3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 03:58:07.66 ID:atpnSTcz0
京太郎「よぉ咲」
咲「・・・」ピクッ
咲(またうるさいのがきた・・・)
京太郎「なんだよ、無視かよ~」
咲「・・・なにか用?」ペラッ
京太郎「いやさ、これから一緒にプール行かね?」
咲「・・・プール?」
京太郎「そそプール。いいだろ?」
咲「・・・」
京太郎「楽しいぜ~。この暑い中冷たい水ん中入るのは」
咲「・・・」
京太郎「ほら行きたくなってきたろ? な、行こうぜ?」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 03:59:04.60 ID:atpnSTcz0
咲「・・・いやだよめんどくさい」ペラッ
京太郎「なんだよなんだよ、付き合いわりぃなあ」
咲「・・・他の人と行ってくればいいでしょ」
京太郎「いやさ、他の奴らはみんな受験だなんだいって、塾にこもりっきりでさ~」
京太郎「お前くらいしか一緒に言ってくれる奴いねえんだよ」
咲「・・・だから私は行かないってば」
京太郎「っだよ。どうせ暇なんだろ?」
京太郎「そんな影で本ばっか読んでないで、ちっとは体動かせよ」
咲「・・・」ピクッ
咲「・・・うるさいなぁ。私の勝手でしょっ」ペラッ
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:00:06.74 ID:atpnSTcz0
京太郎「なにむくれてんだよ」
咲「むくれてないっ! いいからあっち行ってよ!」
京太郎「へいへい」スタスタ
咲「・・・」ペラッ
咲(ほんっとうざい・・・もう私に構わないでよっ)
京太郎「・・・おい、咲」
咲「!?」
咲「な、なんでまだそこにいるの!」
京太郎「いやいや・・・お前が向こう行けって言ったから、ちょっと離れてやったんだぞ」
咲「そ、そういう意味じゃないから! もうここから消えてって意味!」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:00:18.56 ID:rRg6wW/8O
良い母親になるな咲は
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:00:42.18 ID:G9evOHbV0
中学時代か?
ともかく支援よー
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:05:14.61 ID:atpnSTcz0
京太郎「消えてって・・・ひでえやつだな」
咲「読書のジャマする方が悪いんでしょ!」
京太郎「読書なんてつまんねーだろ。プールの方が絶対楽しいって」
咲「京ちゃ・・・須賀君みたいなバカには理解できないだけだよ!」
京太郎「バカとはなんだバカとは。それにお前だって大して勉強できねーじゃん」
咲「うるさいなぁ! いいからどっか行ってよ!」ブンッ
京太郎「ちょ、石投げんな石・・・!」タタッ
咲「はぁ・・・はぁ・・・」
咲(これだから男子は嫌いなの・・・っ!)
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:08:14.87 ID:f2XBndIa0
中学編か
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:08:50.09 ID:atpnSTcz0
その夜
咲「・・・♪」フンフン
コツーン
咲「・・・!!」ビクッ
咲「な・・・なに?」ソロォ
京太郎(おーい!)
咲「・・・」
ピシャ!
咲「・・・信じらんない」
コツーン
咲「・・・」
コツーン
咲「・・・っ」イライラ
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:16:17.87 ID:atpnSTcz0
>>25その通りです
>>26はちなみに咲の部屋
ダダダッ・・・ガチャ!
京太郎「お、出てきた」
咲「・・・」スタスタスタ
京太郎「お、なんだなんだ・・・」
咲「ちょっとどういうつもり!?(小声)」
京太郎「いや~、一回やってみたかったんだよな。窓に石当てて気づかせるってやつ」ハハハ
咲「バッカじゃないの! それに声がでかいってば!」
京太郎「じゃ場所移すか」
咲「どうして私が須賀君についてかなくちゃいけないの!?」
京太郎「じゃあおまえん家入れてくれる?」
咲「なんでよ! もういいから帰ってよ!」グイッ
京太郎「お、押すなって・・・!」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:20:04.62 ID:JY5qrglH0
思春期咲ちゃんかわいい
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:20:08.20 ID:atpnSTcz0
咲「二度と私の家に来ないでよ!」
ガチャン
京太郎「なんだよプリプリしやがって」
咲「・・・」
咲父「誰か来たのか?」
咲「別に・・・誰でもないよ」
咲父「そうか」
咲「それよりお父さん! ちゃんと服着てってば!」
咲父「わ、わかったよ・・・」
ダンッダンッダンッ
咲父「・・・」
咲父(思春期ってやつなのかなぁ・・・)
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:24:41.95 ID:atpnSTcz0
ガチャ
咲「・・・」
咲「っ!」バンッ
咲「ああもう、イライラする!」バタバタ
咲「・・・」
咲「・・・はぁ」
咲(・・・こんなの全然私らしくないよ・・・)
咲(・・・今朝読んだ小説の女の子は、中学生なのにもっとおしとやかで優雅な感じだった・・・)
咲(・・・私ももっとスマートに生きなくちゃ・・・)
咲「・・・」
咲「・・・よし、続き書き始めよう」カキカキ
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:27:20.23 ID:eAHiRD8k0
この咲ちゃん可愛いぞ
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:30:09.11 ID:f2XBndIa0
この咲ちゃん若干厨二入ってるな
黒歴史ノートって奴か……
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:32:40.12 ID:atpnSTcz0
翌朝
咲「・・・」ペラッ
京太郎「よっす、咲」ポンッ
咲「・・・」イラッ
咲(・・・れ、冷静に・・・冷静に)
咲「・・・スゥ」
咲「・・・」ペラッ
京太郎「なんだぁ・・・今度はガン無視かよ」
京太郎「昨日はひどいことしてくれたよなあ・・・せっかく花火やろうと思って誘いにきてやったのに」
咲「・・・」ペラッ
咲(花火とか・・・ほんとガキっぽい・・・)
京太郎「今日こそ花火やろうぜ。木村も来てくれるってよ」
咲(木村君・・・あのいかにもって感じの不良男か・・・)
京太郎「どうだ? くるだろ?」
咲「・・・」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:40:31.14 ID:atpnSTcz0
咲「・・・」ガタンッ
京太郎「なんだ・・・便所か?」
咲「・・・」キッ
京太郎「に、にらむなよ・・・」
咲「・・・」スタスタスタ
京太郎「・・・はあ、女の気持ちってのはわからねえなあ」
———————
咲(女の子の前で『便所』なんて・・・ほんとデリカシーないやつ・・・)
咲「・・・」ブツブツ
咲「・・・」ピタッ
咲(まあ・・・せっかくここまで来ちゃったし、おトイレも済ませちゃおう)スタスタ
・・・ジャー
咲(よしっと・・・)
スタスタスタ
咲(ん・・・?)
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:44:17.26 ID:E3gKz41y0
この京ちゃんはラノベ主人公ですね・・・
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:46:25.90 ID:atpnSTcz0
「―――でさぁ、その先公がマジうざくってぇ」
「わかるぅ~」
咲(うわ・・・クラスの林さんたちだ・・・)
咲(どうしよう・・・あまり顔を突き合わせたくない・・・)
咲「・・・」
「そういえばさぁ、今日の須賀君見たぁ?」
咲「・・・」ピクッ
「見た見たぁ! 髪ちょっと短くしてきてたよねぇ!」
「ちょ~かっこよかったぁ!」
咲「・・・」イラッ
咲(・・・あ、あんなやつのどこがかっこいいんだろ・・・)
咲(・・・デリカシーないし、バカだし・・・)
咲(・・・この女共もバカばっかりだ・・・ほんと見る目なし・・・)
咲「・・・」
咲(・・・髪切ってきたんだ。気づかなかった・・・)
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:54:15.66 ID:atpnSTcz0
咲(ってなにやってんだろう私・・・)
咲(こんなやつらに怯えてどうする・・・早く教室に戻って本の続きを・・・)
「んでさぁ、須賀君にいつも付きまとってる、あの・・・」
「あぁ~、宮永だっけ? うざいよねぇ」
「そうそう、須賀君もなんであんな地味女なんか気にかけるんだろぉ・・・」
「なんかぁ、小学校からの幼馴染らしいよ?」
「うわ、なんかそれちょ~むかつくんですけどぉ」
「あいつ自身、それ鼻にかけてるとこあるよねぇ」
「わかる! ヘンに優等生ぶってんよね」
「そんなに須賀君や先生に気に入られたいのかねぇ」
咲「・・・」
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:53:09.47 ID:Uq+U2Fc90
>>52
どうでもいいけどこの二人って中学からの幼馴染だよ
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:54:44.19 ID:atpnSTcz0
>>119
マジか。じゃあそこは原作の設定改変ってことで
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 04:59:19.38 ID:atpnSTcz0
教室
ガラッ
咲「・・・」スタスタ
京太郎「なんだよ、遅かったじゃん。調子悪かったのか?」
咲「・・・」
京太郎「あ、もしかして便秘だったり」ククッ
咲「・・・!!」ブンッ
ボコォッ
京太郎「ぐへぁ!」
ドンガラガッシャーン!
「な、なんだなんだぁ!?」「え、なに今の音?」
咲「・・・っ」ダダッ
京太郎「・・・いてて・・・」
京太郎「・・・さ、咲・・・?」キョロキョロ
京太郎「あ・・・鼻血」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 05:15:59.90 ID:atpnSTcz0
タッタッタッ
咲「はぁ・・・はぁ・・・」
咲「・・・っく・・・はぁ・・・」
咲(最低・・・最低さいてい・・・っ!!!)
咲「・・・っ・・・はぁ・・・」
咲(あの女共も・・・須賀君も・・・みんな最ッ低・・・!!)
咲(誰が付きまとってるって!? いっつも私にちょっかい出してくんのはあいつでしょ!!)
咲(幼馴染とか・・・こっちから願い下げだよ!! 誰が好き好んであいつなんかと・・・!!)
咲「・・・っ・・・はぁ・・・」
咲「地味・・・? 優等生ぶってる・・・?」
咲「どこが!? そんなの嫉妬でしょ! 私はあんたたちとは根本的に出来が違うんだ!!」
咲「たくさん本読んでるし、授業も真面目に受けてるし、それで推薦までもらった・・・!」
咲「毎日彼氏がどうだの言って、くだらないことに時間を費やしてるあんたたちとはワケが違うの!!」
咲「・・・っはぁ・・・はぁ・・・」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 05:20:54.19 ID:atpnSTcz0
「ねぇお母さん、あのお姉ちゃんなに怒ってるの~?」
「こら、見ちゃいけません!」スタタッ
咲「・・・」
咲(・・・もう頭の中ぐちゃぐちゃだ・・・)
咲(・・・あんなことしたんだもん・・・もう教室には戻れない・・・)
咲「・・・はぁ」
咲(たまにはここら辺散歩して、頭でも冷やそう・・・)
スタスタ
ニャー
咲(・・・猫だ)
咲(・・・いや無視無視・・・)スタスタ
ニャァ
咲「・・・」チラッ
スタタッ
咲「・・・よしよし」サワワッ
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 05:28:30.31 ID:atpnSTcz0
咲「・・・」サワサワ
ニャン
咲「・・・」
咲(・・・今までは、学校終わったら家に帰って本読むことしか頭になかった・・・)
咲(・・・道端の野良猫なんか、気にもかけなかった・・・)
咲「・・・」
咲「・・・ごめんね、また今度」
ニャァ!
咲「・・・ふふっ」
スタスタ
咲「・・・」
咲(・・・街並みが違って見える・・・
咲(・・・今までは灰色や緑の塊でしかなかったものが・・・ちゃんと形と色を帯びてる・・・)
咲「・・・私、少し視野が狭かったのかも・・・」
咲「だから小説書いてても、いつも地の文でつまづいちゃうんだ・・・」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 05:34:04.82 ID:atpnSTcz0
ワーワー
咲「・・・」
咲(そっか・・・もう小学生の下校時間・・・)
咲「・・・」
咲(・・・私にも、あんな頃があったんだよね・・・なんて、まだそんな歳でもないか)
ワーワー
咲(・・・あの頃は、まだ須賀君とも仲良かったっけ・・・)
咲(・・・今となっては、ただうざい人でしかなくなっちゃったけど・・・)
咲「・・・」
咲(・・・でも・・・)
咲(・・・私も少し、やりすぎたかも・・・)
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 05:39:44.43 ID:atpnSTcz0
咲「・・・大丈夫かな・・・須賀君」
咲(無意識の内に、手元にあったカバン振り回しちゃったから、けっこうダメージでかいはずだけど・・・)
咲(・・・キーホルダーとか一切つけてないから、大怪我にはなってない・・・はず・・・)
咲「・・・」
咲「だ、大丈夫だよね・・・」オロオロ
咲「・・・っ」
———————
カァアア・・・
京太郎「咲のやつ・・・家にも帰ってなかったな」スタスタ
京太郎「どこ行ったんだろ・・・っと、いてて」
「・・・」
京太郎「・・・あ」
咲「・・・ぁ」
京太郎「・・・」
咲「・・・」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 05:45:17.90 ID:atpnSTcz0
咲「そ・・・そそそその・・・」
京太郎「なにドモってんだよ」
咲「ど、ドモってなんかないよ!」
京太郎「ふーん、まあいいけど」
咲「・・・」
京太郎「・・・なんで俺んちの前にいたわけ?」
咲「・・・あ、あの・・・さっきはその・・・」
京太郎「・・・へえ、少しは反省してくれちゃってんだ」
咲「・・・っ」
京太郎「・・・別にいいよ。ちょっとほっぺた切っただけだし」
咲「だ、大丈夫なの・・・?」
京太郎「・・・痛だっだああああああっ!!」ガクッ
咲「・・・き、京ちゃん!?」
京太郎「・・・って言ったらどうする?」
咲「・・・も、もうっ!!」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 05:50:36.28 ID:atpnSTcz0
咲「・・・その分だと大丈夫みたいだね」
京太郎「めっちゃ痛いけどな?」
咲「・・・」キッ
京太郎「なんで俺が睨まれるんだよ」
咲「・・・」
京太郎「・・・あのさ、俺の方もゴメンな」
咲「・・・え?」
京太郎「いや、さっきのこと。俺が便秘とか言ったから怒ったんだろ?」
京太郎「咲はそういうの嫌いだったもんな。ちょっとからかいすぎたよ。反省してる」
咲「・・・べ、別にいいよ・・・」
京太郎「ほんと?」
咲「そういってるでしょ!」
京太郎「怒鳴んなって」
咲「・・・」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 05:57:36.07 ID:atpnSTcz0
京太郎「あ、それとこれ」スッ
咲「・・・え、これって」
咲(わ、私が書いてた小説・・・!? な、なんで!?)
京太郎「たぶんお前がカバン振り回したときに飛び出したんだろ。ほら、チャック開いてるし」
咲(ほ、ほんとだ・・・)
京太郎「・・・よかったな」
咲「・・・よ、読んだ?」プルプル
京太郎「・・・え?」
咲「これ読んだの!?」
京太郎「読ん・・・い、いや読んでない読んでないっ」
咲「いま読んだって言おうとしたでしょ!?」
京太郎「ち、違うって・・・」
咲「読んだのか読んでないかだけ正直に言って!!」
京太郎「・・・読みましたすみません」
ボカッ
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 06:01:47.15 ID:atpnSTcz0
京太郎「いでっ!」
咲「はぁ・・・はぁ・・・」
京太郎「な、なにも殴ることないだろ!!」
咲「ぜ、全部読んだの!?」
京太郎「いや、最初の数ページだけ・・・」
咲「ほんと・・・?」ジリジリ
京太郎「ほんとだって! だってめっちゃつまんねえんだもんこれ!」
ボガッ!
京太郎「いだっ!!」
咲「・・・ふんっ」
京太郎「なんで殴るんじゃーーー!!」
咲「も、もっとオブラートに包んで言ってよ!!」
京太郎「知らねえよ!!」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 06:04:58.45 ID:/hyhzaT/0
何だかんだで咲ちゃんは京ちゃんと絡んでる時が一番可愛い
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 06:07:21.57 ID:atpnSTcz0
咲「はぁ・・・はぁ・・・ほんと最低!」
京太郎「知るかっつーの・・・」
咲「・・・誰にも言いふらさないでよ」
京太郎「なにを?」
咲「わ、私が小説書いてる・・・なんてこと」
京太郎「い、言わねえよ」
京太郎(・・・誰も読みたがらねえだろうしな)
咲「・・・っ」ガサゴソ
京太郎「・・・まあ、とりあえずあがってくか?」ガチャ
咲「い、いいよ別に・・・」
京太郎「・・・」
グイッ
咲「ち、ちょっと・・・!」
京太郎「いいから入れって、ほら!」
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 06:13:52.43 ID:atpnSTcz0
咲「て、手ぇ放してってば!」
京太郎「ほい」
咲「きゃっ!」ドテッ
咲「・・・も、もう! いきなりなにすんの!?」
京太郎「だって、咲はこうでもしないと素直になんねえだろ?」
咲「・・・っ」
咲「そ、そういうのがデリカシーないっていうの!」
京太郎「へいへい、そうでございますか」
京太郎「まあ、早く靴脱げよ」
咲「む・・・」
咲「お、お邪魔します・・・」
京太郎「おう、素直でよろしい」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 06:20:39.95 ID:atpnSTcz0
京太郎「ちょっとそこで待ってろ。麦茶持ってくる」
ガチャ
咲「・・・っ」
咲「・・・」キョロキョロ
咲(小学生の頃は、よく遊びにきてたっけ・・・)
咲(あんま変わってないなあ・・・昔と・・・)
咲「・・・」
咲(あ・・・)
ガチャ
京太郎「おまたせ~」
咲「き、京・・・須賀君! それどっか仕舞ってよ!」
京太郎「ん? ・・・ああ! これか」ヒョイ
咲「な、なんでそんなもの出しっぱなしにしてんの!!? 信じらんないよ!!」
京太郎「いや、まさか女の子を家にあげるとは思ってなくてな・・・はは、こりゃ失敬」ササッ
咲「さ、最ッ低!!」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 06:27:16.28 ID:atpnSTcz0
京太郎「まぁとりあえずこれでも飲んで落ち着こうや」コトコト
咲「ま、まったくもう・・・」
京太郎「ほれ」スッ
咲「い、いただきます」ゴクゴク
咲(・・・わぁ、昔と変わってないなぁ・・・この味)
京太郎「前はよくこうして家に遊びに来て、麦茶飲んでたよな」
咲「・・・う、うん」
京太郎「あの頃の咲は純真でかわいかったなあ・・・」
咲「・・・まるで変態みたいだよ、京ちゃん」
京太郎「だって本当のことじゃん。今の咲はブスッとしてばっかでさ」
咲「はいはい、そーですか!」
京太郎「な?」
咲「今のは京ちゃんが原因でしょ!?」
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 06:45:34.49 ID:atpnSTcz0
京太郎「・・・京ちゃんって、また呼んでくれるようになったのか?」
咲「あ・・・えっと、その・・・」アセアセ
京太郎「恥ずかしがんなよ。須賀君、とか堅苦しく呼ばれるよりは全然いい」
咲「・・・うん」
京太郎「・・・なあ、咲」
咲「・・・なに?」
京太郎「・・・俺たち、また昔みたいに戻れねえかな・・・」
咲「・・・」
京太郎「・・・咲?」
咲「・・・それは無理だよ」
京太郎「・・・」
咲「私たちは・・・変わりすぎちゃったもん」
咲「趣味や性格、人付き合いだって変わってきた」
咲「それに京ちゃんはもうすぐ受験でしょ? そしたら高校だって違くなるし、こうして会う機会だって減ってくる・・・」
咲「私たち・・・いつまでも子供じゃいられないんだよ」
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 06:50:55.60 ID:atpnSTcz0
京太郎「・・・そうだな」
咲「・・・うん」
京太郎「・・・」
咲「・・・」
京太郎「・・・咲ってどこの高校行くんだっけ」
咲「えっと・・・清澄ってとこ」
京太郎「・・・そっか」
咲「・・・?」
京太郎「・・・じゃあさ、俺もその高校受けることにする!」
咲「え、ええ!?」
咲「な、なんで・・・?」
京太郎「・・・俺たち、昔のようには戻れなくてもさ・・・」
京太郎「・・・」
京太郎「それでも俺は、咲のできるだけ近くに居たいんだよ・・・ダメか?」
咲「・・・き、京ちゃん・・・」
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:00:40.11 ID:atpnSTcz0
咲「・・・もう! 勝手にすれば!?」プイッ
京太郎「ああ、勝手にさせてもらうぜ」
咲「・・・ふん、でも京ちゃんなんかが受かるのかなぁ」チラッ
京太郎「・・・っ」ギクッ
京太郎「・・・さ、咲さん? 頼みがあるんだけど・・・」
咲「・・・なに?」
京太郎「・・・頼む、俺に勉強を教えてくれ!!」
咲「・・・あれ、昨日は私のこと大して勉強できないとか馬鹿にしてなかったっけ?」
京太郎「あ、あれはその・・・」
咲「ふん・・・まあいいよ、教えてあげる。その代わり・・・」
京太郎「・・・な、なんだ?」
咲「・・・」
咲「・・・わ、私の小説・・・また書くから、そのときは読んで・・・くれる・・・?」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:06:35.22 ID:G9evOHbV0
なぜ麻雀部なんぞに・・・
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:08:20.54 ID:atpnSTcz0
京太郎「・・・なんだそんなことかあ」ホッ
咲「そ、そんなことって・・・!」
京太郎「そんくらいならお安い御用だぜ! 原稿用紙10枚でも20枚でも持ってきやがれ!」
咲「・・・あ、ありがとう」
咲「・・・じ、じゃあさ! まずはこれを・・・」ガサゴソ
京太郎「げっ・・・それはさっきの・・・」
咲「む・・・なにその顔は・・・?」
京太郎「いやぁ・・・だってそれめっちゃつまんn」
ボカッ
咲「それはわかってるの! だから全部読んでもらって、ダメな個所とか指摘してもらいたいというか・・・」
京太郎「・・・で、でも俺ド素人だぜ?」
咲「いいの! 誰か他の人に読んでもらうってことが大事なんだから!」
京太郎「そういうもんかな・・・」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:18:11.77 ID:atpnSTcz0
咲「そういうもんなの! ・・・ってもうこんな時間か」
京太郎「ああ、帰るのか?」
咲「・・・うん。お父さんも心配するだろうし」
京太郎「・・・咲」
咲「・・・なに? 京ちゃん」
京太郎「今日の9時、中央公園に集合な」
咲「え・・・それって」
京太郎「ああ、昨日できなかった花火の続き」
京太郎「お前のせいでできなかったんだぜ・・・もちろん来てくれるよな?」
咲「・・・うん、いいよ」
京太郎「ただし・・・」
咲&京太郎「「木村は呼ばない・・・!」」
咲「・・・っぷ」
京太郎「はははっ」
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:31:09.32 ID:atpnSTcz0
夜
京太郎「・・・おまたせ~!」
咲「遅いよ!」
京太郎「ごめんごめん・・・ってお前・・・」
咲「お、お父さんがね・・・! 浴衣着てったらどうかって・・・去年買ったやつがあったから」
京太郎「・・・」
咲「・・・ど、どうかな・・・似合ってる?」
京太郎「・・・似合ってる」
咲「ほ、ほんと!?」
京太郎「けどそれお前・・・前んとこ逆だぞ。それじゃ死人じゃねえか」
咲「ぁ・・・」カアア
京太郎「あいっかわらずどっか抜けてるよなあ、お前」
咲「う、ううううるさいなあ!! あっち向いててよ!!」
京太郎「ま、まさかここでやる気かよ・・・!?」
咲「き、京ちゃんがそういうこと言うからじゃん!!」
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:36:47.50 ID:atpnSTcz0
咲「・・・で、できたよ」
京太郎「おう、それじゃさっそく始めるとするか」
咲「う、うん・・・」
パチパチィ・・・
京太郎「夏といったらやっぱりこれだよなあ・・・」
咲「そうだね」
京太郎「虫よけ買ってきたから、よかったら使えよ」
咲「・・・京ちゃんってヘンなとこだけ気が利くよね」
京太郎「ヘンなとこは余計だよ!」
京太郎「あ、使い終わったら必ず返せよ?」
咲「う、うん・・・でもどうして?」
京太郎「いや、お前ならスプレー缶に花火向けるとかやりかねねえし」
咲「そ、そんなことしないってば!!」
京太郎「ははっ、ジョークジョーク」
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:42:45.26 ID:atpnSTcz0
パチパチィ・・・
京太郎「・・・」
咲「・・・」
京太郎「・・・もうすぐ終わっちまうな」
咲「・・・うん」
京太郎「・・・明日はプール行こうぜ」
咲「でも学校・・・」
京太郎「終わった後でもいいだろ。な?」
咲「うん・・・」
京太郎「・・・んで、明後日は・・・」
咲「・・・明後日は勉強」
京太郎「ええ~」
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:44:27.95 ID:atpnSTcz0
咲「ええ~、じゃないよ! 今のまんまじゃ、清澄どころかどこにも受かんないよ!」
京太郎「へいへい・・・」
咲「・・・絶対サボっちゃダメだからね」
京太郎「わぁってるよ・・・」
咲「・・・あ、もう終わっちゃった」
京太郎「ちぇ・・・つまんねえの」
咲「またやればいいじゃん」
京太郎「それはそうだけどよぉ・・・」
パンパーン
咲「・・・あれ・・・この音」
京太郎「・・・花火大会でもやってんのか?」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 07:54:07.05 ID:atpnSTcz0
京太郎「・・・お、こっからなら見える」
咲「ほ、ほんと?」
京太郎「おう、なんなら肩車してやろうか?」
咲「イヤだよ!」
京太郎「・・・まあそもそも体重的に無理だけどな」
咲「その一言は余計だよ!」
京太郎「でもどうするよ。お前その恰好じゃここよじ登れないだろうし」
咲「仕方ないよ・・・ここで音だけ聞いてる」
京太郎「・・・咲」
咲「・・・」
京太郎「あ、そうだ・・・咲、こっち!」
咲「えっ?」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 08:01:38.46 ID:atpnSTcz0
咲「ぶ、ブランコ!?」
京太郎「ああ、勢いつければかろうじて見えるんじゃないか?」
咲「そんなうまくいくかなぁ・・・」
京太郎「モノは試しだ・・・早く乗れよ!」
咲「うぅ・・・こんな歳でブランコ押してもらうことになるとは思わなかったよ・・・」
京太郎「よし、いくぞーーーーーーーー! それっ!」グイッ
咲「わわっ・・・き、京ちゃん強いってば!」
京太郎「こうでもしねえと見れねえだろ? それもういっちょ!」グイッ
咲「きゃああああぁっ!!!」
京太郎「どうだー? 見れたかー?」
咲「こ、怖くて目ぇ開けらんないよぉ!!」
京太郎「・・ったく、ヘンなとこで乙女属性発現させるんだからよぉ」
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 08:07:34.85 ID:atpnSTcz0
パパパーン!
京太郎「お、でっかいのきたぞ!」
咲「うぅ・・・み、見えない・・・」
京太郎「・・・ダメかあ・・・」
咲「あ、れ・・・」
パパパーンッ!
京太郎「お」
咲「み、見えた! 京ちゃん見えたよ!!」
京太郎「っておまっ・・・危ねえよ!」ダダッ
咲「わわわぁああっ!!!」
ズザーッ!
京太郎「いてて・・・っ」
咲「き、京ちゃん・・・大丈夫・・・?」
京太郎「ああ・・・なんとかな・・・」
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 08:12:38.41 ID:atpnSTcz0
咲「・・・ご、ごめんね。私のせいだね・・・」
京太郎「なに言ってんだよ。お前も無事で俺も無事」
京太郎「ついでに花火も見れたんだろ? なら万事オッケーじゃねえか」
咲「なにそれ、適当すぎだよ・・・」
京太郎「んで、花火はどうだった?」
咲「うん・・・いろんな色が混ざり合って、輝いて・・・とっても綺麗だったよ!」ニコッ
京太郎「そっか・・・」
咲「・・・ありがとう、京ちゃん」
京太郎「だからもういいって・・・」
咲「ううん・・・今日はこんなに楽しませてくれて、ありがと」
京太郎「・・・咲・・・」
咲「えへへ・・・」
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 08:17:43.46 ID:atpnSTcz0
京太郎「・・・お、お前にしちゃ素直だな」
咲「む・・・そういう言い方しかできないの?」
京太郎「・・・うっせ」
咲「まったくもう・・・素直じゃないのは京ちゃんの方じゃん」
京太郎「うっせうっせ」
咲「はいはい、もう黙りますよーだ」
京太郎「・・・」
咲「・・・」
京太郎「・・・」
咲「・・・」
京太郎「さ、咲・・・」咲「き、京ちゃん・・・」
京太郎「・・・な、なんだよ・・・」
咲「・・・そ、そっちこそ・・・」
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 08:21:13.15 ID:atpnSTcz0
京太郎「・・・じ、じゃあせーので行くぞ」
咲「・・・お約束だね」
京太郎「・・・ああ、いいか?」
咲「・・・うん」
京太郎&咲「せーの・・・っ!」
「「好きだよ・・・!」」
カン