1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 21:43:42.15 ID:DEklSKHT0
穏乃「休憩ー!」
憧「長い事乗ってると流石に疲れるねー」
穏乃「東京まであとどれくらい?」
玄「三時間はかかるって」
穏乃「うわーとおいー」
晴絵「うちら売店行くけど何かいる?」
憧「飲み物があれば他は特に……」
晴絵「おっけ。じゃあしばらく自由行動で」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 21:46:13.91 ID:DEklSKHT0
穏乃「あれ」
穏乃「制服の子がいる」
玄「私達みたいだね」
穏乃「んわっ! 倒れた! 熱中症!?」
憧「大丈夫ですか!?」
竜華「怜っ」
竜華「だいじょ、おわっ!?」ずでーん
穏乃「ちょ、そっちの人も大丈夫ですか!?」
怜「竜華……?」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 21:49:11.02 ID:DEklSKHT0
玄「立てますか?」
竜華「うう……」
憧「うわ、ひざすりむいてる……痛そう」
玄「消毒しないと! お手洗いで傷口洗いましょう!」
憧「じゃあ私は売店に言って消毒液探してくる!」
穏乃「なら私はこの人診てるね!」
憧「わかった! しず、お願いね!」
穏乃「うん!」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 21:52:08.35 ID:DEklSKHT0
怜「いやあすみませんです……」
穏乃「あっちにベンチがあるんで休みましょう」
怜「はい……」
穏乃「え……っと……横になった方がいいですよね」
怜「せやね……よっこいしょ、っと」
穏乃「あ、ちょっと待ってください。流石にそのまま寝ころぶのは」
怜「ちょっとくらい制服が汚れても気にせんし……」
穏乃「はあ……じゃあせめてこのハンカチを頭の下に」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 21:55:39.02 ID:DEklSKHT0
怜「ふむ……あの、もしよかったらなんやけど」
穏乃「はい?」
怜「膝枕、してくれへん?」
穏乃「あはは、なんかちょっと照れますね」
怜「本当に膝枕してくれるとは……ありがとうございます」
穏乃「いえ、具合悪いんですしこれくらい構いませんよ」
怜「ほんまええこやなあ」
穏乃「あはは、そんなことないですよ」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 21:58:18.77 ID:DEklSKHT0
怜「いやーええこじゃ無かったらこんな見ず知らずの人間膝枕したりせえへんって」
穏乃「あー、そういえばどうして制服なんですか?」
怜「ああこれ? 今私ら学校の部活で移動中でして」
穏乃「そうなんですか? なら私達と一緒ですね!」
怜「そうなん? そういえば一緒にいた子ら制服やったなあ」
穏乃「部活ってどんな部活なんですか?」
怜「んー、文化系っちゅうか」
怜「文化系にしてはちょっと特殊な感じかな」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:01:11.70 ID:DEklSKHT0
穏乃「ブラバンとかですか?」
怜「ブラバンやとちょっと私の体力もたんかなー」
穏乃「あーブラバンとか体育系かってくらい筋トレしてますもんねえ」
怜「私病弱やしきっついかな」
怜「そういえば、しずちゃんって運動部やの?」
穏乃「いえ、文化部ですけど……ってあれ? 私名前教えましたっけ?」
怜「んーん、さっきお友達が君の事しずって呼んどったから……違った?」
穏乃「合ってますよ、ときさん」
怜「あれ?」
穏乃「さっき倒れた人があなたをそう呼んでましたよね?」
怜「ああ、なるほど」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:04:54.25 ID:DEklSKHT0
穏乃「あの、私の膝枕固いですか?」
怜「え? なんで?」
穏乃「さっき私が運動部かどうかって聞かれたので」
怜「ジャージ着とるし……しっかり鍛えられたふとももや思ってな」
穏乃「私運動部じゃないんですけど、よく山で遊んでるので……ふとももの筋肉が硬かったかなあと」
怜「そんなことあらへんでー。適度にしまっててハリもあって、それでいて弾力もある。しっとりすべすべええふとももやで」
穏乃「な、なんかそう言われると……」
怜「これは誇ってええで。なんといっても膝枕ソムリエの私が太鼓判押すんやから」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:07:22.73 ID:DEklSKHT0
穏乃「膝枕ソムリエ?」
怜「せやでー。私ちょっと病弱やろ? せやからよく部活でも膝枕してもらっててなー」
穏乃「病弱やろ? って言われましても」タハハ
怜「膝枕にはなー、適度な肉付きと程良い弾力が必要なんやで。これらが絶妙にマッチングしてないのはただの足や!」
怜「しずちゃんの脚はなかなかのなかなかやで。私のランキングで上位に入るわ」
穏乃「あ、ありがとうございます」
怜「それにしずちゃん」
穏乃「はい?」
怜「さっきからしっかりと私の頭なでてるのも高ポイントやで」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:10:05.48 ID:DEklSKHT0
穏乃「へっ? あ、す、すみません! なんか無意識に!」
怜「あーええでーお続けください」
穏乃「え? でも」
怜「落ち着くし気分的にも楽になった気がするしなー」
穏乃「そうですか?」
怜「うん」
穏乃「じゃあ失礼しまして」
怜「おーどうぞー」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:13:12.15 ID:DEklSKHT0
怜「そんで、しずちゃんの部活はなんなん?」
穏乃「私もときさんと同じで文化系ですよ。これから東京で全国大会があるんです」
怜「全国かー凄いなあしずちゃんとこの部活は」
穏乃「みんなで頑張りましたので!」
怜「大会かー。一番になれるとええな」
穏乃「ありがとうございます。でも」
怜「ん?」
穏乃「実は私、優勝が目的じゃなかったりするんですよね」
怜「なんで? 全国大会にまで出るんやったらやっぱり一番目指すんちゃうの?」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:16:42.08 ID:DEklSKHT0
穏乃「いやー、実は二年前に転校していった友達が部活で活躍してるって知って、私達も全国大会に出れば会えるかなあって」
穏乃「また一緒に遊べればいいなあって。そのために全力で頑張っちゃいました」
怜「へー全国大会の会場で友人に再会かー。なんかロマンチックやねえ」
穏乃「なんかそう言われると照れちゃいますね」
怜「それで、そのお友達に会えたらしずちゃんは勝ち負けはどうでもええの?」
穏乃「そこは組み合わせ次第ですけど……やっぱり勝ちたいですね」
穏乃「今の私はこんなに強くなったんだぞって言いたいです」
怜「ええなあ……青春やなあ」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:19:38.26 ID:DEklSKHT0
怜「それにしても強くなったとこ見せたいって……将棋とか?」
穏乃「あれ? 言いませんでしたっけ?」
怜「文化系としか聞いとらんでー」
穏乃「麻雀ですよー。団体戦しか出て無いんですけど、これでも私大将なんです!」
怜「はー、しずちゃん何年生?」
穏乃「一年生です」
怜「一年生でレギュラーとかしずちゃん凄いなあ」
穏乃「凄いもなにも、団体戦に出られる5人ぎりぎりしかいないので」
怜「そんな5人しかいない部活が全国って相当凄いと思うけどなあ」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:22:15.82 ID:DEklSKHT0
穏乃「あらためてそう言われると確かに……」
怜「胸はってええと思うで」
穏乃「じゃあ……私達凄いです!」エッヘン
怜「しずちゃんは素直で可愛いなあ」
穏乃「ときさんは何年生なんですか?」
怜「私は三年生やで」
穏乃「先輩ですねー」
怜「せやでー先輩やでー」
怜「貫禄あるやろ?」
穏乃「貫禄、ですか?」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:25:19.99 ID:DEklSKHT0
怜「先輩オーラがにじみ出とるやろ」
穏乃「どちらかというと出て無いですかねー」
怜「むう……失礼な」
穏乃「あ、す、すいませ」
怜「そんなしずちゃんにはこうや!」
穏乃「ちょ、や、くすぐった、いやー!」
怜「うりうりうりー」
穏乃「たーすーけーてー」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:28:00.96 ID:gBwGsDXZO
ど、どこをくすぐっているんだ……
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:28:16.48 ID:DEklSKHT0
玄「捻挫もしてないみたいですし、擦り傷だけでよかったですね」
竜華「なんか色々すみませんです」
玄「困った時はお互い様ですよ! 傷の手当てはおまかせあれ!」
竜華「ふふっ」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:31:43.01 ID:DEklSKHT0
玄「? どうかしました?」
竜華「なんやろ、そのおまかせあれっての可愛えなあって」
玄「か、可愛いですか?」
竜華「うん」
玄「うわ、なんか恥ずかしいです」
竜華「なんで?」
玄「部活のみんなはもう慣れちゃっててリアクションしてくれないですから」
玄「さ、ハンカチ濡らしたので足出してもらっていいですか?」
竜華「あ、はーい」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:35:11.35 ID:DEklSKHT0
玄「ちょっと痛いかもしれませんけど」
竜華(てかこの体勢……)
玄「ちょっと我慢してくださいねー」
竜華(こんな可愛い子がひざまずいて……)
玄「大丈夫ですかー?」
竜華「ん、まあこれくらいなら」
竜華(なんか……ええなあ……)
竜華(こう、ぞくぞくくるっちゅうか)
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:38:42.16 ID:DEklSKHT0
憧「玄ー、消毒液とリバテープあったよ」
竜華「リバテープ!?」
憧「へ?」
玄「どうかしましたか?」
竜華「あの、リバテープって……何?」
玄「リバテープはリバテープですよ?」
憧「リバテープだよねえ」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:41:19.75 ID:DEklSKHT0
竜華(この子らリバテープが常識みたいに話してるけどリバテープってなんやろ……)
竜華(もしかしたら私が知らんだけで医療現場の最先端じゃ当たり前のものなのかも……)
竜華「ってバンドエイドやん!」
玄「はい? リバテープですよ?」
竜華「ああそっか、たしかバンドエイドって地域によって呼び方違うってどっかで聞いたことあったわ……」
憧「え? じゃあそっちじゃリバテープって言わないんですか?」
竜華「こっちの方じゃバンドエイドやなあ」
玄「はあーなるほどー」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:42:51.34 ID:K5rN76370
カットバンだわ
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:43:19.79 ID:ASbu3xuh0
ばんそうこうでしょ。
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:45:04.74 ID:DEklSKHT0
玄「はい、取り敢えずですけど手当終了です!」
竜華「おおきに」
竜華「それにしても怜は大丈夫やろか……」
玄「怜さんってさっきの人ですか?」
竜華「うん、せやで。あの子ちょっと病弱やから」
玄「そうなんですかー」
竜華「最近は良くなってきてると思ったんやけどねえ」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:48:24.66 ID:DEklSKHT0
憧「その怜さんですけど、あっちのベンチで休んでるみたいですよ……って、ええ!?」
玄「穏乃ちゃんが膝枕してるねー」
竜華「怜ー!?」
玄「あ、そんなに慌てたらまた転びますって!」
憧「し、しず!?」
玄「憧ちゃんも!?」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:51:20.60 ID:DEklSKHT0
竜華「怜!?」
憧「しず!? あんた何してんの!?」
怜「おー竜華、怪我はもうええんかー?」
穏乃「何って見たまんまひざまくらだけど」
竜華「ひざは消毒もしてもらったしバンドエイドも貼ったからもう大丈夫やで!」
竜華「それよりなんで膝枕されとるん!?」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:54:22.20 ID:r/Q/cNXe0
元気っ子と病弱っ子ってのも中々……
しえん
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:54:29.06 ID:DEklSKHT0
穏乃「バンドエイド?」
怜「ん? バンドエイドはバンドエイドやろ? 竜華の膝に貼ってあるよ」
穏乃「え? あれリバテープですよね?」
怜「いやいやリバテープて」
憧「そのくだりはもうやったから」
怜「なんで膝枕されとるって……そりゃあ心優しいしずちゃんが病弱な私の為にひざを貸してくれたんや」
怜「なかなかのなかなかやでー」
穏乃「なんかあらためて人前でそんなこと言われると照れますねー」
怜「うふふ」
穏乃「あはは」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 22:57:35.81 ID:DEklSKHT0
竜華(なんやこれ……なんやこれ)
憧(私のしずが私のしずが私のしずが私のしずが私のしずが私のしずが私のしずが私のしずが)
\バスガデルデー/
竜華「ほ、ほら怜、もうバス出るから! あんまり迷惑かけたらあかんで!」
怜「あーそやねー、ありがとなしずちゃん」
穏乃「いえいえ、迷惑だなんてそんな。ときさんが具合良くなったならひざまくらしたかいがあるってもんですよ」
怜「そりゃあもう元気もりもりやでー」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 23:00:31.39 ID:DEklSKHT0
竜華「ああほら怜、もう行かな!」
玄「あ、これ余ったバンドエイドです! もしよろしければどうぞ」
竜華「これはえらいすいません」
怜「そういえば私しずちゃんに何の部活やってるか言って無かったなあ」
穏乃「そういえばそうですね」
怜「私もな、しずちゃんと同じ麻雀部なんやで」
穏乃「へ?」
憧「え?」
玄「? 同じなんですか?」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 23:03:38.12 ID:DEklSKHT0
竜華「ちょ、怜それほんまに!?」
怜「ほんまもほんまや。やからな」
怜「もしかしたらインハイであたるかもしれんなあ。その時はよろしく頼みます」
穏乃「あ……はあ……よろしくおねがいします……?」
怜「それじゃあまた会おうなー」
ちゅ
穏乃「!?」
憧「ちょちょちょちょちょななななななな何を」
玄「ほほう、ほっぺですか」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 23:06:12.74 ID:DEklSKHT0
竜華「ととととととととっととととと怜いいいいいいいいいいいい!?」
怜「お別れのキスやないかおちつき竜華。じゃーなーしずちゃん」
穏乃「あ、はい! また!」
憧「ちょっとしずあんたあの人と何してたの!?」
穏乃「何ってさっき玄さん達と別れてからひざまくらしかしてないって!」
憧「本当!? それならなんで別れ際にききききききききキスとか」
玄「やっぱり大阪は都会だから進んでるねえ」
憧「進んでるとかそういうんじゃなーい!」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 23:09:40.96 ID:DEklSKHT0
晴絵「こんなところにいたか。そろそろ行くぞー」
灼「……何かあったの?」
憧「何かも何も! ああもう!」
晴絵「ん? ありゃあ千里山じゃないか」
穏乃「千里山?」
灼「あっちの方にバス4台あってあの制服で一杯だった」
灼「全国ランキング2位」
憧「インターハイ第4シード」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 23:12:53.90 ID:DEklSKHT0
千里山女子――関西最強の高校――!!
憧(潰す!)
おわり
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 23:13:37.76 ID:DEklSKHT0
おまけ ドラゴン復活の儀式
晴絵「玄っ始めるよ」
玄「あ、はい!」
憧「何やんの?」
晴絵「ドラゴンを復活させる儀式」
憧「は?」
穏乃「あ、あれやるんですか?」
灼「準備しないと」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/15(土) 23:16:12.09 ID:DEklSKHT0
憧「え? 何みんな当たり前みたいに? 私なんのことだかさっぱりわからないんだけど?」
晴絵「玄はこども麻雀クラブのときやむなくドラを捨てることがあったんだけど、そのたびにドラがしばらく来なくなった」
晴絵「んで、ドラを復活させるために色々試してたんだけど、結局これが一番だっていう結論がでたんだよね」
玄「その時憧ちゃんは掃除当番でいなかったんだよね」
穏乃「こっちは準備できました!」
灼「こっちも」
晴絵「じゃあ始めようか」
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2012/12/15 23:19:42ID:DEklSKHT0
晴絵はそう言うとおもむろに太鼓を叩き始めた。
なんで今まであんな大きな和太鼓があることに気付かなかったのか、自分の注意力のなさを疑ってしまう。
玄は両手に稲穂を持ってわさわさしている。その姿はまるで祈りをささげる巫女のようだ。いや、曲がりなりにも神社の娘である私がこんな事を言っていいのか分からないが。
灼は御幣(ごへい)を持って祝詞をあげている。何故私じゃなくて灼なのかよく分からない。
しずは一心不乱に般若心経を読んでいる。一生懸命なしず可愛い……じゃなくて。
憧「なんじゃこりゃあ」
怜「しずちゃん今忙しそうやな」
憧「こんなわけわかんない儀式だけどね……ってなんであんたがここに!?」
怜「しずちゃんに会いたくて病院抜け出してきました」
怜「おーいしずちゃーn」
憧「ちょっと待てゴルァァァ!」
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] : 投稿日:2012/12/15 23:21:05ID:DEklSKHT0
船Q「ああこんなとこにおったんですか園城寺せんぱ、ってなんじゃこりゃあ!」
晴絵「! 見られた! しず!」
穏乃「はい!」
晴絵「捕まえろ! 生贄じゃ! ドラゴン様への生贄にするのじゃ!」
穏乃「ははー!」
船Q「逃げますよ園城寺先輩!」
怜「えー? せっかくしずちゃんに会いにきたのに」
憧「いいから私が押さえてる間にさっさと出てけぇ!」
船Q「ホラ新子さんが頑張ってくれとるんですから! 早く!」
怜「しゃーなしやな……しずちゃーん、またくるでー」
憧「いいからはよ帰れやー!!!」
おわり