食べてみようか」
淡「さんせーい!それじゃあ私はオタフクソースとマヨネーズで」
誠子「私はそれに鰹節と…先輩方は青のりはどうしますか?」
菫「私は遠慮しておく」
照「私はかける」
誠子「じゃあどうぞ」ヒョイッ
照「ありがとう、まあ量は少なめにして…と」サッサッ
尭深「それじゃあ皆に行きわたったところで」
全員「いっただきまーす!!」パクッ!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:24:23.27 ID:9xzbhKNU0
照「うん、すごく美味しい!!」モグモグ
誠子「へぇ、ミックスの粉でも結構いけるものなんですね」モグモグ
菫「そうだな、後は焼き方がいいという点だな」モグモグ
淡「これはタカミーのおかげだね!」ゴックン!
尭深「ありがとうございます。それじゃあどんどん焼いていきますので…」
菫「おいおい、尭深もちゃんと食べてくれよ」
照「菫の言うとおり、食べてる間は私が変わるかr」
菫「その間ぐらいは作らなくてもいいだろう。そんな急ぐものでもないし」
照「菫のイジワル。そんなに信用してくれないの?」
菫「それはまあ…あんなスライムみたいなのを生み出せば流石にな」
照「それは菫も同じじゃん」
菫「自覚してるよ、言わせるなよ…」グスッ
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 00:26:39.42 ID:/zJdDYfKo
なにやってんだ超名門校麻雀部一軍w
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:27:38.91 ID:9xzbhKNU0
誠子「けど、今こんな事言うのも何だと思うんですが」
淡「うん、どーしたの?」
誠子「いや、この調子で焼いていくとタコが足りなそうな気がしまして…」
照「確かに…ちょっとタコが少ないかもね」
誠子「たこ焼に使うタコってどれだけ使うものか分からなかったんであまり買ってこなかったんですよね」
菫「それは仕方ないだろう。やったこともなかったしな」
尭深「お祭りでやった時は材料はたくさん用意してあったんで、タコの量については知らなかったもので…」
誠子「なんでしたら今からまたタコだけでも買ってきましょうか?」
菫「いや、そんな無理して買いに行かなくていいだろう。余ったら余ったでそのまま食べればいいさ」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:30:18.03 ID:9xzbhKNU0
淡「え~!?それじゃあたこ焼じゃないじゃん」
菫「じゃあ淡がタコを買ってきてくれるのか?それなら別にかまわないが」
淡「ううっ、お腹いっぱいになった後に動くのはちょっと…」
菫「皆も同じだ。それに少ないとはいえまだあるんだからそれで我慢しろ」
淡「はぁーい」
照「……」モグモグ
菫「ってお前は黙々と食べるんだな」
照「食事中は喋らない。これは最低限のマナー」
菫「お前はもう少し違う所を学んでくれよ…」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:32:38.76 ID:9xzbhKNU0
~ ~ ~
尭深「やっぱり生地が余りましたね」
誠子「じゃあこれも同じように焼く感じでいいですか?」
淡「けどさー、それだとちょっと面白みが無いよね」
菫「お前はタコ焼きに何を求めているんだ。それじゃあ尭深、そのまま…」
照「ちょっと待って!?」
菫「おおっ!?どうした、いきなり大声なんか出して」
照「ごめん、ちょっと提案がある」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:36:21.86 ID:9xzbhKNU0
淡「なになに!何か面白い事でもあるの?」
誠子「宮永先輩の案となりますと…何かお菓子でも入れるとかですか?」
尭深「けどこれは生地に出汁が練りこまれてるから合わないと思いますが…」
照「違う。もっといい代用品があったの」
菫「代用品?そんなもんどこにあるんだ」
照「……」ジーッ
淡「えっ?どうしたのテルー?私を見つめても何も出ないって///」
照「……」ジーッ
誠子「いや、淡を見つめてる訳じゃないみたいだよ」
尭深「どちらかというと淡の…髪?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:40:21.75 ID:9xzbhKNU0
菫「おいおい、照。まさかお前…」
照「ねぇ淡。ちょっと失礼な事かも知れないんだけどさ」
淡「ほえ?」
照「淡の髪ってタコに似てるよね」
淡「は?」
尭深「…何事ですか?」
菫「おい照。ついに頭がおかしくなったのか…念のため病院行くか?」
照「失礼な。頭はおかしくなってないよ。むしろ真剣」
菫「尚更タチが悪いわ!」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:42:22.17 ID:9xzbhKNU0
淡「ちょ、ちょっと待って。私の髪はタコじゃないよ!」
誠子「逆にここでタコ宣言されても怖いけどね」
照「もちろんそれは分かってる。けど共通点が多いから多分いけると思う」
菫「じゃあその共通点を言ってみろ」
照「まず、そのぐにゃぐにゃしてる所」
尭深「確かに淡ちゃんは麻雀をする時は触手みたいに動いているけど…」
誠子「それだけでたこと似てるって言うのはちょっと苦しいかと」
菫「まあ他にもあるんだろう。照」
照「…以上」
菫「ないんかい!!」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:44:22.86 ID:9xzbhKNU0
照「けどあの動きはタコにしか見えない。というかタコだよ。絶対に」
淡「あわわ…テルーが壊れた」
照「という訳で淡。髪の先っぽだけでもいいからちょうだい」
菫「で、それを具にタコ焼きにしようと考えてる訳だな」
照「流石菫。飲みこみが早い」
菫「やらせる訳ないだろーが!!」
照「菫、大声はきつい…耳がキーンとしてる」
菫「どこの世界に後輩の髪を食べたがる先輩がいるんだ!?」
照「ここにいる」
菫「言うと思ったよ!とにかく駄目だ、常識的に考えてみろ」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:46:19.17 ID:9xzbhKNU0
照「けどこれは菫が怒る事じゃないと思う。私が聞いてるのは淡なんだよ」
菫「お前は先輩としてそれでいいのか…」
照「ねぇ淡。お願い…淡の髪、ちょっとだけちょうだい」ウルッ
淡「ううっ」
照「……」ウルウル…
淡『キラキラな目で上目遣いって…どうやって断れって言うのさ』
淡「…先っぽだけあげたら満足する?」
照「いいの!本当に!?」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:48:27.41 ID:9xzbhKNU0
菫「おい淡。お前はそれでいいのか」
淡「まあ、テルーの思いつきだし、ここで断ると後が怖そうだしね」
菫「…悪いな、淡。苦労をかける」
誠子「というより本当に食べるのかな?」
尭深「宮永先輩なら絶対にやるよ」
誠子「これがインターハイチャンプの貫録か…」
菫「2人とも誤解するな。こいつだけは特別だ。悪い意味でな」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:50:14.23 ID:9xzbhKNU0
照「それじゃあ淡、いくよー」
淡「き、切りすぎないでね…」
照「大丈夫だって。それじゃあえいっ」チョキッ
照「よし…ってうわぁ!!」ビクッ
ビタンビタンビタンビタン!!
菫「こ、これはどういう事なんだ…?」
誠子「か、髪が動いてる!?」
ビタンビタンビタンビタン!!
尭深「…すごく生きがいい。まるで白魚みたい」
菫「そんなもんに例えるな、というより本当にこれ髪の毛なのか」
淡「えっ、みんな髪切った時とかこんな風にならないの?」
菫「なってたまるか。みんなこんな風になってたら美容院とか地獄絵図になってるわ」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:52:17.84 ID:9xzbhKNU0
ビタンビタン…ビタン…ピクッ
尭深「あっ、止まった」
誠子「止まったって言っていいのかなぁ、これって」
照「じゃあ動きが止まったところで、生地を流してこれを…」
菫「おい、さっきまでそんな理解不能な動きをしてた物を本当に食べるつもりか?」
照「何言ってるの?新鮮なうちに食べるないと痛むよ」
菫「お前は…まあいい、好きにしろ」
尭深「投げ出しましたね、先輩」
菫「こんな光景を見せられて私にどうしろって言うんだ」
照「じゃあ尭深、焼くのはお願い」
尭深「わ、分かりました…」
淡「うーん、ものすごく複雑な気分」
菫「だろうな」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:54:32.08 ID:9xzbhKNU0
尭深「い、一応焼けましたけど…」
照「よーし、それじゃあ色々と味付けをしてっと」
菫「おい、本気で食べるつもりか?」
照「もちろん、むしろ食べないと淡に悪いじゃん」
淡「私は別にどっちでもいいんだけど…」
照「それじゃあ、いただきまーす!!」パクッ
淡「うわぁ、一口で…」
照「……」モグモグ
誠子「ど、どうなんですか。味の方は…」
照「……うん、うまーい!」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:56:33.60 ID:9xzbhKNU0
菫「う、嘘をつくな!」
照「いや、本当だって。本当に美味しいよこれ」
照「味はタコに近いような気がするんだけど…なんか違う」
照「タコより柔らかで、それでいてしっかりとした味がする」
照「そしてそれが舌の上でシャっきりポンとはじけて…」
誠子「……」ゴクッ
尭深「シャっきりポン…」
菫「け、けどなぁ、お前が食べたのは一応淡の髪の毛なんだぞ」
照「分かってる、けどとっても美味しかったよ。髪って言われなければ絶対に気づかない」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 00:58:27.17 ID:9xzbhKNU0
照「という訳で淡…」ジリッ
淡「い、いやーいくらテルーでも流石にこれ以上は…だよね、みんな?」
誠子「……そうですね、先輩だけの一人占めって言うのもどうかと思いますよ」ジリッ
淡「へ?」
尭深「美味しいものはみんなで食べるものですよね…」ジリジリ…
淡「た、タカミー?」
菫「…すまん淡、私も試してみたくなった」ダッ!!
淡「ちょ、スミレー!!」ドスーン!!
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:00:19.39 ID:9xzbhKNU0
照「そんな訳で、捕獲完了」
淡「うう…なにこれ、なんで私は椅子に縛り付けられてるの…」
菫「悪い、多分髪をこれ以上譲ってくれといっても嫌がると思ったから」
淡「当たり前じゃん!なにを言ってるのさ」
誠子「いや、流石にこんなこと聞けるのも気が弾けるんだけどさ…あの宮永先輩が美味しいって言うんだから試したくなるというか…」
尭深「ゴメンね淡ちゃん。後でわかめとか昆布とかたくさん買ってきてあげるから」
淡「全然嬉しくないよ!ねえ、お願いだからやめてよ!!」
照「大丈夫。流石に全部は刈り取らないからさ」ジャキッ
淡「ひっ」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:02:36.81 ID:9xzbhKNU0
照「それじゃあ、今度はちょっと多めに…」
淡「ダメ―――!!!」ビュン!!
照「くっ!?」パシーン!
菫「はさみが…髪で弾かれた!?」
尭深「すごい…髪の動きとは思えない」
淡「もう、なんだかよく分からないけど許さないからね!!」ゴゴゴゴゴ…
菫「成程…髪の方も臨戦態勢という訳か」
誠子「もうなんなんでしょうねあれ。本当に髪なんでしょうか」
照「分からない、けど美味しいってことは確か」
尭深「それなら、強引に奪い取るしかないみたいですね」スチャッ
菫「まさかこんな所で弓を使うとは思わなかったな…」キュッ
淡「そっちがその気ならこっちも全力で行くからね!!!」
ワサワサワサァァァァァ!!!
菫「来るぞ!!」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:04:32.36 ID:9xzbhKNU0
~ ~ ~
フナQ「ふっふっふっ、忍びこめたで白糸台」
フナQ「二年連続インターハイ優勝の秘訣、しっかりデータに残させてもらうで~!!」
フナQ「とはいっても二軍連中には用はない。必要なのは一軍、チーム虎姫の情報や」
フナQ「うちのリサーチによると、今の時間は一軍専用の部室でミーティングをやってるはずやな…」
フナQ「まあ流石に部屋に入るのは無理やろうから、外から覗いて何かしらデータが得られれば…」ギャーギャー!!
フナQ「…?なんや、一軍の部屋の方がえらい騒がしいなぁ」
フナQ「まさかこの時期に仲間割れでもしてるんやろうか?まあそうなら好都合なんやけど」チラッ
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:06:39.74 ID:9xzbhKNU0
誠子「クソっ、少しは大人しくしろっての!!」ダダダダダ!!!
淡「そんなもん効かないよ」キィンキィン!!
誠子「エアガンの弾が全部弾かれるか…おっそろしいな」
菫「ならこれならどうだ。シャープシュート!!」シュッ!!
淡「よっと!」パシィッ!!
誠子「か、髪で真剣白刃取り!?」
菫「なんで防御力なんだあれは…こっちの攻撃が歯が立たないぞ」
淡「これなら動けないのもあまり不利にならないよね、だからさっさと降参したら」
尭深「させない」バサァァァァァッ!
淡「うわっ!え、煙幕!?」ケホケホ
尭深「お茶っ葉の煙幕。本当はこんな使い方はしたくないんだけど…」
菫「いいぞ尭深、いまだ照!」
照「任せて、一撃で決めて見せる!」ギラッ!
淡「しまった!急いで迎撃を…」
照「遅い!」ザクザクッ!!
淡「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
フナQ「 」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:08:12.65 ID:9xzbhKNU0
大阪 千里山高校
怜「フナQ、大丈夫かなぁ」
竜華「大丈夫やと思うで、なんてったってあのフナQや」
セーラ「しっかし、先に東京に行ってデータ収集するなんてあいつらしいといえばあいつらしいよな」
怜「それだけこのインターハイに賭けてくれてるってことやで。いい後輩を持ったもんやな…」
竜華「しかし白糸台のデータか。確かに手に入れれば心強い」
泉「先輩方も気になりますか」
怜「もちろんやで。牌譜は何回も見てたけどそれだけじゃ分からんこともぎょーさんあると思うし、なにしろあの化け物集団やしな。情報があるに越したことはないんや」
竜華「去年はただただ圧倒されただけやったしな…悔しいけど」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:10:22.89 ID:9xzbhKNU0
セーラ「ああ、それに今年入った一年も気になる。先輩を押しのけて入ってきたんや、相当な物を隠し持ってると言っていいやろう」
泉「そうですね…」prrrr! prrrr!
竜華「おっ、フナQから連絡のメールや」
「で、なんて書いてあるんや?まさかばれて捕まったとか?」
泉「けど一応白糸台の制服は着ていったみたいですし、そんな簡単に捕まるとは思えませんが…」
竜華「えーっと、なになに…」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:12:26.51 ID:9xzbhKNU0
先輩方へ
私は今まで白糸台は化物じみた強さの持ち主だと思っていましたが、どうやら違っていました。
化物じみたではなく、完全な化け物でした
人間が勝つのは無理かもしれません
怖いんで帰ります
データを取りに行くと言ってこの体たらく…本当に申し訳ございません
フナQ
怜「…え、どういう事なんやこれ」
竜華「さぁ…ウチにもサッパリやわ」
セーラ「化物じみた強さじゃなく、完全な化け物ってどういう事やねん」
泉「本当に妖怪でも混じってたんですかね」
竜華「フナQ、一体向こうで何を見たんや…?」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:14:46.27 ID:9xzbhKNU0
~ ~ ~
照「はぁ、はぁ…なんとかゲットできた」
菫「なんでこんな事に体力を使ったんだろうな、私達…」
誠子「恐るべし、淡の髪という所でしょうか」
尭深「それじゃあ、痛まない内に調理しますね」
照「うん、お願い」
淡「うっ、ひどい…いくらなんでもひど過ぎるよ…」エグエグ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:15:17.80 ID:9xzbhKNU0
菫「あー、そのなんだ…やりすぎたな。ゴメン淡」
淡「こんな風にしといて今さら何を言うのさ!髪は女の命なのにー!」ウワーン!!
誠子「ゴメン、今さらながら反省してる」
尭深「ゴメンね、けどちゃんと淡ちゃんの分も用意してるから…」
淡「知らない知らない!!みんな嫌いだーーー!!!」プイッ!
照「…どうしてこうなった」
菫「元はお前の責任…いや、私たちも同罪だな」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:19:11.24 ID:9xzbhKNU0
尭深「…はい、焼けました」コトッ
照「ありがとう。それじゃあ冷めないうちに食べようか」
菫「…今さらながら、これって淡の髪の毛なんだよな」
照「今さら何を言うの?食べないなら私がもらうけど」
菫「い、いや、ただ確認したかっただけだ!」
誠子「シャっきりポン、果たしてどんな味なのか」
尭深「色々な意味で楽しみ…不安もあるけど」
菫「そ、それじゃあ…いただきます!!」パクッ!
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:21:17.28 ID:9xzbhKNU0
照「どう、お味の方は」
菫「…嘘、だろ…」モグモグ
誠子「これがシャっきりポンか…成程、良く分かりました。確かにこの味はそう表現するしかないですね」モグモグ
尭深「色々と信じられないけど、本当に美味しい…!!」モグモグ
菫「一体どうなってるんだ…?」ゴックン
淡「みんなおかしーよ!頭がどうかしたんじゃないの!?」
照「まあ淡もとりあえず食べて見てよ。そうすればみんなの言ってる事も分かると思う」
淡「嘘つき!私は騙されないからね」
誠子「…自分の髪を食べてみろって言われれば、普通はああなるよなー」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:23:51.85 ID:9xzbhKNU0
照「淡、お願い。私を信じて…」
淡「……」ツーン!
照「…後でケーキ食べ放題に連れていくからさ」
淡「…むぅ」
照「…菫が」
菫「そこで私に振るのかよ!!」
淡「…分かった。テルーがそこまで言うなら食べてみるよ」パクッ
淡「うぅ、自分の髪の毛を食べるなんてそんなオカルト…!!!」ズキューン!!
照「…で、どう?」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:26:51.02 ID:9xzbhKNU0
淡「…信じられない。けど…」プルプル
照「けど?」
淡「……うーーーまーーーいーーーぞーーー!!!」ゴォォォォォォォォ!!!
尭深「あ、淡ちゃんの口から火が!!」
誠子「大丈夫、本当に美味しいものを食べた時は人間ああなるもんだよ」
菫「ならないからな。まあ髪が美味しいって言う時点でもう異常なんだけどさ」
淡「美味しい!お替わり、お替わりはあるの」モグモグ
尭深「はい、どうぞ」
淡「わーい、それじゃあいっただきまーす!!」パクパク
照「良かった、淡の機嫌が直ってくれて」
淡「まあケーキバイキングもあるし、それに過ぎた事をクヨクヨしてても仕方ないしね!」モグモグゴックン!!
菫「さっきまで散々いじけてたくせに」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:28:42.39 ID:9xzbhKNU0
尭深「けど、髪の方が…」
淡「むー、まあ確かに切られたのはショックだけど、そのうち生えてくるからそんなに気にしないよ!!」
菫「それはまあ、勢いとはいえ本当に悪かったよ」
誠子「なんだったら淡の色に合ったエクステでも探して…え?」
菫「どうした。そんな怪訝そうな顔をして」
誠子「いや、見間違いかもしれないんですが…淡の髪が…」
照「淡の髪が…っておお!!」
淡「おお!!どんどん伸びるよー!!!」ニュイーン!!
尭深「自己再生…みたいなものですかね?」
菫「かもな…もうあれ何なんだよ」
照「人体にはまだまだ知らない事がたくさんあるんだね」
菫「これ以上不可思議な事があってたまるか」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:30:49.51 ID:9xzbhKNU0
淡「やったー!元の長さに戻ったー!!」ジャジャーン
菫「…まあ良かったじゃないか」
誠子「伸びてくる速度は普通ではありえないけどね」
淡「ふっふっふっ、やっぱり高校100年生なだけはあるね」
菫「ああ、もうそれでいいよ」
照「あれ、いつもみたいにツッコミはいれないの?」
菫「正直ツッコミ疲れた…」ハァ
誠子「お疲れ様です」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 01:34:38.27 ID:9xzbhKNU0
照「それじゃあお腹がいっぱいになったところだし、そろそろ練習しようか」
淡「おー、今の私はお腹いっぱいで絶好調だよ」
尭深「淡ちゃん本当に元気だね」
淡「うん、今なら誰とやっても負ける気がしないんだから!」
照「ほう、それは楽しみ」
誠子「それじゃあ、先輩はどうしますか」
菫「…私は休んでる」
淡「もー、スミレったらだらしがないなー」
菫「何とでもいってくれ…」
照「ねえ淡、また今度タコ焼きを作る時はさ、また淡の髪を使ってもいい?」
淡「うん!今度はもっと奮発するよ―――!!」
菫「…もうどうにでもなーれ」
カン!!