3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 20:29:12.65 ID:LbeivukmO
白糸台部室。
菫「おい、照」
照「……なに」
菫「お前にお客さんだ」
照「?」
菫「清澄の宮永、お前の妹だろ」
照「……私に妹はいない。追い返して」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 20:30:39.04 ID:LbeivukmO
菫「いや、それがもう来てるんだ」
咲「…お姉ちゃん」
照「………」
咲「久しぶり、だね」
照「はぁー…帰って」
咲「え?」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 20:36:40.41 ID:LbeivukmO
照「菫も。部外者を部室に招かないで」
菫「いや、だがな。お前の妹じゃないのか?」
照「……違う。私に妹はいない」
咲「……お姉ちゃん。うん、分かった。先に帰ってるね」
照「…は?」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 20:43:02.84 ID:LbeivukmO
咲「弘世さん、これ差し入れです」
菫「あ、ああ、ありがとう」
照「ちょっと待って」
咲「?」
照「……まさかとは思うけど泊まり?」
咲「うん、今日はお母さん家に泊まるよ?」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 20:47:11.55 ID:LbeivukmO
照「……菫」
菫「なんだ?」
照「今日だけ泊めて」
菫「今日は無理だ。それに妹なんだろ? 一緒にいてやればいいじゃないか」
照「うるさい」スタッ
菫「おい、どこにいく」
照「淡に今日は泊まっていいか聞いてくる」
咲(……お姉ちゃん。そんなに私と一緒にいるのが嫌なのかな)
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 21:00:36.46 ID:LbeivukmO
―――――――
照「結局、誰も泊めてくれない」
照(どうやら私には人望がないみたい)
菫「そう気を落とすな」
咲「そ、そうだよ、お姉ちゃん」
照「まだいたんだ」
咲「あ、うん」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 21:33:04.10 ID:LbeivukmO
菫「照、今日はもう部活終了だ。帰っていい」
照「……分かった」
咲「お姉ちゃん、帰りにどこか寄って」
照「………」スタスタ
咲「あっ、待ってよ、お姉ちゃん」タッ
菫「はぁー、やれやれ」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 21:35:21.35 ID:LbeivukmO
帰路。
照「………」
咲「ね、ねぇ、お姉ちゃん」
照「…………」
咲「えーっと、お腹空かない?」
照「………」
咲「あ、あんなところにコンビニがある。やっぱり東京は凄いね」
照「…………」
咲「……お姉ちゃん」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 21:38:20.66 ID:LbeivukmO
咲「お姉ちゃん、ひとつだけ教えて」
照「………」
咲「……お姉ちゃんは私のこと…嫌い?」
照「……嫌い」
咲「ッ」
照「…もういい?」
咲「あ、うん、ごめんね」しゅん
照「……」すたすた
咲「……」ぽつーん
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 21:41:32.40 ID:LbeivukmO
咲「……お姉ちゃん…やっぱり…」うるうる
咲「あれ…なんだろ…覚悟してたのに……おかしいな…」ぽたぽた
咲「……っ…」ごしごし
咲「…うぇっ…ひっく…ひくっ…なみだ…が止まらないよ…」ポロポロ
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 21:42:04.43 ID:cZuD84kw0
久しぶりのシリアス系で嬉しいな
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 21:47:53.78 ID:LbeivukmO
―――――――
照「ただいま」
母「おかえり、照。あれ、咲は一緒じゃないの?」
照「……知らない」
母「そう、どうしたのかしら、あの子」
照「お母さん、今日の夜ご飯はなに?」
母「麻婆豆腐よ」
照「……着替えてくる」
母「あっ、ちょっと待って。悪いけどあの子を探しにいってくれないかな」
照「………」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 21:52:46.17 ID:LbeivukmO
照「なんで私が、アレを探しにいかないといけないの?」
母「……照。おねがい」
照「………」
母「あの頃はあんなに仲が良かったじゃない」
照「昔の話はしないで」
母「ねっ、照」
照「……分かった。探しにいってくる」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 21:59:25.38 ID:LbeivukmO
―――――
咲「ここは、どこかな」
咲(うう、完全に迷子になっちゃったよ。どうしよう)
咲「……えっと……あれ…」
咲「………」じわっ
咲「っ」ふるふる
咲(いつまでも泣いてちゃダメだよね)
咲(……お姉ちゃん……)とてとて、ぐきっ
咲「キャッ!」ドサッ
咲「痛ッ…」ズキ
咲(どうしよう、足を捻った。痛くて歩けない)ズキズキ
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 22:01:25.28 ID:L7tkpyNGO
この鬼畜姉
咲さんに麻雀で奪ったおこづかい返せよ!
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 22:07:21.82 ID:LbeivukmO
咲「はぁー…」
咲(どうしてこんなことになったんだろ)
咲(………私はこんなにお姉ちゃんのこと好きなのに…お姉ちゃんは私のこと…嫌いなんだよね)
咲「……お姉ちゃんのバカ」ボソッ
照「……誰がバカなの?」
咲「…へ?」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 22:12:37.20 ID:LbeivukmO
咲「お、お姉ちゃん。どうして…もしかして心配を」
照「………勘違いしてるようだけどお母さんに迎えにいけと言われた。それだけ」
咲「そ、そうだよね、あはははは…」
照「………いつまで地べたに座り込んでいるつもりなの?」
咲「あっ、えーっと、その、私はまだここにいるよ」
照「………」ジーッ
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 22:16:16.51 ID:X5pGssev0
なんだろう不安だけどすごくいい
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 22:23:41.67 ID:LbeivukmO
咲「お、お姉ちゃん?」
照「……もしかして捻挫?」
咲「…うん。だけど大丈夫だよ、お姉ちゃん。あんまり痛くないから」
照「………仕方ない。(背中に)乗って」
咲「へ?」
照「その足じゃ歩くのも辛いはず」
咲「でも、その」
照「良いから」
咲「それじゃあ、お言葉に甘えて」ギュッ
照「…きちんと抱き着いて」
咲「う、うん」ギュウウウ
照「…おいしょと」
照(……昔に比べると重い)
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 22:32:04.60 ID:LbeivukmO
咲「お、お姉ちゃん。ごめんね。重いでしょ」
照「………別に」
咲「……お姉ちゃん。なんで…来てくれたの?」
照「さっきも言ったはず。お母さんが探してこいと言ったから来ただけ」
咲「そっか…」
咲(でも、やっぱり昔に戻れたみたいで嬉しいな)ギュウウウ
照「……ちょっと力を緩めて。少し苦しい」
咲「ご、ごめんね、お姉ちゃん」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 22:35:37.96 ID:oOcN02HPO
一体何をどうしたらこんなに姉妹関係冷えきるのか
こわいわもー
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 22:37:27.24 ID:LbeivukmO
咲(お姉ちゃん、良い匂い。なんの匂いかな。なんか落ち着く)
咲「ねぇねぇ、お姉ちゃん」
照「………なに?」
咲「お姉ちゃん、良い匂いだよね」
照「……落とすよ」
咲「あ、ごめんね」
照「……別にいい」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 22:48:52.20 ID:LbeivukmO
咲「お姉ちゃん。お姉ちゃんは…そのっ」
照「……」
咲「やっぱり私のことは……」
照「…嫌い」
咲「……やっぱり…そうだよね」しゅん
照「だけど―――どうでもいいわけではない」
咲「えっ」
照「どうでもいい相手を背負ったりはしない」
咲「お姉ちゃん…」ウルッ
照「………」
咲「えへへ、私はお姉ちゃんのこと大好きだよ」ニコッ
照「……」
咲(今はまだ好きじゃなくてもいいよ、お姉ちゃん。いずれ私のことを好きにさせてみせるから)ギュウウウ
カン!
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/10(水) 22:51:22.66 ID:LbeivukmO
くぅ疲
二ヶ月ぶりに書いたけど疲れたわ