【松実宥SS】照「長野に行くつもりだった」玄「……ここ奈良ですよ」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:23:29.30 ID:6j1hBJ840

代行ありがとうございます。
照「……どうしてこうなった」

玄「いえ、私が訊きたいです」

照「松実玄さんでしたっけ?」

玄「はい。玄です。それで、チャンピ……宮永さんは長野へ行くつもりが奈良に来てしまったんですか」

照「そう。名古屋辺りからおかしいとは思ってた」

玄「……ちなみに私の家にはどうやってたどり着いたのですか?」

照「照魔境で覗いた時に実家が旅館だって映った。場所は分からなかったから訊いた」

玄「駅で長野方面の電車を訊いた方が良かったのでは……」

照「それは盲点だった。それと松実さん」

玄「何ですか?」

照「働かして下さい」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:23:36.02 ID:awTjLWz30

きた!メイン照玄きた!これで勝つる!

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:24:36.17 ID:6j1hBJ840

玄「いきなりですか……」

照「帰りの電車賃がないから」

玄「よく片道だけのお金で行こうとしましたね。働くのは私はいいんですけど、お姉ちゃんに訊いてみないと。とりあえず玄関ではあれなんで入ってください」

照「お邪魔します」

宥「玄ちゃんお帰り~」

玄「ただいまお姉ちゃん。 今ってアルバイト募集してる?」

宥「してないよ。今のインターホンってその人?」

照(炬燵が話してる。こんなオカルトもあるんだ)

玄「まぁ、そうなんだけど。一応連れてきたからお姉ちゃんが決めてよ」

照「宮永照です。働かして下さい」

宥「玄ちゃん。宮永照……って白糸台の先鋒だよ。何で家にいるの?」

照(あっ、炬燵から人が。喋る炬燵じゃなかったんだ)

玄「帰りの電車賃が無いらしいよ。雇ってあげたらどうかな?」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:26:11.44 ID:6j1hBJ840

宥「お父さんは旅に出ちゃったし、部屋も余ってるから住み込みでならいいけど。宮永さんは親御さんの許可は取ったの?」

照「任せて。今からする。電話借りていい?」

宥「そこのを使っていいよ」

照「ありがとう。じゃあ連絡する」

『はい、もしもし』

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:27:12.73 ID:6j1hBJ840

照「あっ、菫?」

菫『照。お前なにやってるんだ?』

照「面接。それと暫く東京には帰らない」

菫『おい、どう言うことだ?』

照「住み込み働く。松実館で」

菫『一週間後は卒業式だぞ。バカ言うな』

照「卒業式は欠席。それじゃあ」

菫『おいっ!て――』

照「保護者はいいって」

宥「玄ちゃん。後で私から話しておくから宮永さんを部屋に案内してあげて」

玄「お任せあれ!宮永さん、ついてきてください」

照「ありがとう」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:28:47.21 ID:6j1hBJ840

――――――

玄「こちらが宮永さんの部屋になります。それじゃあ少し休憩していてください」

照「分かった」

玄「ではごゆっくり」

一時間後

照「…………」

照「………………暇」

照「麻雀したい」

宥「失礼します」

照「仕事?」

宥「いえ、とりあえず今日は見学してください。働くのは次の日からで」

照「分かった。それと敬語は要らない。同い年だから」

宥「分かった。じゃあ照ちゃん行こう」

照「あい」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:30:21.58 ID:6j1hBJ840

――――――

宥「ここが厨房だけど私達にはほとんど関係ないとこだよ。料理してくれる人は雇ってるから」

照「分かった。じゃああそこは?」

宥「遊技場って言ったらいいかな?と言っても卓球台と雀卓しかないけど」

照「雀卓……打っていいの?」

宥「お客様の相手も仕事の内だから」

照「私の得意分野」

宥「一応手加減はしてね?次はお風呂だよ」

照「浸かっていってもよかですか?」

宥「最後にね。それじゃあ次行こっか」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:32:08.33 ID:6j1hBJ840

――――――

照「部屋の掃除、風呂の掃除、料理を運ぶ、洗濯、その他もろもろ。たくさんある」

玄「少しずつ覚えたらいいですよ」

宥「うん。仕事は玄ちゃんがサポートしてくれるから気楽にね」

照「ありがとう。松実さん、これからよろしくお願いします」

玄「はい!あと、松実さんじゃ私かお姉ちゃんか分からないので玄でいいですよ」

宥「宥でいいよ~」

照(正直、お金を借りて帰ってから送った方が早いなんてもう言えない)

玄「明日の朝は早いのでもう寝ましょう。それでは宮永さんお休みなさい」

宥「お休みなさい」

照「お休み」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:33:37.34 ID:6j1hBJ840

一ヶ月後

玄「宮永さん、お給料です」

照「ありがとう。開けてみてもいい?」

玄「勿論です。宮永さんの頑張りですから」

照「諭吉さんが1、2、3……こんなに貰ってもいいの?」

玄「はい。インターハイチャンピオンが働いているって噂になったお陰で売り上げも上がりましたから」

照(そういや最近麻雀と風呂掃除しかしてなかった)

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:34:08.26 ID:6j1hBJ840

照「宥も呼んできて」

宥「呼んだかな?」

照「部屋の前で待機してなかった?」

宥「何のことかな?」

照「まぁいいや。出掛けようか。お礼」

玄「はい!案内はお任せあれ!」

宥「じゃあ、準備しよっか玄ちゃん」

玄「うん」

照(喜んでくれるといいな)

照「私も用意しよう」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:35:32.67 ID:6j1hBJ840

――――――

玄「ねぇお姉ちゃん」

宥「どうしたの玄ちゃん?」

玄「宮永さんっていい人だよね」

宥「そうだね。ちょっとおっちょこちょいな所もあるけど一生懸命仕事もしてくれるし」

玄「今日でお別れだと思うと寂しいな」

宥「今度は私達が遊びに行こ?」

玄「そうだね。ほら、お姉ちゃんマフラーマフラー」

宥「ありがとう」

照「用意できた?」

玄「わあっ!宮永さん。いつの間に?」

照「さっき。玄、行ける?」

玄「準備万端です!」

宥「カイロを貼って……うん。大丈夫」

照「じゃあ行こう」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:37:17.38 ID:6j1hBJ840

――――――

松実館

玄「……宮永さん、残金の方は大丈夫ですか?」

宥「照ちゃん、私達が出すよ?」

照「もう一月働かして下さい。お金は借りない」

照(居心地がいいなんて恥ずかしくて言えない)

玄「私は歓迎しますけど……さすがにお母さんが心配するんじゃないですか?」

照「問題ない。今から連絡する」

宥「暖かくない予感するよ」

『はい、もしもし』

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:38:54.55 ID:6j1hBJ840

照「もしもし菫?」

菫『照!お前、今どこにいるんだ?』

照「松美館。それと、卒業おめでとう」

菫『それはお前もだ照。早く帰ってこい。毎日学校にスカウトが来てたぞ』

照「大丈夫。私のプロ行きは決まってる」

菫『そうか。それで何の用だ?』

照「あと一月働いていくから。それじゃ」

菫『おいっ!て――』

照「大丈夫だって」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:39:52.42 ID:6j1hBJ840

玄「最近似たようなことがあった気がするよ」

宥「私からまた連絡するね」

TRRRR

照「はい。いつもありがとうございます。松実館です」

宥「私の仕事なのに」

玄「お姉ちゃん、みかん食べる?」

宥「うん。一個頂戴」

照「はい。はい……そうですか。分かりました。辞退させていただきます」

玄「何の話をしてるんだろ?」

宥「仕事の話じゃないみたいだけど」

照「……申し訳ありませんでした。失礼します」

玄「何の話ですか?」

照「プロ行きの話」

宥「照ちゃんの台詞を聞いた限りだといい話じゃないみたいだけど」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:41:28.19 ID:6j1hBJ840

照「うん。菫から監督に話が行って、たまたま居合わせたスカウトが聞いてたらしくてかけてきた。内容はプロ行きを辞退した。お先真っ暗」

玄「」

宥「」

照「どうしたの?」

玄「何故辞退したのですか?」

照「他にやりたいことがあるから」

宥「訊いてもいいかな?」

照「赤土さんって今年からプロだよね?」

宥「そうだけど、それがどうしたの?」

照「もう一度、インターハイに行きたい。白糸台からじゃなく阿知賀から。それが私なりの恩返し」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:41:59.70 ID:6j1hBJ840

玄「あはは。宮永さんが監督ですか」

宥「照ちゃん、教師の免許持ってないよね?」

照「それは問題ない。ここには雀卓がある」

宥「玄ちゃん達がここで麻雀を打つってこと?」

照「私の我が儘を通せるならそうしたい。無理ならば免許を取るだけ」

玄「確かに宮永さんが監督になってくれれば嬉しいですけど、プロ行きまで蹴ってする事ですか?」

照「もう辞退したから後は許可を貰うだけ。それに――」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:43:36.72 ID:6j1hBJ840

宥「それに、なにかな?」

照「気にしないで。大したことじゃないから」

宥「照ちゃん」

照「宥、恐い。分かった話すね。二人を見てると分かりそう。姉妹の距離感が」

宥「清澄の宮永咲さんのことかな?」

照「そう。一度離れ離れになってから距離感が全く分からなくなった。インターハイの時も少し話したけど、やっぱりだめだった。それにここは暖かい」

玄「暑いと思いますけど」

宥「玄ちゃんひどい。照ちゃんはこの選択に後悔しない?」

照「勿論」

宥「じゃあ、今日は寝よっか」

照「ありがとう。お休みなさい」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:44:32.36 ID:6j1hBJ840

玄「お姉ちゃん」

宥「玄ちゃんは責任を感じなくていいの。最初に追い返さなかった私の責任だから」

玄「ありがとう」

宥「それに、照ちゃんが残ってくれて玄ちゃんは嬉しいでしょ?」

玄「ばれてたんだ」

宥「私、玄ちゃんのお姉ちゃんだから」

玄「そうだね。 そうだよね」

宥「うん。それじゃあ私達も寝よっか」

玄「お休み、お姉ちゃん」

宥「お休み、玄ちゃん」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:45:40.78 ID:6j1hBJ840

――――――

玄(久しぶりに夜中にトイレに行ったよ。やっぱり怖いな)

玄(あれ?襖が開いてる)

照「…………」

玄(宮永さん。空見てるのかな?月明かりに照らされて綺麗……)

玄「宮永さん」

玄(あれ?何で話しかけてるんだろう私)

照「玄?」

玄「隣、いいですか?」

照「いいよ。おいで」

玄「失礼します」

照「今日はありがとう」

玄「お給料ですか?」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:47:51.07 ID:6j1hBJ840

照「ううん。違う」

照(聞こえてた。残ってくれて嬉しいって)

照「……いいや。それにしても綺麗」

玄「東京じゃなかなか見れませんからね」

照「うん。東京の空は、狭い」

玄「それインターハイの時に私も思いました」

照「実際は同じものなんだけどね。そういや玄は宥と喧嘩しないの?」

玄「お姉ちゃんとですか。ほとんどしませんよ。お姉ちゃん優しいですから」

照「そうだったね。宥は本当に優しい。羨ましいくらいに」

玄「宮永さんも優しいですよ。妹目線から見て」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:48:40.51 ID:6j1hBJ840

照「そんなことはない。優しければ咲を突き放したりしなかった」

玄「……」

照「それに、私は宥みたいに人の気持ちを汲んで行動できない」

玄「宮永さん……宮永さんは宮永さんの良いところがありますからそんなこと言わないで下さい」

玄(あれ、何でこんなこと言ってるんだろう?)

照(玄、気を使ってくれてるんだ)

照「分かった。じゃあ私寝るね?」

玄「はい。お休みなさい」

照「お休み」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:49:43.35 ID:6j1hBJ840

――――――

照「お客様入らないね」

宥「新学期も始まったし皆忙しいから」

照「そうだけど。暇だなぁ」

宥「うん」

照「宥も進学したら良かったのに。推薦なかったの?」

宥「いくつか貰ったけどいいかなぁって。やっぱりチームを組むなら阿知賀の子達以外想像できなくって」

照「なるほど。それにしてもインターハイではずっと稼いでたね」

宥「照ちゃんほどじゃないよ」

照「私、チャンピオン」

宥「そうだね。私なんかと比べたらいけないね」

照「それはべ――」

TRRRR

宥「ちょっと待ってて。もしもし、いつもありがとうございます。松実館です」

照(やっと仕事だ)

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:50:38.14 ID:6j1hBJ840

宥「……はい。はい、分かりました。お待ちしております。失礼します」

照「仕事?」

宥「……違うかな?」

照「じゃあ、何の電話?」

宥「玄ちゃんが帰ってきたら一緒に話すね」

照(宥の表情強ばってる。いい話じゃないみたい)

照「分かった」

宥「それじゃあお昼にしよっか」

――――――

照「それではミーティングを始めたいと思います」

玄「帰ってきたとたん何ですかこの空気」

宥「玄ちゃん、照ちゃん、落ち着いて聞いてね?」

玄「うん」

照「分かった」

宥「旅館が取り壊されるかもしれないの」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:51:33.65 ID:6j1hBJ840

玄「お姉ちゃん、何でかな?」

宥「マンションを建てるんだって。だから旅館を買い取るとか言ってたんだ」

照「それで、その人はいつ来るの?」

宥「明後日の夕方らしいけど……どうしよう玄ちゃん、照ちゃん」

照「させない。私が許さない。宥、給料の前借りできる?」

宥「特別の場合は出来るけど……」

照「じゃあ、頂戴。今すぐ」

宥「玄ちゃん、照ちゃんのお給料持ってきて」

玄「う、うん。任されました」

照「明日の仕事、休むから」

宥「それはいいけど、照ちゃん何はするつもり?」

照「用事。明後日の昼には帰ってくる」

宥「無茶、しないでね?」

照「心配しないで」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:52:34.00 ID:6j1hBJ840

玄「お姉ちゃん持ってきたよ。宮永さん、お給料です」

照「ありがとう。それじゃあ行ってきます」

――――――

恒子「それで、散々迷って仕事先に押し掛けて、有休とって家でゴロゴロしてた私に宮永さんは何をしに来たのかな?」

照「頼みたい事があるんです」

恒子「頼みたい事ねぇ。すっげーめんどい気がするんだけど」

照「すっげーめんどい事です」

恒子「断りたいけど宮永さんには腐るほど訊きたいことあるし。まぁいっか」

照「ありがとうございます。少し調べてほしいことがあるんです」

恒子「調べ事?それならネットで十分じゃん」

照「私機械音痴」

恒子「だから来たのか。調べる前に私から条件出していいかな?」

照「私にできることなら何だってします」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:54:29.66 ID:6j1hBJ840

恒子「いい答え。宮永さんには少し麻雀打ってほしいんだよね」

照「こーこちゃんと?」

恒子「取材で何度かあっただけだよね?いいけどさ。麻雀を打ってほしいのは私じゃなくて私のパートナー」

照「……それって小鍛冶プロ?」

恒子「そそ。すこやん残念がってたからね」

照「小鍛冶プロに連絡して下さい」

恒子「もう繋がってるよー。ほい、携帯」

照「ありがとうございます。もしもし」

健夜『あれ?えりちゃん?』

照「いえ、宮永照です。プロ行きの件は申し訳ありませんでした」

健夜『残念だけど、用事はそんなことじゃないんでしょ?』

照「こーこちゃんから小鍛冶プロと麻雀を打つように言われました」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:55:46.31 ID:6j1hBJ840

健夜『……後の二人は?』

照「松実姉妹はどうでしょう?」

健夜『阿知賀の子達だよね?面白い打ち手だと思うしいいよ』

照「でも、あの二人は潰れないようにしてください」

健夜『まるで私はどうなってもいいって聞こえるけど』

照「はい。構いません。二人が無事なら。負けるつもりもありませんから」

健夜『宮永さん、面白いこと言うね。いいよ。楽しみにしてるね。それじゃあ』

照「……こーこちゃん、どうしよう?」

恒子「どうもこうも。腹をくくるしかないんじゃない?それと、何で松実姉妹?」

照「こーこちゃんなら知ってると思ってました。今、松実館に泊めてもらってます」

恒子「スクープの香りがするねぇ」

照「内緒でお願いします。今の生活が大事ですから」

恒子「おっけー。それで、調べて欲しいことって?」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:56:37.38 ID:6j1hBJ840

照「現状から話すから長くなりますけどいいですか?」

恒子「晩御飯食べながらでいい?」

照「私もお腹すいた」

恒子「はいはい。任せなさい」

――――――

恒子「なるほど、そんなことが。調べて欲しいことはその買い取ろうとしてる人でいい?」

照「はい。お願いします」

恒子「任せて。宮永さんは少し寝てたらいいよ。疲れてるんでしょ?」

照「ありがとうございます。少し寝ます」

恒子「お休み。さてっと、少し頑張ろうかな?」

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:57:50.64 ID:6j1hBJ840

――――――

照「ん……ここは?」

恒子「おろ、起きたー?」

照「こーこちゃん。おはようございます」

恒子「おはよう。さっき調べ終わったよ」

照「今、何時ですか?」

恒子「次の日の昼前。宮永さん、早速話すね」

照「お願いします」

恒子「まず、インターハイのベスト16の高校の中堅。それと元麻雀のプロ。まぁ、大して有名じゃなかったけど。すぐに引退して土地関係の会社を立ち上げてるね。そっちの方は順調らしいよ」

照「元プロ……」

恒子「牌譜も見たけど、素人目から見ても圧倒的に宮永さんの方が強いけどね。その人の性格は自信家らしいよ。引退の理由はすこやんにフルボッコにされたって噂があるけど関係ないよね」

照「他には何かあります?」

恒子「んー。他は嘘かほんとか分からない事ばっかかな」

照(麻雀、自信家、土地関係の会社……)

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 21:58:39.62 ID:6j1hBJ840

照「ありがとうございます。なんとかなりそうです。それと――」

恒子「それと?」

照「少し連れていってほしい所があるんです」

恒子「おっけー。それじゃあ行こうか」

――――――

宥「炬燵に入ってるのに寒い」

玄「宮永さん、まだ帰ってこないのかな?もうすぐ来ちゃうよ」

宥「照ちゃんを信じよう?約束してくれたんだから」

玄「そうだね」

――――――

照(金)「ただいま」

宥「」

玄「」

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 22:00:17.47 ID:6j1hBJ840

宥「照ちゃんがグレた」

玄「宮永さん、その髪の毛はどうしたんですか?眩しいです」

照「一日染め。計画に支障が出るといけないから。それにだて眼鏡。宮永照に見える?」

宥「微妙かな?」

玄「ありですね」

宥「玄ちゃん……」

照「それと、来るときに高そうな車見た。もうすぐ来る」

宥「……うん」

照「絶対に旅館は売らさない。それに予約もあるから」

ピンポーン

玄「噂をすれば来たよぉ」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 22:02:45.45 ID:6j1hBJ840

照「後は私に任せて」

宥「わ、私も行くよ」

照「大丈夫。宥と玄は待ってて。これは私なりの恩返し。じゃあ行ってくる」

――――――

社長「これはこれはお出迎えありがとうございます」

照「いえ。それで、いくらで買い取るつもりで?」

社長「三千と少しあればいけるかと」

照「足りない」

社長「足りないと。では、参考までにいくらでお譲りしてくださると?」

照「96兆6100億円」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 22:03:15.52 ID:6j1hBJ840

社長「これはこれはご冗談がお上手で」

照「冗談じゃない。この値段以外売らない」

社長「……ガキが舐めてるのか?」

照「それが本心?欲しいならただであげるけどこの土地と旅館」

社長「嘘じゃないだろうな?」

照「嘘はつかない。なんなら誓約書だって書く。ただし、私に麻雀で勝てたら。負けたらこの土地は諦めて」

社長「麻雀?これでもインターハイに出場し、プロにまでなった経歴があると知っても言うのか?」

照「言う」

社長「受けてやりたい。と言いたいが、半荘数回なら負ける可能性がある競技。受けると思うか?」

照「貴方ならそう言うと思った。だから私の点は1000点スタート。貴方達は33000点スタートでいい。後の二人も貴方の部下でいい」

社長「狂ってる。が、その条件で納得しよう」

照「それじゃ、一時間後に遊技場で。誓約書の準備もしておいて」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 22:04:08.42 ID:6j1hBJ840

――――――

社長「自動雀卓と卓球台。何が遊技場だ」

照「遊べたらそれだけで立派な遊技場。貴方には分からないと思うけど」

社長「そんなことより、始めようか。時間が惜しい」

照「それじゃあ始めよう」

照(照魔境は必要ない。徹底的にやるだけ)

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 22:04:59.89 ID:6j1hBJ840

――――――

社長「……夢?これは悪い夢かなにかか?」

照「夢じゃない。現実。約束は守って。早く消えて」

社長「言われなくても分かってる。クソ……」

照「もう来ないでね」

照(ふぅ、終わった。報告しないと)

――――――

照「終わった。諦めるって」

宥「照ちゃん、ありがとう。本当にありがとう」

玄「宮永さん。ありがとうございます。麻雀してる姿かっこよかったです」

照「見てたんだ。お風呂入ってくるね」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 22:06:29.53 ID:6j1hBJ840

――――――

玄(夜中に起きるのってやっぱり怖いな)

玄(襖が開いてる?あれ、前にもあったような)

玄「宮永さん」

照「玄、おいで」

玄「失礼します。あの、宮永さん」

照「どうしたの?」

玄「本当にありがとうございます。私とお姉ちゃんだけだったらどうなってたか分かりませんでした」

照「気にしないで。私なりの恩返しだから」ニコ

玄「……!」

玄(宮永さんが笑ったとこ始めてみた。雑誌で見た違和感のある笑顔よりものすごく綺麗……それに暖かい)

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 22:07:12.88 ID:6j1hBJ840

照「ねぇ、玄」

玄「はい」

照「月が綺麗ですね」

玄「はい……ありがとうございます。本当にありがとうございます」

宥(さっきから盗み見てたけど、暖かい流れだし、邪魔しちゃ悪いかな。私は先に寝よう)

玄「けど、何で私なんかを?」

照「玄は優しい。それ以外いるかな?」

玄「それならお姉ちゃんだって優しいですよ」

照「宥は尊敬できる優しさ」

玄「そうなんですか」

照「そう。それと、少し……眠たいか……な」

玄「言いながら寝て……疲れましたよね。私の膝で良ければいくらでも使ってください。照さん」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 22:08:22.47 ID:6j1hBJ840

――――――

恒子「やっほー宮永さん」

健夜「お邪魔します」

玄「照さん。どうしてトッププロが?」

宥「照ちゃん。これはいったい?」

照「すっかり忘れてた。玄、宥。今から小鍛冶プロと麻雀を打つ」

玄「」

宥「」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/21(木) 22:09:21.16 ID:6j1hBJ840

健夜「あはは、宮永さんにしか本気は出さないから大丈夫だよ」

照「出来れば私も手を抜いていただければ」

健夜「それはちょっとダメかな?それに負ける気はないらしいし宮永さん」

恒子「それじゃあ行こーか」

宥「あっ、荷物はこちらの方へ」

恒子「おっ、気が利くねぇお姉ちゃん。私の部下にならない?」

宥「嬉しいですが遠慮しておきます」

恒子「気が変わったら声かけてね」

健夜「それじゃ、宮永さん。雀卓まで案内してよ」

照「はい」

玄(毎日が楽しいな。これも照さんのおかげ。ありがとうございます!)

カン!

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