【姫松SS】漫「わたしが底辺になっても一緒にいてください」 恭子「うん」

1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:14:39ID:xO0OWcv+0

@ぼろアパート
漫「せんぱい」

恭子「なんや、すずちゃん」

漫「あついですね」

恭子「うん」

漫「ぐにぐに蒸して」

恭子「うん」

漫「せんぱい」

恭子「なに?」

漫「すきです」

恭子「…うん」

漫「いっちゃんすきです」

恭子「うん、わたしもや」

漫「ほんま?」

恭子「うん」

漫「…えへへ、うれしい」

2 : こんどは書き溜めた: 投稿日:2012/12/08 00:15:29ID:xO0OWcv+0

漫「…」

恭子「すずちゃん」

漫「…」

恭子「…寝たか」

漫「…」

恭子「よっ…こいしょ」

漫「…」

恭子「おしごと、行ってくるで…すずちゃん」

漫「いやや」

恭子「! すずちゃ、おきt――」

漫「いやや!せんぱい、ひとりにせんといて!」足に抱きつき

恭子「すずちゃん、あぶないで、はなしっ」

漫「いや!いかないで!いっしょにいてください!せんぱい!」

恭子「すずちゃんっ」

漫「うえええええ、せんぱい、せんぱい」

4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:16:01ID:xO0OWcv+0

漫「うえええええ、ひっく、ひっく」

恭子「……」

漫「せんぱ、せんぱい」だきつき

恭子「…わかった」

漫「!」

恭子「おしごとは、やめるで」

漫「ほんま…?」

恭子「ほんまや」

漫「…いっしょに、いてくれるんですか?」

恭子「うん」

漫「うち、こんなんやのに…?」

恭子「うん」

漫「こんな、しゃかいの底辺やの――」

恭子「…」だきっ

漫「!」

6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:16:33ID:xO0OWcv+0

漫「…せんぱい?」

恭子「いっしょやって、前も言うたやろ、すずちゃん」

漫「せんぱい…」

恭子「なにがあってもいっしょや」

恭子「どんなつらくてもいっしょや」

恭子「どこまでダメんなっても、いっしょや、って」

漫「せんぱい」

恭子「言うたやろ」

漫「せんぱい…」ぎゅー

恭子「いっしょういっしょやで、すずちゃん」

漫「うう、うえええ、せんぱい、うええ」

恭子「……」なでなで

恭子(…こら、今夜はでられへん…くびかなあ)

漫「うええええ」

恭子(しごと、新しいのさがさななあ)

8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:17:43ID:xO0OWcv+0

恭子「? でんわや」

漫「…誰からですか」

恭子「仕事先かな…いい機会やからやめる言うたるか」

漫「…そんな、いいですよ」

恭子「なんで?」

漫「だって…」

恭子「ええんや、すずちゃん、うちは」

漫「でも、うちのために」

恭子「…あほ」でこぴんっ

漫「いたっ」

恭子「わたしのためや、すずちゃん」

恭子「わたしが、いっしょにいたいんやから」

漫「…」

恭子「じゃあ、ちょっと話してくるでな?」がらがら

漫「…はい」

11 : >>7 書いてたらおちてもうたから…すまんな : 投稿日:2012/12/08 00:19:43ID:xO0OWcv+0

恭子「もしもし」ぴっ

郁乃「もしもし、すえはらちゃん?」

恭子「あ、店長ですか?」とんとん、とん(モールス信号)

郁乃「うん、ひさしぶり、またすずちゃんに聞かれとるん?」

恭子「すいません、やめさせてください」とん、ととん

郁乃「せやな、ざっくり言うわ 会いたいんやけど」

恭子「いえ、こっちの事情です」とんとん

郁乃「んーと、こんどの木曜日はどう?」

恭子「ええ、えらいすんまへん」とん、とんとん

郁乃「うん、じゃあきまり~」

恭子「お給料はいいです、ええ」ととん

郁乃「ふふ、困ったん抱えると浮気すんのもひと苦労やな」

恭子「あんたに関係ないやろ」

郁乃「! すえは――」

ぷつん つーつー……

15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:23:54ID:xO0OWcv+0

恭子「でんわ、おわったで」がらがら

漫「…せんぱい」

恭子「? すずちゃん?」

漫「……いまの、ほんまにお店のひとですか?」

恭子「うん」

漫「うそ」

恭子「うそやないで」

漫「でも、しんじられへん」

恭子「きいてたんちゃうの?」

漫「…うまくいえへんけど、ちがう気がするんです」

恭子「……」

恭子「わたしは、すずちゃんを裏切らへん」

漫「ほんま…?」

恭子「うん」

漫「なら、信じさせてください」押したおし

17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:26:44ID:xO0OWcv+0

恭子「…はあ、すず、ひあっ……」

漫「せんぱい、せんぱいっ」

恭子「ああっ!すずちゃ、もう…やぁ……」

漫「せんぱいっ、せんぱいは…」

恭子「はあ、あっ、すずちゃ…」

漫「先輩は、誰のものですか?」

恭子「ひっ、ああ、すずちゃん、だめっ…」

漫「答えてください、先輩、あなたは、誰のものですか?」

恭子「す…すずちゃんの……」

漫「きこえません」

恭子「わたっ、わたしはっ、すずちゃんの…」

漫「もっとおっきい声で!」

恭子「わたしはっ、すずちゃんのものやぁっ!」

漫「せんぱいっ!」だきっ

恭子「すずちゃんっ、すずちゃぁんっ!」ぎゅー

18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:29:16ID:xO0OWcv+0

恭子「はあ…はあ…」

漫「…」

恭子「はあ……?」

漫「…」

恭子「……すずちゃん?」

漫「……ひっ、うええ」

恭子「! すずちゃん、どないしてん!」

漫「ひっく、ごめ、ごめんなさい…うち、せんぱいのこと…」

恭子「…」

漫「うたがって…ひっぐ、きっ、きずっ…きずつけて、うええ……」

恭子「…」

漫「うち、だめや…せんぱいといたらあかん、せんぱいといたら、またいつか、せんぱいのこと……」

恭子「…あほ」だきよせ

漫「う、うええ…せんぱい、ごめんなさい、せんぱい…」

恭子「きずついてへん…傷つかんのや、うちは…」ぎゅっ

20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:33:29ID:xO0OWcv+0

漫「すう…すう…」Zzz

恭子「…」なで

漫「…むにゃ、せんぱ……」

恭子「…すずちゃん」

漫「…せんぱい、すきで、す……」

恭子「うちもやで、すずちゃん」

漫「…えへ、えへへへへ……」

恭子「…」なで

恭子「あ、店長ですか、末原です、ええ、辞めます、はい、すんません、それじゃ」

漫「…せんぱい、いっしょ…ずっと…へへ……」

恭子「うん、そや、いっしょや」

漫「すう…すう…」

恭子「どこまでも、いっしょ」

恭子「ずっと、ずっといっしょやで、すずちゃん」

恭子「すずちゃん」なで

22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:37:27ID:xO0OWcv+0

木曜日 @ホテル
郁乃「きょうはなんて言って抜け出してきたん?」

恭子「…お金を借りに行くって」

郁乃「ああ、なるほどなあ」

恭子「…なにがです?」

郁乃「嘘はついてへんってことやろ?」

恭子「…」

郁乃「難儀なことやなあ、罪悪感をだましだましして」

恭子「…あほか」

郁乃「ん~?」

恭子「ちっともだませてへんですよ……せやから」どんっ

郁乃「きゃっ」ばたん

恭子「うちがあんたを抱くんは、嫌々や」

郁乃「…どーだか」

恭子「ほら、はよ服ぬいでください」

郁乃「…はい」

25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:42:07ID:xO0OWcv+0

恭子「…はあ、ほんまつまらんですわ」

郁乃「はあ…やあっ…!そんなん、いわんでぇ…」

恭子「なにがですか」

郁乃「あぁっ、うちは、こんなっ…こんなにっ…すえはらちゃんをっ」

恭子「…やめてくださいよ、そんなん」

郁乃「すえはらちゃん、すえはっ、ああぁっ!」

恭子「そんなん、かってや」

郁乃「やぁ、やだぁ!」

恭子「だまってください」

郁乃「いやや、だまらっ…へんっ…」

恭子「代行」

郁乃「だまらへんっ…うちは、すえはらちゃんのっ――」

恭子「…」ちゅっ

郁乃「!」

恭子「…やめてくださいよ……ききたない」

26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:47:20ID:/Pq/1xzt0

健気な代行…?

27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:47:32ID:xO0OWcv+0

郁乃「じゃあ、お金ここに置いとくから」

恭子「…どうも」

郁乃「また会いたなったらでんわするで」

恭子「はい」

郁乃「…すえはらちゃん」

恭子「…なんですか?」

郁乃「これは、うちを選んでほしくて言うんやないけどな」

恭子「…」

郁乃「やっぱり漫ちゃんはあきらめたほうがええと思う」

恭子「…代行」

郁乃「…うそやな、そんなこと言うて、結局うちのものになってほしいだけかもしれへん」

恭子「…」

郁乃「みっともない……帰るわ、ばいばい」がちゃん

恭子「…」

恭子「……そんなん、言われんでもわかってますよ」ぼそっ

28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:52:38ID:xO0OWcv+0

@ぼろアパート
恭子「ただいま」

漫「! せんぱい、せんぱいっ!」だきっ

恭子「…すずちゃん」

漫「さみしい、さみしいんです、せんぱい」ぎゅー

恭子「だいじょうぶや…いっしょに、おるで」

漫「棄てられたんやって、ひとりになったんやって、おもって」

恭子「棄てへん、ひとりにせえへん」

漫「うち、せんぱいがひつようなんです、いっしょにいてください」

恭子「うん、うん」なで

漫「せんぱい…」ばたん

恭子「! すずちゃん!」

漫「はあ…せん、ぱ…」

恭子「すずちゃん! しっかりしい!」

漫「せんぱい…せんぱ、い……」

30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:55:54ID:xO0OWcv+0

恭子「! すごい熱やないか…まっててな、氷買うてくるで」

漫「…いや」そでつかみ

恭子「……はなし」

漫「いや…!いやや!」

恭子「ダメや!すずちゃん、死んでまうで!」

漫「死んでもええ!」

恭子「!」

漫「死んでもええから!いっしょに――」

恭子「――っ!」パンッ!

恭子「あほ!死んでええわけあるか!あるんか!ええ?すずちゃん!」

漫「あ…ああ…ううううえええ…」

恭子「うちを…うちをひとりにするんか!すずちゃんっ!!」

漫「うええええ、ごめんなさい、ごめ、ごめなっ、ごめんなさいい……」

恭子「はあ…はあ…」

漫「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 投稿日:2012/12/08 00:57:50ID:xO0OWcv+0

漫「すう…すう…」Zzz

恭子「熱は……さがったな」

漫「すう…」

漫「…せん、ぱ……」ぽろぽろ

恭子「…なんで泣くんや」

漫「…すう」

恭子「…すずちゃん」

漫「……」

恭子(やっぱり、わたしはこの子を棄てられへん…)

恭子(この子とわたしは繋がったらあかんとこで溶けあってもうてる)

恭子(やから…)

恭子「ずっと……どこまでもいっしょやで、すずちゃん」

漫「…」

漫「…はい」
カン!

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