【淡・菫SS】照「節分?」【咲-Saki-】

転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422975133/l50

1 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:52:13.85 ID:ZGA7Qwdd0

照「節分には、あまりいい思い出がない」

菫(絶対あのツノのせいで毎年鬼やらされてるだけだろ)

誠子(毎年鬼役やらされてるんだろうなあ……)

尭深(ああ、鬼役やらされてるんですね……)

淡「えー? 豆投げるの楽しいじゃん! 鬼はー外って!」

菫「あっ、馬鹿!」

照「……ほう?」ゴゴゴゴゴ

菫(ほら、地雷踏んだ)

誠子(やっぱりそこが地雷か)

尭深(淡ちゃん、普通に地雷踏みぬいたね)

淡「全力で鬼に豆投げるの! テルもやってみなよ、すっごく楽しいから!」

照「……豆を投げたことはない」

菫(投げられる側だからな)

誠子(気付け! 早く気付け大星!)

尭深(宮永先輩の淡ちゃんを見る目が恐ろしく冷たいよおおおお!!?)

淡「なんでー? 投げればいいじゃん、楽しいよー!」

照「……いつも、投げられる方だったから」

淡「……あっ」

照「……」

淡「……」

照「……」

淡「……」

照「……」ゴゴゴゴゴ

淡(スミレ、助けて! テルーに殺される!)

菫(自業自得だ馬鹿)
2 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:52:50.56 ID:ZGA7Qwdd0

淡(正座)「足がしびれて来た……」

誠子「文句言うな、弘世先輩がご機嫌取りのプリンを買ってきてくれたおかげで正座だけで済んだんだから」

尭深「宮永先輩の目が獲物を狙ってる時の弘世先輩の目だったよね」

照「プリンうまー」モグモグ

菫「で、最初に言った通り今日は節分なんだが、何かするか?」

淡「はーい! 豆まきがしたいです!」

照「誰が正座やめていいって言った?」ゴゴゴゴゴ

淡(正座)「すみませんでした」ガタガタ

3 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:53:27.65 ID:ZGA7Qwdd0

菫「豆まきか……食べ物を粗末にするのはちょっとな」

誠子「そこですか?」

尭深「年の数だけ豆を食べるのが平和ですかね」

淡(正座)「えー? いいじゃん、豆まきしようよー、豆まきしたいー!」

照「そうだね、私も、豆を投げてみたい」

淡(正座)「ほらほら、テルもこう言ってるし!」

菫「仕方ないな……で、鬼は誰がやるんだ?」

淡(正座)「テルでしょ! ツノ生えてるし!」

菫「おい馬鹿!?」

誠子(なんで反省してないんだよ!?)

尭深「あ、淡ちゃん、それは……」

淡(正座)「ん?」

照「……誠子、青竹三本と漬物石」

誠子「いや、流石にそれは……」

照「……早く」ゴゴゴゴゴ

誠子「行ってきます」

淡「……あれ? 私、また地雷踏んだ?」

菫「」コクコク

尭深「」ウンウン

4 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:54:10.12 ID:ZGA7Qwdd0

淡(青竹敷いた上に正座して腿に漬物石を乗せてる)「先輩、痛いです……」

誠子「だろうな」

菫「下が青竹だからまだいいが、拷問に使われる手だからな、それ」

尭深「ごめんね、淡ちゃん」

照「さて、節分とかほっといて麻雀しよう。春季大会もあるし」

淡(青竹敷いた上に正座して腿に漬物石を乗せてる)「ううー! 豆まきしようよー!」

誠子「まだ言うのかお前……」

照「しない。やはり節分は悪しき風習」

菫「大星、諦めろ」

淡(青竹敷いた上に正座して腿に漬物石を乗せてる)「テルの鬼! 悪魔! 豆投げて追い出されちゃえ!」

尭深「まだトラウマ抉るの!? 淡ちゃん、ホントにこれ以上は……」

5 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:55:18.66 ID:ZGA7Qwdd0

照「」ゴゴゴゴゴ

淡(青竹敷いた上に正座して腿に漬物石を乗せてる)「あ、ヤバ……」

菫「……照」

照「誠子……この学校、三角木馬あったよね?」

誠子「い、いえ、ちょっと私にはわかりかねま……」

淡(青竹敷いた上に正座して腿に漬物石を乗せてる)「頑張れセーコ! テルーの横暴に屈するなー!」

照「あったよね?」ゴゴゴゴゴ

誠子「……はい」

淡(青竹敷いた上に正座して腿に漬物石を乗せてる)「あっさり折れた!?」ガーン

尭深「そりゃそうだよ……もう弘世先輩どころか阿知賀の赤土監督を見る小鍛治プロの目だもん」

照「誠子、早く取って来て」

菫「おい、照……」

淡(青竹敷いた上に正座して腿に漬物石を乗せてる)「た、助けてスミレ! テルーを止めて!」

照「……菫、なに?」ゴゴゴゴゴ

菫「……資料室の物を借りるには許可が必要だ、書類を書いてくるから少し待て」

淡(青竹敷いた上に正座して腿に漬物石を乗せてる)「手を貸しやがった!? 部長なら部員を守ってよ!」

菫「生意気な後輩と自分の命なら後者を選ぶ。諦めろ大星」

淡(青竹敷いた上に正座して腿に漬物石を乗せてる)「菫のヘタレー!」

菫「亦野、書類を書いている間に、大星の足に重りを吊るすロープを持って来い」

誠子「あ、はい」

6 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:55:47.58 ID:ZGA7Qwdd0

淡(三角木馬に跨って足に漬物石吊るされてる)「痛い痛い痛い! これマジで痛いよテルー!?」

菫「ガチの拷問器具だからな、当たり前だ」

誠子「なんでこんなの置いてあるんですかこの学校?」

尭深「てゆうか、なんで使用許可下りたんですかね?」

菫「使用目的に『痛覚の刺激と麻雀におけるツモ運の変動の検証』と書いたらあっさり許可が下りた」

照「麻雀部が麻雀関係で使用許可申請すれば大体許可が出る」

誠子「痛覚の刺激ってもう拷問に使うって宣言してるじゃん……ダメだこの学校、早くどうにかしないと……」

尭深「多分もう手遅れだよ誠子ちゃん」

照「さて、じゃあ麻雀打とうか」

淡(三角木馬に跨って足に漬物石吊るされてる)「痛い痛い痛い! 助けて、ホントにマジで助けて! ホントに痛いの!」

照「この半荘が終わったらね」ゴゴゴゴゴ

淡(三角木馬に跨って足に漬物石吊るされてる)「ホントに痛いの! お願いだから助けてよおおお!! 私が悪かったから! 反省してるからああああ!!」

照「ツモ、300・500」

淡(三角木馬に跨って足に漬物石吊るされてる)「痛いよお―――!!! うえええ――ん!!」

7 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:56:17.66 ID:ZGA7Qwdd0

淡(降ろしてもらった)「ひっく……えっぐ……」ズキズキ

照「流石にやりすぎた気がしてきた」

菫「気付いてくれたようでなによりだ」

誠子「正座ぐらいまでは自業自得なんですけどね」

尭深「淡ちゃん、立てる?」

淡「無理……痛い……」グスン

照「あ、あの……淡、ごめん」

淡「」プイッ

菫「完全にへそ曲げてるな。私たちも照を止めるべきだったが……」

誠子「いや、無理ですよ。あの時の宮永先輩、淡を見る宮永先輩の目してましたもん」

淡「それ普通の目じゃん!?」

尭深「淡ちゃんは正座してて向き変えられなかったから見てないだろうけど、他に例えられないぐらい怖い目してたの……」

菫「私も目が怖いとかよく言われるが、あれは流石の私も竦み上がったな」

照「あ、淡、本当にごめん」

淡「ぷいっ」ツーン

菫「すまなかったな、大星」

淡「ぶーぶー!」

誠子「悪かったって、ごめんな」

淡「セーコは罰として今日は私をおんぶして帰ること! 私歩けないし!」

誠子「割とキツイなそれ……まあ三角木馬の代償だから仕方ないか」

尭深「ごめんね淡ちゃん」

淡「タカミはお茶とお詫びのお菓子を用意すること! 忘れたら口きいてあげないから!」

尭深「うん……本当にごめんね」

菫「あの、私はどうしたら許してもらえるだろうか……出来ることならなんでも……」

淡「ん? 今、なんでもするって言ったよね?」

菫「あ、ああ……出来る事なら」

淡「じゃあ、今日は私の部屋に泊まってご飯作ったりお掃除したりして。冗談とかじゃなく立つのも辛いんだから」

菫「(なにを言い出されるかと思ったが……)ああ、お安い御用だ。本当にすまなかった」

8 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:56:46.77 ID:ZGA7Qwdd0

照「あ、あの、淡?」

淡「つーん」プイッ

照「わ、私はどうしたらいいかな……?」

淡「」プクー

照「あ、淡……何か言って……」

淡「テルーは何もしなくていいよ」

照「え?」

淡「元はと言えばテルに色々言っちゃた私が悪かったもん」

照「でも、流石にやりすぎたし……」

淡「いいの! いつもなんだかんだで許してくれるから甘えてたし……今回は本当に嫌なんだってわからなかったし……」

照「淡……」

淡「私のほうこそ、ごめんね、テル」

照「わたしも、ごめん」
菫(なあ、なんで主犯が許されて脅迫されて手伝った私たちが許されないんだ?)

誠子(流石に悪乗りしすぎましたし……)

尭深(いい話に収まったんだから気にしちゃダメですよ先輩)
9 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:57:16.79 ID:ZGA7Qwdd0

【清澄高校】
優希「咲ちゃん!今日は節分だじぇ」

咲「うん、恵方巻きを食べる日だね!」

優希「いや、豆まk…」

咲「恵方巻きを食べる日だよね?」ゴッ

優希「は、はい……」

京太郎「おーい、咲、恵方巻き作って来たぞー、ついでにタコスも」

優希「良くやったじょ!褒めてつかわす」

京太郎「へいへい」
10 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:57:43.98 ID:ZGA7Qwdd0

久「咲、豆まき嫌いなの?」

咲「……お姉ちゃんと喧嘩した原因、それなので」

まこ(なにがあったかは聞かん方がええな……)

和「なにがあったのですか?」

まこ「おいっ! 普通に聞くんか!?」

咲「中学まで、私、ツノなかったんですよ。だから、お姉ちゃんに豆まきしようって言っちゃって……」

久「そう、大変だったのね(正直1割も理解できてないけど流しましょう)」

京太郎「中学から寝癖がツノみたいだからって豆まきでいつも鬼にされるようになって、それで節分嫌いなんですよこいつ」

咲「そういうわけなので……」
和(咲さんはツノがある、角があるのは鬼、鬼だから豆に弱い、豆を責められるのに弱い……閃きました!)
京太郎「落ち着け、それはおかしい」

和「思考を読まないでください!」

優希「のどちゃん、流石にドンビキだじぇ?」

咲「?」キョトン

11 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:58:09.83 ID:ZGA7Qwdd0

久「じゃあ、豆まきは中止ね。須賀君、恵方巻きは人数分あるの?」

京太郎「5本とタコスがあります」

まこ「なら、全員分あるな」

咲「いつもありがとう、京ちゃん」

京太郎「気にすんな、恵方はあっちだっけ?」

咲「うん!」

優希「私は恵方を向いてタコスを食べるじぇ!」

和「では、いただきます」
もぐもぐ……

12 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:58:41.20 ID:ZGA7Qwdd0

【龍門渕】
一「ねえ、透華、流石にやりすぎなんじゃ……」

透華「だまらっしゃい! 龍門渕グループの意地を見せるのです! 豆まきを撲滅して恵方巻き文化を植え付けなさい!」
純(なあ、あれどうしたんだ?)ヒソヒソ

智紀(あのアホ毛がツノみたいと言われていつも鬼をやらされていたらしい)ヒソヒソ

純(目立つからとか言って嬉々としてやりそうなんだが……)ヒソヒソ

智紀(この年になると、友人の全力投豆は流石に痛いらしい)ヒソヒソ
透華「恵方巻き! 恵方巻き! 節分と言えば恵方巻きですわー!」

一「もう……透華ったら」

純「仕方ねえ奴だな」

智紀「豆まきが無くなることはないと思われる」

衣「トーカー! 衣は豆まきというのをやってみたいぞ!」

透華「ぐぬぬ……いくら衣でもこればかりは……」

純「いいじゃねえか、やろうぜ。鬼なら俺がやってやるよ」

透華「良いのですか? 鬼なら他に適任が……」

純「どう考えても一番ガタイがいい俺が適任だろうが。あとはハギヨシさんぐらいか?」

衣「わーい、豆まきだー!」

智紀「……純が相手なら全力で行ける」

純「おい、衣はともかくお前は手加減しろ」

13 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:59:08.94 ID:ZGA7Qwdd0

「「「「「福は内! 福は内!」」」」」

ハギヨシ「というように、福は内だけの掛け声のところもあるのですよ」

純「助かったぜハギヨシさん……智紀は冗談だったが、透華がガチで怨念を込めて豆を投げてたからな……」

衣「楽しいぞー!」

智美「楽しんでいるようでなにより」

透華「こんな風習があるならもっと早く教えてくださればよろしいのに……」

ハギヨシ「透華お嬢様は目立たれるのがお好きでしたので」

一「あはは、それじゃあ仕方ないね」

透華「仕方ないでは済みませんわ! いくら余計なお金を使ったと思っていますの!?」

ハギヨシ「恵方巻きキャンペーンの収益はプラスのようですので、止める必要もないかと思いまして」

14 : ◆jBL8Qe1.Ns 2015/02/03(火) 23:59:38.00 ID:ZGA7Qwdd0

【再び白糸台】

照「というわけで、恵方巻きを食べよう」

菫「なにが『というわけ』なのかさっぱりだが、悪くないな」

淡「わーい!」

誠子「恵方はあっちですね」

尭深「じゃあ、あっちを向いて……」

五人「いただきまーす」

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