1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:04:12.99 ID:d3iwIctNo
咲-saki-SSです。
書き溜めてないので暇潰し程度に。
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:04:24.43 ID:d3iwIctNo
淡「…………」
菫「……」ペラ
尭深「……」ズズッ
誠子「……」
淡「ねぇねぇ」
菫「……何だ」
淡「テルーとの馴れ初め聞かせて」
菫「突然だな」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:05:17.32 ID:d3iwIctNo
淡「いいじゃん、いいじゃん。減るものでもないし」
淡「――そうだ。テルーの方向音痴は昔からだったの?」
菫「あぁ。……一年の時から、だな」
誠子「あ、それ聞きたいです」
菫「お前もか」
尭深「」コク
菫「……じゃあ――」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:05:58.02 ID:d3iwIctNo
――――
――
~二年前~
菫「……」
照「」キョロキョロ
菫「……」ハァ
菫「照」
照「!」
照「菫」トコトコ
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:06:57.35 ID:d3iwIctNo
菫「お前なぁ、方向音痴のくせに外に出るなよ。苦労するのはこっちなんだぞ……」
菫「まぁいい。何か用事でもあったのか?」
照「違う。部室に居づらかった」
菫「アホか」ペシ
照「いたっ。だって先輩と何を話していいのか分からない。ただえさえ話すの苦手なのに……」シュン
菫「もう入部して半年だろうが……」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:07:48.20 ID:d3iwIctNo
照「そう。半年経った」
照「多分、先輩達も私が話すのを苦手なのは分かっているはず」
照「なのに話しかけてくるなんて鬼畜以外のなんでもない」
菫「お前なぁ……」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:08:27.52 ID:d3iwIctNo
照「別に先輩と仲良くなりたくなんかないからいい」
照「どうせあと半年もないんだし……」
菫「あとの半年はお前が潰したんだろうが!」ギリギリ
照「痛い痛い! 頭ぐりぐりしないで!」ジタバタ
菫「はぁ……少しは人と仲良くしようとか思わないのか……」
照「別に」
菫「」イラッ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:09:06.19 ID:d3iwIctNo
菫「とにかく!」
菫「お前は部室に戻れ」
照「やだ」ギュウ
菫「離れろ」グググ
照「やーだー」ギュウウウウ
菫「……」イラッ
照「すみれぇ……」
菫「……」
菫(本当にコイツは……)
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:09:48.34 ID:d3iwIctNo
――
照「菫、菫、どこ行くの?」トコトコ
菫「部室」
照「何で!?」ガーン
菫「お前を届けてから用事を済ます」スタスタ
照「そんなことしなくていいのに……」トコトコ
菫「目を離すといなくなるだろ、お前は」
照「そんなことない」ムッ
菫「自覚がないだけだ」
―――
―――――
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:12:03.79 ID:d3iwIctNo
菫「こんなことはあったな」
淡「へぇー。何か犬みたいだね」ケラケラ
誠子「確かに」フム
菫「とりあえず、自分が方向音痴であると自覚をしたのは成長したな」
淡「自覚がないって大変そー」ケラケラ
菫「笑い事じゃないんだよ……」
淡「んー……他にもないの?」
尭深「……そういえば、去年個人戦優勝したとき――」ズズッ
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:12:39.46 ID:d3iwIctNo
―――――
―――
照「菫、個人優勝した」
菫「あぁ、照はすごいな。私との差がどんどん開いていくよ」
照「うん。誉めて誉めて」
菫「はいはい」ナデナデ
――――
―――――
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 00:17:58.00 ID:d3iwIctNo
尭深「なんてことが……」ズズッ
菫「そんなことあったか……?」
誠子「周りからすごい騒がれてましたよー」アハハ
淡「確かに今やったら大騒ぎになりそうだね~」
淡「ファンの子発狂するんじゃない?」ニヤニヤ
菫「洒落にならないな、それ」
誠子「あ、そうそう。発狂といえば弘世先輩ですよ」
菫「は?」
淡「どゆことー?」
誠子「実は――」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 11:48:01.42 ID:d3iwIctNo
―――――――
――――――
モブ「あ、あの弘世先輩!」
菫「ん? はい、私に何か?」
モブ「えっと……その……」モジモジ
菫「……?」
モブ「ず、ずっと憧れてました! もし良ければ私と付き合ってください!」
菫「…………」キョトン
キャーヒロセセンパイガコクハクサレテルワヨ!
アノオンナ…ヌケガケシタワネ!
ミヤナガセンパイニチクッテヤル!
ザワザワ
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 11:48:36.85 ID:d3iwIctNo
菫「……」ハッ
モブ「……」ドキドキ
菫「いや、あの……すまない」
モブ「やっぱり駄目ですよね……。いいんです、分かってましたから」
菫「え?」
モブ「――――先輩には、宮永先輩がいるってこと!」
菫「はぁ!?」
モブ「すみません、失礼します!!」ダッ!!
菫「ちょ、ちょっと待て、誤解だ!?」
モブ「一人にさせてくださぁぁい!!」ブワッ
――――
―――――
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 11:50:52.46 ID:d3iwIctNo
誠子「なーんてことが……」アハハ
淡「スミレって、年下によくモテるよね~」
淡「こんなに怖いのに」クフフ
菫「誰のせいだよ」イラ
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 11:54:43.98 ID:d3iwIctNo
尭深「名門校の麻雀部部長ならイヤでも目立つだろうし……」
誠子「宮永先輩に並び、ファンクラブも出来てる」
淡「ほへ~」
尭深「頼れるお姉さま、っていう感じが人気の一つみたい……」ズズッ
誠子「カッコいいですしね」
菫「なんか照れるな……」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 12:04:23.33 ID:d3iwIctNo
淡「言われてみれば、確かに今年のバレンタインはスゴかったな~」
淡「違う学校の人にまでスミレがチョコレート貰ってたのは、テルーもびっくりしてたよ?」
菫「いや、アイツもお前も大して変わらないだろ。照は言わずとも、淡は先輩から異常なまでに可愛がられてるよな?」
淡「それは私が高校100年生だからだよ!」ドヤッ
菫「いや……そういうところが」
22 :少し時間できた :2013/02/18(月) 12:47:55.66 ID:d3iwIctNo
ガチャ
照「ごめん、遅れた」
淡「あ、テルー!」
尭深「お茶入れますね……」
誠子「今、皆で昔の話をしてたんですよ」
照「昔の話……?」
照(……)ハッ
照(桃太郎とかか)ポン
菫「思い出、な。お前の考えていることとは違う」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 12:48:27.01 ID:d3iwIctNo
照「へぇ。……まぁ分かってたけど」メソラシ
淡「スミレ、テルーのことは何でもお見通しだからね~」ニヘラ
照「……そうでもないよ」 ズズッ
淡「そう? ――でもテルーはスミレが誰々に告白されたとか、ぜーんぶ知ってるよn――むご」
照「いいから。そういうの」ギロッ
淡「ふぁい」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 12:48:53.10 ID:d3iwIctNo
照「……」マッタク
菫「……」
誠子「……」
尭深「……」ズズッ
淡「……」ゴメンネ
照「……」ユルス
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 12:49:32.00 ID:d3iwIctNo
照「……昔といえば、」
菫(また始まるのか)
照「まだ尭深がレギュラーに入って間もない頃」
尭深「わ、わたしですか……?」ビクッ
淡「ほうほう?」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 12:50:07.16 ID:d3iwIctNo
―――――
――――
尭深「渋谷尭深です……よろしくお願いします……」ペコ
菫「よろしく」
照「よろしく。あ、そうだ……お菓子食べる?」
尭深「えっ」ビク
尭深「じゃ、じゃあわたしはお茶入れます……」ササッ
照「……」アレ?
――――
―――――
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 12:50:35.05 ID:d3iwIctNo
照「仲良くしようという印にお菓子をあげようとしたら、逆に距離を取られた覚えがある」
尭深(あれはそういう意味で……)
誠子「フレンドリーすぎるのもダメなんですね」
淡「わ、私だってフレンドリーだよ!」
菫「淡の場合はフレンドリー通り越して図々しい」
淡「うぇ!?」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 12:51:02.20 ID:d3iwIctNo
照「誠子は……」
誠子「?」
照「確か去年の体育祭のとき、一緒にリレーをした」
菫「よく覚えてるな……」
誠子「あー、そういえばそうでしたね」
照「ものすごく速くて、印象的だった」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 12:51:28.15 ID:d3iwIctNo
淡「セーコって足速いんだ!」キラキラ
誠子「ま、まぁそこそこ……」
淡「やっぱりクラスの子にモテるでしょ?」キャッ
誠子「小学生じゃないんだから……」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 14:37:22.62 ID:d3iwIctNo
淡「そうなの?」
誠子「そうなの」
淡「……」ムゥ?
誠子「……」
照「……」
尭深「……」
菫「……」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/18(月) 16:14:00.88 ID:qbwp1RHDO
菫と淡の出会って初会話とか
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 18:34:57.40 ID:KQ45oNEto
淡「……テルー、何か話して」
照「私に振る? ……菫」
菫「……亦野」
誠子「……」メソラシ
菫「……渋谷?」
尭深「部長からのお話が聞きたいです……」ズズッ
菫「……」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 18:36:59.79 ID:KQ45oNEto
淡「」ワクワク
菫「――練習するか」ガタッ
淡「えぇっ!? 何で!?」ガシッ
菫「よく考えてみれば私ら一軍が怠けててどうする!」
照「大丈夫。次で最後にすればいい」
菫「……」
淡「」ギュウウ
菫「――あぁもう、分かったよ。分かったから離れろ」グイッ
淡「あー」
菫「そうだな……」
39 :1です :2013/02/19(火) 14:26:41.95 ID:VK1V60NEo
―――――
―――
菫「どこ行ったんだ、照の奴……」キョロキョロ
?「うーん……あ!」タタタッ
菫(確か職員室に来てる筈なんだが……いない)
菫(職員室の場所くらい覚えてろよ……)ハァ
?「あのー、すみませーん!」
菫「ん? 私か?」
?「はい! 私、一年の大星淡って言います!
淡「麻雀部に入りたいんですけど、部室の場所がよく分からなくて……」
菫「入学したてなら迷うのも無理はない。よければ案内しよう」
淡「ほんとーですか! わーい!」
菫(……このテンション、照とはまるでおおちがいだな)
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/19(火) 14:30:36.21 ID:VK1V60NEo
淡「そういえば、あなたって部長ですよね?」
菫「あ、あぁ」
淡「じゃあ宮永照とは話したことがあるんですか?」
菫「話したことがあるもなにも、昔からの顔馴染み、だな」
淡「へー! やっぱり麻雀強いの?」
菫「そりゃあもう人間離れしてる――と、本人があそこにいるぞ」
淡「へっ!?」
菫「おい照! お前どこ行ってたんだ」
照「あ、菫」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/19(火) 14:31:11.32 ID:VK1V60NEo
照「職員室に行こうとしたら、すれ違う一年生全員に話しかけられて、どこにいるのか分からなくなった」
菫「あー……そうだよな。今日は部活説明会だもんな……」ハァ
照「……その子は?」
淡「大星淡っていいます!」パァァ
菫「麻雀部に入部したいんだと」
淡「私、強いですよ! もしかしたらあなたを越えるぐらいに!」
照「……へぇ」
照・淡「」バチバチバチバチッ!!
菫「……ここで火花飛ばしてないで部室行くぞ」
――――
―――――
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/19(火) 14:31:37.85 ID:VK1V60NEo
淡「そういえばそんなこともあったねー」ケラケラ
菫「あのときは敬語使えてたのにな」
淡「む。今だって使えるもん! 使わないだけで!」
誠子「使えよ」
尭深(初対面でいきなり喧嘩吹っかけるところは、いまとそんなに変わらないけど……)ズズッ
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/19(火) 14:32:06.87 ID:VK1V60NEo
菫「さて、話終わったし練習始めるぞ」
淡「えー」ブー
菫「えーじゃない。ほら、照も卓につけ」
照「このお菓子食べたらね」
菫「……お前練習する気ないだろ」
照「……そんなことない」メソラシ
誠子「じ、じゃあ私入ります」
尭深「私も……」
菫「……それ食べたら練習しろよ?」
照「」コク
淡「テルーの分まで頑張るよー!」コスモパワー
照「」コクコク
菫「じゃあ、始めるか」
おわり