【天江衣SS】ハギヨシ「衣様を騙してニンジン食べさせたらクビにされた」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 17:37:14.80 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ回想

龍門渕家

衣「ハギヨシー!衣はおなかすいたぞ!今日のご飯はなんだ?」

ハギヨシ「はい、衣様。今日はハンバーグでございます」

衣「ハンバーグ!?やったー!食べたい食べたい!」

ハギヨシ「畏まりました。すぐにお持ち致します」

衣「わくわく♪」

ハギヨシ「さあ、どうぞ」

衣「あむあむ…うん!美味しい!」

ハギヨシ「ありがとうございます」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 17:45:26.32 ID:m07Sk/Gw0

衣「ふー。美味しかった。ハギヨシ、ありがとう!」

ハギヨシ「いえいえ…ところで、衣様、またニンジンのグラッセをお召になられておられないようですが…」

衣「ん?ああ、だって美味しくないんだもん」

ハギヨシ「はあ…」

衣「衣はニンジンが嫌いだ!ハギヨシ、もうニンジンは付け合せにも持って来なくていいぞ。勿体無いだけだ」

ハギヨシ「ですが、好き嫌いをなされては、大きくなれませんよ?」

衣「むうううう!でも嫌いなんだもん!」

ハギヨシ「そんな事を申されますと、まるで子供みたいです」

衣「!!」

ハギヨシ「衣様のような立派なレディーならば、ニンジンのような大人の味も、美味しく召し上がれると思うのですが…」

衣「うむむむむ…」

ハギヨシ「さあ、せめて一口だけでも」

衣「うう…うう~…」

衣「…ぱくっ!」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 17:50:27.80 ID:FWTCMIzh0

あんな頭しといてにんじんきらいなのかよ
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 17:50:59.68 ID:m07Sk/Gw0

衣「…もぐもぐ」

衣「…こくん」

ハギヨシ「…如何ですか?」

衣「美味しくない…」ジワッ

ハギヨシ「…左様ですか」

衣「…やっぱり、ニンジンなんか大ッキライだ。このような不愉快な食べ物、衣は金輪際絶対に口にしないからな」

ハギヨシ「…」

衣「…もういい。食器を下げろ。ハギヨシ」

ハギヨシ「…畏まりました」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 17:58:04.01 ID:h22HTLn20

ハギヨシが咲の世界で最強な気がする
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 17:59:46.97 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「…ふう。困りました。衣様は好き嫌いが余りにも多い」

ハギヨシ「ニンジン、ピーマン、しいたけ、セロリ…ワカメに、ワカメ…このままでは、大人になられた時苦労されるでしょう」

ハギヨシ「なんとか少しずつでも好き嫌いを克服して行って戴かなくては」

ハギヨシ「…」

ハギヨシ「…そうだ。ニンジンでパンケーキなど作ってみてはどうだろうか」

ハギヨシ「ヨーグルトとすり下ろしたニンジンを混ぜて、衣様が好きな素朴な感じのホットケーキを作ろう」

ハギヨシ「生クリームとイチゴをトッピングして、ついでにオレンジジュースを用意して…」

ハギヨシ「一やメイド達にも一緒に食べて貰おう。彼女らに休憩時間を与えて、その分の仕事は私がやっておこう」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:09:06.31 ID:m07Sk/Gw0

衣「ハギヨシがみんなにケーキを?」

一「うん、そうなんだよ。しかも今日は特別って、僕達にも休憩をくれて、衣と一緒に食べるようにって」

透華「どうせみんなで食べるなら一も友人として…と、珍しくハギヨシが一達にタメ口を使う許可をくれたのですわ」

衣「おお!そうなのか!?」

純「俺らもお呼ばれしてきたぜ」

智樹「みんなで、ケーキ…」

衣「おお!純と智樹も来たのか!」

純「ついでにケーキ運びさせられたけどな。萩原さん、意外と人使い荒い…」

智樹「これ、みんなの分」スッ

衣「わあああ!」

透華「まあ、美味しそう…」

一「さすがハギヨシさん。そこらのパティシエ真っ青だ…盛り付けまで完璧」

純「これ、テレビでやってる銀座の超一流店のスイーツって言われても信じるぞ…」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:16:07.93 ID:m07Sk/Gw0

衣「早く食べたい!」

透華「そうですわね。それでは、私が皆を代表して、いただきますを…コホン」

透華「いただきます!」

「「「「「いただきます!」」」」」

ワイワイガヤガヤ

一「うわあああ!なにこれ、ふわっふわのあまーい生クリームとイチゴの優しい酸味が絡み合って、超美味しい!」

智樹「自然な甘みのパンケーキも素晴らしい」

純「はぐはぐはぐ!」

透華「純、はしたないですわよ。そんなにガッツイて食べなくても、まだおかわりは沢山あるみたいですから…」

純「その沢山を食うために急ぐ!」ガツガツ

透華「…呆れた」

一「はは。でも、気持ちも少しわかるなぁ。こんなに美味しいし。…ね?衣!」

衣「うん!美味しい!」
25 : 忍法帖【Lv=27,xxxPT】 2012/07/06(金) 18:18:56.50 ID:KSbQovQy0

ほほえましい・・・だがしかし・・・
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:22:27.84 ID:5pLI4wda0

だがしかし・・・智紀さんかわいそう・・・
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:24:25.92 ID:m07Sk/Gw0

智樹「…口、クリーム付いてる」フキフキ

衣「むぐぐ…」

一「あはは。それにしても美味しいなぁ」

透華「全くですわ。特にこのパンケーキ。これだけ高級感溢れるのに、どこか素朴で、不思議と懐かしい味…」

純「おっしゃ!俺、おかわり一番乗り!」

衣「あー!純いいな!衣もおかわりしたい!」

一「あ、そうか。透華や衣はお嬢様だからこういうのが逆に新鮮なのか」

智樹「ハギヨシさん、わかってるね」

一「うん。これはハギヨシさんの作戦勝ちかな」

衣「…ん?」

智樹「ふふ。確かに」

衣「?なんだ?二人とも。作戦?ハギヨシがどうかしたか?」

一「ふふふふふ」

透華・衣「?」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:31:22.15 ID:m07Sk/Gw0

衣「なんで笑うんだ?一…」

一「あはは。だってさ。衣がそんなに美味しそうに食べるもんだから」

衣「?だって美味しいし…え?え?」

智紀「…衣、ニンジンって好きだっけ?」

衣「?…いや、大ッキライだけど…」

一「あははははは!」

衣「え?え?え?」オロオロ

透華「な、なんですの?じ、事情を説明なさい!」

智紀「…このパンケーキ、ニンジンが練り込んである」

衣「…」

透華「…まあ!」

智紀「大方、衣がニンジンをどうしても食べないから、なんとか食べさせようと知恵を絞ったのかな」

一「やー、さすが萩原さん!あのニンジン嫌いの衣がこうも美味しそうにニンジン食べてるなんて!」

衣「…ハギヨシめ」
指摘すまん。ありがとな
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:32:10.86 ID:OyQXJajRO

ハギヨシさんの安心感
ハギヨシさんなら好きなの選んでおk
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:34:47.95 ID:m07Sk/Gw0

透華「成る程…驚きましたわ。流石ハギヨシ。衣も一本取られましたわね?」

衣「…」

一「まあ、良かったね?衣。これで一個好き嫌いが無くなって…」

衣「…ハギヨシ!誰か、ハギヨシを呼んで来い!!」

一「…衣?」

透華「衣。何をする気ですの?」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:43:20.22 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「遅くなりました。衣様」

衣「…遅い!ハギヨシ貴様、私が呼んでから7秒も待たせたな!?」

一「7秒って…」

智紀「…調理場の片付けしてて遅れたんだって…」ヒソヒソ

ハギヨシ「申し訳ございません」

衣「黙れ!主人の呼びつけに直様反応せぬとは、なんたる怠慢!挙句に主人に無断でニンジンを盛るとは!よくも奸佞邪智を巡らせたものよ!」

ハギヨシ「…お気に召しませんでしたか」

純「いや、俺とおかわりしまくってたけど」

衣「五月蝿い純!」

純「はぁ…」

衣「よもや飼い犬に手を噛まれるとは思わなんだ。貴様のような召使は要らぬ!早々にこの屋敷から出ていけ!!」

透華「ちょ、こ、衣!?なにを言ってますの!?」

一「衣、それはやり過ぎ…」

衣「早く!早くでてけーーーーー!」

ハギヨシ「…」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:46:35.74 ID:LYpLyo0/0

ニンジン盛られたくらいでブチギレする衣ちゃん可愛すぎワロタ
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:48:31.22 ID:J3JCkm8p0

甘え子どもかわいい
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 18:53:54.17 ID:m07Sk/Gw0

純「おいおい、穏やかじゃないな。別にいいじゃんか、さっきまで嫌いだったニンジンをあんだけ美味い美味いって食えたんだから」

衣「そういう問題じゃ無い!衣が嫌だって言ってるのに、ハギヨシは私を騙してニンジンを食べさせたんだ!これが許せるものか!!」

智紀「こ、衣…落ち着いて…」

衣「お前なんかクビだ!クビーーー!出てけ出てけ出てけーーーーー!うええええええええええええん!!」

ハギヨシ「…畏まりました」

透華「ハギヨシ!」

ハギヨシ「…透華お嬢様。お嬢様より仰せつかった衣様のお世話の任。このような形で終わりにする非礼をどうぞお許し下さい」

透華「な…何言ってますの…?」

ハギヨシ「衣様に必要とされなくなったと言う事は、透華お嬢様の期待に沿う事が出来なかったという事。ならば、このままお嬢様、そして旦那様の下に留まる価値などもはや私には存在致しません」

透華「ハギヨシ…そ、そんな事…」

ハギヨシ「ありがとうございます。お嬢様にそう言って戴けただけで、私はこの龍門渕家に仕えて来た事を喜びに思うことができます。透華お嬢様、衣様。そして皆様、どうか末永くお幸せに…」

透華「ちょっと…ま、待って…」

ハギヨシ「それでは」スッ

透華「ハ、ハギヨシ!!待ちなさい!!」

透華「…行ってしまいましたわ」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:01:17.41 ID:m07Sk/Gw0

衣「べーーーーだ!ハギヨシなんか大ッキライだ!ふんっ!」

純「衣ー。お前、あんなくだらない理由で荻原さん追い出して良かったのかよ」

衣「あんな奴居なくったって、仔細無い!」

一「あわわわわわ…」

智紀「一?どうしたの」

一「は、萩原が居なくなったら、その分のお仕事が僕達に…マズい、過労死者が出る…」ガタガタ

透華「…はぁ」

衣「ハギヨシのぶぁあああああああああああかあああああああああああああああ!!!」

回想終わり
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:07:05.25 ID:kcwGa00C0

龍門淵家の居候だった気がするけど態度でかっすね天江さん
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:10:43.39 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「…はぁ。私も、馬鹿な事をしたものです」

ハギヨシ「無断で衣様に嫌いなものを食べさせるなど…何度も料理を残されて、少々頭にきていたのかもしれませんが」

ハギヨシ「だからと言って、あのような行為が許される訳でもありません。私が大人気なかったですね」

ハギヨシ「ただ、あのような状況であれだけ憤慨して私に罵声を浴びせてくるとは思わなかった。…屋敷の人間に対する衣様への心象が心配です」

ハギヨシ「国広さんに連絡して、どうか衣様の立場が悪くならないように立ち振る舞って欲しいと頼んでおいたはいいですが…」

ハギヨシ「…どうも、私の目の届かない場所に居られると思うと、不安で仕方ありません」

ハギヨシ「…はぁ」

ハギヨシ「…こうしていても仕方ありませんね。ハローワークに行きましょうか」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:13:18.79 ID:J3JCkm8p0

ハギヨシの口からハロワわろたwww
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:27:52.15 ID:m07Sk/Gw0

ハローワーク

ハギヨシ(再就職先は…)カタカタ

ハギヨシ(…と言っても、私には龍門渕家での執事以外の経験などありません。果たしてこの就職難の時代に良い就職先が見つかるものか…)

ハギヨシ(この企業は…英検2級以上必須ですか…資格は持っていませんね。それに英独仏蘭中国比馬の日常会話辺りなら簡単ですし、競争相手が多そうです)

ハギヨシ(この東証一部の企業は…ああ、よく見たらこの企業のグループは龍門渕家の出資してる企業とライバル企業じゃないですか。透華お嬢様達と敵対するだの論外です)

ハギヨシ(かと言って、ここで龍門渕グループの企業に入るのも、執事を辞めておいてなんだと旦那様に不快な想いをさせる可能性があるし…)

ハギヨシ(しかし、そうなると…長野ではかなり就職先が限られてきますね)

ハギヨシ(…ん?)

ハギヨシ(用務員募集。仕事内容:雑用全般?)

ハギヨシ(…公務員ですか)

ハギヨシ(…競争率は高そうですが、駄目元で連絡してみましょうか)
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:32:24.93 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ(数ヶ月の契約社員ではありますが、能力次第では延長も有り…ふむ)

ハギヨシ(雑事なら経験もあります。0からのスタートよりは気も楽でしょうし…)

ハギヨシ(…よし。決めました)スッ

ハギヨシ「もしもし。>>104高校様でしょうか…」
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:33:30.14 ID:7WKWzgpq0

清澄
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:34:11.91 ID:Dcv73n5P0

ここで清澄にしなきゃ京ちゃんと接点できないしな。
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:41:45.63 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ(…そして、書類選考、適性試験、面接、とトントン拍子に進み…)

ハギヨシ(気付けば採用通知が着ていました)

ハギヨシ(初日、職員の方々への挨拶も終わり…)

ハギヨシ「最初の仕事は、旧校舎の掃除…がてらの老朽に伴う危険箇所の確認と、可能なら整備…と」

ハギヨシ(成る程。前任の用務員が歳で、こちらの整備まで手が回らなかったのか)

ハギヨシ(聞けば、こちらで活動をされている部活もあるそうですからね。危険防止のためにも、すぐに行動を始めましょう)
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:52:23.75 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「それにしても、助かりました。旧校舎の傍の宿舎で住み込みで働けるとは」

ハギヨシ「龍門渕家を出てからは、ホテル暮らしでしたからね。貯金は有ったのでお金の問題は皆無でしたが、何しろ味気ない」

ハギヨシ「料理も部屋のメイキングも酷いものでした。やはり自炊できなくては」

ハギヨシ「おっと、早速階段の腐食を発見」

ハギヨシ「後日資材を取り寄せて、直しておきましょう。このくらいなら、新しく購入するのは木板が2枚で十分そうですね」

ハギヨシ「一応、トラロープで囲っておきましょう。危険ですからね」

ハギヨシ「おや、ここも腐食。危険ですね。これくらいなら今の手持ちでも直せそうです。すぐに直してしまいましょう」

ハギヨシ「…」

ハギヨシ「ふう…この辺はこれくらいでしょうか。あとは、最上階に…」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 19:59:45.10 ID:kcwGa00C0

気が付いたら旧校舎を建て直してるハギヨシさん
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:00:49.09 ID:uobAKz3i0

この後は京ちゃんのおしりに空いた穴を修理するんですかね
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:00:58.06 ID:m07Sk/Gw0

その頃、麻雀部では

久「みんな!おっつかれー!」ガチャッ

まこ「おお、お疲れさん」

和「部長、お疲れ様です」

優希「おっつー。だじぇ」

咲「あ。お疲れ様です」パタン

久「あれ…須賀君は?」

咲「京ちゃんなら、買い出しに行ってもらってます」

久「あ、そう」

咲「はい」
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:12:04.04 ID:m07Sk/Gw0

久「ところでさ、みんな。さっき旧校舎上がってくる時に違和感感じたんだけど、なんか変じゃなかった?」

咲「変?なにがですか?」

久「いや、なんかさ。いっつもかび臭かった筈のこの校舎が、なんかちょっと新築の匂いするっていうか…なんかよくわからないんだけど」

まこ「う~ん…確かに、今日はいつもより校舎全体が明るかった気もするし、ゴミも無かった気はするのう」

和「そういえば、私も階段上がってくる時に、腐食していて、いつも避けていた部分に、ロープが張ってあって、しかも綺麗な板で上を塞がれてるのを見ました」

優希「私は、壁に入ったヒビが綺麗に直されてるのを見たじょ。…毎日増えてくから、その数数える遊びやってたのに。くそう」

和「何が起こってるんでしょう…」

咲「う~ん…」

久「…あっ。もしかして」

咲「?」

和「何か心当たりでも?」

久「この間議題に上ってたんだけど、確か、今日新しい用務員さんが来るって」

まこ「用務員って…たった一日で用務員一人にそこまで出来るもんかい」

和「そうですよ。あれはどう見てもプロの業者に任せたって感じでしたし、もしかしたら本格的な整備工事でもする事になったんじゃ…」
146 : 忍法帖【Lv=28,xxxPT】 2012/07/06(金) 20:17:03.94 ID:KSbQovQy0

まぁプロみたいなもんだしな
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:21:09.24 ID:m07Sk/Gw0

久「それこそ聞いてないわよ私」

まこ「そりゃそうじゃろうのう」

和「それなら一体何が…」
ハギヨシ「…ふう。モルタル壁の修復も完了ですね。…まったく、こんなにヘアクラックを残していくなんて、なんて業者なんでしょうか。予めホームセンターで補修用モルタルを買っておいて良かった」

ハギヨシ「さあ、あとは今度こそ最上階ですね」

ハギヨシ「…確か、事前に職員室で渡された地図によると、この先のベランダも老朽化が懸念されるとの事でしたか」

ハギヨシ「さあ、それでは早く済ませてしまいましょう…」ガチャッ
久「あ、須賀君帰ってきたのかしら?おかえりー…って…あら?」

和「…へ?」

まこ「…んん?」

優希「あっ!この人見たことあるじょ!えーっと…あの~…」

咲「っ!!ハ、ハギヨシさん!!!?」ガタッ

ハギヨシ「…おや、これはこれは…こちらは麻雀部の皆さんの部室でしたか」
158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:35:21.91 ID:m07Sk/Gw0

久「…ああ。ハギヨシさん…って、確か…その~…あれ、聞いた覚えはあるんだけど…」

まこ「なんじゃったっけ」

咲「覚えてないんですか!?ハギヨシさんって言ったら、龍門渕の衣ちゃんのお付きの執事さんで、家事万能素敵滅法超有能パーフェクト執事さんじゃないですか!」

和「ああ。そういえば以前何度かお会いしたことがありましたね」

久「何かうちに御用でも?」

優希「龍門渕からの果たし状とかか?」

ハギヨシ「ああ、いえ。そういったものではございません。それに、私はすでに龍門渕の執事ではございませんので…」

咲「ええ!なんでですか!?」

ハギヨシ「実は私のミスで、衣様に粗相を働いてしまいまして。お怒りを買い、首を申しつかった次第です。本日からは、この清澄高校の用務員としてお仕事をさせていただく事となり…」

久「そうだったのね…」

ハギヨシ「部活動中に申し訳ございませんでした。一応、ベランダの老朽化の補修確認が必要ですので、皆様の部活動が終わり次第、そちらの方を行わせ戴いてもよろしいでしょうか」

久「ああ。それは助かります。この間も外で暴れてた優希が危うく落下しそうになって…ね?」

優希「あの時は本気で死ぬかと思ったじぇ…」

和「子供じゃないんだから、あんな所ではしゃいでちゃ駄目です!」
159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:36:51.16 ID:A+6ks4Cc0

なぜだろう?
咲から腐った匂いがするんだが……
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:40:18.95 ID:h22HTLn20

咲ちゃん文学少女だしな……
164 : 忍法帖【Lv=28,xxxPT】 2012/07/06(金) 20:41:24.31 ID:KSbQovQy0

この咲さんはかわいい
167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:42:38.54 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「ふふ…では、落下防止の何かアイディアも考えておきましょう。それではまた後で…」

久「あら、もう帰っちゃうの?」

ハギヨシ「ええ。皆様のご迷惑になりますので…」

咲「ちょ、ちょと待って下さい!!」

ハギヨシ「…宮永様?」

咲「わ、私達は全然気にしないので、ハギヨシさん、どうかゆっくりしていって下さい!」

ハギヨシ「はぁ…」

咲「ほら、ちょうどそこに空いてる椅子もありますし、お茶菓子も…あ、そ、そうだ!お茶!お茶淹れますね私!」

ハギヨシ「あの…」

優希「…咲ちゃん?なんか、随分と積極的な…」

和(まさか、咲さんハギヨシさんの事…?)

咲「ほらほら!座って下さい!さ!どうぞ!」

ハギヨシ「あ、あの…私、これでも仕事中ですので…」

咲「なら、ベランダの確認したらでいいんで!もうちょっとだけ!もうちょっとだけでいいんで!」
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:46:12.06 ID:Z8LUbvQN0

腐の咲は輝いているなwww鈍く
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:51:53.06 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「わ、わかりました。どうせ此処の確認が終われば今日は直帰の予定でしたので…少しだけお邪魔させて戴きましょう」

咲「やったぁ!」

ハギヨシ「で、では私はベランダへ行きますので…」

和「さ、咲さん…なんかいつもと違いませんか?」

優希「こんな強引な咲ちゃんは初めて見たじょ…」

久「何企んでんだか」

まこ「うむむ…」

京太郎「ちーっす。タコス買ってきたぞ~」ガチャッ

優希「おお。京太郎、ごくろ…」

咲「おかえり京ちゃん!待ってたよ京ちゃん!!ナイスタイミングだよ京ちゃん!!!ありがとう京ちゃん!!!!」

京太郎「おわああああああ!!?」

優希「おうふ…」

和「さ、咲…さん…?」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 20:53:03.10 ID:Z+Mu8iSb0

嶺上開花!(腐)
191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 21:02:06.80 ID:m07Sk/Gw0

京太郎「ど、どうしたんだよ咲…そんな嬉しそうな顔して…言っておくけど、タコスは一個しか買ってきてないぞ?」

優希「咲ちゃん!タコスは私のものだじぇ…?」

咲「ううん。いいの!私は京ちゃんが来てくれた事が嬉しいから!他には何も要らないの!」

京太郎「は、はぁ…」

京太郎(なんだろう。普通そんな事言われたら嬉しいはずなのに、なんか、とてつもなく嫌な予感がする…)

和(咲さんがあんなに嬉しそうに駆け寄ったのに、須賀君が複雑そうな顔をしています…)

久(…なんか、面白い展開になりそう)ニヤニヤ

まこ(なんか面倒くさい展開になりそうじゃのう…はぁ)
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 21:05:13.50 ID:0G1N0Ejb0

腐部屋のチャットが捗るな
196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 21:09:48.06 ID:0hbfYuJDO

腐部屋とかあきらかにあのSSじゃないか(義憤)
↓↓↓
透華「ハギヨシ、この男に種付けなさい」
198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 21:12:30.84 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「ベランダの補修確認終わりました。幾つか腐っている部分がありますので、後日資材を手配して直します」

久「えっ!もう終わったの!?」

まこ「早過ぎじゃ!」

和「うわ…本当だ。トラロープで危なそうな場所が全て囲われてます」

優希「おお、しかも転落防止用の手すりの設置予定位置図がクレヨンで書かれてるじょ!」

ハギヨシ「クレヨンなら雨が降っても簡単には流れ落ちないので」

優希「ほう」

京太郎「あれ、ハギヨシさんだ」

咲「!!」

ハギヨシ「おや、須賀君」

咲「!!」

京太郎「久しぶりですねー。この間の合同合宿の時期に、一緒にネトマして以来?」

ハギヨシ「そうですね。それ以来でしょうか」

咲「っ!!っ!!~~~~~~っ!!」ドタドタ

京太郎「お前はそんなとこで暴れてないでちょっと落ち着け」ペチッ
209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 21:26:24.53 ID:m07Sk/Gw0

咲「いたい…」ジンジン

和「大丈夫ですか?咲さん」ナデナデ

咲「うん…」

久「あら、お二人はもしかして結構面識有り?」

京太郎「ああ。知り合いって言うか…まあ、ちょっとした友人と言いますか…」

咲(おホモだち(幻聴)!?)

ハギヨシ「そうですね。お互い、同じ部の雑用係をこなす者としてのシンパシーのようなものがあると言いましょうか…」

咲(雑用係→なんでもする→「ん?今なんでもするって言ったよね?(脅迫)」→□○△!!?!?!?)

京太郎「たまに料理のレシピとか、掃除のコツ教えてもらったりもしますね」

ハギヨシ「そうですね。彼は結構筋が良いんですよ」

咲(筋が良い(意味深)!!?)

久「へー。そうだったんだ」

京太郎「って言うか、なんでハギヨシさんがこんなとこに?第一、いつもの燕尾服じゃなくて普通のワイシャツだし…」

咲(燕尾服を脱いで裸ワイシャツ!!!!?(嶺上開花ツモ!!!))

京太郎「?」ゾクゾクッ
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 21:27:54.44 ID:A+6ks4Cc0

暴走しすぎww
233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 21:38:03.47 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「ああ、実はですね。斯斯然然な理由がありまして…」

京太郎「へえ…って、ハギヨシさんクビにって、ひっでーなそれ。つうか、大丈夫なのか?龍門渕」

ハギヨシ「私一人居なくても、なんとかなりますよ。それに、悪いのは私ですしね」

京太郎「ふーん…」

咲(ああ、良い…!理不尽な理由で解雇されたハギヨシさんの境遇に義憤を燃やす京ちゃん…!!やがてそれは愛に変わり、二人は結ばれる…)

咲(全国行ったらノートは流石に持っていけないんで、妄想どうしようかと思ってたけど…まさかこんな…こんなご褒美があるとは…!!)

優希「なーなー京太郎!料理のレシピって、どんなだ?」

京太郎「え゙っ!!」

ハギヨシ「ああ、それはですね…タコスですよ」

優希「!!」

京太郎「ちょ!?ハ、ハギヨシさん!それ言っちゃ…!」

ハギヨシ「ふふふ。おや、いけませんでしたか?」

京太郎「だ、だって…!その…ほらっ!」チラッ

優希「え…?な、なんでタコス…の、レシピなんて…」

京太郎「…ぐう」
237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 21:39:38.96 ID:h4wFQYV50

完全にカンちゃんじゃねーか!
247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 21:47:09.87 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「それは簡単ですよ、片岡様…と、いけませんね。未だ執事の様な気分でいる。片岡さん」

優希「…え?」

ハギヨシ「須賀君の話によると、貴女は確か、タコスを食べると麻雀もパワーアップされるとか」

優希「う、うん。そうだじょ…」

ハギヨシ「須賀君、言っていましたよ。だから、自分がタコスを作れるようになって、いつでも貴女にタコスを食べさせてあげられるようになったら、きっと全国で勝てる可能性を少しでも上げられるんじゃないか、と」

優希「…え?」

ハギヨシ「麻雀も下手だし、性別も違う俺がみんなの力になれるのは、このぐらいの事だから…と」

優希「きょ、きょうたろー…」

和「…見直しました。…す、少しだけですよ!」

久「へえ…裏でそんな事…ふふふ。可愛い奴め」

まこ「ほんに、私等はいい後輩に恵まれたの。なあ?」

久「ええ」

京太郎「ほ、ほら…みんなが生暖かい目でこっち見てるじゃん」

ハギヨシ「おやおや。すみません須賀君」クスクス

京太郎「わざとだ。絶対わざとだ…」
260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 21:55:17.79 ID:m07Sk/Gw0

まこ「安心せい。お前さんは十分麻雀部の力になっておるよ」バシバシ

京太郎「いてて…あ、ありがとうございます…」

咲「…」

久「あはは!照れるな照れるな」ナデナデ

京太郎「うう…頭撫でられて嬉しいような複雑なような…」

咲「…」

和「そ、そうやって部の事を気にしてくれてる須賀君は、その、凄く立派だと思います。…麻雀の方は、後々一緒に覚えて行けば…その…いいのでは無いかと…」

咲「…」

優希「なー京太郎!」

京太郎「ん?」

優希「折角レシピ覚えたんなら、お前のタコス食わせろ!」

咲「………!」
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 22:00:54.48 ID:qYmFvXpq0

お前のタコス?(意味深)
267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 22:04:19.05 ID:m07Sk/Gw0

京太郎「む、無茶言うな!」

優希「むう?何故だ?」

京太郎「だってまだ習ってる最中だし、食材だって学校にはねえよ!」

優希「おう…言われてみれば確かに…」

京太郎「だから、それはまた今度、全国でだな…」

優希「けど、タコスの話してたらタコス食べたくなってきちゃったじょ…」

京太郎「お前なぁ…」

ハギヨシ「いいじゃないですか。作ってあげれば」

京太郎「ハギヨシさん?」

咲「!!」

ハギヨシ「旧校舎のすぐ目の前に、私の今住んでいる宿舎が有るのですが」

京太郎「はあ…」

ハギヨシ「タコスを作るくらいの食材と設備なら、十分ありますよ」

優希「!!」

咲「!!!!!!!!!」
270 : 忍法帖【Lv=28,xxxPT】 2012/07/06(金) 22:05:14.34 ID:KSbQovQy0

咲さんはどっちの意味で驚愕してるのだろうか
280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 22:15:51.03 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「はは。まだ家具も何も無い家ですし。それに、しばらく自分で料理をしていませんでしたので。腕が落ちないよう食材だけは先に揃えておいたんですよ」

京太郎「いやいや、だから、まだレシピがうろ覚えだし…」

ハギヨシ「私が補助をしますよ。須賀君一人の力で作ったものは、それこそ全国大会のお楽しみという事で…」

京太郎「それに、急にお邪魔するのも悪いんじゃ…」

ハギヨシ「何も無いと言ったでしょう?今広げてある荷物は、精々布団くらいです」

京太郎「…じゃあ、うーん…いいですか?」

ハギヨシ「ええ。私も今日の分のお仕事は終わっておりますし」

優希「なんか、悪いな」

ハギヨシ「ふふ。須賀君の料理は、私でも美味しいと思うくらいです。期待していて良いですよ」

優希「おおー!楽しみだじょ」

京太郎「それじゃあ、部活終わった後で…」

ハギヨシ「ええ。構いません」

咲(優希ちゃん!グッジョブ!!)

久「…」ニヤニヤ

まこ(あ、いかん。この部長なんか悪い事考えとる)
288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 22:28:29.82 ID:m07Sk/Gw0

久「…いいなー。私もハギヨシさんと須賀君の作ったタコス食べてみたいなー!」

咲「ファッ!?」

優希「じょっ!?」

久「だって、優希だけ美味しいもの食べるのって、ズルくないー?」

まこ「お前さんって奴は…はぁ~」

久「ハギヨシさんの料理はすっごい美味しいって、前に透華から聞いたわよ?ね?和とまこも食べてみたいと思わない?」

和「えっ!わ、私は、その…た、確かにお腹は空いてますけど…」モジモジ

まこ「ったくこいつはもう…」ブツブツ

久「って訳だ!部活終わったら、みんなでハギヨシさんちに遊びに行かない?」

優希「!!?」

咲「えええ!?」

咲(せ、せっかく二人っきりでお料理なんて美味しいシチュエーションが!!)

久「ん?嫌?咲」

咲「えっと…」

咲(…あ、でもよくよく考えてみたら、ハギヨシさんの家がどんなところか分かったほうが妄想も捗るような…)
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 22:31:17.11 ID:4DkYMDnj0

流石腐はプラス思考
297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 22:40:51.63 ID:m07Sk/Gw0

和「ぶ、部長。それはちょっと…この大人数でいきなり押しかけるのはどうかと…」

久「そうかな?ね、駄目?ハギヨシさーん」

ハギヨシ「別に私は構いませんが…皆さんは大丈夫ですか?そういえば片岡さんもそうですが、おうちの夕飯などは」

久「あー大丈夫大丈夫!ちょっと位遅くなったってなんにも無いわよ、私の家は。どうせ帰っても片親だし、誰もいないし」ケラケラ

ハギヨシ「…それは失礼なことを」

久「いいっていいって!それよりみんなは?」

優希「私はタコスは別腹だじょ」

まこ「わしもタコス一個くらいなら。今日は別にバイトの子入ってる日じゃしの」

和「わ、私も…是非!」

和(みんなで男の人の家に寄り道して間食だなんて、不良になったみたいでドキドキします…!どうですか、私のこのワイルドっぷり!格好良い!)

咲「じゃ、じゃあ私も…」

ハギヨシ「畏まりました。それでは、部活終了後、みなさんでどうぞ」

久「いえーー!!」
326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 23:47:09.33 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ宅

ハギヨシ「どうぞ皆さん。何も無い部屋ですが…」

久「お邪魔しまーすっ!」

ハギヨシ「さて、皆さん、それではお茶でもどうぞ…暑かったでしょう?冷蔵庫に水出しのお茶がありますのでどうぞ」

咲「あ、ありがとうございます…」

まこ「助かります」

和「いただきます…」

優希「京太郎!さあ、早く作れ!」

京太郎「わーかったから、お前はちょっと落ち着けって…って、うわ、すげえ。結構立派…」

和「こくこく…」

ハギヨシ「はは。本来は一人暮らしの教師用にと建てられた物らしいのですが、今は皆さん、結婚されているか実家暮らしで別のところに住まわれてるそうで」

和「美味しい。緑茶ってうちでは余り飲まないけど、こんな飲み方もあるんですね…」
333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/06(金) 23:54:39.12 ID:m07Sk/Gw0

ハギヨシ「ふふ。気に入りましたか?」

和「あ、はい。…あの、お、お茶のおかわり頂いても…」

ハギヨシ「ええ、どうぞ好きなだけ」

和「それでは失礼して…」トクトク

優希「ふふふ。のどちゃん欲張りだじょ!」

和「ゆ、優希!!」

久「まあまあ」

まこ「へえ。それじゃあ、何棟かある部屋で、住んでるのは…」

ハギヨシ「ええ。私だけです」

和「それって、少し寂しいですね…こくこく」

久「ふふ。それじゃあ、誰の目も気にせずに人を連れ込めるわね?」

和「ぶうううううっ!?」

咲「!!」

まこ「お前は何を言うとるんじゃ…」

咲(部長ぉおおおおおおお!流石部長です!!!流石部長です!!尊敬してます!!そんな聞き辛い事をあっさり言う部長!!!やっぱり格好良いです!!!!うわああああああああ!!!!)
345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 00:03:46.29 ID:HOq+BSMN0

優希「うわ…和ちゃん汚い…」

和「す、すみません!すみません!すぐに床を拭きますから!」

ハギヨシ「あ、いえ。お気になさらず。フローリングですので」

和「す、すぐ拭きますから!急いで拭きますから!えっと、ハンカチハンカチ…」

ハギヨシ「ああ、そんな品の良いハンカチで拭いては勿体有りません。今キッチンからタオルを持ってきますので…」

和「あわわわわわ」

まこ「ええい、落ち着かんか和!!」

久「あははははは!!まさか和がこのタイミングで吹き出すとは。あははははは!!」

まこ「お前って奴は~~~!!」

咲「そうだ!今のうちにハギヨシさんの家をキチンと細部まで記憶しておかないと!」キョロキョロ

京太郎「何やってるんだ?咲」

ハギヨシ「タオル持って来ましたよ」

和「わ、わわわわわ私が拭きますすすすすす!!」
347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 00:04:39.43 ID:zUtIHmyv0

>咲「そうだ!今のうちにハギヨシさんの家をキチンと細部まで記憶しておかないと!」

声に出しちゃってるじゃねーかwwwwwwww
350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 00:14:02.13 ID:HOq+BSMN0

優希「落ち着いた?のどちゃん」

まこ「まあ、気にすんなや」

和「…お騒がせしました」ペッコリン

咲(あ、今の和ちゃんの謝り方可愛い。今度真似しよう)

久「あははははは!」

まこ「お前は反省せいよ!…ったく」

ハギヨシ「さて、それでは、須賀君。あまり遅くならないうちに」

京太郎「ああ、そうっスね」

咲(…!!オッスオッス口調、アザッス京ちゃん!!)

ハギヨシ「それでは、私達は調理を始めますので、みなさんはこちらでお寛ぎ下さい。…何もありませんが」

久「どもー。…つってもテーブルあるし、みんなでトランプでもしてようか」

まこ「すみません。何から何まで」

優希「待ってるじょ!」

和「…も、もう一杯お茶…いただきます…」ゴニョゴニョ

優希「…のどちゃん」
357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 00:26:38.49 ID:HOq+BSMN0

調理サイド

ハギヨシ「さて。それではまずは生地ですが…流石にトルティーヤ用のトウモロコシはありませんので、小麦粉で…」

京太郎「具材は何にします?」

ハギヨシ「ああ。あまりお待たせするのも悪いですし、折角ですので自分で巻いて食べて戴く手巻き寿司形式で行こうと思います」

京太郎「成る程。そりゃあいい。こっちも楽だしてっとり早い」

ハギヨシ「牛肉を圧力鍋で煮込んで、ジャガイモと卵を茹でておいてもらえますか?それが終わったら、野菜を切って、あとアボカドをディップにしておいて」

ハギヨシ「私は鶏肉・魚のフライを作ります。それと、サスサソースの準備も」

京太郎「へーい」

ハギヨシ「ついでに何品か付け合せも作っておきましょう」
363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 00:35:23.72 ID:HOq+BSMN0

トランプサイド

まこ「はい、またわしの勝ちじゃ」

久「んあーーーーー!負けた―!!」ドサッ

優希「まこ先輩強すぎだじょ~…」

咲「神経衰弱…お姉ちゃんには負けたことなかったのに…」ボソッ

咲(それに、京ちゃん達の方が気になって集中できないし…)

和「ううう…わ、私が手も足も出ないなんて」

まこ「記憶力には自身あるんじゃ。これでわしの5連勝。手応えもないのう」

和「くううう~!そ、それじゃあ、次はババ抜きです!今度こそ勝って見せます!」

まこ「受けて立ったるわい!」

優希「今度こそ勝つ!」

咲「わ、私も頑張る!」

久「…」

まこ「…って、おい、久。部長。何ぶっ倒れたま寝っころがっとんねん」

久「ん~。あまりに勝てなくてめげた。ちょっと休憩~」ノビー
371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 00:45:26.66 ID:HOq+BSMN0

まこ「お前、ここが人の家だってわかっとんのか・・・」ハァ

久「んあ~…涼しくて気持ちいいわ~」ピッピッ

まこ「しかも今、勝手にエアコンの温度下げよった!」

久「大丈夫よ~。多分ー」ゴロゴロー

まこ「あ、挙句にリモコン持って逃げた!なんじゃ、ババだから抜けたのかい!」

久「なんだとぅ!このワカメ!酢の物にするぞ!」

まこ「くっ…挑発しても言い返すだけで戻ってこん…」

和「染谷先輩、それより早くやりましょう!今度こそ私が勝つんですから!」

まこ「…はぁ。ま、仕方ないわい。ハギヨシさんにはわしから謝っとくわ。どうせあの人のじゃから、気ぃ良く許してくれそうでもあるが」

咲(今頃二人、何やってるんだろう…)ドッキドッキ

優希「タッコスータッコスー♪おっ。今、微かにチリソースの香りがしたじょ。それとこの音は…むっ。揚げ物か?」

和「私には何も聞こえなし、匂いも感じないんですが…」

まこ「わしも」

咲(優希ちゃんの鼻と耳だけが頼りだよ…)
375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 00:55:49.13 ID:HOq+BSMN0

数分後

和「わああああ!やったぁ!勝った!勝った!私勝ちました!!」ピョンピョン

優希「ぐう…無念」

まこ「はは。残念じゃったのう?優希」

優希「あっちのカードを引いてれば私の勝ちだったのに…」

まこ「そして、こっちがわしのじゃ」サッ

優希「ぎゃあああああああ!」

まこ「当たり。お前は分かりやすいんじゃ」

優希「ぐふぅ…」バタリ

まこ「ほら、何を倒れちょる。次はお前が咲のを引く番じゃ」

咲「へっ!?あ、は、はい!どうぞ優希ちゃん!」

優希「またボーっとしておったな?咲ちゃんめ。いや、これは心を無にしていたのか…」

咲(トルティーヤとサルサソースのどっちが受けか攻めか考えてたら、もう私の番か…)
376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 00:56:29.44 ID:jMP4i7/R0

おまえはなにをいっているんだ
404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 01:10:03.93 ID:HOq+BSMN0

優希「ぬうう…うむむ…うーん…」

咲「…」ドキドキ

和「あ、す、すみません。私これからちょっとお手洗いに行って来ますね…」ソソクサ

まこ「ん」

優希「こっちだぁあああああ!」ヒョイッ

咲「あ、それジョーカー」

優希「なん…だと…」

咲「引いていい?」

優希「ま、待つじょ!えっと…こうしてこうして…はいっ!」

咲「ひょいっ。あ、スペードのジャック。揃った」

優希「ぎゃあああああああああ!!」ドサリ

優希「私は死んだ」

咲「か、勝ちました…」

咲(これはやっぱり、ジャック家の生き別れの双子の兄弟スペードさんとクローバーさんの想いが引き合った結果?)

咲(だとしたら、やっぱりこの二人にはあの、二人が分かたれた悲劇の日に交わした約束で結びついた兄弟以上の絆があって、それでそれで…)
406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 01:11:25.03 ID:H9z7QpOV0

咲さん人生楽しそうっすね…
416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 01:19:29.95 ID:HOq+BSMN0

優希「むぉ!今、タコスが出来上がった気配を感じたじょ!盛り付けも込みで、あと7分23秒で来る!!」

まこ「正確すぎるわ…」

優希「間違いないじょ。総員、戦闘配置に就けい!!」

まこ「…ふう。まあ、それじゃあ、ボチボチ片付けるかの。ほれ、久。そろそろお前もこっちに来て…って…寝取るし」

久「すう…すう…」

まこ「しかも勝手にハギヨシさんの布団使こうてからに…」

咲「…!!」ムカッ

まこ「はあ…咲、悪いが起こしてきてくれんか。わしと優希で片付けるけん」

咲「はい」ユラッ

まこ「わしの思い込めて思いっきり蹴っ飛ばしちゃり!」

咲「…はい…はい…はい…了解しました…任務遂行します…」ユラユラ

久「んふふー…なんか落ち着くいい匂いだわー…」ムニャムニャ

咲「…」ゴゴゴゴゴゴ
422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 01:36:23.77 ID:HOq+BSMN0

咲「…部長、部長!起きて下さい」ユサユサ

久「んふー…咲ー?もうちょっとだけ…」ムニャムニャ

咲「その布団はきょ…ハギヨシさんのですよ。部長が寝て良い物じゃないですよ」ユサユサ

久「んん~。あと5分~…この布団、滅茶苦茶肌触り良くて…涼しいし…」

咲「だから、これはきょ…ハギヨシさんの布団なんですって。それにそろそろ京ちゃんとハギヨシさんが来ますよ…」グイグイ

久「いいじゃん~。私、布団に包まったまま食べる~」ギューッ

咲「むむむむ…駄目ですって!ソースが付いちゃったらどうす…」

咲(…京ちゃんとハギヨシさんの絡み合った布団に付着した濃厚なソース…!!?)

咲(こ、これは今すぐにでもメモしておかないと…!!ペンと…生徒手帳…!!)カキカキ

久「あと、なんかいい匂いするのよこの布団~…」スヤスヤ

咲(くっ!叩き起したい!けど、妄想が溢れて止まらない…!!今この手を離したら、私、魂まで手放しちゃう!!)カキカキカキカキ
まこ「初めて来た男の家で爆睡と、高速でなんか書いとるのと…な~にやっとるんじゃアイツらは…」

和「ただいま戻りました…」

優希「おっ!のどちゃん戻ったな?早速片付け手伝うじょ!あと3分11秒でタコスが来る!!」

まこ「…なんか、わし苦労人ポジションじゃね?」
425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 01:38:36.28 ID:H9z7QpOV0

このワカメには同情するで
483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 08:19:01.20 ID:HOq+BSMN0

久「んむにゃむにゃ…いやぁ、涼しいしさらさらのタオルケットでお肌は快適だしで、こりゃ極楽だわ~」ゴロン

咲「ぐぬぬぬぬぬ…」カキカキカキカキ

久「いひひひひ♪」ゴロゴロ

咲(ううううう~!早くしないと二人が来ちゃう!その時までにこの人を布団から引っ剥がしておかないといけないのに…)カキカキカキ

まこ「おーい。咲~。そろそろ二人来るらしいし、そのスケバンもどき叩き起こしとくれ~」

咲「わ、わかってはいるんですが…」

久「」ニヤニヤ

咲(くううう~~!なんでそんな嬉しそうな顔してるんですか部長!怒りますよ!)

ハギヨシ「皆さん、お待たせしました。…おや竹井さんはおやすみですか?」

京太郎「おい優希。配膳手伝え。皿多くて運びきれねえ」

優希「心得た!」

和「あ、わ、私も手伝います!」

まこ「おお、すみません。うちのアバズレが勝手にタオルケットお借りしよってから…」

ハギヨシ「いえ、構いませんよ。それより、お茶が少ないですね。冷蔵庫から新しいのを持って参りましょう」

まこ「ほんに、うちの部員がやりたい放題で…」
487 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 08:28:17.79 ID:HOq+BSMN0

咲(うわああああああああ!もう来ちゃったよぉ!!)ゲシッ

久「きゃっ!?」

咲「あ、すみません…」

久「あいたたた…まさかいきなり蹴られるとは…」

咲(び、びっくりして反射的に動いたら部長蹴っちゃった…)ドキドキ

久「おっ。ちょうど出来たかー。待ってたわよ!」ムクリ

咲「…」ササッ

まこ「ああ、やっと起きた。咲、ご苦労さん。ほれ久、お前も配膳手伝わんか」

久「んー?…喉乾いた」

まこ「くぅらぁああっ!!」

久「あはは。冗談冗談。今手伝うわよ」

ハギヨシ「ああ、でしたら竹井さんには、人数分の食器を持ってきて戴けたら…」

久「はーい。キッチン行ったらわかります?」

ハギヨシ「ええ。もう出してはおいてありますので、すぐわかります」

久「ん」
489 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 08:42:08.49 ID:HOq+BSMN0

ハギヨシ「…と、これで配膳完了ですね」

久「おおー。何枚もトルティーアを重ねた皿と、サルサソースやディップの器、あとは何個も何個も、野菜やお肉とかが乗った皿!壮観!」

優希「ふむ…これは、自分で巻いて食べるって理解でいいのか?」

京太郎「ああ。手巻き寿司の要領でな」

まこ「こんなに用意するの大変じゃったろう。すまんの」

和「て、手巻き寿司…ですか」

和(ど、どうしよう。やった事ありません。なんか凄そうです…)

咲「これは素直に美味しそう…」

京太郎「あはは。まあ、難しいところはまだハギヨシさんに手伝って貰ってるからな。まあ、試作ver.って感じだけど」

優希「こんな本格的なの中々食えんじょ」

久「そうね。早く食べたいわ」

ハギヨシ「なら、食べましょうか」

優希「いただきまーーーーす!」
492 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 08:55:57.37 ID:HOq+BSMN0

面白く無さそうなんで食事シーン割愛

優希「ふー食ったじぇ」

和「ごちそうさまでした。美味しかったです。まさか、タコスにあんなものを入れるなんて」

久「私も意外だったわ。あんなの入れるなんて初めて聞いたし。けど、意外にあれと合うものなのね。付け合せのこれも美味しかったし」

まこ「そうじゃのう。結構簡単そうじゃったし、それとかこれは、今度雀荘でも作って常連客に出してみようかの」

ハギヨシ「ふふ。タコスというのは、結構バリエーション豊かで面白いものでしょう?こういったものの他にも、ああしたり、逆にそうしたりする手法もあるんですよ」

優希「ん。オーソドックスなのはそっちなんだがな」

咲「そうなんだ。確かに、普段優希ちゃんが食べてるのはそっちのタイプだもんね。でも、ああした物も食べてみたいな」

京太郎「そういうのは、あんま日本には売ってないんだってさ」

咲「へー。そうなんだ」

京太郎「ああ。ま、もし今後アメリカのタコスチェーンとかが進出してきたら、状況は変わるかもな」

優希「楽しみにしてるんだがなー。いつ来るんだか」

久「…さあ!それじゃあみんな。そろそろ遅くなりそうだし、後片付けして帰りましょう!」

まこ「やっと本気出しおったか」

和「えっ?あっ!もうこんな時間!いつの間に!」
498 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 09:06:14.58 ID:HOq+BSMN0

ハギヨシ「ああ、片付けは私がやっておきますから…」

久「そうもいかないわ。ね?みんな」

和「そうですね。後片付けくらいは、最低限のマナーだと思いますので…」

優希「んむ。タコスの借りは返さねば」

咲「ハギヨシさんと京ちゃんは二人で座ってて下さい。ええ。二人で」

ハギヨシ「みなさん…」

京太郎「そっか。なら、俺らはお言葉に甘えて寛いでようぜ。ハギヨシさん」

ハギヨシ「そうですね…ええ。わかりました。よろしくお願いします」

咲(よっし!)グッ

まこ「んじゃ、ちゃっちゃと済ませるかー」
499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 09:10:01.93 ID:NM8XpglgO

計算通り!
500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 09:11:17.68 ID:gTij6Hwri

腐れ咲ちゃんかわいい
590 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 15:40:03.88 ID:HOq+BSMN0

和「では、私が食器を洗いでいきますので」

まこ「なら、わしが洗剤をつけよう」

咲「じゃあ、私は濯ぎます」

久「じゃあ、私が水気を取るから、優希が食器を片付けてね」

優希「了解!」

久「あ、あと、キッチンと居間の間のドア開けといて。どこに片付けるかわからないものの指示欲しいから」

優希「ん」

咲「!!」

咲(そしたら、会話を聞き取れる!!)

咲「」ニマニマ

和「…咲さん?」
595 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 15:52:53.73 ID:HOq+BSMN0

ハギヨシ「ふう。お疲れ様です、須賀君」

京太郎「ハギヨシさんこそ、ありがとうございました。結局かなり色々手伝って貰っちゃって」

ハギヨシ「いえ。いいんです。私も久しぶりに人に料理を振る舞うのが楽しみでつい張り切ってしまいましたから」

京太郎「そんなもんかな?」

ハギヨシ「ええ。手料理を振る舞うのは良いですよ。最も簡単に、自分の手でその人を笑顔に出来る手段ですから。特にその相手が大切な人なら、最良です」

京太郎「大切な人?」

ハギヨシ「そうです。自分の作った物を食べて、喜んで貰う事、そしてそれが食べた者の血となり肉となり、命を形作る事。その人を愛し、料理を作る者にとってはこの上無い喜びです」

京太郎「…それは、ハギヨシさんにとっては…」

ハギヨシ「…私にとっては、透華お嬢様や衣様、そして龍門渕家の仲間達…だったと言えましょう」

京太郎「…」

ハギヨシ「もう、彼の方々に手料理を振る舞える機会は無いのかもしれませんが…」

京太郎「…ごめん」

ハギヨシ「いえ。私の方こそ辛気臭くなる話を申し訳ありません。それより、今日は久々にその時の気持ちを思い出すことが出来ました。ありがとうございます」

京太郎「いやいやいや!謝らないで下さいよ!なんかこっちの方が色々して貰っちまってるのに、心苦しくなっちまう」

ハギヨシ「ふふ。では、win-winの関係ということで」
596 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 15:55:06.79 ID:en6XScTj0

ウィンウィン…だと…、いやだ卑猥
602 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 16:03:29.26 ID:HOq+BSMN0

咲(ウィンウィンウィンウィンウィンウィン…)バシャバシャバシャ

久「ちょっと咲。それもう洗い終わったんじゃない?」

咲「あ…っとっと、すみませんでした…」

久「ふふ。会話気になる?」

咲「え…あ…は、はい…その…断片しか聞き取れないんですけど…」

久「私も。ねえ、どんな話してると思う?」

咲「あ…え…そ、その…それは…」

咲(きっと愛を囁き合ってると思います!…って言いたいけど言えないこのジレンマ…ああーんもう!言いたい言いたい叫びたい!)

久「ふふ。意外と、この中で誰が一番可愛い?なんて話だったりするかも?」

和「そ、そんな話…」

咲「そんなオカルトありえません!!!」

久「」キーーン

まこ「んー?どしたー?」

咲「あ、す、すみません…」

久「み、耳が…冗談だったのに…」
607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 16:20:04.59 ID:HOq+BSMN0

京太郎「そういえば話変わるけど、ハギヨシさんってここに引っ越してきてどれくらいなんですか?」

ハギヨシ「え?」

京太郎「いや、家具とか荷物もなんにも無いし、その割には食材は揃ってたし…」

ハギヨシ「ああ、引っ越してきてまだ2日目ですよ。食材は、それこそ久々に自炊ができる嬉しさについつい張り切って買ってしまっただけです。正直、皆さんが食べに来て下さって助かりました」

京太郎「そうだったんだ。道理で家具も何も無いわけだ。これから家具増やしてくんなら、近所で安いホームセンター知ってるぜ?」

ハギヨシ「ありがとうございます。ただ、別に何が必要というわけでも有りませんし…これから新しく家具を増やす予定は有りませんよ」

京太郎「ええー。ちょっと殺風景過ぎないか?だって、ダイニングにある家具テーブルだけ…」

ハギヨシ「クローゼットに布団と着替えはありますよ。…まあ、竹井さんがいつの間にかタオルケットを出して使われていましたが」

京太郎「ぶ、部長が使ったタオルケット…?ってか、何やってるんだあの人は…」ドキドキ

ハギヨシ「ははは…流石に私も驚きましたがね。ただ、衣様や透華お嬢様の方がもっと破天荒でしたので」

京太郎「その辺の話詳しく」

ハギヨシ「そうですね…衣様だと、肩車を要求されたり、夜中にトイレに行くために付き添いを命じられたり。…ああ、あとはプリキュアごっこやおままごと等もありましたね」

京太郎「あ、もういいです…」

ハギヨシ「そうですか」

京太郎「なんか想像してたのと違う…」
612 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 16:32:10.69 ID:HOq+BSMN0

久「へーへー。面白い話してるじゃない」

咲(…!一緒に家具を見て回る話!?まるで新婚さんじゃない!)

まこ「家具は必要ない、か…なんかイメージにはピッタリではあるのう」

和「けど、こんな殺風景な部屋のままというのも寂しいはずですよ…もっとその、色々飾ったりしたいと思うのが普通だと思うのですが。その…お花とか、ぬいぐるみとか」

優希「のどちゃん。お花はともかく野郎の部屋にぬいぐるみはちょっと…」

咲「でも、確かに殺風景過ぎるのは…」

咲(絵を描く分には楽だけど、小説的には、ちょっとくらい小物は有ったほうがいいもんね。たまに描写付けてアクセントにもなるし)

久「あ、良い事思いついた」

まこ「おお。言うてみい。わしはもう諦めた」

久「みんなの家からさ。今度家にある使ってない家具とかハギヨシさんの家に持って来ない?今日のお礼にでも」

咲「!!」

和「あ、それいいですね!」

優希「ふむふむ。面白いかも」

まこ「…む。意外と良い提案じゃった。あとは、ハギヨシさんが喜んでくれるかじゃが…」

久「必要ないって言われたものはその後でリサイクルショップに持ってって換金しちゃおう!」
620 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 16:46:04.25 ID:HOq+BSMN0

咲「素晴らしい案だと思います。ハギヨシさんも引っ越したばかりで何かと入用でしょうし、やっぱり家具は色々有ったほうが良いですよね」

久「そうかそうか。よし。それじゃあ、みんな。早速作戦決行よ!土曜日までに各自用意しておいて、日曜日に作戦決行よ!一人じゃ運びきれない大きいものもオッケー!何とかするから」

まこ「ほう。それは良い事を聞いたわい」

優希「おお。なんか楽しみになってきたじょ」

和「それじゃあ、須賀くんにも後で伝えておきましょう」

久「うんうん!それじゃあ、決まりっ!」
621 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 16:47:35.81 ID:lL/I71HV0

咲が持ってくる家具は一度点検しておく必要がありそうだな・・・
624 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 16:59:25.96 ID:HOq+BSMN0

その日の夜・咲の部屋

咲「ふう。今日は色んな事があって、疲れたけど最高の一日だったな」ポフッ

咲「まさかハギヨシさんがうちの高校の用務員さんになるなんて…」

咲「…無敵の万能執事が手違いでクビになって、高校の用務員に…これだけで男子高校生をヒロインに据えたらラノベ一本書けそうだよ。ああもう!アイディアが湧き出て止まらない!!」

咲「しかも、京ちゃんに家まで割れちゃったし」

咲「ふふふふ。それに、流石部長だなぁ」ゴロゴロ

咲「まさかあんなにいいアイディアを自然な流れで考えつくなんて」ゴロゴロ

咲「不自然じゃなく色々なグッズをハギヨシさんの部屋に持ち込めるチャンスだよ」ゴロゴロ

咲「あ、でもでも。大事なのはそこじゃないよね?まずは、京ちゃんが入り浸りたくなるような快適な部屋にしなくちゃだもん…」

咲「どうしようっかな?色々アイディアはあるけど…あんまり沢山持って行ってもゴチャゴチャになるし、厳選されたものを考えなきゃ…」

咲「…うん。ここは私一人の力じゃ足りないよ。明日みんなの力を借りて色々アイディアを出してみようっと」

咲「ああ。楽しみだなぁ…」ゴロゴロゴローーー

咲「きゅふふふふふ…」

咲「…ん」

咲「…すー…すー…」
625 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:00:33.12 ID:T5u7/RSQ0

みんな……だと!?
626 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:01:36.17 ID:3XEprkmo0

腐部屋くるか
634 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:16:47.75 ID:HOq+BSMN0

同時刻

ここはとあるネット麻雀

数多くの雀士達が今日も戦友達と競い合い、腕を磨く戦場

その中でも特殊な方々の集まるサロン

通称腐部屋にて

※SS作成BGM:万象の奇夜(平沢進)
637 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:18:42.55 ID:62b7fFdP0

BGMやべえ
640 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:23:55.19 ID:HOq+BSMN0

アミバ:おい、ボウフラ姫

てるてる姫:なんだウジムシ

アミバ:お前東京モンっつっとたやろ、おう、ゴキブリ

てるてる姫:言ったが、どうした田舎者。嫉妬か?アブラムシ

アミバ:この間知り合いの子が東京に旅行行ったんやけどな。カメムシ

てるてる姫:ああ、その話は前も聞いた。病弱設定の上に耄碌設定も追加か。役満だなナメクジ

アミバ:ざけんなやカイガラムシ。…その子が、土産に赤いきつね買うてきたんや

てるてる姫:…赤いきつね?カップ麺の?それがどうしたシラミ野郎

アミバ:…お土産やでーって、こっそり貰ろうてな。さっき私が久しぶりにジャンクフード食えるーってワクテカしながら調理しとったら、何やアレ。あ?申し開きしてみいやダニの子が

てるてる姫:…何があった?言ってみろ。群れからハブられたウンカのわめき声を聴きとれるか自信は無いが

アミバ:スープが真っ黒や。しょっぱいねん。しかも出汁も効いとらん。なんやこれ?火炙りになって詫びろヒメマルカツオブシムシ

てるてる姫:知るか。勝手に血圧上げて死ね。チビタケナガシンクイ

アミバ:ああ?

てるてる姫:ああ?
642 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:25:40.32 ID:N3Oyj9kA0

相変わらずこの二人は……
644 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:27:22.78 ID:LvorySpH0

仲良さそうですね
653 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:34:18.02 ID:HOq+BSMN0

アミバ:ホンマ、これだから下品な東のモンは腹立つわ。土下座しろカマドウマ。ヤスデ。ムカデ。ジャンボタニシ

てるてる姫:煩い黙れ、お前にだけは下品って言われたくない。早く肥溜めに落ちて死ね。洗濯機に回されて死ね。サダムシ。ミズムシ。インキンタムシ。クソムシ

アミバ:お前が死ね。階段から落ちて死ね。ルンバに掃除されて死ね。テンリュウメダカチビカワゴミムシ。ハダカデバネズミ。ヌタウナギ。ゲロう●こ

てるてる姫:殺す。早く東京に来い

アミバ:ああ行ったるわ。うち、再来週から東京や。そっち着いてから何日かは忙しゅうてちょっと予定合わんが、何日かしたら自由日あるから、そん時ケリ付けるで

てるてる姫:よしわかった。決闘だ。お前を亡き者にしてやる。血まみれにして上野動物園のハシビロコウの檻に展示してやる

アミバ:こっちこそ、バラして代々木公園の鳩の餌にしたるから覚悟しとき

てるてる姫:あと数週間の命、精々大事に使うといい。お前は二度と大阪に帰ることは無い

アミバ:そっちこそ、長野のザザムシ食い納めしとけや。都会人気取りの真・カッペが

てるてる姫:ふざけるな。私を馬鹿にするな。虫なんて食べない

アミバ:おう。共食いだもんな。悪い悪い

てるてる姫:やはり勘弁ならない。今日こそボコる。泣かす。潰す。いつもの部屋に来い

アミバ:ええで。最近調子ええしな。お前の行動パターンなんざ2巡先すら読めるわ

てるてる姫:ありえない。大言壮語もそこまでにしておけ。行くぞ。逃げるなよ

アミバ:ん
664 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:45:50.63 ID:HOq+BSMN0

てるてる姫 さん アミバ さんがログアウトしました

ゆみ:…行ったか

すこニャン:嵐は去ったね

シャイニング:…この部屋にもようやく平和が戻りました。すばら

LEGEND:…しっかし、こんな偶然もあるもんだねー

すこニャン:えっ?

LEGEND:今度私も東京行くって言ってたでしょ?…私も丁度あの子等と同じ時期からなんだよね

すこニャン:えええ!?そんなすぐだったんですか!?

LEGEND:あはは…言うの忘れてた

すこニャン:そんなぁ!私、その頃お仕事入っちゃいましたよ!あ、でも、夕方は空いてるかも?

LEGEND:おっ!いいね。じゃあ、二人で都合付く時に飲もうか

すこニャン:やったーーーーー!!

LEGEND:けど、今度はあんま暴れるなよ?

すこニャン:うぐ…は、はい…ずびばぜん…

シャイニング:たっはー…すっごい偶然ー…
665 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:47:40.06 ID:NOyubbNf0

すごい偶然だなー(棒)
669 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:50:49.67 ID:5kFmyJXH0

アミバ→怜
てるてる→照
すこニャン→アラフォー
シャイニング→すばら
LEGEND→そのまんま

でいいのかな
674 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:53:26.88 ID:LvorySpH0

>>669
アラサーだよ!!!
680 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 17:58:22.45 ID:HOq+BSMN0

すこニャン:へ?

シャイニング:実は…そのー…私も同じ時期に行く事にー…

すこニャン:えええ!?初耳!!

シャイニング:私もびっくりっていうか、意外だったんですが…地区大会ちょっと前くらいに急遽ですねー。とある大会のレギュラーに大抜擢されちゃっててー…しかもなんか全国行く事になって…

LEGEND:いやいや…その時期にネト麻やってる高校生の君が東京の大会って…それは麻雀だろ!全国のレギュラークラスだったのか!!

すこニャン:おおー!シャイニングちゃん、最近頑張ってたもんね!良かったね!!おめでとう!!

シャイニング:あら、あっさりバレた。うーん…まあ、ちょっと複雑な理由ではあるんですが…

ゆみ:いや、羨ましいよ。私の学校は地区大会の決勝で負けてしまってね。紙一重の所で…まあ、分厚い紙一重だったが…参加できない。悔しい思いで一杯だ

シャイニング:あ…申し訳ありません。これは無神経なことを…

ゆみ:気にするな。君がどこの県の子かは知らないが、私達を倒して進んだ高校の次に、君を応援するよ

シャイニング:ゆみさん…

LEGEND:私も、自分のとこの県の次に応援してる。…なんて、実は私の知ってる子だったりして!あははは!なんてね。胸を張って。私達も、仲間として君の事を誇りに思うから

すこニャン:どんな事情があったって、シャイニングちゃんは、自分の実力で麻雀部の全国大会レギュラーに選ばれたんだよ。そんな貴女のこと悪く言う人がいたら、私が叱ってあげる!…なんてね♪

シャイニング:お二方…

LEGEND:もし君が成人済みだったら、お酒を奢ってあげたいところだけどね
683 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 18:00:56.91 ID:hITDnE/d0

残念、捨て駒だ
688 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 18:06:06.66 ID:HOq+BSMN0

すこニャン:もう。駄目ですよ?…でも、いいなぁ。みんなが東京に集まるんだったら、OFF会してみたいなぁ…

シャイニング:でも、ゆみさんとカンちゃんさんが…

ゆみ:…いや。いいな。それ

シャイニング:え?

ゆみ:実は、後輩と私の親友がね。出来れば私達に勝った高校の応援に行きたいと言っているんだよ

すこニャン:え…

LEGEND:おっ!?ってことはまさか!?

ゆみ:ええ。受験もあるし実は私は少し渋っていたんですが…ふふ。みんなが集まるなら、私も行こうかな。明日部員のみんなに伝えてきます

シャイニング:すばら!!

すこニャン:あ、けどカンちゃん…

ゆみ:ふふ。ああ、彼女の件は大丈夫です

LEGEND:は?

ゆみ:彼女も東京に行くって言ってましたから

すこニャン:はい?

シャイニング:え?
696 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 18:22:17.55 ID:HOq+BSMN0

LEGEND:どういうこと?

ゆみ:ははは。それではおやすみなさい

シャイニング:ちょっと待って下さい!

ゆみ さんがログアウトしました

すこニャン:行っちゃった…

LEGEND:なんなんだろう?カンちゃんも行くって。そんな話したっけ?

シャイニング:うむむ…

すこニャン:けど、がぜん楽しみになってきた!

LEGEND:確かにそうだけど…

シャイニング:まあ、気にしても仕方有りません。ウチの部屋で一番のしっかり者が言ってるなら、その通りなんでしょう。カンちゃんは来ます。確実に

すこニャン:受験生に信頼性で遅れを取ってる私達って…

LEGEND:私なんて教える立場なのに…

シャイニング:まあまあ。お二人のことも信頼してますって

すこニャン:そっか。なら、それより、もっと萌える話しようよ!じゃないと何のためにネトマやってるか分かんないもん!

LEGEND:そうだね。賛成!!それじゃあ、今日のカップリングは、この間すこニャンと盛り上がった岩手県×鹿児島県の続きから…
697 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 18:23:45.42 ID:T5u7/RSQ0

そのカップリングは危険だ!
699 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 18:25:41.12 ID:ZF/SHyEn0

俺の地元を汚さないでくれいや下さいお願いします
704 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 18:34:01.64 ID:HOq+BSMN0

現実

ゆみ「…ふう。随分と入り浸ってしまった。さて、まずは蒲原に電話でもしようか。あいつにだけは先に話を通しておかないと…」ピポパポ

プルルルル…プルルルル…

ゆみ「…ふふ。何やら面白くなってきたな」

ゆみ「…なぁ?そう思うだろう?カンちゃん。…いや、宮永咲」

『はいはーい。なんだ?ゆみちん。こんな時間に…』

ゆみ「ああ、蒲原か。いや何、実は今度の清澄の応援なんだが…ああ。そうだ。やっぱり私も…何?だと思った?はは、こいつめ…ああ。頼む。…ありがとう」
729 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:03:28.25 ID:HOq+BSMN0

翌日放課後
部室

久「あら、ハギヨシさん」

ハギヨシ「ああ、竹井さん。もう授業は終わりですか?」

久「ん、まーね。今日は私が一番乗りか。何してるの?」

ハギヨシ「資材を取り寄せましたので、先日の補修の続きです。階段などはもう終わりましたので、残りはベランダですね」

久「はー。手際良いわねー」

ハギヨシ「ありがとうございます」

久「いえいえ。こちらこそありがとうございます」

ハギヨシ「…」トンテンカンテン

久「…」

ハギヨシ「…」カンカンカン

久「…」

ハギヨシ「…あの、どうされましたか?何か御用でも」

久「んー?いや、修理見てるの面白いなーって思って」

ハギヨシ「はあ」
733 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:12:04.57 ID:HOq+BSMN0

久「あ、気にしないで続けて」

ハギヨシ「わかりました」

ハギヨシ「…」トンテンカンテン

久「…」

ハギヨシ「…」カチカチ

久「…なんかさ、ハギヨシさんって…」

ハギヨシ「なんですか?」

久「やっぱり年上って感じよね」

ハギヨシ「はあ…」

久「優しいし、頼りになるし、イケメンだし。理想のお兄ちゃんって感じ」

ハギヨシ「お兄ちゃん…ですか?」

久「あはは。私、昔っからお兄ちゃんって欲しかったから。一人っ子だったし」

ハギヨシ「…」

久「私さ。ほら、昔っからこんな感じだったから。小さい時も家庭の事情やらなんやらで、しっかりものキャラ貫かないといけなかったしね」

久「…結構きっついのよ?私、プレッシャーとかに意外と弱いんだから」
735 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:13:47.75 ID:N3Oyj9kA0

いえーいwwwwwキャップ息してるーwwwwww
742 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:23:53.92 ID:HOq+BSMN0

ハギヨシ「?」

久「…あはは。だから、さ。その…近くにハギヨシさんみたいな頼れる人が居たら、私もちょっと気が楽になるから…」

久「…もし。…もしもよ?その…ベランダの修理とか終わって、その後お仕事に余裕が有るようだったら…」

久「…良かったら…たまに、私の相談とか、部のみんなの面倒見に来て貰っても…いいかな…なんて、さ。思ったりなんかして…」

ハギヨシ「…」

久「だって、ハギヨシさんみたく頼りになる人、私他に知らないし。ハギヨシさんなら安心できるし…その…」

久「…駄目…かな?」

久「……」

久「…あ!そ、そうだ!もし良かったら、二人きりの時だけでも、お、お兄ちゃんって呼んでもいい?ほ、ほら!本当のお兄ちゃんは無理でも、擬似的にでも!」

久「ハギヨシさんみたいな人お兄ちゃんなんて、ぜ、贅沢もいいところだけど!ね!ね!気持ちだけでも!」

久「…お、お兄ちゃん!…あ、あはは…なんか恥ずかしいわね…あははは…なーんて…」

ハギヨシ「…あの、竹井さん」

久「は、はいなんでしょう!お兄ちゃんっ!」
750 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:31:28.42 ID:aOzWsuTh0

ここまでかわいい部長は初めて見たやばいお姉ちゃんおっぱい
753 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:34:39.92 ID:SlqtCgEi0

こういう部長もありやで
756 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:35:53.24 ID:HOq+BSMN0

ハギヨシ「その…」

久「あっ!い、いきなりお兄ちゃん呼びは迷惑だった!?ごめんなさい!じゃあ、なんて呼ぼうか!えっと、じゃあまずはハギヨシお兄ちゃんって…」

ハギヨシ「ですから」

久「あー!そう言えばさっき家庭科の実習で作ったクッキーがあるんだけど、久のクッキー食べない?美味しく出来たんだよ?ねっ!お兄ちゃん!」

ハギヨシ「…」

久「…あう」

ハギヨシ「…差し支えなければ、どういった計画を考えてらっしゃるのか教えて戴けるとお力になれるかもしれませんが…」

久「…あ、バレた?」テヘペロ

ハギヨシ「当たり前です…」ハァ

久「うーん。やっぱり、最後の一人称久はやり過ぎだったかなぁ…」ブツブツ

ハギヨシ「それ以前に、まずお兄ちゃん呼びの時点で大分やり過ぎです。疑念が確信に変わった瞬間ですね」

久「あちゃー…そっこかー!」ペシッ

ハギヨシ「大体、何を企んでらっしゃるのか分かりませんが、昨日の布団の件といい、よく知りも知らない男性をそうやってからかうのは感心しませんよ」

久「んー?まあ、ハギヨシさんなら大丈夫って思ったし、問題ないでしょ。私、人を見る目には自信あるわよ」

ハギヨシ「…まったく」
758 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:37:38.62 ID:Iwfub2tl0

騙されてた・・・
759 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:38:26.23 ID:D8ao0owz0

部長に弄ばれた…

だがそれがいい
769 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:55:07.81 ID:HOq+BSMN0

久「じゃあ、本題。あのさ、ハギヨシさん、私達が今度全国に行くのは知ってるわよね?」

ハギヨシ「ええ。存じておりますが」

久「だったらさ。…こんな事用務員さんに頼むのもなんか変なんだけど…部の引率…ってか、大会までの臨時顧問頼めない…?」

ハギヨシ「…は?」

久「だってさーーー!!聞いてよ!聞いてよ!今日学生議会で麻雀部の話出てきたんだけどさ!そしたらなんと、顧問の同行が無い場合、部の遠征は禁止だーなんて言われちゃって!!」

ハギヨシ「はあ。…ですが、それって普通の事なのでは」

久「知ってたけど押しきれると思ったら無理でしたー!」ガーーーー!!

ハギヨシ「成る程」

久「で、うちの幽霊顧問に相談に行ったら、その期間はしっかり別の用事が挟まっててもう無理ってなってて…」

ハギヨシ「ふむ…」

久「で、で、で!なんとか同行をお願いできそうな人達居ないかなーって思ってたら、ハギヨシさんって言う最高の人材が居るじゃないって!」

ハギヨシ「私、あくまで用務員なのですが…大丈夫でしょうか?」

久「まあ、今度こそなんとかそれで押し切ってみるわよ。それに先生たちに確認は取ったわ。教員じゃなくても、信頼の置ける身分の人間ならオッケーって」

ハギヨシ「わかりました。では、そういう事でしたら…」

ハギヨシ「そのお仕事、承らせて戴きましょう」
774 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 20:58:04.57 ID:N3Oyj9kA0

見事な交渉術だ
783 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 21:16:01.43 ID:HOq+BSMN0

数十分後

久「それじゃあ部活始めるわよー。咲は悪いけど最初は休憩で」

咲「あ、はい。ネット麻雀してますね」

久「んむ」

咲「さて…と」
777 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 21:00:35.38 ID:rn2Arak30

本当に前の人?
785 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 21:23:04.52 ID:HOq+BSMN0

腐部屋

カンちゃん:皆さん、こんにちわ

LEGEND:おお、カンちゃん。こんにちわ

すこニャン:こんにちわー。わーいカンちゃんだー

ゆみ:ああカンちゃん。調度良かった。みんな、ちょっと行き詰まってたんだ。即興で何か面白いネタは無いか?

カンちゃん:面白いネタですか?うーん、そうですね。簡単にみんなで盛り上がれるネタだとしたら…

カンちゃん:じゃあ、オリンピック代表の比嘉×宇佐美なんてどうでしょうか

カンちゃん:一時期都市伝説とまで持て囃され、十代でサッカー界の超名門バイエルン・ミュンヘンに移籍すら果たした天才宇佐美君と、アジアでもチン●ンにされる、コメントもちょっとアレな比嘉さん

カンちゃん:一見相容れなさそうな二人ですが、実は代表の合宿などでは、宇佐美くんの話し相手の大半は比嘉さんだったらしいです

カンちゃん:バイエルンでの過酷な競争に破れ、身も心も消沈していた宇佐美君と、その心を癒した比嘉さん。その二人の間には、実力とは関係無い部分での絆が出来上がっていたはずです

カンちゃん:オリンピックの最終選考で、比嘉さんは落選してしまいましたが、だからこそ、比嘉さんへの愛を胸に、宇佐美君はオリンピックでも大暴れしてくれると思います

カンちゃん:これって、オリンピック選考という天の川に分かたれた織姫と彦星みたいでロマンチックじゃないですか?

ゆみ:うん。相変わらずだなカンちゃん

すこニャン:すばらっ!

LEGEND:>>777これでいいか?
788 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 21:25:23.15 ID:0CkihXJY0

このサッカーネタ、間違いなくあの人だわwww
789 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 21:25:49.70 ID:lL/I71HV0

こんな本人証明があってたまるかwww
797 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 21:31:10.69 ID:KOTwE3uqO

このサッカー知識…間違いない…ヤツだ
805 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 21:44:07.19 ID:HOq+BSMN0

カンちゃん:っとと、すみません。今回はこれは本題じゃないんです

ゆみ:うん?どうしたんだ?

カンちゃん:…昨日の話なんですが、例の二人周りでとんでも無い事が起きました

すこニャン:えー?なになに?どうしたの?

カンちゃん:あ…ところで、てるてる姫さんとアミバさんとシャイニングさんは…

LEGEND:あいつらは今、部活中だってさ。さっきそれぞれが休憩中にってちらっと顔出したけど、それだけだ

カンちゃん:そうだったんですか…

すこニャン:何か用事でもあった?

カンちゃん:ええ。実は…

その後、咲さんは、上手く学校や個人名の身バレが起こらないようにハギヨシがクビになって清澄の用務員になった事、部員みんなで家にお邪魔した事、今度みんなで家具を持って行く事などを説明しました
カンちゃん:…という訳なんです

LEGEND:へえ。それは面白そうだ

すこニャン:家が近かったら、私も何かあげてみたかったな。ってか、カンちゃんばっかそんな素敵なイベントずるいずるいー!私が学生の頃はそんなの無かったよー!!

ゆみ:なるほど。そういう事か

カンちゃん:それで、どんなものがいいかなって…相談したくて
807 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 21:50:56.29 ID:HOq+BSMN0

ゆみ:そうだな。それじゃあ、年上のお姉さま二人からアイディアを貰うといい

カンちゃん:ゆみさん?

ゆみ:私は今回は控えさせてもらう。二人が言いたい事が沢山あってウズウズしているようだしね

カンちゃん:はあ

ゆみ:それでは私は急用が出来たので、これで失礼

ゆみ さんがログアウトしました

カンちゃん:急用ってなんだろ

LEGEND:カンちゃん、それじゃあ、私達が今二人で話し合って決めたものを用意して欲しいいんだけど、いいかな?

カンちゃん:あ、はい!よろしくお願いします!

すこニャン:お願いね!お願いね!ちゃんと渡してね!頼んだよ!報告もお願いね!

カンちゃん:わかりました。それじゃあ一個目は…
810 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:02:29.96 ID:HOq+BSMN0

同日夜
龍門渕家透華の部屋

一の声「透華お嬢様。透華お嬢様。お食事の時間ですが」コンコン

透華「…食べたくありませんわ」

一の声「…そんな事を言わずに。昼も食べていないじゃないですか」

透華「食欲が無いんですの。私が要らないと言ったのなら、要りません。これ以上言わせるつもり?」

一の声「…」

透華「…ごめんなさい、一。今日はもう休ませて下さいまし」

一の声「透華…」

透華「迷惑をかけますわ。ハギヨシが居なくなって、貴方達も大変でしょうに」

一の声「萩原さんは…その…」

透華「…まだ見つからない?」

一の声「…うん。見つかったって連絡は無い」

透華「衣の様子は?」

一の声「落ち込んでる。いや、元気自体はあるんだけど、空元気がバレバレって言うか…その、見てて痛々しい。まだ意地を張ってるのかも」

透華「そう…」
813 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:15:09.97 ID:HOq+BSMN0

一の声「…それじゃあ、今晩も夕食は僕がなんとかごまかしておくから…でも、そろそろ限界だよ?」

透華「ありがとう。ごめんなさい。…もう少しで立ち直れるから…」

一の声「…萩原さん、見つかるといいね」

透華「…ん」

一の声「…じゃあ、僕は行くから…」

透華「…」

カツ…カツ…カツ…

透華「…」ボフッ

透華「…ごめんなさい。一…」

透華「…」

透華「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい…」

透華「…ごめんなさい、ハギヨシ…!!」
814 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:17:46.69 ID:en6XScTj0

乙女パート来たか!
816 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:23:06.19 ID:HOq+BSMN0

透華「…もう私は…貴方の居ない世界にこれ以上耐えられない」

透華「貴方が居なくては生きていけない。貴方の眼差しが、声が、笑顔が…無い場所に、一分一秒でももう、存在していたく有りませんの!!」

透華「…けど、貴方は今、此処に居ない…もしかしたら、もう二度と会えないかもしれない…!!」

透華「そんなの絶対に嫌!!嫌!!嫌ですわ!!」

透華「だけど…だから私は…」

透華「…『私』が『私』である為に。誇り高き龍門渕家の次期当主たる…『龍門渕透華』である為に!!」

透華「…たった今、『私』を殺す事にしましたの」
818 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:25:29.34 ID:f4LgvMOy0

!?
820 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:29:32.34 ID:HOq+BSMN0

透華「…ふふ。まさか、このような形で、この本の封印を解くことになるなんて…」カチャカチャ

透華「…捨てるタイミングを逃しただけのこの本が、まさかこのような形で役に立つなんて…」カチッ

透華「…人生というのは、よくわからないものですわね」スッ

透華「…」

透華「…確信がありますの」

透華「…この、封印していた黒い本を読むことで…『私』は、『私』で無くなれる」

透華「…貴方への想いを忘れられる」

透華「…『龍門渕透華』であり続けられる」

透華「…『私』を殺せる」

透華「…『私』を守れる」

透華「…自分の存在を…変えられる」

透華「ハギヨシ…」

透華「…ごめんなさい。愛していましたわ…」

透華「…さようなら」ペラッ
822 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:31:04.65 ID:Djr3BWAH0

腐れ透華か
830 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:51:17.00 ID:HOq+BSMN0

―――その日龍門渕透華が読んだ本は、たった一冊の、50ページにも満たない、手書きの小説だった

―――それなりの文章力と、それなりの綺麗さの字でもってノートに書かれた、それなりの出来の小説。文章量はページ数の割にやや多めではあるが、それもプロの仕事に比べれば、大したものではない

―――だが…

透華「うあああああ…!」

―――そのノートには、毒が有った

透華「はあっ!はあっ!くっ…ううううう…!!」

―――選ばれぬ(適性の無い)者の魂を、壊す

透華「うわっ…ぐ…はっ!はっ!はっ!はっ!あぐっ!?」

―――選ばれた(適性の有る)者の魂を、喰らう

透華「がああああああああああああああああ!!」

―――どちらにせよ、苦痛は免れ得ぬ、腐り、爛れた、呪いの類

透華「ああああああっ!!あああああああああっ!!!うああああああああああああああああ!!」

―――憎悪せよ。憤怒せよ。嫌悪せよ。屈服せよ。我は血涙と冒涜と欲望の結晶にして、存在変換の鍵。我が名は破滅。さあ手を伸ばせ人生を差し出せ一切の望みを捨てよ然らば甘露を与えよう!!

透華「あ…っ」プツッ

―――そしてその日、後に幾人もの犠牲者を出した恐るべき書が完成した。一人の少女の堕落という、生贄に依って
832 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:53:45.60 ID:HOq+BSMN0

名前の無いそのノート

その禍々しさを知る者達は口を揃え、こう呼称する
ただ一言

――『   日   記   』
833 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:54:37.09 ID:VaPsw+Bw0

とーかが冷たくなっちゃう(精神・肉体共に)
834 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:54:38.80 ID:ibaHUQ810

腐者の書か
836 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 22:57:21.25 ID:NM8XpglgO

ちょーこわいんですけどー
841 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 23:03:45.54 ID:HOq+BSMN0

衣「…退屈だな」

衣「…ハギヨシが居なくなってから、何をやっても面白く無い」

衣「…私は何をやっているんだ。あんな奴、居なくても私は別に困らない!困ってない!!」

衣「…あんな奴…」

衣「…」ジワッ

衣「…っ!な、泣いてなどおらん!!」ゴシゴシ

衣「そ、そうだ!透華!透華のところに行こう。それで、一緒に麻雀して遊ぼう。それなら気晴らしになるはず…」

透華「こんばんわ。衣」

衣「…ってうわあ!?と、透華!?どうしたんだいきなり。びっくりした」

透華「あらごめんなさい。…ところで、衣。今、貴女、退屈じゃありません事?」

衣「…お、おお。そうだな。確かに退屈で、今丁度透華のところに遊びに行こうと思っていたところだが…」

透華「まあ嬉しい。貴女も私と同じ気持ちだったなんて」クスクス

衣「…透華?なんかお前、変だぞ?なんだか、冷たいような…暖かいような…強いて言うなら、生温い?」

透華「ふふふ」

衣「と、透華…?なんか怖い…」
845 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 23:08:11.38 ID:gBmpXlGI0

子供に見せちゃいかん
847 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 23:13:41.38 ID:HOq+BSMN0

透華「ねえ衣」

衣「な、なん…だ…」

透華「貴女に…見せたいものがありますの…」

衣「み、見せたい…も…の…?」

透華「ええ。とてもステキなもの」

衣「…」タジ…

透華「なんで引きましたの?」ズイッ

衣「や、だって…」

透華「大丈夫。怖くないですわ。初めは驚くかもしれないけど…段々それが気持ちよくなって征く…」ザワッ

衣「ひっ!?」

衣(い、今…透華の髪が一瞬逆立った!八岐大蛇の如く!)
858 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 23:36:50.26 ID:HOq+BSMN0

透華「怯えエる事は何も無い…全てハ同じ。同ジエネるぎーの塊に過ぎナい。形ニそんナ意味ハ無い…」ザワザワザワ

衣「な…なななな…」

衣「ば、馬鹿な!この私が、怯えているのか!?」

透華「良イで死ょう?大好キな貴女と、このキモチを共有死体ノで須ワ。少し一緒に御本を読ムだけそノ後一緒に動画を見テ一緒に淫夢ヲ見テソレカラソレカラ…」

衣「透華ぁ…私には今の透華が何を言ってるのかさっぱり理解できない…」

透華「ああもう面倒臭い!兎に角衣は私とこの本を読むのですわ!そしてその後は淫夢語を勉強して、私とカップリング談義をなさい!ハギヨシを追い出した責任ですわ!!」ガバッ

衣「ひゃあああああああああああ!!」

透華「オーホッホッホ!!龍門渕透華、生まれ変わりました!!生まれ変わりましたわーーーー!!!!」

衣「た、助け…助けてええええええ!!!!ハギヨシィイイイイイイイイイイイイ!!!!!」
859 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 23:38:08.06 ID:HOq+BSMN0

オチたから終わり
870 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 23:40:47.78 ID:T5u7/RSQ0

ころたんは自業自得ですね
次回作にも期待おつおつ
879 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 23:43:59.81 ID:Y0nGKq1C0

また気が向いたら立ててくれ
本編はよ
887 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/07(土) 23:51:55.62 ID:ye9xqZlX0

すばらでしたよ・・・

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