【智葉・明華SS】ネリー「ニホン台無し計画?」 ダヴァン「そうデス」

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:36:02.30 ID:RAC9qY9i0

ネリー「サトハー、サトハー」

智葉「何だ、騒々しい」

ネリー「あーそーぼ」

智葉「……麻雀でもするか」

ネリー「ヤダァ、麻雀以外がいいよ」

智葉「お前、自分が麻雀のために雇われた傭兵だって自覚があるのか?」

ネリー「あーあー、聞こえないよー」
ネリー「麻雀の息抜きしたいんだよー、遊んでよー」

智葉「息抜きねぇ」

智葉「……ダヴァンが面白い話をしてくれるらしいぞ」

メガン「エッ?」

ネリー「ホント?」

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:37:07.46 ID:RAC9qY9i0

ダヴァン「私、いまカップラーメンにお湯を入れているんデスガ……」

明華「私、知ってます」

明華「こういうのをニホンでは、むしゃぶりと言うんですよね」

ハオ「無茶振りだよ……」

智葉「いいだろ、別に。出来上がるまで相手してやれよ」

ダヴァン「仕方ないデスネー……では少しダケ」
ダヴァン「ミナサンは、日本台無し計画を知ってまスカ?」

ネリー「ニホン台無し計画?」

ダヴァン「そうデス」

ダヴァン「去年のインターハイで秘密裏に動いていた計画デス」
ダヴァン「……恐ろしい計画デシタ」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:38:00.43 ID:RAC9qY9i0

ダヴァン「計画は内容はシンプルなものデシタ」

ダヴァン「日本全国各地の無名校に留学生を送り込み」

ダヴァン「インターハイの出場選手を全て留学生にしてしますのデス」

智葉「だいたい誰がやったかわかるな……」

ダヴァン「ウチに出資してる人達デス」

ハオ「子供じみたことするなぁ……」
ダヴァン「ニホンのインターハイなのに、出てくるのは外国人バカリ」

ダヴァン「お茶の間のミナサンはガッカリすること間違い無しデス」

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:38:55.38 ID:RAC9qY9i0

智葉「……でも、そんなに留学生出てたか? 去年」

智葉「何か覚えがないんだが」

ダヴァン「それにはフカーイワケがあるのデス」
ダヴァン「そうデスネ……例えば、イギリスから来た子の話をしましょうカ」

ダヴァン「彼女はイギリスの片田舎に生まれまシタ」

ダヴァン「麻雀において特殊な才能を持つ彼女はイギリスでも注目の選手でシタ」

ダヴァン「二年前のイギリス選手権では、その高打点力で荒らしまわり」

ダヴァン「ブリテンのドラゴンロードと呼ばれるほどの選手でシタ」

ネリー「その人はどのブロックで出てたの?」

ダヴァン「西東京デス」

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:39:38.97 ID:RAC9qY9i0

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■去年の西東京地区大会

留学生A「ポイント稼ぎはお任せあれ!」

照「コークスクリューツモ」

留学生A「」レイプメ
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6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:40:26.00 ID:RAC9qY9i0

智葉「……そいつも大変だな」

明華「?」

ネリー「他には出てなかったの?」

ダヴァン「ロンオブモチ! まだまだいまスヨ」
ダヴァン「例えば――そう、私と同じアメリカから来た選手がいまシタ」

ダヴァン「彼女はカルフォルニア州のオレンジ農家に生まれまシタ」

ダヴァン「麻雀において特殊な才能を持つ彼女はアメリカでも注目の選手でシタ」

智葉「おい、さっきと殆ど同じ話してるぞ」

ダヴァン「キノセイデス」

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:41:09.32 ID:RAC9qY9i0

ダヴァン「公式戦の成績も、一昨年の北米ジュニアカップで三位」

ダヴァン「ナカナカにナカナカのものでした」
ダヴァン「ただ……来日して一ヶ月足らずで帰ったそうデス」

ハオ「そりゃまた何で」

ダヴァン「彼女は大阪に配置されたんですケドネ」

ダヴァン「何でも何校かが集まった練習試合で――」

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:42:14.27 ID:RAC9qY9i0

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■去年の大阪府での練習試合

留学生B(日本人か……ドイツもこいつもイモのようにしか見えない)

留学生B(この前の北米ジュニアカップでは三位で終わってしまった)

留学生B(でも、それは過去の話)

留学生B(いまの私は同年代でも最強のつもり――)
セーラ「お、ここ空いとる?」

留学生B「……ドウゾ」

セーラ「留学生? よろしくなー」

セーラ「おーい洋榎! ここ空いとるでー!」

洋榎「よっしゃ、じゃあここで打つかー」
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9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:43:03.06 ID:RAC9qY9i0

ダヴァン「一人がひたすら出和了り、もう一人はひたすらツモアガリ」

ダヴァン「結局何も出来ず、何度もトンでしまったそうデス」

智葉「それでメゲて帰ったのか」
ダヴァン「それもあるそうデスガ、他にも理由があって――」

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:43:40.85 ID:RAC9qY9i0

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■去年の大阪府での練習試合

セーラ・洋榎「「おつかれー」」

留学生B(なんだこれ……)カタカタ
留学生B(北米ジュニアカップ三位の私が、まったく歯が立たなかった)

留学生B(日本の麻雀のレベルはこんなに高いのか?)

留学生B(いや……いや、こんなの、一時的なものだ)

留学生B(あの二人の運が良かっただけで)フラフラ

??「きゃっ」

留学生「っ、と……」
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11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:44:33.44 ID:RAC9qY9i0

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留学生B「ソ、ソーリー……考え事をしていた」

留学生B「ケガ、ないか?」

??「いえいえ、大丈夫ですよーぅ」
??「こっちもちょっと余所見してたのでー」

留学生B「そうか……良かった」

??「麻雀打ちに来られたんですよね?」

??「良かったらウチとも打ってもらえませんかー?」

留学生B「……オーケー」

??「やったー」
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12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:45:37.75 ID:RAC9qY9i0

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留学生B(……カワイイな)

留学生B(まるで天使のような子だ)
留学生B「キミの名前は?」

憩「憩です。荒川憩」
憩「よろしくお願いしますーぅ」ニッコリ
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13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:46:27.18 ID:RAC9qY9i0

ダヴァン「何か、参加した練習試合に悪魔のような奴がいたんだとか」

ダヴァン「その人がトラウマになって国に帰ったそうデスヨ」

ネリー「怖いよ……」

智葉「悪魔ねぇ……」
智葉「何というか、東京とか大阪みたいな激戦区以外を攻めたらどうだ?」

ダヴァン「フッフッフッ……サトハ、私がナント言ったかお忘れデスカ?」

智葉「あまり覚えてない」

ダヴァン「オゥ……私は、全国各地の無名校に留学生を送り込んだ、と言ったんデスヨ?」

ハオ「……何人ぐらい留学生が?」

ダヴァン「ざっと250人ぐらいデスネ」

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:47:33.66 ID:RAC9qY9i0

智葉「よくそれだけ集められたな」

ダヴァン「恐ろしい計画でしょう?」

ダヴァン「マア、岡山には留学生を送り込んでませんが」

智葉「何でだ。人数が足りなかったのか?」

ダヴァン「イエ、岡山の存在を忘れていたらしくて」

智葉「岡山県人に謝れよ」
ダヴァン「そんなこんなで全国各地に留学生が送り込まれていたのデス」

ダヴァン「なので地方にも留学生はいたのデスガ――」

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:48:20.47 ID:RAC9qY9i0

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■とある地区予選大会 団体・先鋒戦

留学生C(ふっ……所詮、日本の地区大会の予選か)

留学生C(これで団体戦は決勝だが、まあどうせ相手になるまい)
留学生C(こういうのを日本語で何と言うんだったかな)
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16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:49:13.97 ID:RAC9qY9i0

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留学生C(そう……たしか)

留学生C「ニワカは相手にならんよ!」

利仙「…………」

小蒔「…………」
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17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:50:10.95 ID:RAC9qY9i0

ダヴァン「――そうして彼女は」

智葉「あ、いいわ。どうなったかわかるから」

ダヴァン「ここから面白くなるのに……」
ダヴァン「ちなみに長野県大将戦でも」

ネリー「また負けたの?」

ダヴァン「アー……マア、そういう意見もありマス」

智葉「負けたんだな……」

18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:51:08.64 ID:RAC9qY9i0

ダヴァン「……実はこの計画、恐ろしいことに失敗だらけなのデス」

ネリー「だいたい想像ついてたよ」
ダヴァン「例えば、やむなく留学生四人、日本人一人で団体戦に出ることになった学校もありましテネ」

ネリー「何で?」

ダヴァン「スカウトの人が違う人を連れてきてしまったそうデス」

ダヴァン「それが麻雀のルールすら知らないニュージーランド人の子だったソウデ」

ネリー「ルール教えてあげればいいのに」

ダヴァン「そうしなかったみたいデスネ」

ダヴァン「結局、その子は転校させられたそうデスヨ」

ネリー「かわいそう……」

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:52:22.77 ID:RAC9qY9i0

智葉「本当に恐ろしい計画だな……悪い意味で」

ダヴァン「アッ! さては呆れてまスネ?」

智葉「当たり前だろう」
智葉「どうせ人数ばかりにこだわって、質は揃えれなかったんだろう?」

ダヴァン「ウーン、実は大半が外国人ってだけだったみたいデスネ」

明華「いったいどれだけのお金が無駄遣いされたんでしょう……」

ハオ「うまい棒何本分ぐらいかな……」

ダヴァン「デモ、強い子も呼ばれていたんでスヨ? 一応」

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:53:51.29 ID:RAC9qY9i0

ダヴァン「例えば……そうデスネ」

ダヴァン「イタリアのジュニア選抜チームを丸ごと引っ張ってきてもいたんデスヨ」

明華「あ、その人達知ってます。強いですよね」

智葉「へぇ……でも、そんな奴らいたっけ?」

ダヴァン「現在行方不明中デス」

智葉「は?」
ダヴァン「どうも、担当となっていた群馬県で行方がわからなくなったヨウデ」

智葉「……無事保護されるといいな」

ネリー「きっと発見されるよ」

21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:54:55.12 ID:RAC9qY9i0

ダヴァン「あとはタッグマッチで連戦連勝のドイツの魔女と呼ばれた二人も来てましタネ」

ネリー「あれ? ドイツ人だったっけ?」

ダヴァン「去年まではそうデス」

ダヴァン「地区予選前にオランダに亡命して結婚したそうデスヨ」

智葉「……まあ、近頃はiPS細胞とかあるからな」

ネリー「もう麻雀関係ないね」
ダヴァン「実は大半が麻雀関係ないことで脱落してマス」

ダヴァン「一番多いのがホームシックだったカナ?」

ハオ「戦いを挑む前に全軍が瓦解していた、と」

22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:56:15.13 ID:RAC9qY9i0

ダヴァン「中には麻雀で雄々しく散った同士もいたようデスヨ」

智葉「言い方変えただけで結局負けたんだろ」

ダヴァン「そうとも言います」
ダヴァン「日本に来る条件として、こか……とあるプロとの対局を望んだ子もいましタネ」

ダヴァン「……対局後、彼女は国に帰ったそうデス」

ダヴァン「ただ、もう二度と牌を握れな」

ネリー「やめたげてよぉ!」

明華「いったいどこの小鍛治プロと戦ったんでしょうか……?」

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:57:49.39 ID:RAC9qY9i0

明華「それで、結果を残せた選手はどれだけいたんですか?」

ダヴァン「東東京ブロックは全国出場できたそうデスネー」

智葉「ウチだけか!」
ダヴァン「と、まあ、こんな恐ろしい計画の影響もあったノカ」

ダヴァン「今年からは留学生を先鋒にオーダーできなくなったようデスネ」

ネリー「台無しになったのは留学生側だよね」

智葉「よく先鋒だけで許してもらえたな」

ネリー「みんな結果残せなかったからじゃないかな」

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 10:59:16.04 ID:RAC9qY9i0

明華「……私、こういう時に日本語でどう言うか知ってます」

明華「明日はワサビ」

智葉「我が身だ」
智葉「まあ……私は留学生じゃないが」

智葉「去年みたいなことにならないよう、気を引き締めるぞ」

明華「そうですね……練習しましょうか」

ネリー「むぅ……こんな話聞いたあとじゃ、やらないわけにはいかないかなぁ」

智葉「じゃあ打つか」

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 11:00:26.55 ID:RAC9qY9i0

智葉「まず私以外で打ってくれ、ちょっと後ろで見ていたい」

ネリー・ハオ「「はーい」」

明華「じゃあ準備しますね」

ダヴァン「私もキアイを入れネバー」
ダヴァン「……アレ? 何か忘れているヨウナ」

ネリー「ダヴァーン、早く打とうよー」

ダヴァン「ハイハイ、いま行きまスヨー」

26 :◆htl2xznl8Q [sage]:2013/02/05(火) 11:01:31.30 ID:RAC9qY9i0

短いですが以上です。

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