【新子憧SS】憧「遊ぶんだ、小蒔と!!」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 20:20:25.68 ID:WA7O986j0

憧の部屋
ピピピッ――

憧「――んっ……」カチッ

憧「……もう朝かぁ……」

憧「ふあぁぁ、良く寝た――」

小蒔「…………Zzzz」スゥスゥ

憧「!? えっ、な、なんで小蒔が私のベットに――って、昨日小蒔と一緒に寝たんだっけ」アセアセ

小蒔「…………Zzzz」スゥスゥ

憧「それにしても、良く寝てるな」

小蒔「…………んん…憧ちゃん……」スゥスゥ

憧「小蒔ったら、どんな夢見てるのかしら?」フフフ

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 20:22:34.66 ID:WA7O986j0

憧「神代…? 神代ってあの神代!?」 の続きとなってます。

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 20:27:25.57 ID:WA7O986j0

憧「って、いけないいけない! のんびり小蒔の寝顔を見てる場合じゃないって!!」

憧「これじゃ目覚ましかけてまで早起きした意味がなくなっちゃう!」

憧「早く準備しないと――」

小蒔「…………Zzzz」プルン

憧「…………」ジー

憧(やっぱり小蒔のおもちは、やばいくらい魅力的ね……)ゴクリ

憧(……ちょ、ちょっとくらい揉んでも――いやいや、昨日散々揉んで怒らせたんだから)ブンブン

憧(これ以上はまずいわよね)ウンウン

憧「よし、小蒔が起きる前に準備しなくっちゃね!」

憧「…………」

憧「…………」モミモミ

小蒔「…………あんっ……」ビクンッ

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 20:32:11.17 ID:WA7O986j0

憧「はっ!? 何やってんのよ私!?」

憧(無意識のうちに、小蒔のおもち揉んじゃってるよ!!)

憧(うぅ……これじゃ、もう玄の事注意できないわね……)
―――――

―――
居間
憧「ふんふふん~♪」トントン

小蒔「おはようございます、憧ちゃん」

憧「あっ、小蒔起きたんだ。おはよう」トントン

憧「よく寝れた?」コトコト

小蒔「はい、すっごくよく眠れました!!」ニッコリ

憧「良かったわ。しっかり睡眠とっとかないと、今日の遊園地楽しめないからね」サクサク

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 20:36:58.00 ID:WA7O986j0

小蒔「そうですね。今日は目一杯楽しみます!」

憧「うん、楽しもうね!!」グツグツ

憧「ちょっと待ってて、もう少しで朝御飯できるから」トントン

小蒔「はい。……憧ちゃんって、料理上手ですよね」

憧「あっ、これ? そんなことないよ。簡単なものくらいしかできないし」トントン

小蒔「羨ましいですね。私は料理はまったくできないので……」

憧「小蒔は家とかで料理しないの?」

小蒔「料理しないというより、させてもらえないのです……」グスッ

憧(あぁ、納得だわ)
―――――

―――

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 20:42:08.42 ID:WA7O986j0

憧「さて、準備できた?」

小蒔「はい、ばっちりです!」

憧「そうだ、今日は暑いから、コレかぶっていきなさいね」

小蒔「わぷっ。こ、これは……麦わら帽子ですか?」

憧「私のお古で悪いんだけどね」

小蒔「いいえ、ありがとう、憧ちゃん!!」

望「んっ、もう出かけるのか?」

憧「あっ、お姉ちゃん。うん、早く行って時間いっぱい遊びたいから」

望「そっか。楽しんできなよ」

憧「分かってるって。お姉ちゃんからもらったチケット、無駄にはしないから」

小蒔「今日は目一杯楽しんできます!」

望「気を付けてね~」
―――――

―――

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 20:47:07.62 ID:WA7O986j0

阿知賀パーク
憧「着いたわよ!!」

小蒔「わぁ~、ここが遊園地なんですね」キョロキョロ

憧「ただの遊園地じゃないわよ」

憧「今年できたばかりの奈良県最大の遊園地なんだよ!!」

憧「他県からも結構人が来てるし、土日なんてアトラクション最低3時間待ちが当たり前の人気施設なんだから!!」

小蒔「3時間待ちですか……」

憧「まぁ、今日は平日だし、そんなに並ぶことはないと思うから安心して」

小蒔「そうなんですか、安心しました」

小蒔「ところで憧ちゃん、ずっと持ってるそのバスケットはなんですか?」

憧「ん、これ? 後のお楽しみ」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 20:52:05.62 ID:WA7O986j0

憧「それじゃ、まず何乗ろっか?」

小蒔「えっと、ちょっと待ってくださいね……」パンフレットチェック

小蒔「あっ、憧ちゃんこれ乗ってみたいです!!」

憧「どれどれ――って、メリーゴーランドって小蒔……」

小蒔「お馬さんですよ、お馬さん!! すっごく面白そうです!!」キラキラ

小蒔「憧ちゃんと一緒に乗ってみたいです!!」キラキラ

憧「いやいや、さすがに高校生にもなって一緒にあれに乗るのは……」

小蒔「……駄目……ですか……?」グスッ

憧「えっ!? い、いや……別に駄目というわけじゃ……」アセアセ

憧「…………」ウーン

憧「はぁ、仕方ないわね、小蒔が乗りたいんならいいわよ」

小蒔「本当ですか!? それじゃ、早く行きましょう!!」ウキウキ

憧「ちょっと小蒔、そんなに走らないの!!」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 20:56:55.47 ID:WA7O986j0

メリーゴーランド
小蒔「わぁ!! すごいです!!」

憧「…………////」

小蒔「あれ? どうしたんですか憧ちゃん?」

憧「小蒔、あんた恥ずかしくないの?////」

小蒔「? どうして恥ずかしいんですか?」

憧「だ、だって、私たち以外みんな小さい子ばかりだし……」

小蒔「それがどうかしたんですか?」

憧「…………」

憧(駄目だ、これは分かってないわね……)

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 20:59:36.86 ID:UszCYJMJ0

阿知賀も発展したのう

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:02:35.03 ID:WA7O986j0

小蒔「メリーゴーランドって初めて乗りましたけど、すっごく楽しいですね!!」

憧(でも小蒔が満足してるんなら、まぁいっかな)

憧(…………すっごく恥ずかしいけどね……////)
「な、なんで私がメリーゴーランドなんて子供だましに乗らなくちゃいけないのよ!!」

「ぶはっ、自分めっちゃ似合っとんな! 全然違和感ないで!!」ゲラゲラ

「わ、笑わない、そこ!!////」

――――――――――

小蒔「はぁー、すっごい幸せな時間でした」ポワポワ

憧「や、やっと終わった……」ゲッソリ

小蒔「もう一回乗りましょうね!!」

憧「そ、それはちょっと遠慮したいかな……」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:07:25.21 ID:WA7O986j0

小蒔「くすっ、冗談です」

小蒔「憧ちゃん、本当は乗るの嫌だったんでしょう?」

憧「嫌ってわけじゃなかったけど、さすがに恥ずかしかったわね」

小蒔「それでも、一緒に乗ってくれて嬉しかったです。ありがとう、憧ちゃん」ペコリ

憧「そんな当然じゃない! 今日は目一杯楽しもうって言ったでしょう?」

憧「だから、小蒔が望むことをできる限り叶えてあげたかっただけなんだから」

小蒔「憧ちゃん……」ウルッ

憧「さっ、次どこ行こっか?」
「……なんで今度はうちがメリーゴーランドに乗っとるん?」

「うるさい、そこ!!」パシャパシャ

「わっ、ちょ待ってーな!! 写真撮るんは勘弁してーな!」アセアセ

「そーゆーのいーから、ポーズ取る!!」ビシッ

「あっ……ピース////」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:12:09.19 ID:WA7O986j0

憧「うーん、どれがいっかな?」

小蒔「今度は憧ちゃんが乗りたいものにしましょう」

憧「えっ、いいの?」

小蒔「はい! 先ほどは私の希望を通していただいたのですし」

憧「ありがとね。それじゃ……ジェットコースターに行ってもいいかな?」

小蒔「ジェットコースターですか。確か迫力満点の乗り物でしたね?」

憧「そうよ。でもここのは全国的にもすごいやつだから、嫌だったら乗らなくていいからね?」

小蒔「いえ、憧ちゃん一人に乗らせるわけにはいきません。それに面白そうですしね」キラキラ

憧「そ、そう? じゃあ行こっか」

憧(意外だったな……小蒔ってああいったアトラクションは苦手だと思ってたけど、案外平気なんだ)

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:12:10.26 ID:3bONxMtX0

洋胡か

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:16:54.43 ID:WA7O986j0

ジェットコースター
小蒔「」

憧「小蒔、大丈夫?」

小蒔「こ、これがジェットコースターという乗り物なんですか……?」ビクビク

憧「そうよ。……もしかして小蒔、やっぱりこういうの苦手?」

小蒔「は、はい……。ま、まさかこのような乗り物だとは思っていなかったので……」

憧「まぁ、苦手なら無理に乗らないほうがいいわね」

小蒔「あ、憧ちゃんは平気なんですか?」

憧「私は大好きよ。昔っからシズと一緒に乗りまくってたからね」

小蒔(……穏ちゃんと一緒に乗ってたんですか……)

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:21:37.16 ID:WA7O986j0

憧「じゃあ悪いけど、小蒔はここで待ってて――」

小蒔「の、乗ります!!」

憧「えっ!!? な、何言ってんの小蒔!?」

小蒔「わ、私も憧ちゃんと一緒に乗りたいです!!」

憧「えっ、でもここのすっごく怖いよ? それでもいいの?」

小蒔「も、もももももちろんですよ!!」ガタガタ

憧(明らかに震えてるんだけど……)

憧「本当にいいの?」

小蒔「は、はい!!」

憧「…………そこまで言うならいいけど……」

憧(それにしても、なんで突然乗りたいなんて言ったんだろ?)ウーン

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:27:03.17 ID:WA7O986j0

カタ……カタ……

憧「うわぁー、やっぱこの瞬間が一番ドキドキするね」ウキウキ

小蒔「」ガタガタブルブル ギュッ←力の限り目をつぶっている

憧「小蒔……」

カタ……カタ……

憧「…………」ギュッ

小蒔「! あ、憧ちゃん?」ドキッ

憧「小蒔、しっかり私の手握ってなさいよ」

小蒔「は、はい!」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:32:43.75 ID:WA7O986j0

カタ……カタン…………

ゴオォォォォォオオ!!!!

憧「わあぁぁぁあ!!」

小蒔「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!」

ゴオォォォォォォオオオ!!!!!

憧「やあぁぁぁあぁ!!」

小蒔「きゃあぁぁぁ――――」ガクン

憧「いやあぁぁぁぁああ!!」

小蒔「」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:37:26.84 ID:WA7O986j0

――――――――――

憧「あー、すっごく面白かった!」

小蒔「……よ、良かったです、憧ちゃんが楽しんでくれたようで……」フラフラ

憧「って小蒔、大丈夫なの!?」

小蒔「だ、大丈夫ですよ、だ、大丈夫……」クラクラ

憧「全然大丈夫じゃないでしょ!!」

憧「ちょっとベンチに座って休んでなさい!! 今何か飲み物買ってきてあげるから!!」タタタッ
「もう一回乗ろうよ!!」

「ア、アカン、あんなやつもう乗られへんよ……」カタカタ

「えー、だーめ。あと十回は乗ろうよ!!」

「じゅ、十回って……メゲるわ……」カタカタ

「ジェットコースターって楽しいよね。一緒に楽しもうよ!!」ニッコリ

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:39:58.02 ID:3Rf1YmcE0

咲恭キター

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:42:55.96 ID:WA7O986j0

小蒔「…………ふぅ……」

小蒔(少し休んだら落ち着きました)

小蒔(それにしても、ジェットコースターとは恐ろしい乗り物でしたね……)ブルッ

小蒔(次はもっと落ち着けるやつがいいですね……)

小蒔(それにしても憧ちゃんには申し訳ないことをしてしまいました……)

小蒔(私が無理に乗るなんて言わなければ、もっと楽しめたでしょうし……)

小蒔(憧ちゃんがいつも穏ちゃんと一緒に乗ってるって聞いた瞬間、つい乗るなんて言ってしまいました)

小蒔(穏ちゃんに嫉妬するなんて……私、子供ですね……)

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:47:37.89 ID:WA7O986j0

「あら? なかなか可愛い子がいるじゃない?」

「ねぇ、そこのあなた?」

小蒔「わ、私ですか?」

「そうよ。どう、私とひと夏の思い出、つくらない?)

小蒔「えっ、そ、そんなこといきなり言われても困ります!」オロオロ

憧「小蒔に何してんのよーー!!」ブンッ←ジュースの缶を投げた

「わっ、危ない危ない」パシッ←それをいとも簡単にキャッチした

小蒔「憧ちゃん!!」

憧「逃げるわよ小蒔!!」ギュッ

小蒔「は、はい!!////」タタタ

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:50:52.70 ID:I2BEES1k0

ひさたそ~

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:52:45.82 ID:WA7O986j0

「あら残念、逃げられちゃったわ」カシュ…ゴクゴク

「……ここにいた……」ポリポリ

「あら、ごめんなさいね、一人にしちゃって」

「……別に構わない……それより、またナンパ?」ポリポリ

「まあね。失敗しちゃったけど」

「……デート中なのに、他の女性をナンパするなんて非常識……」ポリポリ

「でも、許してくれるんでしょ?」

「……もちろん……」ポリポリ

「ありがとっ。春くらいだもの、こんなことしても許してくれるのは」

「それが自慢……」ニコッ

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 21:58:31.80 ID:WA7O986j0

――――――――――

憧「はあはあ、大丈夫だった小蒔!?」

小蒔「え、ええ……少し声を掛けられただけですから」

憧「良かった~、小蒔が無事で」ホッ

憧「それにしてもあいつ、小蒔に手を出そうとするなんて、許せないわ!!」ガルル

小蒔「……ありがとう憧ちゃん。すっごく嬉しかったです、助けに来てくれて」

憧「当然じゃん、気にしないで。それより気分はどう?」

小蒔「はい。少し休んだらだいぶ楽になりました」ニコッ

憧「そう。そんじゃ次どこ行こっか?」パンフレットチェック

小蒔「そうですね……あっ、ここ面白そうですね」

憧「へえ、どれどれ――」

『恐怖の館』

憧「」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:03:12.14 ID:WA7O986j0

小蒔「すっごく面白そうですね、憧ちゃん! ……あれ、どうかしたんですか?」

憧「ここここここ小蒔、べべべべ別のアトラクションにししししないかな!!」ガクガク

小蒔「えっ、どうしてですか!?」

憧「そそそそそそんなところより、ここここっちの方が面白そうじゃないかな!?」ブルブル

小蒔「…………もしかして憧ちゃん、怖いんですか?」

憧「!!」ビクッ

小蒔「そうなんですか。それでは仕方ないです、別のところにしま――」

憧「ぜ、ぜぜぜぜ全然怖くなんてないよ!! いいいいいいよ、ここに行くよ!!」ガクブル

小蒔「で、でも……」

憧「ほほほほ本当に平気だからね、さっ、いいい行こうじゃない!!」ビクビク

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:08:04.37 ID:WA7O986j0

小蒔「……分かりました、それでは次は『恐怖の館』に行きましょうか」

憧「おおおお面白そうじゃないね、たたた楽しそうで武者震いしてきちゃったわよ!!」ガクブル

小蒔「憧ちゃん」

憧「なななな何、小蒔!?」ガクガク

小蒔「――大丈夫です。今度は私が憧ちゃんを守ってあげますから」ニコッ

憧「あっ……」

小蒔「さっ、早く行きましょう!!」ギュッ

憧「う、うん!」ギュッ

憧(あれ……震えが止まった……)

憧(さっきまであんなに怖かったのに、今は不思議と平気だわ……)

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:12:43.83 ID:WA7O986j0

憧「……小蒔、ありがとうね」ボソッ

小蒔「何か言いましたか、憧ちゃん?」

憧「ううん、何でもないよ」
「えっ、ここに行くの…?」

「なんだ、駄目なのか?」

「駄目じゃないけど、お化け屋敷はちょっと苦手だから…」

「大丈夫だ、宥に危害を加えようとするやつは私がすべてシャープシュートしてやる!!」キリッ

「わぁ……カッコいい……」

「だから安心して行こうじゃないか!!」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:17:26.63 ID:WA7O986j0

『恐怖の館』お化け屋敷
ヒュードロドロ

小蒔「わぁー、中は涼しいですね」

憧「~~~~」ギュッ←力の限り目をつぶっている

憧(うぅ……やっぱり怖いわ……)

小蒔「すごいですね、あれとかよくできてますよ」

憧「~~~~」ギュッ←小蒔の腕にしがみついてる

ガタン ウラメシヤー

憧「ひっ!?」ビクン

ノロッテヤルー

憧「ひゃうっ!!?」ビクビク

センパイハワタサナイッスヨー

憧「いやっ!!!?」グスッ

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:20:46.01 ID:tT9l9uze0

ステルスはマジで怖いからやめて下さい

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:23:40.53 ID:WA7O986j0

小蒔「憧ちゃん、大丈夫ですよ。私がついてます」

憧「こ、小蒔はへ、平気なの……?」ヒックヒック

小蒔「はい」

小蒔(怒った霞ちゃんの方が何倍も怖いですから……)

小蒔「ほら、もうすぐ出口ですから。頑張って、憧ちゃん!」

憧「う、うん。……頑張る……」グスリ
「ひっ、怖い!! た、助けてくれ!!」ガクガク

「大丈夫……怖くないよ菫ちゃん…」

「ぐすっ、ゆ、宥……」グスッ

「ほら、怖くない怖くない……」ナデナデ

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:25:46.50 ID:tT9l9uze0

さっきのシャープシュートうんぬんは強がりだったのか

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:28:59.72 ID:WA7O986j0

――――――――――

憧「ははは、生きて帰ってこれた……」

小蒔「……大丈夫ですか、憧ちゃん?」

憧「うん……なんとかね……」

小蒔「ちょっと待っててください、何か飲み物でも買ってきますから」

憧「いいよ……小蒔を一人にしたらまたナンパされるかもしれないし……」

憧「大丈夫だよ……少し休んだら回復すると思うから……」

小蒔「分かりました……。それではあちらのベンチで休みましょうか」

憧「ごめんね……」

小蒔「それにしても、憧ちゃんやっぱりお化けが苦手だったんですね」クスッ

憧「うん……実は大の苦手でね。……おかしいでしょ?」

小蒔「いえ、とっても可愛いと思いますよ」ニッコリ

憧「うっ……////」

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:33:40.14 ID:WA7O986j0

小蒔「それより、本当に何もいらないんですか?」

憧「あっ、うん……こうして座ってるだけで十分だよ」

小蒔(憧ちゃんのために何かしてあげたいのですが……)

小蒔(私に何か出来ることはあるのでしょうか……)ウーン
「ごめんな、せっかくのデートやのに……」

「大丈夫、気にしないで」

「でもまさかチャンピオンの膝枕を堪能できると思わんかったわ……」

「私も、園城寺さんを介抱するなんて夢にも思わなかった」

「チャンピオン、胸ないから顔がはっきり見えるな」

「…………」コークスクリューグルグル
小蒔(…………これですね!!)

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:38:35.84 ID:WA7O986j0

小蒔「あ、憧ちゃん」コホン

憧「何、小蒔?」

小蒔「ど、どうぞ」ススッ

憧「へっ、何が?」

小蒔「ひ、膝枕です」

憧「えっ、膝枕!?」

小蒔「横になった方が、ゆっくり休めると思いますし……嫌ですか?」

憧「い、嫌じゃないわよ!! あ、ありがとね」ゴロン

小蒔「……ど、どうですか?」ドキドキ

憧「う、うん。気持ちいいよ」ドキドキ

小蒔「よ、良かったです。ゆっくり休んでくださいね////」

憧「あ、ありがとう////」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:43:57.90 ID:WA7O986j0

憧(うわ~、すっごい気持ちいいわ……)

憧(膝枕ってこんなにも良いものだったんだね……)

憧(気持ち良すぎてなんだか眠くなってきたわ……)

憧(今日は早起きしたからかな……駄目だ、もう限界――)スゥ…

小蒔「憧ちゃん?」

憧「…………Zzzz」スゥスゥ

小蒔「寝ちゃってますね……ゆっくり休んでください」
―――――

―――

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:48:37.57 ID:WA7O986j0

憧「んっ……あれ……? 私寝ちゃってたんだ……」

小蒔「…………Zzzz」コックリコックリ

憧「あ、小蒔まで寝てるし……」

憧「どうしようかな……起こすのも悪い気がするし」

小蒔「…………ん……あっ、憧ちゃんおはようございます……」ポケー

憧「おはよう小蒔。ごめんね、寝ちゃってた」

小蒔「いえ、ゆっくり休めたようで良かったです」クゥー

憧「……小蒔……おなかすいてるの?」

小蒔「えっと……は、はい////」カァ

憧「もうお昼だもんね、よし、ご飯にしよっか」

小蒔「そうですね。どこでお昼にしましょうか?」

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:53:19.82 ID:WA7O986j0

憧「……実はね小蒔、私お弁当作ってきたんだ」バスケットアケル

小蒔「そうなんですか!?」

憧「ほら、行楽地で食事すると高くつくじゃない。その分のお金をお土産とかに使って欲しかったから」

小蒔「憧ちゃん……」

憧「さっ、食べてみて」

小蒔「はい! いただきますね!」

小蒔「はむっ……すっごく美味しいです、このハンバーグ」

憧「良かった~。そのハンバーグ、豆腐でできてるから低カロリーよ」

小蒔「そうなんですか? 全然気づかなかったです」

憧「あとは小蒔用に甘くした玉子焼き、梅とゆかりのおにぎりとかあるから」

小蒔「わぁ……どれも美味しそうです」

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 22:58:00.56 ID:WA7O986j0

小蒔「憧ちゃん、こんなにいつ作ったんですか?」

憧「あはは、実は今日早起きして、朝ごはんの前に用意したんだ」

憧「少しでも小蒔に喜んでもらいたかったから」

小蒔「憧ちゃん……とても嬉しいです。今まで食べた料理で一番美味しいです!」

憧「ちょっと、大げさよ」

小蒔「大げさではないです。本当に美味しいんですから」

憧「……ありがとね、小蒔」

小蒔「憧ちゃんも一緒に食べましょうよ!」

憧「そうね、しっかり食べて最後まで楽しみましょう!!」
―――――

―――

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 23:02:46.80 ID:WA7O986j0

憧「はあー、遊んだ遊んだ」

小蒔「どれもすっごく面白かったです!」

憧「もう夕方か、帰りのこと考えると、遊べるのはあと一つくらいかな」

小蒔「そうですか……楽しいとあっという間に時間が経ってしまいますね」

憧「最後、何乗ろっか?」

小蒔「……観覧車いいですか? 私、最後はこれって決めてたので」

憧「いいね! ちょうど今なら夕日が綺麗だろうし。観覧車で終わりにしよっか」

――――――――――

小蒔「夕日がとっても綺麗ですね……」

憧「そうね。最後にふさわしい景色だわ」

小蒔「……すっごく楽しかったです、この二日間」

憧「私も、とても楽しかったわ」

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 23:07:35.15 ID:WA7O986j0

小蒔「明日の朝には鹿児島に帰らなくてはいけないんですよね」

憧(……あっ、そっか……明日には小蒔、帰っちゃうんだ……)

憧(そんなの、最初から分かってたのにね……すごくさみしいな……)ポロ

憧「あ、あれ?」ポロポロ

小蒔「あ、憧ちゃん!? どうしたんですか!?」

憧「な、なんでだろう、小蒔が帰っちゃうって思ったら、涙が出ちゃって……」グスッ

憧「お、おかしいよね。二日間過ごしただけなのに、泣いたりしちゃって……」ヒックヒック

小蒔「…………」

小蒔「……私、憧ちゃんに謝らないといけないことがあるんです」

憧「……えっ?」

小蒔「実は私、憧ちゃんに嘘をついてたんです」

憧「う、嘘……?」

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 23:12:32.32 ID:WA7O986j0

小蒔「昨日憧ちゃんと会った時、奈良には行きたい場所があったから来たと言いました」

小蒔「でも本当は、憧ちゃんに会いたかったから来たんです」

憧「わ、私に会いに……?」

小蒔「小さい頃、父の友人の娘ということで憧ちゃんの写真を見たことがありました」

小蒔「私はこの子と仲良くなりたいな、そう思ったんです」

小蒔「手紙なり会いに行くなり、方法は色々あったと思います」

小蒔「でも、私にはそれをする勇気がありませんでした」

憧「そ、それならなんで急に会いに来ようって思ったの?」

小蒔「……きっかけは今年のインターハイでした」

小蒔「テレビで阿知賀の試合を見たとき、憧ちゃんが出てるのを知ったんです」

小蒔「一目で分かりました。憧ちゃんだって……」

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 23:17:22.20 ID:WA7O986j0

小蒔「その後、会場で他の方々と一緒にいる憧ちゃんを見ました」

小蒔「憧ちゃん、すっごく楽しそうにみなさんと話されてました」

小蒔「その中に入っていって声を掛けることは、私には出来ませんでした」

小蒔「結局、昔と同じ、何もせずただ見てるだけしか出来なかったんです」

小蒔「でも、憧ちゃんと仲良くなりたいという想いは日に日に募っていきました」

小蒔「だから今回私は、勇気を出して憧ちゃんに会いに来ました」

小蒔「でも、憧ちゃんからしてみたら、初めて会った人に、あなたと仲良くなりたくて来ましたなんて気持ち悪いですよね」

小蒔「だからここへは行きたい場所があったから来た、そう嘘をつくことにしたんです」

憧「……そう…だったんだ……」

小蒔「私にとってこの二日間は、今まで生きてきた中で最高に幸せでした」

小蒔「だって……やっと憧ちゃんと仲良くなれたんですから」

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 23:22:05.41 ID:WA7O986j0

憧「小蒔……そんなにも想ってくれてたんだ……」

小蒔「ごめんなさい、憧ちゃん。嘘をついていて」

憧「ううん、謝らないでよ。そんなの、嘘でもなんでもないじゃない」

小蒔「……ありがとう、憧ちゃん」

小蒔「憧ちゃんは大人ですね。それにくらべて私はまだまだ子供です」

憧「えっ、なんで?」

小蒔「私、嫉妬してたんです――穏ちゃんに」

憧「し、シズ!? な、なんで小蒔が会ったこともないシズに嫉妬するわけ?」

小蒔「会場で憧ちゃんを見たとき、穏ちゃんもいました」

小蒔「穏ちゃんと話してる憧ちゃんは、自然で、飾らないで、活き活きとしてました」

小蒔「憧ちゃんをそんな風にさせてる穏ちゃんが、とても羨ましかったんです」

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 23:26:53.90 ID:WA7O986j0

小蒔「だから憧ちゃんの口から、穏ちゃんのことが出た時、思わず嫉妬しちゃったんです」

小蒔「苦手なジェットコースターにもムキになって乗るって言っちゃったりしましたし」

憧(そっか……それで急に乗るって言ったんだ……)

小蒔「会ったこともない穏ちゃんに嫉妬するなんて、子供です」

憧「…………そんなことないよ」

憧「小蒔は私のこと大人って言ったけど、私だってまだまだ子供だよ!」

憧「小蒔がナンパされた後、一人にさせなかったでしょ?」

憧「あれ、本当は他のやつがなれなれしく小蒔と話すのが嫌だったからなの!」

小蒔「そ、そうだったんですか?」

憧「もちろん小蒔をナンパから守るっていうのも嘘じゃないよ」

憧「でも、やっぱり私も小蒔と同じ。勝手に嫉妬してた、ただの子供なの」

小蒔「憧ちゃん……」

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 23:31:22.08 ID:WA7O986j0

憧「それにしても、自分でも驚いた」

憧「こんなにも私の中で、小蒔の存在が大きいものになってるなんて」

小蒔「ふふ、私もです。写真で見た時より、初めて憧ちゃんを見た時より、昨日会った時よりずっと……」

憧「……また、会えるよね?」

小蒔「はい、きっと」

憧「そっか。今から楽しみだな、小蒔に会えるの」

小蒔「早過ぎですよ、もう」クスクス

憧「小蒔」

小蒔「何ですか、憧ちゃん?」
憧「今度会った時は、昨日より、今日よりも、もっと楽しい思い出作ろうね!!」

小蒔「…………はい」ニコッ

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 23:36:04.60 ID:WA7O986j0

数日後 阿知賀女子学院部室
穏乃「はむはむ……宥さんのお土産のクッキー、美味しいです!!」

宥「良かった…いっぱい食べてね…」

玄「ふむふむ、この子はおもち的にイマイチだね」

晴絵「こら玄、部室でグラビア雑誌読むな」ゴン

玄「きゅ」

灼「まったく玄は……。それよりハルちゃん、あーん」

晴絵「ん、ありがと灼」パクッ
憧「――何のんびりしとるんじゃああぁああ!!!」バン!!
穏乃「うわっ!? 何、憧? ビックリしたじゃん!!」

憧「そんなんじゃ来年全国に行けないよ!!」

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/15(火) 23:40:45.60 ID:WA7O986j0

穏乃「いーじゃん、大会が終わった直後くらい、ゆっくりしたって」

憧「論外!! そんな考え方で全国に出れるわけないでしょ!!」

憧「あんただって、大星淡や鶴田姫子にリベンジしたいでしょ!?」

穏乃「はっ!! そうだ、すっかり忘れてた」

憧「玄だって、戦犯だのドラロー(笑)だのボロクソ言われたの見返したいでしょ!?」

玄「う、うん!!」

憧「灼さんだって、ハルエともっと一緒にいたいでしょ!!」

灼「まあ、それはそうだけ……」

憧「ハルエだって、まだトラウマのケジメ、つけれてないんでしょ!!」

晴絵「うっ、確かにそうだけど……ストレートに言われるとくるわ~」

憧「だから今はのんびりしてる暇なんてないの!! さあ、練習するよ!!」

89 :>>84、すごく嬉しいッス 2013/01/15(火) 23:46:13.09 ID:WA7O986j0

穏乃「憧の言うとおりだ。来年も和と遊ぶんだ!!」

玄「来年は活躍してみせるよ!!」フン

灼「今度こそ、ハルちゃんと一線をこえ……////」

晴絵「よし、それじゃさっそく練習するか!!」

宥「私も出来る限りお手伝いするね…」

憧(小蒔、私たちは必ず来年も全国に行くよ!! そして――)
憧「遊ぶんだ、小蒔と!!」
憧「遊ぶんだ、小蒔と!!」  カン

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