【瑞原はやりSS】大沼プロ「あー死にそ」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:13:59.42 ID:O4wM7JD30

アナウンサー「試合終了です!トップは瑞原プロ、後半追い上げてきた戒能プロを何とか抑えました」

はやり「お疲れ様☆」

良子「お疲れ様です」

はやり「良子ちゃん強いねー、はやりもそろそろ負けちゃうかも☆」

良子「いやいや、まだまだ瑞原プロには教えてもらうことばかりですよ」

はやり「この後一緒に飲みに行かない?」

良子「グッドです」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:17:19.18 ID:O4wM7JD30

はやり「はぁ……」

良子「どうしたんですか?溜息なんかついて」

はやり「来週さ…はやりの同級生が結婚するんだ……」

良子「それはめでたいですね」

はやり「バカっ……!全然おめでたくなんかないっ……!!誰が…誰が友人達が幸せの中……取り残されていくっ……それをめでたいと思うっ…!?」

良子(酔いましたね)

はやり「はやりだって……子供の頃夢見たアイドル……大好きな麻雀のプロ……その二つを両立させたっ……!!偉業……なのに……世間からの声は悲惨……冷酷…無情……!!」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:20:45.70 ID:O4wM7JD30

はやり「はやりが子供の頃…おじいちゃんが会わせてくれたアイドル……彼女は私の憧れだった……彼女の笑顔は様々な人を幸せにした……ああなりたいと思った……」

良子(アイドルに会わせてくれるおじいさんって一体何者…)

はやり「この前収録でロケ地に行った時に地元の子供と話したんだ……いつものように理想のアイドル像を壊さないように……そしたら奴等なんて言ったと思う……?」

良子「さあ」

はやり「『このプロきつい』」

良子「うわぁ…」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:24:11.24 ID:O4wM7JD30

はやり「なんでこんな事になっちゃったんだろう……」

良子「(話題を変えないと…)そういえば大沼プロが新しい書籍を出したらしいですよ」

はやり「え?そうなの?」

良子「(まさかくいつくとは)今時の若者を勇気付ける様なことが書かれてるようですね」

はやり「……」

良子「一回読んでみたらどうですか」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:28:50.70 ID:O4wM7JD30

はやり「これかな?」

大沼秋一郎著

『人生まだまだイーシャンテン』

帯:何とかなる気がしたby小鍛治健夜

はやり「これください」

店員「お店仕様、王者のレジ打ちを!」

¥780

はやり「はい」

はやり「飲み過ぎて頭痛い…読むのは明日にしよう」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:31:42.12 ID:O4wM7JD30

翌日

はやり「zzz」

ハッヤリーン

はやり「うるさいなあ、休日に誰~?」ピッ

はやり「もしもし」

「瑞原さんですか?あなたのおじいさんが今朝倒れて」

はやり「え?」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:35:40.12 ID:O4wM7JD30

病院

はやり「失礼しまーす」

大沼プロ「よう」

はやり「おじいちゃん!大丈夫なの!?」

大沼プロ「死にそう」

はやり「じゃあなんで普通に喋ってるの!?」

大沼プロ「あー…」

はやり母「ちょっとはやり、おじいちゃん疲れてんのよ、あんまり大声ださないで」

はやり「あ…ごめんなさい」

大沼プロ「かまわんよ」

はやり母「それじゃあお父さん私果物でも買ってくるね」

大沼プロ「んー…」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:41:15.99 ID:O4wM7JD30

大沼プロ「昨日の対局は良かったぞ」

はやり「見てくれたの?」

大沼プロ「まあな」

はやり「けどはやり最後の半荘でミスしちゃってそっから良子ちゃんが追い上げてきて…なんとか勝てたけどおじいちゃんみたいに完璧なんてできなくて」

大沼プロ「それでいい…完璧なんて必要ないんだ」

はやり「え?」

大沼「はやり、お前が麻雀を始めた頃を思い出せ」

はやり「はやりが麻雀を始めた頃…」ホワンホワン

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:47:03.95 ID:O4wM7JD30

はやり(9)「zzz」

はやり「ハッ」

はやり「あれ…おかーさん?どこー?」

はやり「はやりは確かおじいちゃんの家に来てて…」

タン

「ツモ」

はやり「あっちかな?」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:51:15.01 ID:O4wM7JD30

大沼プロ(53)「ツモ」

南浦プロ「流石大沼先輩…相変わらずの強さですね」

はやり「おじいちゃん何してるの?」

南浦プロ「おや、この子は?」

大沼プロ「俺の孫だ…起こしてしまったな…はやり、おいで」

はやり「なにこれー」

大沼プロ「それは牌って言ってな麻雀を打つ人間の魂が入ってんだ」

はやり「麻雀しってる!おじいちゃんがテレビに出てるときやってたの!」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 17:56:32.54 ID:O4wM7JD30

大沼プロ「そうだ…でこれが点棒、これを一杯集めると勝ちだ」

はやり「へー、あっちのおじいちゃん全然持ってないよ?」

大沼プロ「こいつは弱いからな」

南浦プロ「ちょっ酷いですよ!それに俺まだアラサーですし」

はやり父「はやりも麻雀をやってみたらどうだい」

はやり母「私と変わる?」

はやり「おじいちゃんと一緒にやる!」

南浦プロ「うわ、大沼先輩めっちゃにやけてる…」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 18:02:18.29 ID:O4wM7JD30

大沼プロ「その一番右端を捨ててごらん」

はやり「うん!」タン

大沼プロ「それで捨てた牌を横向きにしてリーチって言うんだ」

はやり「リーチ!」

大沼プロ「あっちのおじいちゃんが牌を捨てたらロンって言うんだぞ」

南浦プロ「まだ捨ててもいないのに和了宣言ですか…」タン

はやり「ロン!」

大沼プロ「メンタンピン一発二盃口ドラ2で裏がのって三倍満」

南浦プロ「ちょ」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 18:07:28.29 ID:O4wM7JD30

はやり(13)「おじいちゃん!中学の麻雀部に入ったよ」

大沼プロ(57)「そうか、友達はできたか?」

はやり「うん!知らない人達と一杯麻雀打てて楽しい!」

大沼プロ「楽しいか」

はやり「すごく!」

大沼プロ「そうかそうか、それは良かった」

はやり「来週に先輩達の応援に行くんだ!」

大沼プロ「頑張って応援してこい」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 18:13:16.63 ID:O4wM7JD30

はやり(13)「先輩達負けちゃった…」

大沼プロ(57)「そうか」

はやり「あと一回勝てば県大会だったのに」

大沼プロ「お前は先輩達がなぜ負けたかわかるか?」

はやり「うん」

大沼プロ「ならばそれを自分の実力に変えるんだ、先輩達の無念を力にしろ」

はやり「実力に…」

大沼プロ「そうだ先輩の努力を無駄にするな」

はやり「うん!」

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 18:16:57.48 ID:O4wM7JD30

はやり(14)「私レギュラーに選ばれたよ!」

大沼プロ(58)「すごいじゃないか」

はやり「だからさ、できればだけどおじいちゃんに応援して欲しいんだ」

大沼プロ「ふむ」

はやり「あ、お仕事があるならいいよ!私がきて欲しいってだけだから」

大沼プロ「大丈夫だ、応援させてもらうよ」

はやり「本当!絶対きてね!」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 18:23:36.88 ID:O4wM7JD30

はやり(14)(おじいちゃんが見に来てくれてる、頑張らないと)

はやり(私は副将で現在トップとの差は12000…なんとかまくらないと)タン

相手A「おっとそれロンだ7700」

はやり「はい…」

相手B「ククク…悪いな18000」

はやり(親のダマッパネ…)

はやり「クッ」

相手C「…」タン

はやり「あ!ロンです!」

相手B「すまんな、頭ハネだ」

はやり(和了れない…)

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 18:30:48.57 ID:O4wM7JD30

オーラス
親はやりん

はやり(14)(このラス親で稼いで大将に回さないと……これ以上の失点は許されない…)

相手A「…」タン

はやり「ロン!5800!」

はやり「ロン!12300!」

はやり「ツモ!1300allの二本場は1500all!」

はやり(突き放した!この点差ならトップも狙えて安全な位置!)タン

相手C「ロン、32000」

はやり「え…」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 18:36:09.80 ID:O4wM7JD30

それからはやりのチームは副将戦での点差を戻すことができずに敗退した

はやり「うええええええん」ヒッグ

大沼プロ「……」

はやり「私のせいで負け…ちゃった……」グスッ

大沼プロ「残念だったな」

はやり「うわああああああああん」ウック

大沼プロ「うーむ困った」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 18:42:22.97 ID:O4wM7JD30

はやり(15)(あれから1年間私は牌を触ってない、周りの視線と負けたときの事がフラッシュバックして吐き気などを催すためとても麻雀どころじゃなかった…)

はやり「……」ペラッ

はやり母「ちょっとはやり、いつまでもおじいちゃんの本ばっか読んでないで勉強したら?」

はやり「勉強きらいだもん…」

はやり母「できればいい高校に進んで欲しいんだけどね」

はやり「別に私はいいところなんて行かなくていいし…」

はやり母「どうしたもんかね」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 18:51:04.98 ID:O4wM7JD30

はやり「勉強、勉強ってなんであんなこと言うのかな、まだ半年もあるし受験なんか簡単だよ」

はやり「新しい雑誌でも買おっと」

Weekly麻雀Today
大沼プロに聞く!闇聴対策

はやり(おじいちゃんのインタビューが載ってるんだ…でも麻雀雑誌だし)

はやり(そういえばあの大会でダマッパネくらったっけ、おじいちゃんに聞いたってんなら実用性あるんだろうし…)チラッ

はやり「こ、これください!」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 18:54:07.48 ID:O4wM7JD30

大沼プロ(59)「よう、久しぶりだな」

はやり(15)「あ、おじいちゃん、来たんだ」

大沼プロ「最近麻雀はどうだ?」

はやり「私もう麻雀やめたよ」

大沼プロ「まじで?」

はやり「私もっと普通の女の子らしい夢を見つけたもん」

大沼プロ「どんなのよ」

はやり「アイドル」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:00:27.40 ID:O4wM7JD30

大沼プロ(59)「アイドルか…」

はやり(15)「おじいちゃんテレビとかでアイドルに会ったことあるでしょ?」

大沼プロ「あるな、みんな美人だぞ」

はやり「私が落ち込んでたときにね!ラジオから小松田聖子(ひじりこ)ってアイドルの曲が流れてきてね!それがいい曲で!」

大沼プロ「うーん」

はやり「お願いがあるの!アイドルに会わせて!」

大沼プロ「受験勉強は?」

はやり「大丈夫大丈夫」

大沼プロ「じゃあ、とりあえず東京行くか…」

はやり「おじいちゃんありがとう!」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:12:08.28 ID:O4wM7JD30

はやり(15)「東京ではぐれちゃった…」

はやり「うぅー…ここどこだろう…あ、あれは!?」

小松田聖子「?」

はやり「小松田さんですよね!私ファンです!赤いラベンダー大好きです!」

小松田「あら、それはありがとう…あなたみたいな可愛い娘がファンだなんて嬉しいわ」

はやり「どうしてここにいるんですか?」

小松田「人と待ち合わせをしているんだけど、なかなか現れなくて」

はやり「そうなんですか」

小松田「おや?あれかしら」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:16:18.26 ID:O4wM7JD30

大沼プロ(59)「ここにいたのか!?」

小松田「遅かったですね、大沼さん」

はやり(15)「え?」

大沼プロ「心配したぞはやり!」

はやり「ごめんなさい」

小松田「ん?」

大沼プロ「ん?おお小松田さんどうも」

小松田「ってことはあなたが私に会いたいって娘ね」

はやり「は、はい!」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:20:34.71 ID:O4wM7JD30

はやり(15)「私、アイドルになりたいんです…」

小松田「成る程、話ってのはそれね」

はやり「私なんかじゃ無理でしょうか?」

小松田「全然、あなたはルックスも声もとても可愛いわ!けど大沼プロの孫なら麻雀はしないの?」

はやり「私、麻雀は…」

大沼プロ(59)「はやりは麻雀をやめたんだ、他にやりたいことを見つけたからな」

はやり「そ、そうそう」

小松田「ふーん…」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:25:55.55 ID:O4wM7JD30

小松田「あなた、本当にアイドルになりたい?」

はやり「はい!」

小松田「そう…所で受験勉強はしているの?」

はやり「え、いや、えっと」

小松田「してないのね…」

はやり「は、はい」

小松田「本当にアイドルになりたいならね可愛いさだけじゃやれないのよ、アイドルだって頭を使うわ」

はやり「はい…」

小松田「とりあえず、もっと勉強して高校いって…地元の芸能事務所に入って…そこでまた悩んだら私の所にきなさい」

はやり「はい!」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:32:20.61 ID:O4wM7JD30

それから私は勉強をした、どれ位やればいいのかわかんなかったからひたすらやった

はやり母「凄いじゃないはやり!」

はやり(16)「そうかな?」

はやり父「こんだけ頑張ったんだはやりのいう事も聞かないとな」

はやり「ってことは?」

はやり父「とりあえず近くにある芸能プロダクションに行ってみようか」

はやり(やった、辛いこともあったけどとうとうやったんだ!)

はやり「おじいちゃん!私アイドルになれるよ!」

大沼プロ「そうか…」

その時のおじいちゃんの顔はどこか寂しそうだった

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:39:21.03 ID:O4wM7JD30

はやり(17)「ふぅ、今日も疲れたなあ」

あれから1年間私はアイドルとして活動していた
憧れていた夢が叶いとても順調だっただけど

社長「なんていうかなあ、個性が無いんだよねえ売りだそうにも」

はやり「個性ですか…」

社長「ルックスもスタイルもピカイチあと一つ何か個性があったら間違いなく君は売れる」

はやり「私、なにかあったっけ…」

いくら昔を遡っても私にあるのは麻雀だけだった
しかしもう麻雀牌なんて随分触ってない

社長「今更だけど部活なんて入ってみたら?」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:43:25.52 ID:zitpl9iCO

アラフォーと同世代という悲劇

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:45:43.71 ID:O4wM7JD30

高校二年生から新しくスポーツをやる気など起きず私の足は自ずと麻雀部の部室の前に立っていた

はやり「……」

おじいちゃんにあんなことを言った手前私には麻雀なんて…

「あれ?麻雀部に御用ですか?」

はやり「あ、え、えっと、ちょっと麻雀打ってみたいなーって」

「本当ですか!入部希望者ですね!」

別にそんなこと言ってないのに
どうしようおじいちゃん

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:52:07.19 ID:O4wM7JD30

部員1「それじゃあ始めましょうか!」

部員2「お客さんとは珍しいね」

部員3「よろしく!」

部員4「私は見てますね」

はやり「部員は4人なんですか?」

部員1「そうなの、だから団体戦出れなくって…」タン

はやり「そうなんですか」タン

部員2「うーむ」タン

部員3「ふんふむ」タン

はやり(あれ、そういえば私普通に麻雀打ててる)

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:53:33.01 ID:30KsXuo80

霞さんは転生でもしたんですかねぇ…

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 19:57:28.37 ID:O4wM7JD30

はやり「あ、今日はありがとうございました」

部員1「それじゃあ明日からもよろしくね!」

はやり「はい!」

結局麻雀部に入ってしまった
そのことを社長に言ったら

社長「麻雀!?いいね!なんか浮かんできた!」

私の売り出し方を思いついたらしい
そうして生まれたのが牌のお姉さん瑞原はやり
可愛い服着て麻雀の解説とかするらしい

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 20:11:22.87 ID:O4wM7JD30

高校インハイ予選

部員が少ないせいで今までは出場出来なかったこの高校も今年から参加
そしてアイドルの仕事も両立させるため私は大会に衣装を着てでることになった

皆が制服のなか私だけ違う服を着て目立つことが目的らしい
しかし実際は別の箇所で目立った

はやり「ツモ」

とても初出場とは思えない成績で破竹の勢いで県予選を勝ち進んだ
私達がここまで強くなったのはおじいちゃんが大会までの日数に麻雀部を指導してくれたからだ

私が麻雀をまた始めた事をおじいちゃんに伝えたら、驚いたあとに嬉しそうな顔をしてとても喜んでいた

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 20:24:48.14 ID:O4wM7JD30

そして県予選決勝

部員1「あとは任せたよ!」

はやり「うん☆」

卓につく前までは大丈夫だった
しかし3年前のことが急に脳裏に浮かんだ
あの時と同じあと一回勝てば次のステージに進める
牌をツモる手が震えているのがわかる
牌を捨てる度に役満を当てられた事を思い出す

はやり(きえろきえろきえろきえろ)

どれだけ思っても悪いイメージは消えない

「ロン、2900」

はやり「はい…」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 20:38:14.50 ID:O4wM7JD30

はやり(もう最悪…)

こんな時強い人ってどうするんだろう
おじいちゃんの顔が浮かんだ
おじいちゃんだったらこの状況をどう対処するんだろうか…

『無念を力にしろ』『大沼プロに聞く!闇聴対策』

『捨てた牌を横向きにしてリーチって言うんだ』

はやり「リーチ!!」

いくら考えた所で何もでてこなかった
だから今できる事を我武者羅にやるんだ

はやり「一発ツモ!」

私の今までの無念を力に変える

対面「リーチ」タン

はやり(最優秀防御率を誇るおじいちゃんの孫の私にリーチなんて愚策)

はやり「ポン」

下家(このリーチはでかい、振り込めない…しかし上家のこの副露、おそらくタンヤオのみこれに振り込めれば…)タン

はやり「ロン」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 20:48:11.56 ID:O4wM7JD30

対面「くっ…」

下家(やった……なにっ!?)

はやり「ホンイツ白中小三元」

そして私達は全国行きを果たした

大沼プロ「はやり、よくやった」

はやり「おじいちゃん!私やったよ!全国にいけるんだ!」

大沼プロ「そうだな、全国でも楽しんでこい!」

はやり「うん!」

そして全国でも結構活躍するけどそれは別の話

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 20:55:58.98 ID:O4wM7JD30

はやり(28)「辛いことが一杯あったけど私楽しんでたんだ、麻雀を…」

大沼プロ(72)「そう麻雀を楽しむための麻雀、それが打てる人間は今少ない、プロにも数える位しかいない」

はやり「……」

大沼プロ「はやり、お前は強い子だ…だからこそ麻雀を楽しく打って欲しい」

はやり「うん、ありがとう、おじいちゃん…すごくスッキリした、もういくね」

大沼プロ「おう、応援してるからな」

はやり「おじいちゃんも長生きしてね!」

大沼プロ「最後に牌のお姉さんやってくれ」

はやり「なんで!?」

大沼プロ「頼むよ」

はやり「もう……牌のお姉さんの瑞原はやりを応援するんだゾ☆」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 21:04:40.76 ID:O4wM7JD30

咏「なんか今日はやりん燃えてんね」

健夜「そうだね、なんか楽しそう」

良子「藤田プロがカモられてますね」

野依「トんだ!!」プンスコ

はやり『今日は調子がよかったな☆これからもはやりを応援よろしくね☆』

良子「それじゃあ二人が来るまでなにかしましょうか」

咏「しりとりしようぜぃしりとり」

野依「ゴリラ!!」プンスコ

良子「ラマ」

健夜「マスカット」

咏「トマト」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 21:10:03.03 ID:wdIaRnqj0

はやりんSSは良作が多いな

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 21:15:44.16 ID:O4wM7JD30

咏「晩飯には味噌汁じゃね、知らんけど」

野依「ドリンク!」

良子「クソぉ、やっぱこれかあ」

健夜「アラサーだよ!!」

はやり「おいーっす☆」

咏「お、来たねぃ」

野依「お疲れ!!」

良子「おや?なぜ藤田プロは瑞原プロに背負われているのでしょうか」

はやり「カツ丼やけ食いして寝ちゃった」

健夜「拗ねちゃったのね」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 21:22:49.43 ID:O4wM7JD30

はやり「よーし、今日は飲むぞ!」

咏「はやりん気分いいねぃ~私もはしゃいじゃうぜ~!」

健夜「いいことでもあったのかな?」

良子「それより早く飲みましょう」

野依「ビール!!」

はやり「金なら今日の賞金があるから幾らでも呑めるゾ☆」

良子「ヒャー、さっすが牌のお姉さん!クールです!」

咏「どうせならもっと人呼ぶ?」

健夜「いいね」

藤田「zzz」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 21:35:21.20 ID:O4wM7JD30

深夜3時

はやり「バカっ……!なぜそこで売却をするっ……!無意味……まるで意味がない売却……金の無駄っ……!なのになぜ……!?」

良子「カカカ……!キキキ……!今は酔っている状態……!泥酔状態の人間のやることに意味などない……!」

はやり「ふ…ふざけろっ……!!僅かに残った理性でゲームをやっているんだぞ……!鬼か……この鬼畜……!!」

野依「増資!!」

咏「花札やろーぜぃ」

えり「私花札ってやったことなくて」

こーこ「すこやん花札できるの?」

健夜「できるよ」

咏「負けたら裸でモノマネね~」

えり「小鍛治プロ!頑張ってください」

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 21:40:20.49 ID:O4wM7JD30

4時

良子「はーい!!戒能良子一発芸いきまーす!!」

はやり「おういけいけー!!」

咏「ヒューヒュー!」

健夜「良子ちゃんが脱いだああああ!」

こーこ「ナイスバデイだあああああ!」

えり「zzz」

野依「眠い!!」

みさき「ビール買ってきましたー」

良子「本場イタコ踊り~」

はやり「wwwwwwwwwwww」

咏「MP吸われるwwwwwwwwww」
藤田「なんだこれ」

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 21:45:34.52 ID:O4wM7JD30

12時

はやり「あったまいて~」

良子「はしゃぎすぎましたね」

咏「zzz」

えり「昨日の記憶が……なにか凄いものを見た気が…」

こーこ「ぶっはwwwwwすこやん寝ゲロしてるwwwwww」

野依「起床!!」

みさき「酔い覚まし買ってきました」
アナウンサー「解説に藤田プロをお呼びしてます」

藤田「よろしく」

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 21:49:25.46 ID:O4wM7JD30

一週間後

大沼プロ死去

このニュースは麻雀界に震撼を与えた
彼の葬式には日本のプロ雀士の殆どが出席した
まだ名も売れてない新人のプロから世界でもトップの実力を持つ雀士など有名人や著名人もいる
生前、彼は敵がいない程強かったわけではない、しかしプロの中で彼を知らないものはいない
麻雀をやる者なら恐らくテレビや雑誌などで対局をみるだろう
そんななかこの業界で40年以上活動してきた彼はプロに憧れる若い雀士達の目に否応無しに入ってくるのだ
その中でも彼の打ち筋を真似る者、彼の打ち筋を嫌う者、様々な人物がいるだろう
最早化石などと言われることもあったが彼の死を悔やまない声は無い
日本麻雀協会(以下NMA)設立初期から在籍していた彼をNMAは殿堂入りを満場一致で可決した(日刊 井伊和監査機差)

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 21:54:09.62 ID:O4wM7JD30

はやり(なんか、やる気でないな…)

はやり(仕事もやったって喜んでくれる人達も少ない、批判の声は大きくなる)

はやり(今麻雀打ったって……)

はやり(長生きしてって…言ったじゃん)

はやり(そうだ、おじいちゃんの本読まなきゃ……)

はやり(おじいちゃん…)

ペラッ

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 21:59:20.51 ID:O4wM7JD30

誰だって成功したい、わかりやすい意味での成功、世間的な成功。

金や地位、名声や権力や称賛そういうものに憧れる。欲する。

しかし少し省みればわかるそれは「人生」ではない。

そういうものは全部、飾り。所詮人生の飾りにすぎない

はやり「………」

ただやること、その熱、行為そのものが生きるってこと。実という物。

成功を目指すなと言っている訳ではない。その成否に囚われ、思い煩い止まってしまうこと、熱を失ってしまうこと。

これがまずい、こっちの方が問題だ。いいじゃないか、三流で。
熱い三流なら上等よ。

まるで構わない、構わない話し。だから恐れるな。繰り返す、失敗を恐れるな。

はやり「うぐ………ぐぐ……」グスッ

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 22:06:46.45 ID:QWCrNdmq0

何故アカギ化した

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 22:18:18.90 ID:O4wM7JD30

はやり(私なんでアイドルになったんだっけ)

最初はあの曲に元気付けられて、私も他の人の助けになってあげたいって思ってた。
人気がでたばかりの頃はよかった。可愛がられ、持て囃され、正に望んでいたものが手に入った。
だが時が経つに連れ私は蔑まれ、批判されるようになった。
必然的に需要が減っていきもはや苦労しか残っていなかった。
そんな人生に嫌気がさして少しでもその場に留まろうと努力した。
その結果どうだ?何が変わったか?かつての憧れの人は年老いてもなお優雅であった。
私は流れていく時の中で立ち止まっていたのだ。

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 22:29:17.68 ID:O4wM7JD30

はやり(私を必要とする人間なんてまだいるのか)

そんな事を何度も考えたことがある。
その度にありもしない妄想で自分を奮い立たせ、何とか現実から逃げていた。

現実は厳しい。厳しすぎる。
誰から褒められるわけでもなく、誰かが慰めてくれるわけでもないのにひたすら苦痛に歩を進める。
だけど、そんな中にも希望はあった、昔からずっと見守ってくれて、我儘を聞いてくれて、時には叱ってくれた。
自分の最大の理解者、それすらも失った私はどうすればいいのか。

祖父の遺品から出てきた昔の自分の曲を聞いてみる

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 22:38:41.00 ID:O4wM7JD30

はやり「下手くそだなあ……」

しかし、下手くそな自分の歌はなぜかとても心に染みた。

はやり母「おじいちゃん、いつもこれ聴いてたらしいわ」

はやり「そーなの?」

はやり母「おじいちゃん死ぬ時凄い幸せそうだったわ、最期にあんたに会えて嬉しかったのよ」

はやり「私も、おじいちゃんと会えて嬉しかった…けどこれからももっと喋ったりできると思ってた」

はやり母「おじいちゃん、最期にあんたになんて言ったの?」

はやり「応援してるって言ってくれた」

はやり母「そう、なら天国で見守ってくれてるのよ、きっと」

はやり「そうだね」

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 22:45:06.37 ID:B5FlICEXO

キツいアイドルも一人の人間なんだな…

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 22:46:06.23 ID:O4wM7JD30

今まで止まっていた分進めるのか
でも、もう恐らく立ち止まるはことはないだろう。
私の中で一番大きかった人が見守ってくれているのだから。

たとえどんな事を言われても私は迷わない。そう心に誓った

子供「このプロきっつ…」

はやり「」

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 22:52:13.55 ID:O4wM7JD30

はやり「良子ちゃああああああん」

良子「なんすか先輩」

はやり「なんか当たり強くない?」

良子「いや別に」

はやり「また子供にいじめられたよおおお」

良子「なんででしょうね」

はやり「何か悪いところあったのかな」

良子「至って普通に見えるんですかね」

はやり「はやりわかんない☆」

良子「それだ」

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 22:57:06.68 ID:O4wM7JD30

はやり「それって?」

良子「キャラですよキャラ」

はやり「えー」

良子「いっそのことキャラ変えてみたらどうですか?」

はやり「ないわー」

良子「ホワイ?」

はやり「私がキャラ変えたのを想像してごらん」

良子「ふーむ」ホワンホワン

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 23:07:57.41 ID:O4wM7JD30

はやり「こんにちは、瑞原はやりです」

良子「あれいつものキャラはどうしたんですか」

はやり「ウフフ、今までのことは忘れてください」

良子「なぜ?」

はやり「今までの実は演技だったんです」

良子「ぐはっ!!」

良子(まさか、こいつ…今まで演技がばれてないとでも思ってたのか!?否、これはこれはどんな反応をしても悲惨な結果になるため私の脳内が比較的マシな妄想をえらんだのか!?)

良子「すいませんでした」

はやり「わかればよい」

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 23:16:31.82 ID:O4wM7JD30

良子「今のキャラを崩さずに子供の人気をあげる方法…」

はやり「うーん」

咏「動物とかと戯れてみたらいいんじゃね、知らんけど」

良子「グッドアイデアかもしれませんね」

はやり「咏ちゃんは猫のイメージあるよね☆」

良子「私は?」

はやり「ツルとかスマートな鳥」

健夜「私は?」

はやり「範馬勇次郎」

健夜「なんか違くない!?」

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 23:25:26.72 ID:O4wM7JD30

野依「…」

はやり「のよりんはリスかな?」

野依「!!」プンスコ

咏「ハムスターとかもあうかもね」

良子「キュートな感じですよね」

はやり「はやりはどんなのが似合うかな?」

健夜「アルマジロとか」

良子「いいかも」

藤田「私は?」

咏「加藤清澄」

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 23:34:09.06 ID:O4wM7JD30

討論の結果

瑞原はやりに似合う動物はハリネズミ

に決定しました

はやり「なんで?」

良子「触ったら痛そうだから」

咏「あー(納得)」

はやり「ハリネズミって子供に人気でるの?」

良子「そういえばそんな話題でしたね」

野依「リス可愛い!!」プンスコ

90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 23:41:51.35 ID:O4wM7JD30

良子「やっぱ子供人気といったらお母さんと一緒ですよ」

咏「やっぱそれだよね」

健夜「一応今も牌のお姉さんだよね」

はやり「みんなー!はやりお姉さんと遊ぼう☆」

野依「無変化」

藤田「何にもわかっちゃいないなあんたら」

良子「か、加藤!」

藤田「お姉さんの隣にいつもいる存在はなんだ?」

咏「あ!お兄さんじゃね?知らんけど」

藤田「そう、運動神経がいいお兄さんが必要、正に俺にピッタリじゃねえか…」

健夜「加藤ォォォ~~~ッッ!!!」

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/23(日) 23:46:58.83 ID:O4wM7JD30

そして子供向け麻雀番組
チャンタ三色と一緒が始まった

加藤「よし、それじゃあお兄さんが点数計算の方法を」

はやり「あんたじゃ無理だ下がってろ」

加藤「~~~ッ!!」ピクピク

そういった二人の漫才のようなやり取りがあらゆる方面で売れてはやりんは子供達にも人気になった

終わり

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