【小鍛治健夜SS】咏「いやー、結婚自体はまだっつーか」

転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436872650/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/14(火) 20:17:40.81 ID:SDcAeIgJo

ザ☆短レス

前書いたやつ
靖子「え、いや、結婚してますけど」

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/14(火) 20:18:21.48 ID:SDcAeIgJo
健夜「ちょっと待って、その言い方ひっかかるものがあるよ」

咏  「でもまあ許婚がいるってだけのハナシっすよ?」

健夜「それっていわゆる両家のご両親が早い段階で我が子同士の結婚を決めるっていうアレのこと?」

咏  「なんかものものしい説明ですけど、まあ、はい。そうっすね」

健夜「またまたー。妄想を現実で口にするには微妙な年齢だよ? 咏ちゃん」

咏  「わっかんねー、結婚の話振られたからこっちの事情話したら妄想扱いとかわっかんねー」

健夜「だって許婚なんて今ではお話の中だけでしょ? 子どものころから結婚相手が決まってるなんて」

咏  「いや現実に存在してるからこうして話に上がってるんすけどね」

健夜「お話の中にしたって許婚なんてすごい家柄同士がするもののはずだよ?」

咏  「こーいうハナシあんましたくねーんすけど、うちいわゆる “家格” ってやつがあるみたいでして。知らんけど」

健夜「たしかに三尋木って名字はあまり聞かないかも。ちょっと調べてみるね」

咏  ( この行動力ってオトコ捕まえんのに活かせないもんなのかね )
健夜「……えっ」

咏  「どーかしたんすか」

健夜「咏ちゃん、これマジ? ウィキペッディーアに家系図から載ってるんだけど」

咏  「あー、たぶんそれっすね。いっちゃん下に私の名前もあると思いますよ」

健夜「ちょちょちょちょっと待って」

咏  「はいよー」

健夜「いちおう私も麻雀プロ。咏ちゃんも麻雀プロ。そうだよね?」

咏  「そっすね」

健夜「じゃあ結婚なんてできないじゃない」

咏  「関係なくねーすかそれ、いや知らんけど」

健夜「そうかなあ……?」

咏  「えっ、健夜さんそれマジで言ってるわけじゃないですよね?」
.

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/14(火) 20:19:13.00 ID:SDcAeIgJo
健夜「私は許婚っていう制度そのものが大きな問題を抱えてると思うんだよね」

咏  「法的にはそんな制度ねーっすよ健夜さん」

健夜「そもそもほら、当人同士の知らないところで話が決まってるだなんて現代社会じゃあり得ないことだよ!」

咏  「おーい、健夜さーん、おーい」

健夜「咏ちゃんもきっと辛い思いをしたよね、さあ、破談まで持って行こう!」

咏  「なに言ってんすか」

健夜「え? 破談の話だけど?」

咏  「すっげ、この人どんな神経してんだろ。マジわっかんねー」

健夜「咏ちゃんの人生を縛ってきた鎖を断ち切る時だよ!」

咏  「いや人生縛るも何も私も合意の上っすよ?」

健夜「……へ?」

咏  「学生の間は恋愛とかも自由にしよーぜ、っつってお互いやってきましたし」

健夜「…………」

咏  「私は高卒でプロ入りしたんで、まあその辺はアレですけど」

健夜「……っど、ど、どんな方なのかな?」

咏  「まあ、そっすね、いいやつです。ちっとばかし優しすぎる気もしますけどねぃ」

健夜「み、見た目とか、は……」

咏  「見た目っすか? 小さいころから知ってるんでよくわかんねーっすけどイケメンやらなんやら」

健夜「はっ!」

咏  「今度はどうしたんすか」

健夜「ドッキリ大成功の看板とかは」

咏  「出てこないですね」
.

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/14(火) 20:19:56.93 ID:SDcAeIgJo
健夜「…………」

咏  「あの、無言で涙を流すのやめてもらっていいっすか?」

健夜「これは涙じゃないよ、でも怨嗟が形をとるとすればこうなんだろうと思う」

咏  ( 怨嗟ってのは認めるんだ…… )

健夜「そういえば咏ちゃんっていますごく忙しいよね」

咏  「はやりさんほどじゃないっすけど、まあ、それなりに」

健夜「タイトル戦も抱えてるし、シーズン戦も手抜けないよね」

咏  「なんか日本代表って肩書きもらっちゃったせいでその辺が重てーっつーかなんつーか、いやわかんねーですけど」

健夜「じゃあ結婚できないじゃない」

咏  「あの、大雑把でもいいんでもちっと文脈をつなげる努力しません?」

健夜「つながってないかなあ?」

咏  「無自覚すか」

健夜「このあいだ似たようなことを靖子ちゃんにも言われたよ」

咏  「なんて返せばいいかわかんないんでこの辺にしときません?」
.

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/14(火) 20:20:38.35 ID:SDcAeIgJo
健夜「……ずるい」

咏  「へ?」

健夜「ずるいよ!」

咏  「いきなりどうしたんですか」

健夜「許婚というものがありながら咏ちゃんは学生時代に自由恋愛を楽しんだんでしょ?」

咏  「まあ、はい。お互いそれなりに」

健夜「でもそれは常に帰る場所を持っているというある種の不公平な立場を前提としているわけで」

咏  「酒まわってんなあ健夜さん」

健夜「それじゃあ当時のお相手さんたちがかわいそうだよ!」

咏  「いやいやそうは言いますけどね、健夜さん」

健夜「うん」

咏  「学生の恋愛なんてそんなもんじゃないすか、わっかんねーけど」

健夜「うっ」

咏  「なんか一緒にいて楽しいとかそーいうのだけで、先々のこととか考えないじゃないすか」

健夜「やめて咏ちゃん、そろそろ刺さる」

咏  「いやその別に健夜さんをいじめてるわけじゃなくて」

健夜「あのね、存在するだけで弱者を傷つけるものがこの世には存在するんだよ」

咏  「そういう話でしたっけ」

健夜「あれ、でも許婚がいるってだけで結婚するのはずっと先だったりするのかな?」

咏  「んー、今年のシーズン終わったら式挙げる、って感じっすかね。わかんねーですけど」

健夜「えっ」

咏  「あ、健夜さんも呼ぶつもりなんで予定空けといてくださいよ?」

健夜「は、は、早くないかな!?」

咏  「つっても次の誕生日でもう25になりますし、早いってこともないんじゃないすか」

健夜「持ち物はチェーンソーでいいかな?」

咏  「あんた人の式で何するつもりですか」

健夜「……二次会とか楽しみにしてるね」

咏  「あー、えっと、頑張ってください」
おしまい

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/14(火) 20:21:45.79 ID:SDcAeIgJo

あと書けそうなキャラは誰だろう。
気が向いたらまたお会いしましょう。

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