【咲-Saki-SS】怜「竜華以外の人に膝枕してほしい…」竜華「え?」

3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 02:35:40 ID:YrCqW132

怜「もう竜華の膝枕には飽きたわ」

竜華「飽きたって……」

怜「ぶっちゃけクッションの方が気持ちいいし」

竜華「当たり前やろ」

怜「何が足りひんのやろ」

竜華「えっ、うちの太ももが悪いん?」

怜「うん」

竜華「えー……」

怜「なんか、惜しいねん」

竜華「そか……」

4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 02:40:43 ID:YrCqW132

怜「……どうしょっかなあ」

竜華「……」

怜「うちもな、いろいろ考えてん」

竜華「うん」

怜「竜華の膝枕がダメなら、他の人にしてもらおうか、とか」

竜華「あかん!」

怜「せやな、うちも竜華以外考えられへん」

竜華「ならうちので我慢しいよ」

怜「足りんねん」

竜華「なんや」

怜「わからん。せやけど、何かが」

竜華「なんやろか」

5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 02:47:19 ID:YrCqW132

怜「精神面からつめてくか」

竜華「うん」

怜「愛、とか」

竜華「いっぱいあるで」

怜「思いやり、とか」

竜華「溢れてしまいそうや」

怜「性欲、とか」

竜華「抑えきれんぐらいやわ」

怜「えっ……」

竜華「うそやん」

怜「どんくらい?」

竜華「ちょびっと」

怜「ちょびっとなん」

竜華「チョモランマくらい」

怜「あかんわ」

6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 02:52:49 ID:YrCqW132

竜華「他には?」

怜「ソックスが蒸れるなあ、とか」

竜華「それはあるわ」

怜「やっぱりな」

竜華「夏やもん」

怜「脱げばええやん」

竜華「せやけどな、そんなこと言ったら」

怜「なんや」

竜華「全部脱ぐで、うち」

怜「あかんわ」

竜華「せやろ? 暑かったら脱げっちゅー理屈はおかしいねん」

怜「なるほどな……」

7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 03:02:31 ID:YrCqW132

竜華「で?」

怜「精神面は合格や」

竜華「次は肉体面やな」

怜「肉体面か……」

竜華「どしたん」

怜「いや、竜華ってスタイル最高やと思うねん」

竜華「せやな」

怜「ぷにぷにやん、どこも」

竜華「お腹以外な」

怜「お腹もぷにぷにやん」

竜華「出てへんよ、ぷにぷにやけど」

怜「ほんま、だらしない体しとるわ」

竜華「なんや」

8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 03:07:18 ID:YrCqW132

怜「熟れすぎや」

竜華「JKやで、うち」

怜「体はJJや」

竜華「なんやねん、それ」

怜「熟女」

竜華「ピッチピチやで」

怜「ほんまに?」

竜華「うん」

怜「触ってもええ?」

竜華「あかんわ」

怜「なんでやねん」

竜華「膝枕問題の方が先や」

怜「せやな」

9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 03:18:54 ID:YrCqW132

竜華「うちの太ももはな、もう怜の頭の形を覚えとるねん」

怜「うそやん」

竜華「ほら、見てみ」

怜「いや、太ももはどうでもええねん」

竜華「なんや」

怜「太ももはどうでもええねん」

竜華「うん」

怜「竜華の膝枕に変わる枕を見つけたいねん」

竜華「もう他の人にしてもらい」

怜「あかんわ」

竜華「なんでや」

怜「竜華のことが好っきゃねん」

竜華「太ももは?」

怜「どうでもええねん」

竜華「愛せや。全てを愛せや」

10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 03:31:32 ID:YrCqW132

怜「倦怠期や」

竜華「そか」

怜「どないしよかな」

竜華「うちな」

怜「うん」

竜華「胸にも自信あるで」

怜「でかいもんな」

竜華「しかも柔らかい」

怜「枕やん、それ」

竜華「せやろ?」

怜「やってみる?」

竜華「ばっちこい」

怜「ほなら寝そべって」

竜華「うん」

11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 03:35:27 ID:YrCqW132

怜「おお、チョモランマや」

竜華「これはいけるで」

怜「よし」

竜華「仰向けに、うちの体に沿ってみ」

怜「うん」

竜華「どや」

怜「これは……」

竜華「……」

怜「ベッドやな。竜華ベッド」

竜華「ええやろ」

怜「最高や……」

竜華「しかもな、足を使ってホールドもできんねん」

怜「たまらんわ……」

12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 03:40:49 ID:YrCqW132

竜華「胸枕with竜華ベッドや」

怜「でもお高いんでしょう?」

竜華「今ならなんとーっ」
ガチャッ
咲「あっ……」

竜華「税込み8000円!」

怜「……」

咲「……」

竜華「……」

咲「ごっ、ごめんなさい。トイレ探してて……」

怜「きゃーっ、竜華離してやー!」

竜華「!?」

怜「そこの人、助けてー!」

咲「え、えっ」

13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 03:50:25 ID:YrCqW132

………

……

竜華「あかんわ」

怜「なんや」

竜華「なんで被害者ヅラなん」

怜「うちまで変態に見られるやろ」

竜華「そもそも誰やねんあの子」

怜「清澄のお花畑や」

竜華「ああ、トイレの花子さん」

怜「言いすぎや」

竜華「せやな」

咲「聞こえてますよ」

怜「まあ、胸枕は良かったわ」

14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 04:09:07 ID:YrCqW132

竜華「じゃあ候補やな」

怜「うん、次いこうか」

竜華「次はどこにする?」

怜「お腹」

竜華「普通やな」

怜「なんや」

竜華「お尻かと思ったわ」

怜「お尻は最後やろ」

竜華「せやな」

怜「寝そべって」

竜華「はいはい」

怜「今回は地肌コース行ってみよか」

竜華「ん、じゃあめくるわ」

咲「わあ、くびれが素敵ですね」

怜「まあな」

15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 13:38:56 ID:YrCqW132

竜華「なんで怜がえらそうなん」

怜「頭のっけるで」

竜華「うん」

怜「……」

竜華「……」

怜「これは……」

竜華「どや」

怜「あかんわ」

竜華「なんや」

怜「うるさい。胃がうるさい」

竜華「どうしようもないわ」

怜「感触は悪くないねん」

竜華「まあな」

怜「せやけど、胃がうるさい」

16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 17:29:16 ID:YrCqW132

竜華「よく考えたら、昼ご飯食べたばっかりやんなあ」

怜「これは無しやな」

竜華「腹枕は無し、と」

怜「うん。それにしても、肌スベスベやなあ」

竜華「せやろ」

咲「私も触りたいなあ」

怜「胃の音さえ無かったら最高なんやけど」

竜華「ちょっと、あんま触らんでや」

怜「うりうり」

竜華「ちょっ、……ん」

怜「頬ずりしたる」

竜華「やめ、てや……」

17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 17:32:54 ID:YrCqW132

怜「ああ、たまらんわあ」

竜華「怜、うちも……」
ガチャッ
淡「うートイレトイレっ、ってあれ……?」

竜華「……」

怜「……」

咲「あっ、淡ちゃんだ」

淡「あ、咲ちゃん。……なにこの状況」

竜華「ちょっ、怜やめてやー!」

怜「!?」

竜華「そこの人、助けてー!」

淡「えっ」

18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 17:39:07 ID:YrCqW132

………

……

怜「あかんわ」

竜華「なんや」

怜「なんで被害者ヅラなん」

竜華「テンドンや」

怜「うちがもうやったわ」

竜華「そか」

淡「咲ちゃん、なんでこんな所に?」

咲「トイレと間違えちゃって」

淡「そうなんだ。実は私もなんだよね」

咲「えへへ、お揃いだね」

淡「そうだねー。ふふ」

19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 20:24:26 ID:YrCqW132

竜華「気を取り直して、腹枕はなしっちゅうことやな」

怜「うん。今のところは胸枕の独走や」

淡「この二人はなんの話をしてるの?」

咲「膝枕に代わる新たな枕を探してるらしいよ」

淡「へー、面白そうだね」

竜華「せやろ」

怜「あんたらもやってみ?」

咲「えっ」

淡「膝枕を?」

怜「ちゃうちゃう。膝枕はオワコンや」

20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 20:29:11 ID:YrCqW132

淡「今の流行りは?」

竜華「胸枕やな。……ぷぷ。あ、ごめん」

淡「笑うな」

咲「胸を見て笑うな」

怜「ぶふっ!」

淡「特にあんたは笑うな」

咲「怜さんもこっち側ですよ……」

竜華「まあまあ。見たとこ二人は仲良いみたいやん」

怜「せやな、これを機にもっと親睦を深めたらええよ」

21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 20:34:38 ID:YrCqW132

淡「だって。……どうする、咲ちゃん」

咲「えっと、私は……淡ちゃんが、いいなら」

淡「いっ、いやいや。私こそ咲ちゃんがいいなら……」

咲「その、私は……」

淡「う、うん」

咲「……いい、よ?」

怜「あかんわ」

竜華「あかんわ」

怜「顔赤いで、竜華」

竜華「怜こそ、中国の国旗みたいになってるし」

怜「なんやて!」

淡「こいつら邪魔くさい……」

22 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 20:49:36 ID:YrCqW132

咲「じゃあ、よろしくね」

淡「いや、胸枕って具体的にどういう……?」

怜「要するに胸の上に頭のっけて、そのまま寝そべればええねん」

竜華「淡の方が身長高いし、咲ちゃんが上やな」

怜「せやな。胸の大きさは変わらんし」

淡「ぐっ……」

竜華「ああ、あんたちゃんとブラ外しや」

淡「えっ!?」

竜華「当然やん。ブラあったら邪魔やろ」

23 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 20:53:24 ID:YrCqW132

怜「咲たんに痛い思いさせたないやろ? 早よ脱ぎ」

淡「……あのテーブルの上に放置されてるブラは」

竜華「うちのや」

淡「どうりでさっきから揺れてると思った……」

咲「わ、私あっち向いてるねっ」

淡「別に裸になるわけじゃないんだから」

怜「う、うちもあっち向いとるわっ」

竜華「うちもうちも」

淡「逆に恥ずかしいわ」

24 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 21:05:27 ID:YrCqW132

………

……

淡「ほら、おいで咲ちゃん」

咲「うっ、うん。……お邪魔します」

淡「あっ、咲ちゃんすっごく上手……」

咲「なにが?」

淡「言ってみただけだよ」

咲「もう」

淡「んっ、もうちょっと上」

咲「ここらへん?」

淡「そう。……あんっ、いいわ。すごく上手よ」

咲「ノリノリだね……」

淡「でも、実際ちょっと良い、かも……」

25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 21:13:32 ID:YrCqW132

咲「どんな感じ?」

淡「なんかこう、咲ちゃんと合体しそうな感じ」

咲「淡ちゃん、すごくあったかいね」

淡「気持ちいい?」

咲「うん、気持ちいい」
怜「あかんわ」

竜華「あかんわ」

怜「ほっとくと、すぐイチャイチャするんやから」

竜華「困ったもんやで」

怜「まあ、目の保養にはなるけどな」

竜華「せやな」

怜「ほら竜華、あれ教えたり」

26 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 21:22:12 ID:YrCqW132

竜華「そうやな。淡、ちょっと」

淡「なんですか。邪魔しないでくださいよ」

竜華「アホ、今あんたの両足はフリーやろ」

淡「それが?」

竜華「ギュッ、と挟まんかい。ギュッ、と」

淡「ギュッ、と……」

咲「わわ、淡ちゃん?」

淡「ギューっ」

咲「……これじゃ動けないよ」

怜「でも、ええやろ」

咲「……まあ、はい」

竜華「あっはっは、正にまな板の上の鯉やな」

淡「黙ってろデブ」

27 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 21:27:27 ID:YrCqW132

竜華「なんやと!?」

淡「はっ、口が滑った!」

竜華「誰がデブやねん!」

淡「お前だよ胸デブ」

竜華「なっ、なっ」

淡「はっ、口がトリプルアクセル!」

咲「もはや跳んでるよね、それ」

淡「お気づきでしょうか」

竜華「なんや」

淡「良く言えばデカパイ、悪く言えば胸デブ」

竜華「はっ、胸にくびれがあるやつに言われたないわ!」

咲「はっ?」

怜「はっ?」

淡「はっ?」

28 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 22:36:52 ID:YrCqW132

竜華「みんな敵かい」

怜「ほら、咲たんの頭撫でてやり」

淡「あ、そうですね。なでなで」

咲「んっ、えへへ」

淡「うわあ、なんかすごく幸せ」

咲「これはすごいね。大発見だよ」

竜華「ふふん」

怜「まあな」

淡「やばい、手が止まらない」

咲「あっ、淡ちゃん……」

淡「ふふ。咲ちゃんは、乱暴なのはきらい?」

咲「ん……」

29 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 22:40:58 ID:YrCqW132

淡「咲ちゃん?」

咲「もっと強くても、いいよ……」

淡「ぐっは! 腕があああ!」

咲「わっ、わっ」
ガチャッ
霞「お手洗いはここかしら……?」

淡「……」

咲「……」

霞「あ、あら?」

怜「きゃーっ」

竜華「もうええわ」

30 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 22:45:05 ID:YrCqW132

………

……

霞「そう、ここはお手洗いじゃないのね」

怜「なんでみんなして間違えるねん」

竜華「淡と咲ちゃんは?」

怜「ホテルに行く言っとった」

竜華「宿泊先のホテルっちゅうことかな」

怜「どっちでもええわ」

霞「で、あなたたちは何をしてるの?」

竜華「そうや、膝枕問題をすっかり忘れとった!」

霞「?」

31 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 22:52:17 ID:YrCqW132

…………

霞「なるほどねえ。要するにマンネリ打破と」

怜「せやな」

竜華「よっし、じゃあ次いくか」

怜「うん。胸、お腹ときたら次は……」

霞「股関?」

怜「それは最後の方や」

霞「あらあら」

竜華「肩はどうや?」

怜「肩枕か……」

竜華「胸に比べたら固いけど、カップルぽくてええやろ」

怜「うん、それで行こう」

32 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 23:26:37 ID:YrCqW132

竜華「ソファーに座って、と……ほら怜、こっちおいでや」

怜「ん。なんやちょうど良い位置に肩があるなあ」

竜華「まあな。うちの体は怜専用っちゅうこっちゃ」

怜「はいはい。……うーん」

竜華「どや」

怜「これは、あれやな」

竜華「うん」

怜「竜華、うちの肩に手回してみ」

竜華「お、ますますカップルやん。こう?」

怜「んー、ええ感じや……」

33 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/13(金) 23:36:17 ID:YrCqW132

霞「二人とも、すごく絵になってるわ」

竜華「なんや照れるなあ」

怜「せやな」

霞「写真撮ってもいいかしら」

竜華「いやあー、ええてええて」

怜「せやな」

霞「よっ、お似合いカップル!」

竜華「まあまあ、そらな」

怜「せやな」

霞「初キッスは学校の屋上かー!?」

竜華「空気読めや!」

怜「しつこいねん! 雰囲気壊すなや!」

34 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 00:33:11 ID:BsqRr5mY

霞「あらあら、照れちゃって」

竜華「こいつのお姉さんオーラをどうにかしてくれへん?」

怜「あかんわ」

霞「で、もうキッスは済ませたの?」

竜華「関係ないやろ」

怜「ぶっちゃけまだやけどな」

竜華「なんで律儀に答えんねん……」

霞「ふんふむ……」

竜華「絶対とんでもないこと言い出すで」

霞「じゃあ、今からここでやってみたらどうかしら!」

竜華「ほらな」

35 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 00:37:49 ID:BsqRr5mY

霞「そんなにベタベタしてるのにキッスはまだとか、有り得ないわ」

竜華「そのキッスっちゅう言い方やめてくれへんかな」

怜「竜華は照れ屋やからな、体は触るくせにキッスはしてくれへんのや」

竜華「怜、帰ってきて」

霞「あのね、初キッスっていうのはとても大切なものよ」

怜「せやな」

霞「けどそんな思い出も、時が経てばいずれ忘れてしまうわ」

36 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 00:43:24 ID:BsqRr5mY

怜「うん」

霞「だから私がここにいるの」

竜華「何言っとるかさっぱりわからんのやけど、鹿児島語?」

霞「あなたたちが忘れても、私が覚えてるわ」

怜「姉さんっ!」

竜華「あかんわ」

霞「さあ、この巫女の前で契りを結びなさい」

怜「……竜華」

竜華「えっ、する流れ?」

怜「竜華、目つぶって……」

竜華「えっ、ほんまに?」

霞「わくてか」

37 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 00:49:46 ID:BsqRr5mY

怜「りゅうか……」

竜華「と、とき……」
ガチャッ
小蒔「化粧室はここですね……、あれ?」

竜華「ちゅっ」

怜「ちゅっ」

霞「きゃっ」

小蒔「か、霞ちゃん……」

霞「あらあら、小蒔ちゃん。どうしたの?」

小蒔「ちょっとお花を摘みに……って、この二人はなぜトイレで接吻を?」

霞「ここはトイレじゃないわよ、愛の巣よ」

38 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 01:11:05 ID:BsqRr5mY

………

……

竜華「ちょっと聞いてもええかなあ」

小蒔「はい、何でもどうぞ」

竜華「あんたら揃いも揃ってなんでここをトイレやと思ったん」

小蒔「揃いも揃って……?」

霞「うふふ、私もお手洗いと間違えちゃったの」

小蒔「そ、そうだったんですね」

怜「なんや」

小蒔「霞ちゃんといっしょ……」

竜華「あかんわ」

39 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 01:16:22 ID:BsqRr5mY

怜「おい鹿児島」

小蒔「……」

霞「……」

怜「芋焼酎」

小蒔「……」

霞「……」

怜「黒豚」

小蒔「……」

霞「……」

怜「西郷どーん」

竜華「ほいたら行くぜよ!」

小蒔「ぶっふぉ!」

霞「く、くく……」

怜「竜華、分かりづらいネタはやめえ」

竜華「せやな」

40 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 01:21:59 ID:BsqRr5mY

小蒔「それで、お二人は何してらっしゃったんですか?」

竜華「膝枕に変わる新しい枕をやな……」

小蒔「えっ、でも先ほどは接吻を……」

竜華「あれはそこの胸デブがけしかけたんや」

霞「む、胸デブ?」

怜「私に言わせれば竜華もこまきんも胸デブやで」

竜華「そうや。あんたらもやったらええやん、胸枕!」

小蒔「はあ、胸枕ですか」

41 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 01:42:30 ID:BsqRr5mY

霞「なるほど、面白そうね」

小蒔「か、霞ちゃんの胸枕……」

怜「まあ、こまきんが上やろな」

竜華「せやな。ほら早よ」

霞「じゃあ失礼して……」

竜華「ちょい待ち」

霞「なにかしら」

竜華「ブラ外しや」

怜「なに、巫女服なのにブラ着けとるん?」

42 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 01:47:07 ID:BsqRr5mY

霞「着物用だけどね。大きいから大変なのよ」

怜「こまきんは?」

小蒔「付けてますよ。大きいから大変なんです」

怜「竜華は?」

竜華「付けとるよ。大きいから大変やもん」

怜「ちょっとは分けろや!」

霞「ぺたんこは楽そうでいいわね」

小蒔「絆創膏で十分なんですよね」

竜華「あれれ~、くびれの位置がおかしいぞぉ?」

怜「黙れ。特に竜華は黙れ」

43 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 01:51:47 ID:BsqRr5mY

竜華「冗談はさておき。霞、はよ脱ぎ」

霞「はいはい。ところで、あのブラはあなたたちの?」

怜「ん、二つあるな。一個は竜華のやけど、もう一個は?」

竜華「誰のやろー」

怜「まあええわ。うちとサイズ変わらんし、貰っとく」

竜華「今ごろあわあわしとるんちゃうかな」

怜「傑作やな」

小蒔「?」

44 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 01:54:54 ID:BsqRr5mY

霞「ほらほら、脱ぐからあっち向いてて」

小蒔「そ、そうですよ。あっち向いててください」

怜「あんたもやろ」

小蒔「私はいいんです」

怜「なんでやねん」

小蒔「だ、だって……」

霞「小蒔ちゃん……」

竜華「ほら怜、ええからあっち向くで」

怜「うん」

霞「小蒔ちゃん、そんな遠くからじゃよく見えないでしょ?」

小蒔「えっ、……うん」

45 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 01:58:05 ID:BsqRr5mY

霞「うふふ。もっと近づいていいのよ」

小蒔「で、でも」

霞「じゃあ、そうね。背中に手が届かないから、外してくれない?」

小蒔「それなら仕方ないね」

霞「でも私、小蒔ちゃんの顔も見たいから……」

小蒔「見たいから……」

霞「前から手を回して外してくれないかしら」

小蒔「そ、それなら仕方ないね」
怜「あかんわ」

竜華「あかんわ」

46 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 02:20:07 ID:BsqRr5mY

霞「さあ、もっと体を押しつけないと手が届かないでしょう?」

小蒔「そ、そそそれなら仕方ないね」

霞「もう、別にいちいち理由をつけなくてもいいのに」

小蒔「と、とれたよ」

霞「ありがとう。それはあそこのテーブルに置いといて」

小蒔「……」

霞「あらあら、釘付けね。……触って、みる?」

小蒔「!」
怜「なんやねん霞のあの余裕は」

竜華「あの胸やもん、羞恥心なんかあらへんのやろ」

47 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 02:25:59 ID:BsqRr5mY

小蒔「さ、さ、さわっ」

霞「さわっ?」

小蒔「さわっ、さわさわさわ」

霞「さわさわ?」

小蒔「……が、我慢する」

霞「うん、えらい」

小蒔「うう……」

霞「うふふ。小蒔ちゃんがもう少し大人になったら、いくらでも。ね?」

小蒔「……うん」
怜「知っとる? 霞ってうちらと同い年なんやで」

竜華「うそやん。絶対子持ちのアラフォーやろ」

48 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 02:45:45 ID:BsqRr5mY

霞「このまま仰向けに寝そべればいいのね」

怜「せや。ほら、こまきんも」

小蒔「で、では……、失礼して」

霞「……」

小蒔「……」

怜「……これは」

竜華「……思うてたんとちがうな」

怜「胸枕っちゅうか、これやと胸座椅子やないか」

竜華「でかすぎるんや胸が! なんで背もたれになんねんおかしいやろ!?」

霞「あらあら、私に言われてもねえ」

小蒔「ふかふか……」

49 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 02:50:25 ID:BsqRr5mY

怜「しかしこれは新たな可能性やで、竜華」

竜華「そんな期待した目で見んでや。うちには絶対無理やから」

霞「好きで大きくなったわけじゃないんだけどね」

小蒔「胸の大きい霞ちゃんも大好きだよっ」

霞「うふふ、ありがとう小蒔ちゃん」

怜「……竜華もあれぐらい言ってくれたらなあ」

竜華「胸の小さい怜も大好きやで!」

怜「あっ、今きたわ。かっちんきたわ」

50 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 02:55:55 ID:BsqRr5mY

竜華「どうせえっちゅうねん」

怜「歯の浮くセリフでも練習しとき」

霞「でもこれだと、小蒔ちゃんの顔が見れないわね」

小蒔「うん……」

霞「頭も撫でてあげられないし、なんだか寂しいわ」

小蒔「霞ちゃん……」

怜「なあ、霞相手やとこまきんってしおらしいな」

竜華「そりゃあ歳の差二十やもん、しゃーないわ」

怜「なっとく」

霞「やっぱり膝枕の方がいいかしらね」

51 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 11:48:51 ID:BsqRr5mY

竜華「好きにしいや」

怜「さすがに予想外すぎるわ」

霞「小蒔ちゃん、一回起きてくれないかしら」

小蒔「ん……」

霞「ほら、向こうで膝枕してあげるから」

小蒔「わかった……」

竜華「居座る気やで、あいつら」

怜「ほっとき。こっちまで火傷してまうわ」

竜華「うちらはうちらでやっとくか」

怜「おやすみな、こまきん」

小蒔「は、はい。ごゆっくり……」

竜華「こっちのセリフやで」

52 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 11:59:59 ID:BsqRr5mY

………

……

怜「なあ、なんか小腹すかへん?」

竜華「せやな、すっかりおやつ時や」

怜「コンビニでも行くか」

竜華「あの二人はどうするん?」

怜「眠っとるみたいやし、邪魔したら悪いわ」

竜華「そか。適当になんか買っといたろか」

怜「うん。じゃあ行くで」

竜華「おっけー」

53 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 15:34:23 ID:BsqRr5mY

―コンビニ―

怜「なに買うかな。ジュースとお菓子……」

竜華「巫女二人はお茶の方がいいんちゃう?」

怜「ちゅうと、和菓子? 無難に煎餅かな」

竜華「あっ」

怜「ん?」

久「あら」

怜「出たな清澄……」

久「竹井久よ。そんなににらまれる覚えはないんだけど……」

怜「清澄は要注意人物だらけや」

竜華「あんた咲ちゃん気に入っとったやん」

54 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 15:39:30 ID:BsqRr5mY

怜「咲たんはまだええねん。麻雀以外では常識人やからな」

竜華「そか」

久「失礼ね。私だって常識くらいあるわよ」

怜「やかましい。ミスノーマナーめ」

久「あー、気分がのっちゃうとどうもねえ」

竜華「まあええやん。麻雀しとるわけちゃうし」

怜「ちゃうねん。一番の問題はこれや!」

竜華「みたらし団子? おいしそうやな」

55 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 15:44:02 ID:BsqRr5mY

久「それが何か?」

怜「竹井久はみたらしならぬ、めたらしや!」

竜華「めたらし……」

久「?」

竜華「女たらし……ああ、ね」

久「ちょっと、納得しないでよ」

怜「この噂は国境越えて、はるか大阪の地にまで届いとるで」

久「同じ日本よ。いやそれでも心外だけど」

竜華「今日は一人なん?」

久「ううん。ほら、あそこで立ち読みしてる……」

56 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 15:51:24 ID:BsqRr5mY

美穂子「あら、あなたたちは……」

怜「出たな正妻」

美穂子「そ、そんな正妻だなんで……。もう、久ったら」

久「えっ、私?」

竜華「なんや、てっきり正妻は清澄のメガネやと思っとったわ」

美穂子「なんですって!?」

久「えっ、私?」

怜「竜華、うち思ったんやけど」

竜華「なんや」

怜「麻雀強い人って変人だらけやね」

竜華「言うな。自分に刺さるで」

57 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 16:02:27 ID:BsqRr5mY

久「で、三千里山の二人はなにをしてるの?」

怜「誰が母をたずねとるねん」

美穂子「久、千里眼ですよ」

竜華「ちゃうわポケモン。千里山や」

美穂子「ポ、ポケモン?」

久「あなたたちもデート?」

竜華「そうや」

怜「ちゃうわ。買い出しや買い出し」

久「ふうん」

竜華「おっ、怜。芋焼酎あるで!」

怜「ぷっ。鹿児島巫女にはぴったりのおみやげやな」

58 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 16:22:27 ID:BsqRr5mY

美穂子「鹿児島巫女というと、永水の方ですか?」

久「珍しい組み合わせね」

竜華「なんや、自分らも来るか?」

怜「竜華、デートの邪魔しちゃあかんで」

久「そうね。また今度お呼ばれしようかしら」

竜華「えー……。永水って言ったらあれやん」

久「なに?」

竜華「側室がおるやん、あんたの」

久「あのねえ」

怜「おっ、あの黒糖の子か?」

59 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 16:28:19 ID:BsqRr5mY

久「言っておくけどね、私は」

美穂子「美穂子一筋なんだから!」

久「セリフとらないで。いやそうなんだけどね」

美穂子「ほら、変な言いがかりはやめてください」

怜「必死やね」

竜華「正妻としての余裕がないな」

美穂子「そんな、正妻だなんて……」

久「もういいわよこの流れは」

竜華「せやな。怜、ジュース選ぼうや」

怜「うん」

60 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 16:37:23 ID:BsqRr5mY

竜華「私はサイダー」

怜「はっ? 午後スト一択やろ」

久「私は缶コーヒーでいいわよ」

竜華「うちらのカゴにいれんなや!」

美穂子「私は紙パックの午後ストで……」

怜「紙パックとか。ないわ」

竜華「口紅でも塗っとるんちゃうか」

美穂子「むっ」

竜華「せやからうちらのカゴに入れんなっちゅーに!」

久「あはは、悪いわね」

61 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 17:18:06 ID:BsqRr5mY

怜「あとはお茶やな」

竜華「適当でええやろ。烏龍茶とか」

怜「これにしようや」

竜華「ヘルシア緑茶……」

怜「体脂肪率が気になっとるらしいからな」

竜華「嫌がらせやろ……」

怜「黒烏龍茶も買っといたろ」

竜華「怜……」

久「美穂子の分もよろしく」

美穂子「えっ!?」

怜「竜華の分もな」

竜華「あかんわ」

62 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 17:33:48 ID:BsqRr5mY

怜「……竜華、うち今気づいたんやけど」

竜華「なんや」

怜「財布忘れてもうたわ」

竜華「……」

久「そんなすがるような目で見ないでよ」

美穂子「私もあまり手持ちは無いんですけど……」

竜華「そもそもなんでうちらが巫女の分まで買わんとあかんのや!」

怜「せやな」

久「そんなこと言わないの。貸してあげるわよ」

美穂子「久……」

竜華「なんであんたが顔赤らめんねん」

63 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 17:55:24 ID:BsqRr5mY

………

……

怜「いやー助かったわ」

竜華「このお礼はいつか」

久「いいわよ、気にしなくて」

美穂子「そうですよ」

怜「すまんな。うちらはもう帰るけど、あんたらは?」

久「適当にブラブラしようかな、って」

美穂子「まあ最終的にはホテルでラブラブなんですけどね」

竜華「あかんわ」

怜「ほな。また麻雀でも打とうなあ」

久「またね」

美穂子「お気をつけて」

64 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 18:06:37 ID:BsqRr5mY

竜華「なんやろか」

怜「どしたん?」

竜華「や、うちらは膝枕問題を解決しようとしとったやん?」

怜「せやな」

竜華「それはつまり、うちらがもっと愛し合うためやろ?」

怜「ちゃうわ」

竜華「せやのに、他の連中に見せつけられてはばっかりやん……」

怜「聞いてや、無視せんで」

竜華「不甲斐ないわ。……帰ったら、全身全霊で愛でたるからな」

怜「あかんわ」

65 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 19:11:15 ID:BsqRr5mY

………

……


ガチャッ
霞「あら、お帰りなさい。二人とも」

竜華「おっ、起きとったんか。これおみやげや」

怜「まてまてまて」

竜華「なんや」

怜「気のせいやろか。巫女が増えとるで」

竜華「んー……、ほんまや」

初美「増えてるとはなんですかー」

巴「私は制服だけどね」

春「……」

66 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 19:15:31 ID:BsqRr5mY

怜「なにしに来たん、こんな大勢で」

春「……姫様を迎えにきた」

初美「トイレに行ったきり帰ってこないんですから、心配しましたよー」

竜華「せやったらトイレに探しに行けや!」

巴「えっ、ここは……?」

竜華「トイレちゃうわ!」

怜「あんたらの姫様はトイレでも寝るようなやつなんか……?」

初美「ありえますねー」

竜華「ありえるんかい」

67 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 20:08:16 ID:BsqRr5mY

霞「そういえば、二人はどこに行ってたのかしら」

怜「コンビニや。あんたらの分まで買ってきたんやで」

霞「あらあら、ありがとうね。……ヘルシア?」

怜「うちからのプレゼント」

霞「……まあ、うん」

怜「……そんな目で見んなや」

竜華「煎餅もあるで」

初美「申し訳ないですねー」

怜「二人分しかないけどな」

巴「ですよねー」

68 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 20:13:08 ID:BsqRr5mY

春「……そろそろ帰ろう」

霞「そうね。ずいぶん長く居座っちゃったみたい」

竜華「気にせんでええよ」

怜「こまきんはどうするん?」

霞「私がおぶっていくわ。……んしょ、っと」

竜華「ほんま、オカンやな。腰に気いつけてや」

霞「腰より肩こりがひどいのよ」

怜「はいはい」

霞「うふふ。あなたたちはまだ続けるの?」

竜華「うん。こればっかりは譲れんからな」

69 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 20:15:42 ID:BsqRr5mY

怜「なにと戦っとるねん」

竜華「怜が発端やろ」

霞「それじゃあ、失礼するわね」

初美「お世話になりましたー」

巴「また遊びにくるね」

春「お礼に、黒糖のおすそわけ……」

怜「おっ、わるいな」

竜華「ほな、またなー」

霞「うん、またね」

70 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 20:48:36 ID:BsqRr5mY

………

……

竜華「さて、二人きりやな」

怜「せやな」

竜華「ちなみに、うちらいくつ試したっけ?」

怜「胸、腹、肩の三つや」

竜華「そか。次は?」

怜「うーん、どこにしょっかなあ」

竜華「無難に腕枕とかいっとく?」

怜「そしたら脱がなあかんやん」

竜華「なんでやねん」

71 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 20:54:13 ID:BsqRr5mY

怜「あほ、腕枕言うたら裸にシーツやろ」

竜華「怜はなにを見て育ったん?」

怜「常識やで」

竜華「まあええわ。脱げばええやん」

怜「ほんま竜華はアホやな! 救いようがないわ!」

竜華「なんでキレんねん……。なんでそこまで言うねん……」

怜「いつ誰が来るかわからへんやろ! 裸やったら弁解のしようがないわ!」

竜華「せやな……」

72 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 21:00:18 ID:BsqRr5mY

怜「竜華のそんなところがうちはたまらんねん!」

竜華「ごめんな、怜……」

怜「せやけどな、うちはそんな竜華が……」

竜華「と、とき……」
ガチャッ
いちご「ここ、トイレじゃろか……」

怜「めっちゃ好っきゃねん!」

竜華「うちもや!」

いちご「……トイレで告白かいな」

怜「……」

竜華「……」

いちご「新しいわ……」

73 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 21:06:15 ID:BsqRr5mY

………

……

怜「空気読めや」

いちご「ごめんなさい」

竜華「この部屋がトイレに見えるか?」

いちご「見えません」

怜「正座!」

いちご「はっ、はいぃ!」

竜華「あんたたしか、広島の……」

いちご「おっ、知っとるん?」

竜華「……佐々木?」

いちご「ちがう!」

怜「……佐世保?」

いちご「離れた! 広島から離れた!」

74 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 21:12:06 ID:BsqRr5mY

竜華「ああ、思い出したわ」

いちご「うんうん」

竜華「役満あがられた人やろ?」

いちご「……」

怜「あー、洋榎に振りこんだ人か」

いちご「……う」

竜華「どうかいの!」

怜「ロン!」

いちご「……うう」

竜華「そんなん考慮しとらんわ……」

怜「思ったより痛いんちゃうか?」

いちご「……うえぇーん!」

竜華「!?」

怜「ちょっ!?」

75 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 21:16:50 ID:BsqRr5mY

竜華「い、いい歳して泣かんでや……」

怜「ごご、ごめんな!」

いちご「うるさいうるさい! ちゃちゃのんをいじめるなあっ!」

竜華「……ちゃちゃのん?」

怜「竜華、いじったらあかん」

竜華「ちゃ、ちゃちゃのん……」

怜「竜華! 我慢しい!」

竜華「……ぶっ」

怜「あかんわ」

竜華「あっはっは! ちゃちゃのんて! 自分でちゃちゃのんて!」

いちご「びえぇーん!」

76 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 21:24:37 ID:BsqRr5mY

………

……

怜「空気読めや」

竜華「ごめんなさい」

いちご「ちゃちゃのんをいじっちゃダメじゃろ」

竜華「やかましい」

いちご「なんじゃと!」

竜華「だいたいなんであんたがアイドル的人気なん?」

いちご「なにか文句でもあるん?」

竜華「大ありや。うちの怜の方が数倍かわいいで」

怜「や、やめてや~」

77 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 21:32:06 ID:BsqRr5mY

いちご「まあ、顔は合格じゃの」

竜華「怜、こいつぶっ飛ばしてええ?」

怜「あかんわ」

いちご「でもスタイルが、なあ……」

怜「竜華、こいつぶっ飛ばしてええ?」

竜華「うちがやるわ」

いちご「暴力反対!」

怜「なら麻雀で勝負や」

竜華「せやな。チャンタから清老頭までキレイにあがったるわ」

いちご「ち、清老頭!?」

怜「トラウマやな……」

78 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 21:39:29 ID:BsqRr5mY

いちご「まま、まあやっちゃりたいとこじゃけど、三麻はようわからんし」

竜華「あー、うまく逃げたな」

怜「しゃーないわ。勘弁したる」

いちご「ふん! いずれ清老頭の借りは返すつもりじゃけどな」
ガチャッ
洋榎「なんやー、トイレで宣戦布告か?」

いちご「……なっ、な」

竜華「……あーあ」

怜「地雷踏みまくりやな、ちゃちゃのん」

79 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 21:49:48 ID:BsqRr5mY

洋榎「みんな久しぶりやなー」

竜華「せやな。相変わらずちっこいな、あんたは」

怜「お姉ちゃんは元気?」

洋榎「うちがお姉ちゃんや!」

いちご「……」

洋榎「ちょい待ち」

いちご「ひっ」

洋榎「そ、そんな怯えんでもええやろー。傷つくわ……」

竜華「あれ?」

怜「なんや思うてたんとちがうな」

竜華「まあ、洋榎は基本優しいしな」

80 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 21:54:57 ID:BsqRr5mY

洋榎「せっかく四人おるんやし、打たへん?」

いちご「い、いやー、ちゃちゃのんは遠慮しちょこうかな~なんて」

洋榎「えっ……」

いちご「そそそんな落ち込んだ顔されても……」

竜華「やろうや、ちゃちゃのん」

怜「せや。清老頭の借りを返すんやろ?」

いちご「う……」

洋榎「……ちゃちゃのん」

いちご「……あーっ、わかったやったるわ! 全員とばしちゃる!」

81 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 22:10:52 ID:BsqRr5mY

………

……

いちご「ツモ! リーヅモ三色タンヤオで2000、4000じゃ」

竜華「タンヤオ……」

いちご「これで清老頭の借りは返したな!」

怜「いやまあたしかにそうやけど、それでええんか……?」

洋榎「ちぇっ、最後でやられてもうたな」

いちご「これで満足じゃろ」

洋榎「どこ行くん?」

いちご「帰る」

洋榎「も、もうちょい遊ぼうや! な?」

82 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 22:16:00 ID:BsqRr5mY

竜華「せやけど、麻雀はもうええよ」

怜「ならあれやろうや、胸枕」

いちご「胸枕? なんじゃのんそれ」

洋榎「おもしろそうやな」

竜華「うちらが開発した新しい枕や」

怜「ちゃちゃのんが寝そべって、その胸を枕に洋榎が寝る、と」

いちご「えーっ、いやじゃそんなん」

洋榎「やるで! やったるでー!」

いちご「なんでノリノリなん……」

83 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 22:20:25 ID:BsqRr5mY

洋榎「か、関西人のノリや!」

怜「うそつきめ」

竜華「まあなんでもええわ。ほらちゃちゃのん、ブラとって」

いちご「えっ!?」

竜華「そういうルールなんよ」

いちご「絶対いや!」

洋榎「ちゃちゃのん……」

いちご「ぐっ、その顔はずるい……」

怜「覚悟きめ、女やろ」

いちご「こんなの考慮しとらんよ……」

竜華「ブラとったらあのテーブルの上にでも置いとき」

84 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 22:24:47 ID:BsqRr5mY

いちご「なんですでに二つあるん?」

竜華「ああ、霞も置いてったんやな……」

怜「竜華、いつの間に着けたん?」

竜華「コンビニ行くときや」

洋榎「はよはよ」

いちご「あっち向いちょって!」

洋榎「服の下から取ればええやん」

いちご「そんな器用なことできんよ……」

洋榎「せやったら、うちが……」

いちご「ひっ」

竜華「なんやねんお前ら」

85 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 22:32:11 ID:BsqRr5mY

………

……

洋榎「ちゃちゃのん。い、いくで」

いちご「……やるんじゃったら早くして」

洋榎「……ごくっ」

いちご「生唾飲むのやめえよ。身の危険を感じるけえ」

洋榎「で、では……愛宕洋榎、いくで!」

いちご「きゃっ」

洋榎「や、やわらかい……。柔軟剤も使ったんか!?」

竜華「アホやこいつ」

怜「元からや」

86 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 22:36:36 ID:BsqRr5mY

いちご「うう、なんでちゃちゃのんがこんな……」

洋榎「い、いやなん?」

いちご「いやっちゅうか、その……」

洋榎「う、うちは、めっちゃ嬉しいんやけど……」

いちご「じゃけえその顔やめて……」

洋榎「ちゃちゃのん……」

いちご「……いちご」

洋榎「えっ?」

いちご「ちゃちゃのんじゃのーて、いちご」

洋榎「……いちご!」

87 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 22:40:14 ID:BsqRr5mY

いちご「もう……、ほんと考慮しとらんよ、こんなん」

洋榎「うちのことは洋榎って呼んでな!」

いちご「……はいはい」

洋榎「ふっふー。いちごーん!」

いちご「んはつけんでええよ!」

洋榎「いちご、にご、サンゴや!」

いちご「わけわからんし……」
竜華「わけわからんのはこっちやっちゅーに」

怜「胸枕の効果は絶大やな……」

88 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 22:53:17 ID:BsqRr5mY

………

……

竜華「結局、手繋ながら出てってもうたな」

怜「ちゃちゃのん、まんざらでもない感じやったな」

竜華「ちょっと死にたくなるな」

怜「せやな」

竜華「なんでやねん! 怜にはうちがおるやろ」

怜「さっさと腕枕試そうや」

竜華「脱ぐんか!?」

怜「脱がんわ」

竜華「どっちやねん!」

怜「ほら、ちゃっちゃと」

89 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/14(土) 23:23:26 ID:BsqRr5mY

竜華「はいはい。……ほらよ」

怜「なんや男らしいなあ。セーラやないんやから」

竜華「ええやろ別に」

怜「失礼するで」

竜華「ん……、どや」

怜「竜華、腕キツない?」

竜華「思ったよりは平気やな。せやけど髪がくすぐったいわ」

怜「我慢しい」

竜華「ちゅうか怜、なんで仰向けやねん」

怜「?」

竜華「こっち向いてよ」

90 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 00:34:24 ID:6D.GmcK.

怜「本気で言っとる?」

竜華「どしたん?」

怜「恥ずかしすぎてウサギも死ぬレベルなんやけど」

竜華「えー」

怜「やっ、ほら、胸枕と腹枕はあれやん。気持ちよさを求めとったやん」

竜華「ん? うん」

怜「ただ、肩枕とこれは……」

竜華「あー、普通にカップルみたいやもんな」

怜「これで霞とかおったら、うちほんまに……」

91 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 00:37:33 ID:6D.GmcK.

竜華「ふふーん?」

怜「なんやねん、その顔」

竜華「このまま左腕を曲げてやな」

怜「うん」

竜華「怜の頭を巻き込むようにして抱きしめるわ」

怜「ちょっ」

竜華「予告したで? 心の準備はええな」

怜「りゅうか、まってや」

竜華「ぶー。時間切れや」

怜「あっ……」

竜華「……」

怜「……」

92 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 00:41:18 ID:6D.GmcK.

竜華「ふふ、どや」

怜「……ほんま、アホやな」

竜華「まだ言うか」

怜「……心臓の音、丸聞こえやっちゅうねん」

竜華「あっ……」

怜「……アホ。ふふ」

竜華「わ、笑うなや。うちかて恥ずかしいんやもん」

怜「たまには男らしい竜華もありやなあ」

竜華「似合わんわ、やっぱり」

怜「んーん、そんなことないよ……」

竜華「……そか」

93 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 00:44:49 ID:6D.GmcK.

怜「はあ。竜華の胸はやわらかいな」

竜華「怜の髪はさらさらや」

怜「もっと撫でてええよ」

竜華「良い匂いがする……」

怜「あっ、心臓の音速くなった」

竜華「からかわんといてや……」

怜「んっ、……手、止まっとるよ」

竜華「撫でられるの、好きなん?」

怜「そうかも。……安心するわ、竜華に包まれとると」

94 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 00:53:31 ID:6D.GmcK.

竜華「うちも。……怜の温もりが、一番うちの体温と合うわ」

怜「他の人を知っとるような言い方」

竜華「茶化さんでよ。わかっとるやろ?」

怜「……当たり前や。うちが一番よく知っとる」

竜華「蛇の道は蛇?」

怜「竜の道は辰、や」

竜華「へー、辰って書いてときって読むんや」

怜「うちも竜華も、竜なんやで」

竜華「名前からおそろいやったんやなあ」

95 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 01:03:16 ID:6D.GmcK.

怜「竜になれるんは、滝を登った鯉のみや」

竜華「竜同士の恋は、どんなもんやろか」

怜「ゆっくり育んで行けばええよ……」

竜華「せやな……」

怜「今は、もう少しこうして」

竜華「眠くなってくるわ。夏やのに、春みたい……」

怜「……こんなにドキドキしとるのに?」

竜華「バレたか」

怜「バレバレや。隠し事は通用せえへんよ」

竜華「かなわんなあ」

96 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 01:09:40 ID:6D.GmcK.

怜「うちの勝ち?」

竜華「せや。うちの負け」

怜「罰ゲーム?」

竜華「……なんなりと」

怜「……そうやなあ」

竜華「……うん」

怜「……ずっと一緒やで」

竜華「……そらご褒美や」

怜「そか。なら、素直に受け取って」

竜華「いつか、うちが形にしたるわ。待っとき」

怜「……ほんま、今日の竜華は男前やわ」

97 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 01:15:02 ID:6D.GmcK.

竜華「怜がしおらしいからな」

怜「……うち、病弱やし」

竜華「病弱アピールやめえ、って?」

怜「そう言うやろ?」

竜華「……怜が病弱なら、うちが支えたるわ」

怜「……一生安心やん、それ」

竜華「ふふ。頼りにされるのも悪くないな」

怜「そか。……うん、そうやんな」

竜華「んー?」

怜「竜華はうちの枕やし」

98 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 01:32:22 ID:6D.GmcK.

竜華「怜専用やでー」

怜「抱き枕やし、ベッドやし、布団やし」

竜華「なんやねん、それ」

怜「安らぐっちゅーことや」

竜華「止まり木みたいなもんか」

怜「朱鷺には、羽根を休める場所が必要やから」

竜華「いつか飛び立つん?」

怜「竜なら追いつけるんちゃうかな」

竜華「捕まえとくこともできるかもな」

怜「ふふ、こわいわ」

100 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 01:38:57 ID:6D.GmcK.

竜華「こわいで。鋭い爪があるからな」

怜「あらま、悪い竜さんに捕まってしもたみたいやね」

竜華「そこばっかりは諦めてや」

怜「……なんなら、傷つけてみる? その鋭い爪とやらで」

竜華「この前爪切ったばっかりやから」

怜「……なおのこと都合ええんちゃうかな」

竜華「……せやな」

怜「……ん」
ガチャッ
玄「漏れそうな時はトイレにお任せあれ! ……ん?」

竜華「……うん」

怜「……わかっとったわ、この展開」

102 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 01:52:06 ID:6D.GmcK.

竜華「……トイレなら、ブラジルにあるらしいで」

怜「らしいな」

玄「おー、これはかたじけないね。行ってくる!」
ガチャッ
竜華「……とき」

怜「りゅうか……」
ガチャッ
玄「ってなんでブラジルやねーん!」

竜華「あかんわ」

怜「これはあかんわ」

玄「久しぶりだね千里山!」

竜華「ちょっとこっちきて座り」

怜「酷い目にあわせたるから」

103 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 01:57:48 ID:6D.GmcK.

玄「えっ? ツッコミ待ちじゃなかったの?」

竜華「うん、いろいろ突っ込んだるわ」

怜「なにがいい? リー棒? ペットボトル?」

玄「むむ、よくわからないボケだね」

竜華「ボケはお前やろー!」

怜「こいつとは一度本気で決着つけなあかんみたいやな」

玄「まあまあ、ツッコミならこの玄さんにお任せあれ!」

竜華「奈良県民が大阪人に何を言うねん!」

104 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 02:03:32 ID:6D.GmcK.

怜「ちょっと竜華、そいつ押さえとって」

竜華「了解や」

玄「わわっ、手荒い歓迎だね。お手洗いだけに!」

竜華「トイレちゃうっちゅーねん!」

怜「ほら見てみ、この紙縒」

玄「ティッシュをちねったやつ?」

怜「これを鼻の穴に差して……」

玄「!?」

怜「くりくりくり~!」

玄「ひゃっ、はっくしゅん! ちょま、っくしゅん! やめっくちゅん!」

105 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 02:08:58 ID:6D.GmcK.

竜華「おお……。これはきついわ」

玄「ひゅっ、めっ、ちょっ、はっくちゅん!」

怜「あかん、楽しくなってきた」

竜華「次うちにやらせてな」

玄「し、死んぢゃい゛ます……ふひゅん!」

怜「まあこんなもんかな」

竜華「怜ばっかりずるいで」

玄「……た、助かった」

怜「あんたトイレに行きたいんやろ?」

玄「今ので引っこんじゃったよ!」

106 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 02:26:38 ID:6D.GmcK.

怜「なんでどいつもこいつも、ここをトイレやと思うん……?」

玄「いやあ、漏れそうで頭の中真っ白だったから。玄なのに!」

竜華「……我慢我慢」

玄「最近トイレが近くてねえ」

怜「若い娘がそんなこと言うなや」

玄「デカパイなのに頻尿(貧乳)とは、これいかに!」

竜華「怜、そいつ押さえとって」

怜「よしきた」

玄「悪夢再来!?」

107 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 11:05:21 ID:6D.GmcK.

………

……

玄「なるほど、ここはトイレじゃなかったんだ」

怜「なんかい説明した?」

竜華「十はかるく越えてたな……」

玄「でもでも、ほんと久しぶりだね。元気だった?」

竜華「まず敬語使えや」

玄「倒れたときはビックリしたよー」

怜「あー、まあな。もう平気や」

玄「そっか、よかったね!」

怜「……ん、ありがとな」

108 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 11:40:38 ID:6D.GmcK.

竜華「なんや怜、ちょっとデレてへん?」

怜「アホ言うな」

玄「そう言えば、竜華と怜は何してたの?」

竜華「な、なにって、別に……」

玄「愛し合ってたように見えたんだけど……」

竜華「気のせいや気のせい!」

玄「バッチリ見ちゃったんだけど……」

竜華「なら聞くなや!」

怜「あかんで、竜華。こいつのペースにはまったらあかん」

109 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 11:45:08 ID:6D.GmcK.

玄「ふへへ、とっきー!」

竜華「!?」

怜「うわっ、ちょまち、まとわりつくなや!」

玄「連れないこと言わないでよー」

怜「酒でも入っとるんか!?」

竜華「なんで懐かれとるん……」

怜「知らんよ、助けて竜華!」

玄「よーしよしよしよし」

怜「くっ、こいつも胸でかいな!」

竜華「なんやねんその感想……」

110 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 13:57:51 ID:6D.GmcK.

玄「ほら、スキンシップだよー」

怜「なんでうちがあんたとスキンシップせなあかんねん」

玄「素直じゃないなあ。仲間でしょ?」

怜「なんや」

玄「一緒に怪物くんと戦った仲間じゃないか!」

怜「共闘した覚えはない!」

玄「私はあるよー」

怜「話通じひんわ……。竜華」

竜華「なんや」

怜「助けてや」

竜華「自分でなんとかしい」

111 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 14:04:40 ID:6D.GmcK.

怜「あかん、竜華が冷やし竜華になってしもた」

玄「頬ずりしちゃうよ!」

怜「やめえー!」

玄「照れない照れない。玄さんにお任せあれ!」

怜「なにをや! ……りゅうかあ」

竜華「つーん」

怜「ツンかわええ」

玄「むっ」

怜「きゃっ、髪がくすぐったいわ」

玄「すりすりすり~」

怜「くっ、……せや、竜華!」

竜華「なんや」

112 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 14:08:41 ID:6D.GmcK.

怜「か、霞のブラ持ってきて!」

竜華「はあ? ……まあええけど」

怜「よ、よし。……こらドラロー」

玄「どうしたの?」

怜「ちょっとだけ離れてや」

玄「ちょっとだけよ」

怜「むかつくわ……。これを見てみ!」

玄「ぶ、ぶらじゃー……」

怜「これをあんたの胸にあてがって……」

玄「……」

怜「……ぶっかぶかやな!」

玄「!?」

113 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 14:12:46 ID:6D.GmcK.

怜「あんた、実はぺったんこちゃうん?」

竜華「霞と比べちゃあかんやろ」

玄「た、たしかにお姉ちゃんよりは小さいけど……」

怜「この隙間、空気パッドやん」

玄「隙間!? で、でもとっきーよりは大きいもん!」

怜「はっ、うちと比べとる時点で高が知れとるわぐはあっ!」

玄「吐血した!?」

竜華「なんで自爆してんねん!」

114 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 14:27:37 ID:6D.GmcK.

怜「う、うち病弱やし……」

竜華「病弱関係ないわ」

怜「栄養不足やからな、成長せんのや!」

玄「胸張って言うこと?」

怜「やかましい。文句あるならそのブラ着けてみろや!」

玄「……」

怜「なんや」

玄「……ほい、お返し」

怜「ぐっはあ!」

竜華「あかん、致命傷や!」

玄「あわわわ、救急車!」

怜「……見えたで、十年先が」

115 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 14:32:59 ID:6D.GmcK.

竜華「ほんまか、どやった?」

怜「うちは、……ぺたんこやった」

竜華「ときぃー!」

玄「持たざる者の末路だね……」
ガチャッ
透華「ちょっと、騒がしいトイレですわね」

竜華「うん、もうトイレでええわ」

玄「あっ、龍門渕の……」

透華「あら、私のことをご存知でして?」

怜「な、仲間や……」

透華「……血を拭いなさい」

116 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 15:08:14 ID:6D.GmcK.

………

……

怜「それにしても、奇遇やな」

竜華「なんや」

怜「竜華に龍門渕にドラゴンロード……」

透華「言われてみれば、そうですわね」

玄「透華も略したら龍華だよね」

透華「略さないでくださいます?」

竜華「こう、被っとるのはええ気せんなー」

怜「キャラは全くちゃうけどな」

透華「あら、やる気でして?」

117 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 15:45:16 ID:6D.GmcK.

竜華「ふふん、上等や」

怜「普通にやるんは芸がないし、罰ゲームでも設けようか」

玄「楽しそう!」

透華「そうですわね……。では、最下位の方がトップの方の言うことを聞く、とか」

竜華「ベタやけど無難やな。それでええか?」

怜「異議なしや。覚悟しとき、玄」

玄「負けないよ!」

怜「今日からあんたを玄っちに改名させたる」

118 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 15:52:18 ID:6D.GmcK.

玄「そそ、そんなパンツみたいな名前やだなあ……」

透華「二人とも、下品ですわよ!」

竜華「早く始めるで。席につき」

怜「透華とは初めてやし、要注意やな」

透華「せいぜい楽しませてくださいまし!」

竜華「怜、あんま無茶したらあかんで」

玄「だいじょうぶ、介抱はお任せあれ!」

怜「余計なお世話や」

竜華「むー……」

120 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 17:58:51 ID:6D.GmcK.

………

……

透華「なんてことですの……」

竜華「うちが三位やと……?」

怜「今日はやけに弱いな、自分ら」

玄「そして私がトップやで!」
竜華「へったくそな関西弁使うなやあ!」

怜「竜華、そいつ奈良県民や」

透華「わ、私が負けるなんて……」

玄「ふふふのふ、あの準決以降調子が良くてね~」

透華「……認めませんわ!」

121 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:02:44 ID:6D.GmcK.

怜「透華、往生際が悪いで」

透華「たかが半荘一回で勝ち誇られても困りますわ!」

玄「何度やっても結果は同じだよ……」

透華「むきーっ!」

玄「なぜなら私はドラゴンロード……」

竜華「その心は?」

玄「そう、龍の主だからね!」

怜「あかんわ」

竜華「微妙にかっこいいのがむかつくな」

透華「あ、あ、主ですって!? この龍門渕透華に向かって……」

122 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:08:13 ID:6D.GmcK.

怜「なんでお前は顔赤らめんねん」

竜華「まあ言うてもドベはドベや。罰ゲームやな」

玄「ふへへ……、何でも言うこと聞くんだっけ? 言いなりになるんだっけ?」

怜「そこまで言うとったっけ?」

透華「いいい言いなり……!?」

竜華「アホ毛立っとるで。ビンビンになっとる」

玄「じゃあまず最初の命令だね……」

透華「し、仕方ないですわね。罰ゲームですから」

123 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:13:22 ID:6D.GmcK.

玄「ちょっと耳貸してくれる?」

透華「はい……」

玄「……」

透華「……!」

玄「……」

透華「……!?」

玄「……」

透華「……っ」

怜「むぇっちゃ気になるわ!」

竜華「ドラローはドSやったんやな」

怜「透華がドMやっちゅうのは知っとったけど」

竜華「ほんまに?」

怜「常識やで、竜華」

124 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:19:39 ID:6D.GmcK.

玄「……わかった?」

透華「はい。……ご主人様」
怜「あいたたた……」

竜華「態度変わりすぎやろ!」

玄「というわけで、玄さんたちはおいとまするね!」

透華「お邪魔しましたわ!」

怜「うちらには偉そうっちゅうのがマシマシむかつくわ」

竜華「ほんまやな」

玄「さあ、行くよ透華!」

透華「ああ、お待ちになって!」

竜華「まあ、……楽しそうやしええわ」

怜「そか」

125 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:26:12 ID:6D.GmcK.

竜華「しかしあれやな。こうなると次もある気がするわ」

怜「確実に誰か来るやろうね」

竜華「予知?」

怜「見るまでもなく明らかやん」

竜華「まあな……。ほな次は誰が来るか当てへん?」

怜「せやなあ。……誰が、となると難しいわ」

竜華「みんなここをトイレやと思っとったわけやろ?」

怜「うん」

竜華「せやったら、トイレが近そうなヤツ……」

126 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:31:15 ID:6D.GmcK.

怜「咲たん」

竜華「うん、うちもそう思った」

怜「けど咲たんは今ごろ淡とホテルにおるやろうしなあ……」

竜華「あいつら一年生やで? ええんかな」

怜「いやいや、宿泊先のホテルっちゅうことで」

竜華「せ、せやな」
ガチャッ
和「咲さーん、だいじょうぶですかー?」

怜「うわっ、ビックリしたあ!」

竜華「……?」

127 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:36:05 ID:6D.GmcK.

和「あれ……?」

竜華「どうかしたん?」

和「いえ、あの」

竜華「咲を探しとるの?」

和「は、はい。トイレに行ったきり帰ってこないので」

怜「何時間前の話やねん」

和「咲さんがどこにいるかご存知なんですか?」

竜華「あー、ここにはおらへんよ」

怜「どこ行ったんやっけ。竜華知っとる?」

竜華「うーん、うろ覚えやなあ……」

128 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:43:37 ID:6D.GmcK.

和「あ、よく見たらここトイレじゃないですね」

怜「今更かい」

竜華「いい加減変えようや」

和「それで、咲さんはどこに……?」

竜華「あー、たしかお姉ちゃんと遊ぶとかなんとか……」

怜「せ、せや。グラバー園見に行くとかなんとか……」

竜華「怜、長崎好きやなあ」

和「ぐ、グラバー園……、ですか。遠いですね」

129 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:49:07 ID:6D.GmcK.

怜「ささ、探さないでくださいっちゅう書き置きもあったで!」

竜華「駆け落ちやないか。どんだけウソつくの下手やねん」

和「……そう、ですか。それなら仕方ないですね」

竜華「そして騙されるんかい」

和「ふ、ふふふ。所詮お姉さんは東京人ですからね……」

怜「あかんわ」

和「いずれ帰ってくるのを待ちますよ……。ふ、ふふふ」

竜華「はあ。怜のせいやで」

130 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:53:52 ID:6D.GmcK.

怜「ま、まあ照ならなんとかするやろ」

和「……それでは、私は失礼します」

竜華「お、おう……。元気でな」

和「はい……」
ガチャッ
怜「……」

竜華「……で、今の誰やったんやろか」

怜「ええと、去年のM―1チャンプやなかったっけ」

竜華「ああ、ピンクブーブーか」

怜「せやせや」

竜華「んなわけあらへんやろ、いい加減にしろ!」

怜「どうも、ありがとうございましたー」

131 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 18:58:01 ID:6D.GmcK.

竜華「なんやねん今の寸劇」

怜「竜華がふってきたんやろ」

竜華「まあええわ。気を取り直して、膝枕問題解決したるで」

怜「……!」

竜華「忘れとったやろ」

怜「うん。……ああ、思いだしたら恥ずかしくなってきたわ」

竜華「腕枕は結局どないなん?」

怜「せやなあ。……まあ、一応候補っちゅうことで」

竜華「ふふん。だいぶお気に入りのようで」

132 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 20:27:12 ID:6D.GmcK.

怜「……うっさいわ、あほ」

竜華「なあ怜」

怜「なんや」

竜華「怜はほんまかわええなあ」

怜「まあね」

竜華「まるで荒野に咲いたエーデルワイスのようや」

怜「高野の間違いちゃう?」

竜華「そう、千里山という死の大地に咲いた、一輪の高貴な花……」

怜「母校をけなすなや」

竜華「怜、恥ずかしがらんとこっち向いて」

133 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 20:32:27 ID:6D.GmcK.

怜「あごくいってやるのやめえ。少女漫画の主人公か」

竜華「強がってる怜も、かわええよ……」

怜「両手首掴んで壁に押しつけんな。韓流ドラマの主人公か」

竜華「ほら、白い花弁が赤く染まるとこ、よく見せたってや……」

怜「んっ、……股に太もも押しつけんなや。昼ドラの恋敵役か」

竜華「ふふ、息がかかってくすぐったいわ」

怜「なら離れえ」

134 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 20:37:10 ID:6D.GmcK.

竜華「……あかんなあ、そういう態度」

怜「なんや」

竜華「そろそろ素直になっても、ええんちゃう?」

怜「本気で口説いとる?」

竜華「怜がもうちょっと前に進んだら、……キス、できるで」

怜「いや、そこは竜華がくればええやん」

竜華「いけずやなあ。この距離だけは、怜に埋めてほしいんや……」

怜「あかんあかん……落ち着け怜!」

135 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 20:41:31 ID:6D.GmcK.

竜華「空気の壁一枚の距離やん、簡単やろ」

怜「ああ、足動かさんでやあ」

竜華「めっちゃあったかいよ、怜のここ……」

怜「上の口か下の口か、どっちがほしいねん!」

竜華「あほう、両方に決まっとるやろ」

怜「とうとう奪われるんか……」

竜華「キスはさっきしたやん?」

怜「あんなんカウントせんわ。霞がおったし」

竜華「なら、……やり直そうや」

136 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 20:47:26 ID:6D.GmcK.

怜「……あー、あれやな」

竜華「んー、なんや」

怜「さっき玄っちに抱きつかれとったことで、怒っとる……、とか」

竜華「……そう思う?」

怜「竜華はなあ、うちを独り占めしたいときは、ほんま積極的になるんやもん」

竜華「ふふ、大正解や」

怜「まったく、……ほら、抱きしめたるから手首離してや」

竜華「あかんよ」

怜「な、なんでや」

137 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 21:00:39 ID:6D.GmcK.

竜華「こう、太ももに伝わる暖かさが予想外にええから」

怜「こんなん考慮しとらんよ、って感じ?」

竜華「ぶっ。ちゃちゃのんやめえ!」

怜「はいはい。うちの勝ちやな」

竜華「悔しい……。ちゃちゃのん許さへんで」

怜「しゃーないやつやね、竜華は」

竜華「……うっさい」

怜「ほら、枕の続きやるで」

竜華「あかんわ」

怜「なんや」

竜華「全てちゃちゃのんが悪い」

138 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 21:08:49 ID:6D.GmcK.

怜「さっきまで怜怜言っとったくせに、もうちゃちゃのんかい」

竜華「思い返してみれば、かわええやつやったな」

怜「……」

竜華「いじり甲斐あったし、泣き顔萌えるし、ちゃちゃのんやし」

怜「……はあ」

竜華「ぶっ、しかも一人称ちゃちゃのんて……、くく」

怜「……竜華」

竜華「なんや、……ん」

怜「……」

竜華「……」

139 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 21:12:13 ID:6D.GmcK.

怜「……ん」

竜華「……とき」

怜「……セカンドキスはいちご味、ってな」

竜華「……ふふ、お後が宜しいようで」

怜「リップクリーム、うちのとおんなじ?」

竜華「ちゅーか、怜の使っとる」

怜「なんでやねん!」

竜華「や、エコやん」

怜「エコやのーてエロやそれは」

竜華「うん、ならそれでええ」

怜「よくないわ……」

140 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 21:23:21 ID:6D.GmcK.

竜華「胸、腹、肩、腕ときたら、次はどこやろ」

怜「せやなあ。頭、お尻、股関くらいか」

竜華「頭はないわ」

怜「……股関、いく?」

竜華「……うちは、まあ、いけるで」

怜「いやいや、うちの方がいけるで? 竜華がビビっとるなら勘弁してやってもええけど」

竜華「なな、そんなわけないやん! 怜こそ、初めて触るうちの股関に心臓バクバクやろ!」

141 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 21:32:10 ID:6D.GmcK.

怜「さ、触る言うたって頭やで? 全く気にならんわ」

竜華「気にならんやて!? うちの股やで!」

怜「べべ別に誰の股やろうが関係あらへんわ!」

竜華「最低発言やないか!」

怜「ちゃう、今のは言葉のあやみたいなもんや!」

竜華「ただの言い訳やないかそれ!」

怜「落ち着け竜華! うちは竜華一筋18年、老舗の味や!」

142 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 21:38:00 ID:6D.GmcK.

竜華「その程度で老舗をかたれるわけないやろ!」

怜「どーしてほしいねん!」

竜華「うちの股を愛せやあ!」
ガチャッ
白望「えっ……」

竜華「えっ?」

怜「えっ?」

白望「……続けて」

竜華「まてまてまて」

怜「なんか勘違いしとる。うん、絶対」

白望「いや、股を愛すんでしょ……。ご自由に」

竜華「ああ、いかにもダルそうに言われた……」

143 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 21:48:41 ID:6D.GmcK.

………

……

竜華「……っちゅうわけや。わかった?」

白望「ん、……なんて?」

竜華「聞けや人の話を!」

白望「ダルいから怒鳴らないで……」

竜華「よっしゃ、体に聞かせたるわ」

白望「は、離して……」

怜「まあまあ落ち着け竜華。シロはこんなやつやん」

竜華「シロだか玄だか赤土だか知らんけど、こいつは一回教育すべきや」

144 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 23:04:16 ID:6D.GmcK.

怜「シロは何しにきたんや?」

白望「……お小水に」

怜「やろうなあ。ここトイレちゃうで」

白望「……動けない。ダルくて」

怜「よし竜華、あとは任せた」

竜華「いやや。うちの手には負えん」

怜「どないしよか……」

竜華「宮守の連中呼んでこよか?」

怜「ああ、頼むわ。あいつらなら慣れたもんやろ」

竜華「ほな行ってくるわ」

白望「……」

146 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 23:44:22 ID:6D.GmcK.

怜「ったく、シロもちょっとは運動せんとあかんよ」

白望「気になる言い方だなあ……」

怜「太るよ、って言いたいんや」

白望「……怜は、運動してるの?」

怜「うち? うちはまあ、病弱やし」

白望「ん、病弱アピールダルい……」

怜「初めて言われたわ。ほら、しゃきっと!」

白望「……ん」

怜「せめてソファに座り? 地べたに寝っ転がったらあかんよ」

147 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 23:47:57 ID:6D.GmcK.

白望「あー……、おぶって」

怜「ぶって? よし、任せてや!」

白望「ぼ、暴力はだめ……」

怜「なら自分で歩く。手ぐらいは貸したるから」

白望「……ん、ありがとう」

怜「うわ、細いなあ。ちゃんと食べとる?」

白望「どうだろう。……最近、ご飯を食べるのもダルくて」

怜「あかんわ」

白望「……怜って、意外と甲斐甲斐しいなあ」

148 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/15(日) 23:51:31 ID:6D.GmcK.

怜「病弱や言うとるやろ。……しかし」

白望「……」

怜「細くて色白。シロの方が病人みたいやわ」

白望「……悪くない。いや、悪いかなあ」

怜「隣座るで」

白望「どうぞ」

怜「あー、……いきなり肩枕かいな」

白望「……ダメだった?」

怜「や、ええよ。竜華が来るまでは」

白望「竜華、うらやましい……」

怜「あんたには宮守の仲間がおるやん」

149 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:00:21 ID:WGbj6pzI

白望「……まあ、そうだね」

怜「友達が多いのは、素直にうらやましいわ」

白望「……怜は少ないの?」

怜「学校休みがちやったからね。変わらず付きおうてくれとるのは……」

白望「竜華……?」

怜「あと、セーラやな。ありがたいで、ほんまに」

白望「……ダルい」

怜「なんや」

白望「みんな、友達でしょ。……たぶん」

怜「……そか。そやね、うん」

150 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:03:59 ID:WGbj6pzI

白望「……」

怜「……ふふ。シロに励まされるとはなあ」

白望「……ん」

怜「まあ、なんや。シロもやで?」

白望「……」

怜「うん。シロも、うちの友達や」

白望「……」

怜「……シロ?」

白望「……」

怜「し、死んどる……」

白望「……生きてるよ」

怜「なら返事してよ。恥ずかしがりやなあ」

151 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:09:51 ID:WGbj6pzI

白望「……ダルいよ。友達とか、恋人とか」

怜「そうかもしれんなあ」

白望「そんなくくりなら、要らない。大切なものは、大切……」

怜「ふふ、うちには難しくてようわからんわ」

白望「怜は、大切?」

怜「シロのことが?」

白望「……」

怜「……そらまあ、大切、かもな」

白望「……どのくらい?」

怜「うーん……。少なくとも三時のおやつよりは」

152 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:13:43 ID:WGbj6pzI

白望「……竜華とだったら?」

怜「そういうのは、……比べるもんちゃうよ、やっぱり」

白望「……ん」

怜「変なシロ」

白望「……比べるまでもない、かあ」

怜「んー?」

白望「……ふふ、ダルいなあ」

怜「……うちも、ダルいわ。このまま二人でだらーっとしとこ」

白望「賛成」

怜「たまにはええな、こういうのも」

153 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:21:14 ID:WGbj6pzI

白望「……」

怜「夏の夕暮れ。ひぐらしの声が遠く。遠くに迫る夜、かあ」

白望「……夏が、終わって」

怜「どうせまた来る。名残惜しさは最期の時に、やな」

白望「……ん」
ガチャッ
竜華「ただいまー」

塞「失礼しまーす」

胡桃「まったく、こんなところでバテちゃうなんて」

エイスリン「シロー」

154 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:31:46 ID:WGbj6pzI

怜「……ほんま、風情っちゅうもんがないんやから」

白望「……台無しだなあ」

エイスリン「シロー!」

竜華「犬みたいやなあ、この子」

胡桃「ほらシロ、シャキッとしなさい!」

塞「暗くなる前に帰らなきゃね」

白望「……豊音は?」

塞「さあ。有名人を見つけたとかで、飛び出して行っちゃった」

竜華「相変わらずやな、あいつも」

155 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:41:35 ID:WGbj6pzI

胡桃「さっき、今から戻るって連絡きたよ」

塞「ならちょうど合流できるかもね」

エイスリン「ゴハン!」

白望「外食かあ……。いいんじゃない」

胡桃「お金あったかなあ」

塞「貸すよ、トイチで」

胡桃「よくないよそれ!」

エイスリン「トイチ?」

白望「……知らなくていいよ」

156 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:44:38 ID:WGbj6pzI

竜華「……怜?」

怜「……んー?」

竜華「どないしたん、目細めて」

怜「や、ちょっとな」

胡桃「ラーメン? うどん?」

塞「ファストフードは、……ないか」

エイスリン「オコメ?」

白望「うーん……」

怜「……まぶしいなあ、思うて」

竜華「……そうかも、な」

怜「うちらも、ああいう風に見えるんやろか」

竜華「きっとな。うん、見えるよ」

157 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 00:55:09 ID:WGbj6pzI

胡桃「シロの面倒見てくれてありがとね!」

塞「今度は豊音も連れてくるよ。会いたがってたしね」

エイスリン「マタネ!」

白望「……じゃあ」

竜華「うん、気いつけてな」

怜「……シロ」

白望「……?」

怜「……お大事に」

白望「……ああ、うん。そっちこそ」

怜「うん」

白望「……」

怜「ほな、またなー!」

胡桃「バイバーイ!」

158 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 01:08:04 ID:WGbj6pzI

竜華「台風みたいな連中やったなあ」

怜「台風、かあ。……ええな、夏にピッタリやん」

竜華「せやな。台風だらけの夏は勘弁やけど」

怜「すっかり暗くなったな」

竜華「どないしよか」

怜「とりあえず、ご飯食べいく?」

竜華「なに食べる?」

怜「うちはふつうに、ファミレスとかでええけど」

竜華「なら、うちも」

怜「あらら、腕組むん?」

159 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 01:13:13 ID:WGbj6pzI

竜華「離れとった分や」

怜「シロとくっついとったからやろ?」

竜華「そうかもな。とは言え、やっぱ暑いわ」

怜「もう。……ほら、手」

竜華「ん。へへっ、恋人繋ぎやで」

怜「今更やん。……竜華て、あれやな」

竜華「なんや」

怜「恋人繋ぎの時て、いつも軽めに握っとるよな」

竜華「夏はな。ぎゅっとしたら手汗かくもん」

160 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 01:17:18 ID:WGbj6pzI

怜「……んー、手汗が混ざる感覚も悪くないんやけどなあ」

竜華「むしろ好き?」

怜「かもね」

竜華「せやったら、ぎゅーっ、や」

怜「ん。はぐれんようにな」

竜華「祭りちゃうんやから。ちゅーか、うちが先導する!」

怜「どっちでもええやん」

竜華「並んで歩く?」

怜「それが一番やんな」

竜華「せやなー、ふふ」

162 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 08:32:39 ID:WGbj6pzI

―ファミレス―

怜「うーん……」

竜華「ここにもおるんかい……」

衣「おー、怜と竜華!」

純「奇遇だなあ。まあ座りなよ」

怜「まあ、座らせてもらうけど」

竜華「今年の二年生は敬語も使えへんのか?」

純「ははっ、衣にそんなの期待してもムダだよ」

竜華「お前もや!」

怜「ほら衣たん、いないいないばぁーっ!」

衣「きゃーっ!」

163 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 08:38:17 ID:WGbj6pzI

竜華「なにやっとんねん竜華……」

怜「や、つい幼稚園年長組の時を思い出して……」

純「それに喜ぶ衣も、まだまだ子どもだな」

衣「ぐっ、相変わらず無礼なやつめ……」

竜華「今から食うとこ?」

純「ああ、俺たちはもう注文してるよ」

怜「衣たんはなに食べるのん?」

衣「ダブルデミグラスペッパーハンバーグ和風チーズ!」

怜「はよ注文取り消しいや!」

164 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 08:42:26 ID:WGbj6pzI

竜華「案外いけるかもしれへんで」

怜「地雷の臭いがプンプンするんやけど」

純「いや、けっこう美味いぞ?」

怜「あるんかい……。食ったことあるんかい……」

衣「竜華! 竜華はこのお子様ランチを頼むべきだ!」

竜華「うん、なんで?」

衣「半分こしてやろう!」

竜華「自分、旗がほしいだけやろ……」

怜「うちが頼んだるよー」

165 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 08:51:25 ID:WGbj6pzI

純「おいおい、いいのか?」

怜「たまには悪くないわ」

純「ほら衣、ちゃんとお礼を言うんだぞ」

衣「ありがとう、怜! 怜は太っ腹だな」

怜「ちゃうで衣たん、こういうときはな……」

衣「……ふむふむ」

怜「うちが半分こしたる!」

衣「怜は太っ胸だな!」

竜華「空しくない?」

純「むしろこっちが空しくなるな……」

166 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 08:58:52 ID:WGbj6pzI

………

……

衣「わーっ、きたよ!」

竜華「なんやこれ……、食べ物?」

怜「ハンバーグの要素が見えへんのやけど……」

衣「ふっふっふ、刮目せよ!」

竜華「なんやソースに埋もれとっただけかい……、って、ちっさ!」

怜「ハンバーグちっさ!」

純「ば、ばか、声が大きい!」

衣「いいんだ、その分他が充実してるからな!」

167 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 09:03:45 ID:WGbj6pzI

竜華「おかしいやろ……。他を充実させるくらいならハンバーグでかくしたれや……」

怜「世知辛いわ……。大根おろしが山のように盛られとるで」

純「衣、我慢してないで、先に食べていいぞ」

衣「ほんとかっ! いただきまーす」

怜「なんやなごむなあ」

竜華「ええな、こういうのも」

衣「ひゃっ、あっちゅい!」

純「おいおい、ちゃんとフーフーしないからだよ」

168 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 09:08:04 ID:WGbj6pzI

怜「ほら、水やで衣たん」

衣「んっ!」

竜華「お子様やな、ほんまに」

衣「ろろろららいっ、ろろろら!」

純「舌冷ましてから言えよ」

怜「うーん、アリやな……」

竜華「怜、それはさすがにあかんわ」

怜「嫉妬?」

竜華「犯罪や」

衣「ジュン、怜、竜華! 一口ずつ食べていいぞ!」

怜「そうは言ってもやな……」

169 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 09:13:41 ID:WGbj6pzI

竜華「うちらが食べたら、無くなってまうで」

純「……お前が食えよ。気にしなくていいから」

衣「な、なぜみんな目が優しいんだ……?」

怜「ふふ、あれやな竜華」

竜華「なんや」

怜「純も、やっぱり女なんやなあ」

純「どういう意味だっつーの……」

怜「溢れてるで、母性が」

竜華「うん、ほんまやな」

純「や、やめろって」

170 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 09:17:59 ID:WGbj6pzI

衣「お母さんはトーカだ! ジュンはお父さんだぞ」

純「だから、俺は女だって!」

衣「きゃーっ!」

怜「……竜華」

竜華「んー?」

怜「……透華のことは、内緒にしとこうな」

竜華「……すっかり忘れとったわ」

衣「ん? トーカがどうかしたのか」

純「またなんかやったのか、あいつ」

怜「あーいやいや、ちょっとな」

171 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 09:23:34 ID:WGbj6pzI

竜華「今日は帰りが遅くなるかも、って言うとったで」

純「そうなのか? なにやってんだかな」

衣「デートに決まってるよ!」

純「えー……、ないわ」

衣「トーカお母さん、不倫だー」

純「人聞き悪いな、おい。外でそんなこといっちゃダメだぞ」

怜「……実際にあれ見たら腰抜かすんちゃうかな」

竜華「見事な従者っぷりやったもんな」

173 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 14:19:24 ID:WGbj6pzI

………

……

純「ふいーっ、食った食った」

怜「あんた、見た目通りの大食いやな」

衣「そうだぞ。ゆーきのタコスまで食べちゃうからな」

純「時効だっつーの」

竜華「ええんちゃう? その分育っとるみたいやし」

衣「竜華も大食いなのか?」

竜華「どこ見て言ってんねん」

衣「胸だ!」

竜華「言わんでええて」

174 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 14:33:28 ID:WGbj6pzI

純「俺たちはもう帰るけど、怜たちは?」

怜「んー、どうする?」

竜華「せやなあ……。ちょっとブラブラしてく?」

怜「ん、夜風も気持ちええしな」

純「そっか。じゃあここで」

衣「怜、竜華、また会おう!」

怜「うん、また」

竜華「暗いから気いつけて帰り」

衣「だいじょうぶ、子どもじゃないんだからな」

竜華「ふふ、せやったな。ほな」

175 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 14:43:34 ID:WGbj6pzI

怜「さて、行きますか」

竜華「怜、お手」

怜「わんっ。……なにさらすねん」

竜華「うっ……」

怜「竜華?」

竜華「もう一回言ってくれへん……?」

怜「……わんっ」

竜華「あふんっ」

怜「もう、はよ行こうや」

竜華「せやな。……来るときに見つけたんやけど」

怜「なんや」

竜華「銭湯。行かへん?」

怜「おお……、けどタオルとか持ってへんで」

176 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 14:49:00 ID:WGbj6pzI

竜華「100円くらいで買えるやろ」

怜「まあええけど、変なことせんでよ?」

竜華「さすがに人がおるとこではせんよ。……たぶん」

怜「なんやねん、たぶんて」

竜華「怜が裸になるんなら、うちは我慢できへんと思うねん」

怜「どうせえっちゅーんや!」

竜華「あれや、タオルで隠すとか」

怜「そのまま湯船につかれと?」

177 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 14:54:30 ID:WGbj6pzI

竜華「マナー違反やんな。どうするん?」

怜「竜華が我慢すればええだけの話や」

竜華「いっちゃん難しいわ、それ」

怜「だいたい、こんな貧相な体に欲情するとか……」

竜華「浴場だけに?」

怜「やかましい」

竜華「怜の体は最高やで」

怜「その言い方、語弊があるわ」

竜華「ほんまにそう思っとるもん。スラッとして、綺麗やし」

178 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 14:59:08 ID:WGbj6pzI

怜「まあな」

竜華「怜、自分ではけなすくせに、誉められたら否定せんのやな」

怜「プレゼントを無碍にするようなやつはおらんやろ」

竜華「プレゼントて思うんなら、お返ししてや」

怜「んー……」

竜華「なあなあ」

怜「……まあ、竜華のは、その、あれやんね」

竜華「なんやの?」

怜「言わんでも、……わかるやろ」

179 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 15:03:30 ID:WGbj6pzI

竜華「甘いで。男には気持ち、女には言葉や」

怜「……両方欲しがる竜華は、欲張りさん?」

竜華「ふふ、かもな。」

怜「その、な。……うちの枕だけあって、非の打ち所がないわ」

竜華「な、に、が?」

怜「あーもう! 竜華は胸大きいし髪はさらさらやし、くびれとるしプリンプリンで最高やっちゅーとんねん!」

竜華「……」

怜「……あれ?」

180 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 15:07:40 ID:WGbj6pzI

竜華「おかしいな。絶対誰か出てくると思っとったんやけど」

怜「うちも」

竜華「……まあ、空気読めへん連中ばっかやないんかな」

怜「で、うちは言ったよ?」

竜華「なに、誉め殺されたいん?」

怜「竜華にそこまでの語彙は期待してへん」

竜華「言うたなあ。今夜覚えとき」

怜「こ、今夜……?」

竜華「婚前交渉したるわ!」

181 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 15:12:50 ID:WGbj6pzI

怜「セーラに部屋代わってもらうわ」

竜華「あーあ、かわいそうやな」

怜「なんや」

竜華「間違えてセーラを襲ってしまうかもしれへん」

怜「……やっぱり代わらん。うちが竜華と寝る」

竜華「ふふん、楽しみやね」

怜「勘違いせんでや。セーラがかわいそうやからやな……」

竜華「わかっとるわかっとる。うちも無茶はせんから」

怜「無茶ってなんやの……」

182 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 15:22:59 ID:WGbj6pzI

竜華「あれや、あんまりシーツをぐちゃぐちゃにするのもあかんやろ?」

怜「どんなプレイしたらそうなるねん」

竜華「や、知らへんけど。初めてやし」

怜「あーあー! 変な前提で話が進んどるわ」

竜華「何の話しとったっけ?」

怜「セーラを簀巻きにして吊す話」

竜華「ああ、せやったな」

怜「鳥頭か! ちゃうわ」

竜華「あたふたしとる怜かわええ」

183 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 15:35:43 ID:WGbj6pzI

怜「ふん、覚えとき……」

竜華「おっ、銭湯ついたで」

怜「……入り口のとこに誰かおるな」

竜華「あれは……、こかじん?」

健夜「……せめて、すこやんって言って」

怜「プロ雀士がこんなとこで何を? 神田川?」

健夜「そう、赤い手ぬぐいマフラーにして……、って古いよ!?」

怜「や、すこやんの世代やん」

健夜「アラフォーじゃないもん!」

184 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 15:42:13 ID:WGbj6pzI

竜華「アラフォーでも古いわ……」

怜「で、ほんまは?」

健夜「それがね、こーこちゃんとご飯食べてたんだけど」

竜華「ああ、あの女子アナか」

健夜「宮守の、豊音ちゃんが来てね。サイン下さいって」

怜「あれ、すこやんのことやったんやな……」

健夜「そしたらこーこちゃん、宮守の取材に行くって……」

竜華「あらら、着いて行ったらよかったのに」

185 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 15:47:38 ID:WGbj6pzI

健夜「やだよ。……なんで私が女子高生に囲まれなきゃいけないの」

怜「目立つもんね」

健夜「なにが」

怜「う、うそうそ。違和感なさすぎ」

健夜「んーん、そんなことないよ……」

竜華「にやけすぎやろ!」

怜「微妙に絡みづらいな……」

竜華「しかし、夏の夜やっちゅーのになんかサブいなあ」

怜「せやな。早よお風呂入ろ」

健夜「ちょっと、……私は?」

186 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 15:52:15 ID:WGbj6pzI

竜華「すこやんさえ良かったら一緒に入ろうよ」

怜「せやせや」

健夜「やだよ。なんで女子高生と一緒にお風呂に入らなきゃいけないの」

竜華「どないせえっちゅーねん!」

怜「誰も体を比べたりせえへんわ!」

健夜「べ、べべ、別にそんなこと言ってないよ。ぴゅ~ぴゅ~」

竜華「あかんわ。バレバレや」

怜「口笛吹けへんのやね」

187 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 16:03:41 ID:WGbj6pzI

竜華「すこやんの周りだけ木枯らしが吹いとるみたいやな」

怜「どうりでサブいと思った」

健夜「だいたいあなたたち、まだ高校生でしょ?」

竜華「うん、そやで」

健夜「こんな時間に出歩いてたら危ないよ」

怜「えっ、普通に怒られた……」

竜華「なんかショックやな」

健夜「もうっ。愛宕さんに言っちゃうからね」

188 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 16:09:21 ID:WGbj6pzI

竜華「や、おばちゃんなら許してくれそうな気がするし」

怜「せやな」

健夜「はあっ、この子たちは……」

竜華「でもあれやんな、霞とすこやんやったら」

怜「霞の方が大人っぽいかもね」

健夜「永水の大将?」

竜華「そうそう」

健夜「私の方が、若そう?」

竜華「子どもっぽぐふっ!?」

怜「あんたなんて言ってほしいねん!」

189 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 16:15:19 ID:WGbj6pzI

健夜「年相応に見てくれたら……」

竜華「ぜ、善処しまふ……」

怜「りゅうかぁー!」

健夜「大げさなんだから。ちょっとつねっただけでしょ」

竜華「あれや、牌を掴みすぎて握力が異常やねん」

健夜「そんなことないからね!?」

怜「や、うちに言われても」

竜華「で、結局どうするん?」

健夜「お風呂?」

竜華「うん」

190 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 16:19:14 ID:WGbj6pzI

健夜「んーん、私はもう入ったし、遠慮しとく」

怜「そか」

健夜「決して、あなたたちに裸を見せるのがイヤなわけじゃないから」

怜「あら、そう」

竜華「あら、ふぉー」

健夜「ぷっつんきたよ、今」

怜「うち言ってへんで! 竜華やで!」

竜華「怜が言えってゆうたやろ!」

怜「いつ!?」

竜華「地球が三千回まわったときや!」

怜「だからそれはいつやねん!」

191 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 16:32:01 ID:WGbj6pzI

健夜「……仲良さそうで、うらやましいな。見せつけてる?」

竜華「そんなつもりは全くないです」

怜「せやから木枯らしはやめてください。寒いです」

健夜「ふん、いいもん。ばーか」

竜華「あかん、絡みづらいモードや」

健夜「中の二人もあんなだし、……麻雀でトラウマ植えつけてやろうかな」

怜「それだけは堪忍や。……ん?」

竜華「中の二人て?」

192 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 16:35:40 ID:WGbj6pzI

健夜「あなたたちも知ってる人だよ」

竜華「ふうん、誰やろか」

怜「そろそろ入ろか」

健夜「じゃあ、私行くから」

竜華「うん。また麻雀教えてな!」

怜「絶対やでー!」

健夜「はいはい」

竜華「アラフォーに幸あれ」

怜「ボソッと言うなや」

健夜「はあ。……何だかんだで楽しんでるあたり、私も私かなあ。じゃあね」

194 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 18:35:14 ID:WGbj6pzI

―脱衣所―

怜「……」

竜華「……」

怜「はよ脱ぎ」

竜華「怜こそ、はよ脱ぎや」

怜「竜華が脱いだらうちも脱ぐ」

竜華「あかんわ。怜が脱いだらうちも脱ぐ」

怜「あのな、あんま子どもみたいなこと言わんといて」

竜華「どっちがや!」

怜「とにかく、うちは脱がんから!」

竜華「ぐぬぬ……」

怜「ぬぬぬ……」

195 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 18:46:17 ID:WGbj6pzI

竜華「わかったわ。まずうちが靴下脱ぐから、怜はスカート脱ぎ」

怜「なるほど、フェアやな」

竜華「そしたらうちが靴下たたむから、怜は上脱ぎ」

怜「ふむふむ、効率的やな」

竜華「するとうちは靴下をロッカーに入れるから、怜はブラ外し」

怜「……ん?」

竜華「結果うちは靴下を脱いだから、怜はすっぽんぽんや」

怜「舐めてんのかあっ!」

196 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 18:52:45 ID:WGbj6pzI

竜華「ちっ」

怜「露骨に舌打ちすんな」

竜華「あーもうわかったわ! もうええわ!」

怜「なんや」

竜華「うちは見られても恥ずかしくない体やし? 皮まで脱いだるわ!」

怜「あかん、モザイクかかってまう」

竜華「ほらほらほらっ! どや?」

怜「……」

竜華「なんか言うてみ!」

怜「……かわいいお股ですね」

竜華「処理済みや」

197 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 18:56:19 ID:WGbj6pzI

怜「ずるいで、自分……」

竜華「あのな、夏やで? 当然やろ」

怜「うう……、余計脱ぎづらくなってもた」

竜華「手伝う!」

怜「いらん!」

竜華「むー……、ほな、先入っとるで」

怜「ん、うん……、ごめん」

竜華「ええて。その代わり、なるべく早く来てや」

怜「……ん」

竜華「……かわええなあ。もう満足かもわからへん」

怜「……はよ行け、あほ」

198 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 19:15:02 ID:WGbj6pzI

―浴場―

竜華「さあて、誰がおるんやろか……」

咲「あ、竜華さんだ」

竜華「おお、咲やないか」

咲「お昼ぶりですね」

竜華「せやな。ってことは、淡もここに?」

咲「はい。ほら、あそこ」

竜華「……金色のタコが浮いとる」

淡「ぶはっ! 誰がタコだ誰が」

竜華「淡水のタコとは笑えるな!」

淡「胸メタボリック女め……」

199 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 19:19:35 ID:WGbj6pzI

咲「淡ちゃん、お風呂に潜るのはやめようね」

竜華「せやで。久やあるまいし、マナーは守らなあかんよ」

淡「ちっちっち。甘いですねえ、竜華さん」

竜華「なんや」

淡「水中で目を開けると、あら不思議!」

竜華「あれ、あんたも変態キャラやったん?」

淡「冗談ですよ。ねえ咲ちゃん」

咲「冗談であってほしいよ……」

竜華「怜にそんなことしたら許さへんで?」

200 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 19:24:32 ID:WGbj6pzI

淡「あーはいはい」

竜華「めっちゃくるわあ、その言い方」

咲「ところで、その怜さんは?」

竜華「脱衣所。心の準備しとる」

淡「へー、怜さんにも羞恥心とかあるんですね」

竜華「そのイメージ今すぐ捨てろや」

淡「恥ずかしがっとる怜かわええ! とかいうノリじゃないんですか?」

竜華「からかうのも適度に、っちゅーことやな」

201 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 19:28:58 ID:WGbj6pzI

淡「勉強になります。ね、咲ちゃん」

咲「あう……」

竜華「一応聞くけど、あんたらどこ行っとったん?」

淡「ああ……」

咲「いろいろあったね、淡ちゃん……」

淡「今疲れを癒してるところなんですよ」

竜華「ほうほう、詳しく聞かせてや」

咲「えっと、まずお昼ご飯を食べに行って……」

淡「そこで穏乃と出会って一悶着です」

202 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 19:34:05 ID:WGbj6pzI

竜華「ん、仲悪かったっけ?」

咲「和ちゃんのことで、いろいろ言われて……」

淡「よくわからない話だったけどね」

竜華「あらら……、で?」

咲「その後、本屋でお姉ちゃんに出くわして……」

淡「なぜか三人で行動することになりました」

竜華「あんたら二人とも、照から愛されとるもんね」

咲「でも、振りまわされっぱなしで……」

淡「一番疲れましたね、正直」

203 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 19:38:14 ID:WGbj6pzI

竜華「愛とは重いもんやで。そんで?」

咲「その後、変わらず三人で行動してたら……」

淡「ピンクの悪魔が現れまして」

竜華「カービィやないんやから……」

咲「なぜか和ちゃんとお姉ちゃんが口喧嘩を始めたので」

淡「その隙に逃げてきたわけです」

竜華「あー……、なんやろか。咲」

咲「はい」

竜華「あんた刺されるで。いつか必ず」

咲「ええっ!?」

204 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 20:57:26 ID:WGbj6pzI

竜華「冗談や」

咲「び、びっくりするじゃないですか……」

竜華「でもな? はっきりした方がええんちゃうかな、とは思うねん」

咲「あう……」

竜華「面と向かって言うのは、そらあんたも辛いやろうけど」

咲「はい……」

竜華「けど、失礼になってまうで。気づかんうちにな」

咲「……」

淡「咲ちゃん……」

怜「こらっ、竜華」

咲「怜さん?」

205 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 21:03:07 ID:WGbj6pzI

怜「咲たんかて言われんでもわかっとるよ」

咲「……」

怜「どうするか、やなくて、どうしたいか、やんな」

咲「はい」

怜「まあいつでもフォローしたるで。うちも竜華も」

竜華「せやな。咲みたいな常識人は大歓迎や」

淡「さ、咲ちゃん……。あの、私」

咲「……私、は」

怜「うん」

咲「あ……、淡ちゃんと、いたい、かな」

206 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 21:07:49 ID:WGbj6pzI

淡「さっ、……ぐす、さきちゃあん!」

咲「わぷっ! ……淡ちゃん」

竜華「世話の焼ける後輩や」

怜「まったくや」

竜華「で、怜はもうええん?」

怜「なにが?」

竜華「お股は」

怜「……言うな、あほ」

竜華「ま、夜にじっくり見せてもらうしええけどな」

怜「……うちも」

竜華「んー?」

怜「……竜華の、見ていいんよね?」

207 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 21:42:06 ID:WGbj6pzI

竜華「……ぶっ」

咲「はなぢ!?」

淡「のっ、のぼせてる!」

怜「ほんま、あほなんやから」

竜華「は、鼻血ちゃう……。これは汗や」

淡「いや、そんな真っ赤な汗やばいですよ」

咲「あはは、かっこいいのか悪いのか、わかんないね」

淡「ちょっ、お湯につきますって鼻血!」

竜華「か、体洗ってくるわ……」

怜「うちもー」

208 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:13:43 ID:WGbj6pzI

竜華「うーむ、あかんな」

怜「なんや」

竜華「最近、ことごとく怜にやられとる気がする」

怜「むしろ竜華の自爆ちゃう?」

竜華「むう、特攻は控えたほうがええやろか……」

怜「そんなん、うちがつまらんやん」

竜華「そか。ま、怜が楽しいならええかな」

怜「竜華も楽しくないといややで」

竜華「なら怜、流しっこしようや」

209 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:24:03 ID:WGbj6pzI

怜「変なことせん?」

竜華「したい。けどせえへん」

怜「なら、背中頼むわ」

竜華「髪は?」

怜「あー、……せやな。髪もお願い」

竜華「ふふ、怜は頭撫でられんの好きやもんな」

怜「んー、頭っちゅーか髪やな。手櫛で梳かれたり」

竜華「たまらん?」

怜「うん。ポーっとする」

竜華「せやったら、優しくやったるわ」

怜「終わったら、うちが竜華のしてあげるわ」

210 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:34:16 ID:WGbj6pzI

………

……

竜華「かゆいところはありませんかー?」

怜「胸の谷間がかゆい」

竜華「どこにあんねん、その谷間は」

怜「寄せて上げて、出来上がりや!」

竜華「……」

怜「あ、あれ? この前はできたのに……」

竜華「……」

怜「やっ、ほんまやで? 今日はちょっと恥ずかしがっとるんや」

竜華「胸が?」

211 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:38:15 ID:WGbj6pzI

怜「うん」

竜華「……頭、流すでー」

怜「ちょっ、話ごと流さんでや……」

竜華「怜、あんた谷間つくる練習しとったりする?」

怜「この前はな、すごかったで!」

竜華「……なんや」

怜「泡がたまったねん! 感動して泣くかと思ったわ」

竜華「……」

怜「な、泣くかと思ったわ……」

竜華「……空しくて?」

怜「……うん」

212 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:41:37 ID:WGbj6pzI

竜華「ほら、こっち向いてみ」

怜「なんや……、なな、なんやねんこれ」

竜華「谷間の泡風呂や」

怜「ダイブしてええ?」

竜華「風呂場で暴れるんはダメやで」

怜「……つんつんしてええ?」

竜華「ん、それくらいやったら」

怜「……」

竜華「……」

怜「なにしとるんやろ、うち。あーあアホらし」

竜華「萎えんなや……」

213 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:46:45 ID:WGbj6pzI

………

……

竜華「こう見ると、背中ちっこいなあ」

怜「華奢やろ? 病弱やろ?」

竜華「撫で肩やったんや……」

怜「せやで。和服が似合うで」

竜華「うちは怒り肩やからなー」

怜「ええやん、かっこよくて」

竜華「そかな。撫で肩のが女子っぽくない?」

怜「せやったらうち、女子っぽいってこと?」

竜華「なんかこう、儚いわ」

214 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 22:51:19 ID:WGbj6pzI

怜「和の美しさかな。儚いっちゅーのは」

竜華「あかん、ぎゅってしたくなってきた」

怜「大声出すで」

竜華「……うう、そこをなんとか」

怜「……周り、人は?」

竜華「おらんよ。誰もこっち見てないし」

怜「はあ。……少しやで」

竜華「ん。……ん、はあ」

怜「幸せそうなため息やな」

竜華「怜、マイナスイオン出とるんちゃう?」

215 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 23:01:59 ID:WGbj6pzI

怜「うち、癒し系?」

竜華「一家に三台はほしいところ……」

怜「高いで。某社長もびっくりするお値段や」

竜華「あの人がびっくりて、そら激安やろ」

怜「お金の代わりに、あなたの人生を頂きます」

竜華「ほら、安いもんや……」

怜「一生分割払い、返品は……可、やけど」

竜華「ふふ、余計なオプションやね」

怜「……サインは、こちらに」

竜華「ん……」

怜「……ん」

216 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 23:13:27 ID:WGbj6pzI

淡「見て咲ちゃん、あれが春だよ」

咲「う、うん」

淡「春って言っても、黒糖じゃないよ」

咲「黒糖なんかよりはるかに甘いよ」

淡「確かにね。でも、お風呂場でキスってどうなの?」

咲「あはは……、誰も見てないし、いいんじゃないかな」

淡「私たちは、あてられちゃったね」

咲「じゃあ、私たちもあてちゃおっか」

217 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 23:22:22 ID:WGbj6pzI

淡「……湯船で寄り添って手をつなぐ、ね」

咲「……こ、これでも精一杯だもん」

淡「ううん、嬉しいよ」

咲「私も、嬉しいよ」

淡「左の、側面だけのぬくもりだけど」

咲「うん」

淡「今はこれくらいが、一番気持ちいいや」

咲「そうだね。今は……」

淡「私の淡い思いは、あわあわしてる間に泡と消えちゃいそうだったのになあ」

218 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/16(月) 23:29:10 ID:WGbj6pzI

咲「……笑うところ?」

淡「うん、今となっては笑い話だよ」

咲「そっか……」

淡「私、麻雀やっててよかったな」

咲「色んな人と出会えたよね。麻雀のおかげで」

淡「八割は変人だけどねー」

咲「……ぷっ、あはは」

淡「咲ちゃん、なんで笑うのさ」

咲「だって、おかしくて」

淡「うー、咲ちゃんが常識人過ぎるんだよ」

咲「ううん。……変人だよ、私も」

220 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:00:49 ID:snACMCeQ

―脱衣所―

淡「じゃ、じゃあいきますよ……」

竜華「慎重にな……」

怜「焦ったらあかんで!」

咲「がんばって、淡ちゃん」

淡「よ、よし。……とうっ」

竜華「いったーっ」

怜「どやった、無事か?」

咲「どきどき……」

淡「……ぐふっ」

竜華「あわいぃー!」

怜「無茶しやがって……。咲たん、励ましたり」

咲「私がですか!?」

221 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:05:33 ID:snACMCeQ

竜華「言葉選ばんと、淡死んでしまうで」

咲「あう……。あ、淡ちゃん」

淡「ひゃい……」

咲「きき、きっと胸が太ったんだよ!」

淡「……がはっ、うっ」

竜華「あかんわ」

怜「見事に止めさしよった」

咲「淡ちゃん、しっかり!」

怜「さあ竜華、次はあんたの番やで」

竜華「……思ったより緊張するな、体重計に乗るの」

222 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:10:59 ID:snACMCeQ

怜「骨は拾ったるからな……」

竜華「くっ、きっと大丈夫や」

怜「今だけ、万有引力定数増さんかな……」

竜華「アホなこと言うな!」

怜「ほら、早く死刑台に立つんや!」

竜華「むむ、……ええい、ままよ!」

怜「……」

竜華「……」

怜「……どやった?」

竜華「……マイナス300、やな!」

怜「あーはいはい鯖読み鯖読み」

224 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:16:27 ID:snACMCeQ

竜華「事実やもん!」

怜「めっちゃ萎えたわ……」

竜華「また勝手やなこいつ……!」

淡「お気づきでしょうか」

竜華「生きとったんかい。なんや」

淡「胸、小さくなってますよ」

竜華「なんでそうなんねん」

怜「ほんまか!?」

竜華「そんなわけあるか!」

怜「白々しいわ……。実はさっき1ミリほど浮いとったやろ」

225 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:22:24 ID:snACMCeQ

竜華「エスパーか。とうとうエスパーか、うちは」

怜「こう、細い棒を差し込みたくなったもん。隙間に」

竜華「隙間とかないわ。ピッタリやったわ」

怜「怪しいなあ、咲たん」

咲「そこで私に振りますか……」

竜華「そないなこと言うたら、怜も鯖読みやろ!」

怜「なんでバレた!? あ、ちゃうちゃう、今のなし。ぴゅ~ぴゅ~」

竜華「むえぇっちゃむかつくわあ……」

226 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:27:06 ID:snACMCeQ

………

……

淡「あー、そういえば」

竜華「なんや」

淡「私のブラ、今どうしてます?」

怜「うちが着けとるよ?」

淡「いやいやいや、返してくださいよ!」

怜「無くても平気やったやろ?」

淡「認めたくない……」

咲「あれ、じゃあ怜さんのは?」

怜「うちが着けとるよ?」

淡「重ね着!?」

竜華「どうりで普段より膨らみがあるわけや……」

227 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:34:10 ID:snACMCeQ

淡「なんか落ち着かないので、返してください」

怜「ここで脱げって言いたいん?」

淡「ちなみに内側と外側、どっちが私のブラですか?」

怜「外側や。内側やったら竜華が嫉妬するからね」

竜華「べべべ別にそんくらい!」

淡「じゃあ竜華さん、あっちで怜さんのブラを外してあげてください」

咲「私たち、周り見張ってますね」

怜「しゃーないなあ。頼むわ、竜華」

228 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:40:18 ID:snACMCeQ

竜華「はいはい、わかったわ」

怜「なるべく服がめくれんようにね」

竜華「しかしこれ、蒸れたやろ?」

怜「ほんまよ……。汗疹できたらどないしよ」

竜華「なんで二つもつけんねん」

怜「や、パッドみたいな感じになるかなって」

竜華「誰も気づかへんくらいの違いしかなかったで」

怜「竜華は気づいたやん」

竜華「うん、普段から見とったもん」

怜「どこ見とるん、エッチ」

229 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:44:14 ID:snACMCeQ

竜華「……ん、取れたで」

怜「淡、咲たん、もうええよー」

淡「はい、じゃあ返してください」

竜華「ここで着けるん?」

淡「いえ、とりあえずバッグの中に入れておきます」

竜華「ふうん、そか」

淡「あっ、ちゃんと洗濯してから使うのでご心配なく」

竜華「なら安心や」

怜「うちに失礼や」

咲「淡ちゃん、もう帰る?」

230 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:47:41 ID:snACMCeQ

淡「うん、そうだね。ぐっすり眠れそう」

竜華「あんたら、結局ホテルには行かへんかったん?」

淡「わーわー!」

怜「な、なんやいきなり」

淡「その話咲ちゃんにはしてないんですよ!」

竜華「近い近い!」

淡「流れで連れ込もうかと思ったんですよ!」

竜華「わかった、うちが悪かった!」

怜「なるほど、既成事実狙いやったわけか……」

231 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 00:51:51 ID:snACMCeQ

咲「ホテル? きせいじじつ?」

怜「咲たんは清澄のオアシスやっちゅーことや」

竜華「ほんで、邪魔が入ったから諦めたと」

淡「はい……」

竜華「せやけど、結果オーライやったな」

怜「そうやね」

淡「あっ、……ふ、二人のおかげです」

竜華「ええよ。なっ、怜」

怜「先輩として当然のことやし」

淡「ああ、お二人がまともに見えます……」

232 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 01:02:09 ID:snACMCeQ

竜華「淡て、ちょいちょい失礼やな」

怜「咲たん、悪い淡水ダコに捕らわれた時はいつでも呼んでな」

淡「その呼び方定着する感じですか……」

咲「淡ちゃん、私を捕らえるの?」

淡「うん、もう離さないよ」

咲「……絶対?」

淡「もちろん」

咲「じゃあ、約束だね」

淡「ほら、繋いだ手も離れないでしょ?」

咲「あっ、……ほんとだ」

233 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 01:07:23 ID:snACMCeQ

竜華「あっま! でれでれやん、咲」

怜「まあまあ、今は二人きりにしといてやろうや」

竜華「いじりたいわ……」

怜「あかんで、竜華」

竜華「わかっとるって。空気の読める女やからね」

怜「ならええけど。……ほら、見てみ?」

竜華「……満開の、素敵な笑顔や」

怜「ふふ、淡水で咲いた花も、綺麗やん?」

竜華「うん。枯れる心配は、……せんでええみたいやな」

234 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 12:23:05 ID:snACMCeQ

………

……

竜華「やっと部屋まで帰ってきたな」

怜「わっ、もうこんな時間やで」

竜華「せやな。すぐ寝てまう?」

怜「ん、なんや疲れたしなあ」

竜華「うちら、今日一日で何回つっこんだやろか」

怜「もう覚えてへんわ……。心なしか、声嗄れとる気がする」

竜華「明日はもうちょい穏やかに過ごしたいもんやで」

235 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 12:27:49 ID:snACMCeQ

怜「ほんまやね。……っと、鍵開けるで」

竜華「ほいほい」

怜「よしっ、と」
ガチャッ
竜華「誰もおらへんけどただいまー」

怜「ただいまー」

照「……おかえり」

宥「……おかえりなさい」

竜華「……あっ、部屋間違えましたー」

怜「間違えてへん! 鍵使ったんやから」

竜華「な、な、なんでおんねん!」

照「……うるさい」

236 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 12:32:18 ID:snACMCeQ

宥「……うう、寒いよお」

竜華「暗い。暗すぎんであんたら」

宥「この寒さをお裾分け……」

竜華「さっぶ! どんな能力やねん!」

怜「まてまて、一旦落ち着こうや」

竜華「せ、せやな」

怜「まず照、あんたなんでここにおるん?」

照「……そうか。お前たちも私を邪魔者扱い、か」

竜華「あかんわ。これ扱い方間違えたら消えて無くなりそうや」

237 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 18:19:17 ID:snACMCeQ

照「ふふふ、……笑えるだろ?」

怜「なんや」

照「なにも照らせない私が、照を名乗っているなんて……」

怜「わ、わー、眩しいで照りん!」

竜華「せや、えーと、目が眩んでしまいそうや!」

照「え、そ、そうかな?」

怜「うん、さすが咲たんの姉や!」

照「……どよーん」

怜「……なるほど、咲たんは禁句、と」

竜華「分かっとって言ったやろ」

239 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 18:32:21 ID:snACMCeQ

怜「ちょっと、竜華」

竜華「なんや」

怜「照りんの鼻の穴に指突っ込んでみ」

竜華「……こう?」

照「ふがっ。……竜華、お前この私になにを」

怜「咲たん」

照「どよーん」

竜華「ぶっ!」

怜「ほんま面白いな、あんた」

照「……うう。もう放っておいてくれ」

怜「そういうわけにもいかへん」

竜華「ここ、うちらの部屋やし」

240 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 18:39:13 ID:snACMCeQ

怜「まあ、照りんはいったん横に置いとこ」

竜華「せやな。で、……宥」

宥「なあに?」

竜華「……太った?」

宥「……重ね着してるだけだよ。ああ寒い。ぶるぶる」

怜「なぜゆっちゃんまでここにおんねん」

宥「よく聞いてくれました……」

怜「トイレと間違えた、とか言ったら裸にして放り出すからな」

宥「実はね、玄ちゃんが姉離れしちゃったの……」

241 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 18:44:46 ID:snACMCeQ

竜華「姉離れ?」

宥「うん。今夜もね、私はいつも通り玄ちゃんと抱き合って寝るつもりだったんだけど」

竜華「いや、いつも通りて」

宥「さっきメールが来て、今日は帰れないんだって」

怜「ああ、そう言えば透華と……」

竜華「朝帰りコースかい、早速」

宥「私は誰にあたためてもらえばいいの……?」

怜「ちらっちらこっち見んな」

242 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 18:50:44 ID:snACMCeQ

竜華「それで、なんでこの部屋やねん」

宥「怜ちゃんと竜華なら、今頃あたためあってるかなあ、って。えへへ……」

竜華「あんた、混ぜてもらうつもりやったん?」

怜「誰でもええんやな、あったかかったら」

宥「うん、そうとも言うね……」

竜華「不純やなあ」

怜「ほら、ちょうどええ抱き枕があるで」

照「……」

宥「……照ちゃん、いたの?」

243 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 18:55:14 ID:snACMCeQ

照「……うん、ずっといたよ」

宥「そうなんだ、全然気づかなかったよお」

照「……声も、かけたんだけどな。ははっ」

宥「えっ、いやあ、そうだったっけ?」

照「ふっ、ふふふ……。正にス照スか」

宥「え、えへへ……」

照「笑うな」

宥「へ、へ……」

竜華「怜、誰かに部屋変わってもらわん?」

怜「照のプレッシャーがヤバいな……」

244 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 19:02:34 ID:snACMCeQ

竜華「要するにあれやろ? あんたら二人とも妹に冷たくされた、と」

宥「照ちゃんも?」

照「……うん」

宥「そうなんだ~。いくらなんでも、姉離れ、早いよねえ」

照「全くだ。反抗期、というやつかな」

宥「姉なんて悲しいポジションだよねえ」

照「うん。こっちが全力で愛しても、ふといなくなるんだから」

宥「わかってはいるけど、やっぱり寂しい……」

245 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 19:40:26 ID:snACMCeQ

怜「むしろあんたらが妹離れするべきちゃうかな」

竜華「せやで。咲たんなんか、もう十分大人やし」

照「いや、咲が大人だなんて知ってるよ。でも……」

宥「照ちゃんと咲ちゃんは、離れて長いんだっけ?」

照「うん。もう何年も」

宥「そっかあ。……家族の縁って不思議だよね」

照「……ん?」

宥「離れちゃっても、絶対消えないんだもん」

照「ああ、そうだね」

246 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 20:18:28 ID:snACMCeQ

怜「せやったら、もうそれでええやん」

竜華「離れとっても、きっと誰よりも繋がっとるんやで」

照「……うん」

宥「寂しいけど、仕方ないんだよね……」

照「……私にとっての咲は、一輪の花だったんだ」

宥「うん……」

照「私が照らしてあげなきゃいけないと、思ってたんだ」

宥「照ちゃん……」

照「……うう、ぐす」

宥「泣かないで、照ちゃん」

247 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 20:26:50 ID:snACMCeQ

竜華「……うん、なんかめっちゃいい画なんやけど」

怜「妹を思って泣く姉。要はただのシスコンやな」

竜華「照の場合は別居やからなあ。いろいろ思うところがあるんやろか」

怜「せやね。まあ、照りん」

照「……」

怜「咲たんもあんたのこと好いとるよ」

照「うるさい。……知ってるよ、そんなことは」

宥「玄ちゃんも、私のこと好きなのかなあ」

248 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 20:33:06 ID:snACMCeQ

竜華「あ、ああ、玄は今大人の階段登っとるとこやからな」

怜「決してゆっちゃんのこと嫌いになったわけやないで」

宥「そっかあ……」

照「……ところで、宥」

宥「ん、なあに?」

照「いつまで抱きしめてるんだ」

宥「だって照ちゃんが泣くから」

照「な、泣いてない。目汗だ」

竜華「うん、それ涙や」

宥「それにあったかいし~。今夜の抱き枕にけってい!」

249 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 20:40:36 ID:snACMCeQ

照「抱き枕? このまま寝るの?」

宥「うん!」

照「む、ムリだそんなの! 離せーっ」

竜華「抱き枕がイヤなら、ええ方法があるで」

照「……なに?」

竜華「胸枕っちゅーてな、めっちゃ画期的な発明や」

怜「や、胸枕やったらゆっちゃんが寝苦しいやろ」

竜華「まあまあ、やり方だけ教えたるから」

宥「あったかいの~?」

怜「火照るで、体が」

250 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 20:49:44 ID:snACMCeQ

照「それ、絶対私は得しないだろ」

竜華「なに言うてんねん。宥の胸見てみ」

照「いや、大きいけど……」

怜「しかも肉まんみたいに柔らかいらしいで」

照「なぜ肉まん……」

竜華「あんたも、一人で寝るのは寂しいやろ?」

怜「今日くらいは、ゆっちゃんに甘えとき」

照「うう……」

宥「おいで、照ちゃん」

照「……わ、わかった」

251 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 20:55:17 ID:snACMCeQ

竜華「うんうん。照と宥はお姉ちゃん同士やし、きっと仲良くなれるで」

照「ただ、その、胸枕だっけ? ここではしないからね」

怜「当たり前や。うちらの部屋やで」

宥「えへへ、私と二人っきりになりたいんだね」

照「怜たちがいると恥ずかしいだけだよ……」

竜華「そもそも、照はどうやってこの部屋に入ったん?」

照「ああ、龍門渕のメイドに頼んでね」

252 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 21:01:07 ID:snACMCeQ

怜「そういやこのホテル、龍門渕のやったね」

照「怜も竜華も関西人だから」

竜華「なんや」

照「落ち込んでたから、笑わせてもらおうかと思って」

怜「また、しょーもない」

竜華「夫婦漫才しかできんで?」

宥「わ~、見せて見せて」

竜華「……冗談や、冗談」

怜「まああれや、うちらも眠たいし」

竜華「そろそろお休みの時間やで」

253 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 21:06:55 ID:snACMCeQ

照「もうこんな時間か」

宥「じゃあ照ちゃん、私の部屋に行こっか」

照「……はいはい」

竜華「おー熱い熱い。今晩は熱帯夜やな」

怜「ほどほどにな」

照「……そっくりそのまま返すよ」

竜華「なっ、なんや」

宥「今晩はお楽しみなんでしょ? 邪魔してごめんね~」

怜「なな、なんのことやら」

照「別に茶化すつもりはないよ。幸せにな」

竜華「余計なお世話や、はよ帰れー!」

254 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 22:19:09 ID:snACMCeQ

………

……

竜華「……怜、どっちのベッド使う?」

怜「ん? どっちも変わらんやん」

竜華「い、いや、テレビに近い方がええとか」

怜「うちはどっちでもええけど」

竜華「そか。……じゃあ、うちは、こっち使うわ」

怜「なんでやねん」

竜華「えっ?」

怜「一緒に寝たらええやん」

竜華「……ええのん?」

怜「なんでここまできて遠慮すんねん……」

255 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 22:23:26 ID:snACMCeQ

竜華「もしかしたら、うちの中の乙女が目覚めたんかもしれん」

怜「乙女やったら遠慮するもんなん?」

竜華「遠慮がちな方がいじらしいやん」

怜「いじらしい方が可愛いとは限らんで」

竜華「む、せやな。失念しとったわ」

怜「……そ、それにやな」

竜華「んー?」

怜「う、う、うちの分まで、積極的になってもらわな、……困るねん」

256 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 22:28:38 ID:snACMCeQ

竜華「怜……」

怜「せやから、……たのむで」

竜華「うん、頼まれた」

怜「……ん。明かり、どないする?」

竜華「怜は、明るくても眠れる?」

怜「まあ、平気やね」

竜華「せやったら、スタンドライトの豆だけつけとこか」

怜「竜華、暗いのダメなん?」

竜華「やー、怜の顔を見てたいもん」

怜「……そか。なら間近で存分に見ると、ええよ」

257 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 22:33:17 ID:snACMCeQ

竜華「ふふ、眠れんかもわからんわ」

怜「それは、……ダメや。ちゃんと眠り」

竜華「なんで?」

怜「うちかて、竜華の寝顔見たいもん」

竜華「なら、怜より早く眠らんとあかんなあ」

怜「……ずっとおしゃべりでも、ええけど」

竜華「怜も欲張りさんやね」

怜「なんでやろ。……いつもよりな、ドキドキすんねん」

竜華「とき……?」

258 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 22:39:56 ID:snACMCeQ

怜「竜華見てるとな、胸のあたりが、変になるねん……」

竜華「うん……」

怜「いつもは、いつもはここまでやないのに……」

竜華「今日はいろんなやつのイチャイチャ見たからなあ……」

怜「……りゅうか、ベッドはいろ」

竜華「うん、……行こか」

怜「手、手つなご」

竜華「うん。ふふ、十分積極的やんか」

怜「竜華からも、その、……触ってや」

259 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 22:44:30 ID:snACMCeQ

竜華「……せやな。うちが、リードしたる」

怜「んっ……」

竜華「……」

怜「押し倒して、それで……?」

竜華「……あかんわ」

怜「竜華?」

竜華「この眺め、あかんわ」

怜「うちも、押さえつけられるの、ええかもしれん……」

竜華「怜、目そらさんで……」

怜「む、ムリや、やっぱ恥ずかしいわ」

竜華「ダーメ。ちゃんとこっち向いてや」

260 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 22:52:35 ID:snACMCeQ

怜「いけず……」

竜華「ふふ、……なあ怜、このままうちが顔を下ろしたら、どうなると思う?」

怜「あたるんちゃう?」

竜華「なにがあたるんやろか」

怜「……おでこ」

竜華「おでこを、あててほしいん?」

怜「うっ……、言わせる気? なんか無性に恥ずかしいわ」

竜華「言うたろ、女には言葉やって」

怜「うちも、女やし……」

261 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 22:56:00 ID:snACMCeQ

竜華「ほしいんならいくらでも言葉にしたるよ」

怜「じゃあ、言うてよ」

竜華「……怜が先や」

怜「あ、なんやかんやで竜華も恥ずかしいんやな」

竜華「……」

怜「……」

竜華「……もーっ、恥ずかしいに決まっとるやん!」

怜「わっ」

竜華「いちいち茶化さんでや、もーっ!」

怜「りゅ、りゅうか、きつい……」

竜華「涙出てきたわーっ!」

262 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 23:02:55 ID:snACMCeQ

怜「あっ、あー、ごめんな竜華」

竜華「……許さへんっ」

怜「んっ、涙、きれいやで」

竜華「舐めんな……」

怜「いやなん?」

竜華「いややない……、けどなんかちゃう」

怜「ああ、……そやったね」

竜華「よいしょっ、と。……質問に答えてや、とき」

怜「……うん」

竜華「どこが、あたるん」

怜「……くちびるや」

竜華「……」

怜「……ん」

263 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 23:36:45 ID:snACMCeQ

竜華「……いかが?」

怜「あー、……うち、もしかしたらMかもわからん」

竜華「またえらいカミングアウトやな」

怜「なんちゅーか、こう……、されるがまま、みたいな?」

竜華「うん」

怜「そういうの、めっちゃええ。……かもしれん」

竜華「うちは、ちょっとやばい」

怜「なにが?」

竜華「言っても引かん?」

怜「もちろんや」

264 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 23:40:20 ID:snACMCeQ

竜華「あー、絶対?」

怜「約束するで」

竜華「……怜の、ことをやな」

怜「う、うん」

竜華「め、……めちゃくちゃにしたいねん」

怜「なっ、なん、どういうこと……?」

竜華「わからん。わからんねんけど、……めちゃくちゃにしたい、感じ」

怜「暴力は、反対やで」

竜華「ちゃうねん。そういうのやなくて、うーん……」

怜「……」

265 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 23:44:40 ID:snACMCeQ

竜華「なんかな、怜が変になっとるところ、見たい、みたいな」

怜「変て……」

竜華「恥ずかしいところも、綺麗なところも、怜の全てが見たい」

怜「なんやこわいわ……」

竜華「こう、少女漫画とかな? そういうシーンあるやん」

怜「ああ、うん」

竜華「怜も、ああいう風になるん……?」

怜「さささ、さあ。したことないし……」

266 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 23:50:55 ID:snACMCeQ

竜華「自分でしたりせえへんの?」

怜「そっ、そんなこと聞かんでよう……」

竜華「教えて。知りたいねん」

怜「あっ、うう」

竜華「おねがい」

怜「……そら、何回かはあるよ」

竜華「どういう風にするのん?」

怜「竜華かてしたことあるやろ!」

竜華「怜のことを聞いとるねん」

怜「堪忍して……」

竜華「かわええなあ。顔真っ赤にして、涙目で」

267 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/17(火) 23:58:10 ID:snACMCeQ

怜「おだてても無駄やで」

竜華「……例えばな、ここを」

怜「ひゃっ! 竜華、あたっとる……」

竜華「ここを、自分で」

怜「膝、んっ、……あたっとるて!」

竜華「……いじったり、するんやろ?」

怜「する、よっ! せやから、膝、こすらんでえ……」

竜華「あかん。どんな風にいじって、どんな気持ちになるん? 誰を思い浮かべながら? 当然うちやんね?」

268 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 00:02:11 ID:jBxm0jYE

怜「いっ、いい加減に……」

竜華「とき、はよ答えて」

怜「しろやあーっ!」

竜華「ぶべっ!?」

怜「……」

竜華「舌、舌かんだ! 痛いやないか!」

怜「やかましい!」

竜華「えーっ!?」

怜「いきなりなに始めんねん、あんたはっ」

竜華「こっちのセリフやで……」

怜「アホ、なんでドSモードになるん!」

269 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 00:05:25 ID:jBxm0jYE

竜華「怜かてドM宣言したやんっ」

怜「ドちゃうわ! かもしれん言うたやろ」

竜華「なにが不満やったん? 怒らんから言うてみ」

怜「なんで自分悪くないみたいな笑顔!?」

竜華「もう、せっかくのってきとったのに……」

怜「あのなあ……、はあ」

竜華「ため息つかんでや」

怜「……は、初めてやで?」

竜華「うん、うちも」

270 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 00:10:39 ID:jBxm0jYE

怜「なんで初体験で、言葉責めやねん……」

竜華「あっ、え、言葉責め?」

怜「言葉責めやん、あんなん」

竜華「やっ、だって言葉がほしいて」

怜「誰も下の話せえとは言うてへんわ」

竜華「あれ、あれれ?」

怜「おまけにちょっとマニアックやし……」

竜華「マニアック?」

怜「なんで、一人でしてること話さなあかんねん……」

271 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 00:13:34 ID:jBxm0jYE

竜華「ん? うちスベった感じ?」

怜「だだスベりや。やっ、ちょっと良かったけどやな……」

竜華「なら、続きする?」

怜「……あかんわ。さっきも言ったけど、初めてなんやから」

竜華「うん」

怜「こう、思い出に残るような、ほら、あれよ」

竜華「うん、わかるよ」

怜「せやから、さっきみたいのはあれやし……」

272 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 00:16:35 ID:jBxm0jYE

竜華「……あー、あかんかったな。たしかに」

怜「竜華が、どうしても言うなら、あれやけど」

竜華「あれあれて……」

怜「どうなん?」

竜華「ん、うちも、悪かったわ」

怜「……」

竜華「慣れてく。かわええ怜見ても暴走せんように」

怜「ん、……なんか、ごめん」

竜華「なんで謝るん?」

怜「うち、わがままやんな」

273 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 00:20:18 ID:jBxm0jYE

竜華「何言っとるん。そんなん全然わがままやないし、わがまま言うても構わんし」

怜「ん……」

竜華「まあでも」

怜「……」

竜華「怜の、未処理のお股も見てみたかったけどな!」

怜「……見る?」

竜華「また爆発してまうで」

怜「抑えてや……」

竜華「怜が可愛すぎるのが悪い」

怜「未処理のまま、残しとくわ」

竜華「あかんやろ!」

274 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 00:23:35 ID:jBxm0jYE

怜「……あっ」

竜華「ん?」

怜「下着、濡れとるわ……」

竜華「わ、……言わんでええて、そういうこと」

怜「ご、ごめん」

竜華「……あっ」

怜「……?」

竜華「うちも、ちょっと濡れとるみたいや」

怜「ふふっ。……着替えよか」

竜華「せやなー。着替えたら、もう寝てしまお」

怜「おしゃべりしようや」

275 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 00:28:17 ID:jBxm0jYE

竜華「腕枕したろか?」

怜「しんどいやろ、ええよ別に」

竜華「なんやな、幸せやん、うちら」

怜「幸せやんな、うちら」

竜華「怜のおかげや」

怜「竜華のおかげや」

竜華「じゃあ、愛の力や」

怜「悪くない」

竜華「よっしゃ、明日は股枕と尻枕を試すでー!」

怜「忘れとったわ……」

竜華「ほんで怜の可愛さに慣れる、うちがんばれ!」

怜「うちも、がんばる」

276 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 10:17:09 ID:ZYgSmUCo

すばら!

277 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 18:15:36 ID:jBxm0jYE

………

咲「あ、淡ちゃん。暑いんだけど……」

淡「じゃあ離れて寝る?」

咲「……このままがいい」

………

霞「ねんねん~♪ ……あら」

小蒔「……」

霞「……寝ちゃったみたいね。ふふ、おやすみなさい。小蒔ちゃん」

………

照「あの、暑いんだけど……」

宥「うん、あったかいねえ」

照「……眠れるかな」

278 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 18:19:53 ID:jBxm0jYE

………

久「あの、暑いんだけど……」

美穂子「どこがですか? お股?」

久「……」

………

衣「うう、暑い。寝苦しいぞ……」

純「はいはい、寝付くまで扇いでやるよ」

衣「うん!」

………

透華「ああ、熱いですわご主人様!」

玄「ふふふ、じゃあもっと熱くしてあげるね……」

透華「ああん!」

………

健夜「……さむい」

279 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 18:30:36 ID:jBxm0jYE

………

洋榎「せやから今年は阪神がくるんやて!」

いちご「絶対カープの優勝じゃもん!」

洋榎「いちごのわからずや!」

いちご「洋榎の方がわからずやじゃ!」

………

塞「雑魚寝はいいね。なんか修学旅行みたい」

胡桃「わくわくするね。ガールズトークでもしようか」

豊音「ガールズトーク! いいねー」

エイスリン「シロ、ネムイ?」

白望「……たまには、付き合うよ」

280 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 18:38:35 ID:jBxm0jYE

………

竜華「……でな、そんときセーラが」

怜「……ん」

竜華「怜?」

怜「あっこの、カーペット」

竜華「あれ、血がついとるなあ」

怜「なんや気味悪いわ」

竜華「だいじょうぶや、うちがついとるからね」

怜「……腕枕して」

竜華「はいはい」

怜「ん。……ふふ」

竜華「どしたん?」

怜「……やっぱり、竜華の枕が一番やで」

竜華「……怜専用やもん。大事にしたってや」

281 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 18:43:08 ID:jBxm0jYE

………

……

……

桃子「たっ、ただいまっす」

ゆみ「おかえり。……って、鼻血でてるぞ?」

桃子「あ、あわわ、鼻が……」

ゆみ「トイレに行く途中でぶつけたのか?」

桃子「やっ、なんでもないっす……」

ゆみ「それならいいが。ほら、ティッシュ」

桃子(……なんであの二人は、トイレであんなことをしてたっすかー!?)

おわり

282 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/07/18(水) 18:44:37 ID:jBxm0jYE

キリがいいので終わり
読んでくれた人と>>1、ありがとう
咲SSもっと増えろー

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