【漫・洋榎SS】郁乃「末原ちゃんのチョコ美味しいなぁ~」 末原「えへへ……」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 09:22:21.69 ID:eSAy2FIL0

郁乃「こんな美味しいチョコ初めて食べたわ~」ムシャムシャ ペロリ

末原「えへへ……そら当然ですわ。材料に特別なモン入れてますから」

郁乃「特別~? 何なんそれ~?」

末原「私の……その、あ…あい……」ボソボソ

郁乃「よく聞こえへんで~?」

末原「……愛情、です」カァァッ

郁乃「や~ん! 末原ちゃん可愛いなぁ~!」

末原「も、もうっ! あんまり言わさんといてくださいっ! 恥ずかしいんですから……」

郁乃「恥ずかしがっとる末原ちゃんもキュンキュンくるで~!」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 09:26:14.60 ID:eSAy2FIL0

末原「それで……その」

郁乃「ん~?」シーハー シーハー

末原「実はチョコだけじゃなくて……もうひとつ、代行にプレゼントがあるんです」

郁乃「えぇ~? なになに~、いくのん楽しみやわ~」

末原「……」
スルスル ヌギッ
郁乃「! す、末原ちゃん……?」

末原「プレゼントは……わ、私ですっ!」

末原「代行……抱いて、くれますか?」ウワメヅカイ

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 09:28:31.17 ID:eSAy2FIL0

郁乃「…そんなこと言われたら、さすがのいくのんでも抑えきれへんで……?」

末原「…はい」テレテレ

郁乃「………す」
郁乃「末原ちゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ガバァッ

末原「きゃあっ!」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

ドシンッ
郁乃「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああんっっっっっ!!」ガバッ

郁乃「………」
チュンチュン チュン チチチチッ
郁乃「まあそうやろなと思とったよ」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 09:37:59.64 ID:eSAy2FIL0

郁乃「そらそうやわな。末原ちゃんがあんなにデレデレしてくるわけあらへんもんなぁ~」

郁乃「さ、忘れん内に末原夢日記にメモっておこか……ボールペン、ボールペンっと……」
メモメモ……
郁乃「3日ぶりの末原ちゃんの夢かぁ~」

郁乃「……今日もごっそさんです、ありがたや~」パンッ パンッ

郁乃「今日の朝ごはんは軽~くトーストだけでええかな~」

郁乃「……ふんふふーん♪」

郁乃「『いっくのん バターをとっりだしって~♪ 食パン表にぬっりぬっりり~♪』」ヌリヌリ

郁乃「『いっくのん トースターにいっれたっなら~♪ おっおよっそ 3分焼っきまっしょぉ~♪』」ピッ ピッ

郁乃「ふんふふーん……♪」テレビリモコン ポチー
……! ………!

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 09:41:34.56 ID:eSAy2FIL0

郁乃「音小さいなぁ~」ピッピッ
サー ツギノニュースデス
郁乃「『…♪ いっくのん おっつぎは 歯っ磨きに~♪』」
~♪  ~♪

キョウハバレンタイン! ソコデキョウハ チマタノチョコレートニチュウモクシテ……

ドタドタドタドタ………!
郁乃「バレンタインやてぇっ!?」テレビガバァッ

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 09:46:15.82 ID:eSAy2FIL0

郁乃「そうや、何で気づかんかったんや……! 今日は待ちに待ったバレンタインデーやないの……!!」

郁乃「今年こそ末原ちゃんのチョコがもらえるってずっと楽しみにしとったんに~……」

郁乃「何で忘れとるんや、いくのんのバカバカ!」ポコポコ
チーン
郁乃「ん、もう焼けたんか」スクッ
コトシモ テヅクリチョコハ ツヨイヨウデスネェー
郁乃「……ふ~ん、手作りチョコなぁ~」モグモグ

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 09:50:57.56 ID:eSAy2FIL0

郁乃「私も末原ちゃんの手作りチョコ欲しいなぁ~……」パンクワエ

郁乃(末原ちゃんの手作りチョコかぁ~……どんな味するんやろなぁ~)ポヤーン

郁乃(……えへ、えへへ、えへへへへ)ポヤヤーン
ポトッ
郁乃「えへへへへへ……ってぎにゃあああっ!?」

郁乃「お気に入りのパジャマにバターがべっとり!!」

郁乃「……うう、厄日や・……末原ちゃんのせいやで……」ドヨンド

郁乃「あとでちゃ~んと手洗いせんとあかんなぁ~……」シクシク

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 09:59:31.94 ID:eSAy2FIL0

……サァ,ツギハ チョコヲモライタイ テレビノマエノ アナタタチヘノコーナー!!
チョコヲモラウタメノヒッショウホウヲ デンジュ!!
郁乃「! チョコをもらう必勝法やて!?」ズイッ
チョコヲモラウニハ ウケミデハイケマセン!!
マズハ ジブンカラモライニイクシセイガダイジ!!
郁乃「自分からもらいにいく……ふんふむ、なるほどなるほど~」

郁乃「つまり、普段控えめで乙女ないくのんも末原ちゃんにびしばしアタックしていかなあかんってことやな~」

郁乃「…なんだか恥ずかしいなぁ~……」テレテレ

郁乃「でも! 末原ちゃんのチョコをもらうためやったら女・赤阪郁乃! なんでもやったるで~!」ゴッ
郁乃「そうと決まれば早速学校へれっつらごー、や~! 待っとってや末原ちゃ~ん!」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 10:06:13.51 ID:eSAy2FIL0

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【ケース1:校門にて】
オハヨーゴザイマース
郁乃「ん~、おはよ~」ヒラヒラ

郁乃(完璧や! 校門で待ち伏せしておけば絶対に末原ちゃんに会える!)

郁乃(そこで末原ちゃんの手作りチョコをゲットや! うひひひひ……)
……ダダダダダッ
キキィッ
洋榎「へっへーん! またうちの勝ちやな、絹!」

絹恵「はぁっ、はぁっ……元サッカー部の私より足早いて……どんな運動神経しとんの、お姉ちゃんは……」ゼー ゼー

洋榎「すこし体なまっとるんちゃうかー?」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 10:13:15.54 ID:eSAy2FIL0

絹恵「もー。…あれ? 赤阪さんちゃう? あそこに立っとる……」

洋榎「ん?」ジー
郁乃「えへへへへへ……末原ちゃーん……」ポワワーン
洋榎「ホンマや。おーい、代行ー!」ブンッ ブンッ

絹恵「…反応、あらへんね」

洋榎「なんやあのおばちゃん……ちょっと文句言ってきたる!」ズカズカ

絹恵「あっ、お姉ちゃん! ……もうっ」

末原「どうしたんや、絹ちゃん?」

絹恵「末原先輩。お姉ちゃんが……」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 10:19:40.58 ID:eSAy2FIL0

末原「なんや、また主将がひとりで動きまわっとるんか……」

末原「まぁ先行っとったらすぐ追いついてくるやろ。ほら、早よせな遅刻してまうで」スタスタ

絹恵「あ、はいっ!」スタスタ

洋榎「やいやい! うちの挨拶を無視するとはどういう了見や!」

郁乃「や~ん……末原ちゃん、そこはあかんよ~……」ポヤポヤーン

洋榎「何立ちながら夢見とんねんっ!」
スパーンッ
郁乃「きゃうっ!?」

郁乃「……あ、あれ? 末原ちゃんは?」

洋榎「恭子? 恭子やったらもう先行ってしもたで」

郁乃「!?」ガーン

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 10:25:51.69 ID:eSAy2FIL0

洋榎「ほら、あそこ。絹と一緒に歩いとるわ」
イッツモ オネーチャンガ……
アハハ シュショウハ ソウイウトコロアルカラナー……
郁乃「……」グヌヌ

洋榎「な、なんや。なんでうちをそんな恨みがましい目で見るんや」

郁乃「……ば」
郁乃「バカーっ!!」ポカポカポカ

洋榎「い、いたたっ! いたいいたいいたいっ!!」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【ケース5:授業中】

郁乃「そしたらこの問題を解いてもらおかなぁ~?」

郁乃「それじゃ、末原ちゃ~ん。お願いな~」

末原「…はい」

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 10:31:55.87 ID:eSAy2FIL0

郁乃(いひひひ。今度は授業中に末原ちゃんと触れ合う機会を増やす作戦やで~)

郁乃(授業中にもらうことは難しいやろけど、私のことを意識させることは出来るはずやね!)

郁乃(そして休み時間にチョコをもらう!)

郁乃(…や~ん、いくのんったら策士やなぁ~!)ニコー

郁乃(さ~、どんどん当てていくで~末原ちゃ~ん)ニヤニヤ

末原「……?」

郁乃「それじゃ、この問題末原ちゃん~」

末原「あ、はい」ガタッ
郁乃「これも末原ちゃん解いてみて~」

末原「……? はい……」ガタッ
郁乃「は~い、末原ちゃんこれ~」

末原「……」ガタッ

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 10:39:46.56 ID:eSAy2FIL0

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【ケース6:休み時間】

郁乃「すっえはっらちゃ~ん!」

末原「……」ジトッ

郁乃「や~ん、末原ちゃん目つき悪~い。もしかして低血圧なん~?」

末原「……」

郁乃「それより末原ちゃ~ん。私に何かあるんちゃう~?」

郁乃「ほら。ほらっ」スッ

由子「? お手してほしいのー?」ポンッ

郁乃「ちーがーうーっ!」

郁乃「末原ちゃんっ、ほらっ!」スッ

末原「…代行、私に恨みでもあるんですか?」

郁乃「へ? 恨み?」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 10:44:25.37 ID:eSAy2FIL0

末原「とぼけんとってください。さっきの授業で……」

由子「同情するのよー、きょーこ。授業中の問題全部で当てられるとか悲惨すぎるのよー」

末原「……」ジトー

郁乃「あ~、その、そんなつもりじゃなかったんやけど~……」タジッ

由子「鬼なのよー。鬼畜なのよー」

郁乃「う……うぅ……」ワナワナ

郁乃「お、覚えとけやーっ!!」ビシッ
ダダダダッ
由子「…何がしたいのよー、あれは」

末原「……」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 10:51:37.58 ID:eSAy2FIL0

……ダダダダダ
郁乃「はーっ、はーっ……」

郁乃「……」

郁乃「何を言っとるんや私は!?」ガビンッ

郁乃「『覚えとけや』って! 敵役か何かかいくのんは!?」

郁乃「むむ……しかし、なんで上手くいかへんのやろなぁ……」ウーン

郁乃「…アタックが足りない……?」

郁乃「! そうや、それや! いくのん照れ屋やから十分に末原ちゃんに迫れてないんや!」

郁乃「もう、いくのんったら!」ポコンッ
ヒソヒソヒソ…… アカサカセンセ,ドウシタンヤロ…… ワルイモノデモ タベタンカナ……
郁乃「やかましいわっ!!」

郁乃「……よ~し、そしたらさらにアタックしていくで~! 覚悟してや末原ちゃ~ん!」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 10:55:04.24 ID:eSAy2FIL0

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【ケース9:授業中 その2】

末原 「……」カキカキカキ メモメモメモ
コツンッ
末原 (? 手紙?)

末原 (誰からやろ……?)メクリッ
『すっえはっらちゃ~ん! いくのんやで~!』
末原 「……」クシャクシャッ
コツンッ
末原 「……」イラッ

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 10:59:12.99 ID:eSAy2FIL0

末原(一体どこから……?)キョロキョロ

末原(……!)

郁乃「……! …!」キャッキャ

郁乃「…!」ヒュンッ
コツンッ
末原(向かいの棟の職員室からから窓際の私めがけて……無茶苦茶やな、あの人……)

末原(……まぁ)

末原(窓閉めたらええだけなんやけど)ガラガラ ピシャッ

郁乃「!?」ズガンッ

郁乃「……」ウルウル

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:08:22.33 ID:eSAy2FIL0

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【ケース18:昼休み】

末原「漫ちゃん、一緒に弁当食べよか」

漫 「ええですけど……デコに落書きはイヤですよ?」

末原「漫ちゃんがアホなことせん限りは大丈夫やで」

漫 「その判定が厳しいから困るんですよ……ん?」
ガラガラッ
郁乃「いくのんラーメンの出前やで~! 末原ちゃん、ラーメンお届けやで~!」

末原「弁当があるんで結構ですわ」

漫 「あ、そしたら私が食べますよ」スッ

郁乃「や~ん、いくのん頑張って作ったんやで~? もったいないわ~」ヒョイッ

漫 「え、だから私食べますってば」ススッ

郁乃「そんなこと言わんと食べて~な~」ヒョイヒョイッ

漫 「……」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:13:00.88 ID:eSAy2FIL0

漫 「せ、先輩ぃ……」ウルウル

恭子「…それじゃ漫ちゃんにでも食べさせたってください」

郁乃「えぇ~!?」

漫 「!」パァァッ

恭子「私はもうお腹いっぱいですから。…ごちそうさまでした」スタスタ
ガラガラッ
漫 「わーい! それじゃいただきます!」

郁乃「……」パッ パッ フリフリカケカケ

漫 「ずずずーっ……げっほ! ごっほげっほ!!」

漫 「ちょ、ちょおっ! 胡椒、胡椒かけすぎっ! 鼻に入って……はくしゅんっ!! くしゅんっ!!」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:17:33.37 ID:eSAy2FIL0

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【ケース34:更衣室】

末原「私のロッカーは……これやな」
ガチャッ
郁乃「すえはらちゃ」
ガチャンッ
末原「由子、テープか何か持っとらん?」

由子「ガムテープならあるのよー」

末原「ちょっと借りるで」
ビビーッ ベターッ ペタペタッ ベタッ
ア、アレッ アカヘン デラレヘン!
スッ スエハラチャンッ!? ナニ? ドウイウコト!?

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:21:22.28 ID:eSAy2FIL0

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【ケース81:トイレ】

末原「……」

末原(…まさか)
ガチャ
末原「……」ソーッ

末原(…はは、そらそうやわな。個室の中でまで待ち構えとったらただの変態やで)

末原「よっこいしょ、っと」

末原「…ふー」
赤阪「すえはらちゃ~ん」天井ベター

末原「!?」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:28:44.75 ID:eSAy2FIL0

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【ケース275:麻雀部部室】

郁乃「……」カリカリカリカり
漫 「今日の監督代行、やたらイライラしてません?」トン

洋榎「朝からイライラしとったで、アレ」トン

絹恵「何かあったんかな……あ、それチーやお姉ちゃん」カシャンッ トン

由子「奇行が目立つのよー」トン
郁乃(おかしい……なんでこんなにアタックしとるのにチョコがもらえへんのや……)

郁乃(こんなに渡すチャンスを作っても何のモーションも無しやなんて……)

郁乃(いくらなんでも奥手がすぎるやろ、末原ちゃん!)
漫 「お昼なんか胡椒めちゃくちゃにぶっかけられて大変やったんですよ……」トン

洋榎「おっ、漫。それロンや、18000」パタッ

漫 「ひゃあっ!?」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:33:43.28 ID:eSAy2FIL0

ガラガラッ
末原「お疲れ様です」

郁乃「!」

洋榎「おー、恭子。遅かったなー」

末原「ええ、ちょっとありまして。 ……なんや漫ちゃん、またトビかいな」

漫 「しゃーないですよ! 6巡目でダマッパネとか事故ですわ!」

末原「これじゃ漫ちゃんの分だけは無しになってまうかな」

漫 「? 何です、一体?」

末原「実はな……」
末原「今日バレンタインやから、チョコレート作ってきたんや」

郁乃「!!」ビクーンッ!!

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:39:25.31 ID:eSAy2FIL0

絹恵「チョコレートですか! ええですねー」

由子「きょーこの手作りチョコはとっても美味しいから毎年楽しみなのよー」

洋榎「まぁうちは絹のチョコのが好みやけどな」

絹恵「えっ……そんな、お姉ちゃんったら……」テレテレ

末原「それやったら主将はチョコいらんってことでええですか?」

洋榎「あっ、ちゃう! それとこれとは話が別や!」アセッ

漫 「……私の分は……」

末原「何言ってんの、冗談やって」

漫 「! やったあ!」ニカーッ
郁乃(きたきたきたきたきたーっ!!!)

郁乃(なるほどなるほど! そういうことやったんやな末原ちゃん!)

郁乃(部活でみんなにまとめて渡そうとしてたわけや! そらあれだけアタックしても動かんわけや!)

郁乃(ああ……やっと末原ちゃんの手作りチョコがいただけるんやな……!!)コーコツ

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:43:09.20 ID:eSAy2FIL0

恭子「それじゃ…はい、主将」スッ

洋榎「ありがとさんさんさんころりー♪」
恭子「絹ちゃん」スッ

絹恵「どうもです!」
恭子「由子の分」スッ

由子「おいしくいただくのよー」
恭子「で、漫ちゃん」スッ

漫 「わあい! ありがとうございます!!」
郁乃「……」ワクワクワクワク
恭子「それじゃ麻雀再開しましょうか」

郁乃「待った、待った末原ちゃん」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:49:42.04 ID:eSAy2FIL0

>>39-40
台詞頭の「末原」が「恭子」になっちゃってますね
細かいトコですが「末原」に脳内補正ヨロシクです

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:48:06.50 ID:eSAy2FIL0

恭子「……?」

郁乃「いやいやいや」

郁乃「何なの、その『あれ、どうかしました?』とでも言いたげなキョトン顔は」

郁乃「一人忘れとるで! 大切な人の分!」

恭子「……」

恭子「…あー」

恭子「あー! はいはい、分かりました、分かりましたわ」

恭子「確かに大切な人を忘れてました。 うっかりでしたわ」

郁乃「も~、末原ちゃんしっかりして~な~! さ、じゃあその人のチョコを、ほら」スッ

恭子「善野監督の分もしっかりありますんで安心してくださいね」ジャーン

郁乃「ちくしょー!!」スパーン

漫 「ぎゃんっ!?」

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:51:13.22 ID:luqdOrjl0

むしろ何故全員、代行すら下の名前なのに末原だけ末原なのか
いやわかるけど

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:56:19.91 ID:eSAy2FIL0

由子「もー、善野監督忘れちゃ可哀そうなのよー」

洋榎「何やっとんねん、まったく…」

末原「失礼しました……」
キャッキャ    ワイワイ
郁乃「……」プルプル

郁乃「も~……」
郁乃「もー知らんっ!! いくのん帰るでっ!!」ダダダッ
ガラガラッ ガシャンッ
「「「「「……」」」」」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 11:58:53.62 ID:eSAy2FIL0

「「「「「……」」」」」

ガラッ
郁乃「みんなも18時までには帰らなあかんで、最近いろいろと物騒やからな」

由子「分かったのよー」

郁乃「ん」

郁乃「……」
郁乃「ばーか!!」
ガラガラッ ガシャンッ

洋榎「…妙な所で律儀やなぁ」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 12:02:44.28 ID:eSAy2FIL0

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【ケース276:かえりみち】

郁乃「……」トコトコ

郁乃「……ばかー……すえはらちゃんの、ばかー……」

郁乃「……うぅ」
郁乃(末原ちゃん……私にチョコくれる気無かったんや……)

郁乃(それなのにあんな期待させて……)

郁乃(……ばか)

郁乃「……」スゥーッ

郁乃「…末原ちゃんの、戦犯ばかぁぁぁぁぁっっ!!!」

末原「ひどい言いぐさですね」

郁乃「ひゃっ!?」ビクンッ

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 12:06:09.23 ID:eSAy2FIL0

末原「わざわざ追いかけて来たのに……ヒドいですわ、代行」

郁乃「…ふ、ふんっ。知らんわ、そんなこと」プイッ

末原「ヒドいなぁ……せっかく」

末原「せっかく、チョコ持ってきたんに」

郁乃「……」プイー

郁乃「ええっ!?」

末原「ひとりだけチョコ無しはさすがに可哀そうやと思ったんで」

郁乃「……ど~せ、またぬか喜びさせる気なんやろ?」

末原「いやいや、ちゃんとありますって。ホラ」スッ

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 12:09:51.08 ID:eSAy2FIL0

郁乃「ホントや……ちゃんとチョコが入っとる」

末原「……まぁ、余り物ですけどね? それでも何も無いよりはマシかと思って」

郁乃「ラッピングもしっかりしてあるし……」

末原「余った包装紙で包んだだけですから」

郁乃「ネームプレートに私の名前……ハートマークまで付いてる」

末原「ハートとか形式上のもんですから。勘違いせんとってくださいね」
郁乃「……」ポロポロ

末原「!? だ、代行っ!? なんか気に食わないものでもありました!?」

末原「あ、もしかしてチョコがダメとか? あぁなんでチョコなんて作ったんや自分!!」アタフタ

郁乃「…ちゃうねん」グス

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 12:13:59.26 ID:eSAy2FIL0

郁乃「末原ちゃんが……私のこと……グスッ」

郁乃「こんなに想ってくれてたんやなって思うと……胸が、あったかくなって……」

末原「……余り物ですけどね。何度も言うようですけど」

末原「カバンの隅っこに残っとったのをあげただけですから」

郁乃「……」フルフル

郁乃「それでもええわ。十分……十分すぎる程嬉しい……っ!」

郁乃「ありがとうな、末原ちゃん……!!」

末原「……!」

末原「…ま、まぁ。喜んでもろたなら何よりですわ。ただの余りですけど」

郁乃「ふふ……」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

洋榎「なーにが余り物や、恭子のやつ。あれだけ手の凝りようが全然ちゃうやんか」

由子「それが乙女心ってものなのよー」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 12:18:30.76 ID:eSAy2FIL0

絹恵「あれでごまかせてるとでも思ってはるんですかね? ハタから見てたらモロバレですけど」

漫 「意外と先輩、ボケたところあるからなー。完璧にごませてると思てるんとちがうかな」

洋榎「ん? 今恭子にボケ言うたか?」

由子「わー、わー。恭子に言ってやるのよー」

漫 「ええぇっ!? 堪忍してくださいよう!!」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

郁乃「……?」

末原「……」スッ スッ

郁乃(右手あんな不自然にさせて……何なんやろ)

郁乃(……あっ)

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 12:20:48.97 ID:eSAy2FIL0

郁乃「……末原ちゃん」

末原「何です?」

郁乃「手、つないでくれへんかな」

末原「……しゃーないですね。ほら」スッ

郁乃「ん……」ニギッ

郁乃「…ふふ。末原ちゃんの手、あったかいな~」

末原「ああ、そうですか」シラーッ

郁乃「や~ん、冷たいな~末原ちゃん!」

末原「知りませんわ。 ほら、さっさと帰りましょ」

郁乃「は~い」

カン

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする