12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 17:45:38 ID:M2F2a+WK0
照「玄ちゃんが記憶喪失になったってホント?」
菫「あぁ本当だ。それに宥は行方不明らしい」
淡「何その急展開」
照「じゃあ玄ちゃんは今頃、ひとり寂しく泣いてるのかも…」
菫「私は宥を探しに奈良へ向かうが…照、お前も来るか?」
照「うん。玄ちゃんに会いたい(そして涙目の玄ちゃんを見たい)」
菫「よし、すぐに向かうぞ!」タン
照「うん!この対局が終わったらすぐに向かおう!」タン
誠子「あ、それポン」タン
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 17:47:29 ID:7kXwjkTn0
さっそく照が変態じゃねーか!
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 17:47:54 ID:fYyLgInB0
菫さんもな
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 17:50:29 ID:M2F2a+WK0
淡「…いやいやいや、悠長に麻雀なんかしてていーの?」タン
照「大丈夫、すぐに終わるから」タン
淡「へ?すぐに終わる?」
誠子「どういう意味ですか?まだ東一局ですよ?」タン
照「ロン」パタッ
誠子「ほえ?」
照「こういう意味。36000点」
誠子「…トビです」
菫「よし行くぞ!屋上にヘリを用意してある」
淡「ヘリ!?」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 17:55:25 ID:M2F2a+WK0
屋上
バタバタバタバタ
淡「うわっ!すっごい音うっさい!」
照「ヘリコプターに乗るなんて初めて」
淡「でもヘリに乗り込む姿って、なんかカッコいーね!」
尭深「トップガンみたい」ズズズ
誠子「ケビン・コスナーですね」
淡「そうそう!まるでエアー・ウルフだよ!」キャッキャッ
菫「奈良へは私と照の二人で行く。留守番は頼んだぞ!」
淡誠尭「「「はーい」」」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 17:58:43 ID:M2F2a+WK0
病室に到着
照「玄ちゃん、私が誰だかわかる!?宮永照だよ!?」
玄「テル…?」
菫「やはり覚えていないのか…」
菫「君の姉さんの事は覚えてないか?宥の事だ」
玄「ユウ…?」
菫「あぁ、私の恋人の宥の事だ」
照「…えっ?」
菫「えっ」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:00:44 ID:mRoozUiY0
刷り込みはやめましょう
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:02:36 ID:M2F2a+WK0
照(菫、どさくさに紛れて何言ってるの?)ヒソヒソ
菫(私が玄さんに何を吹き込もうと勝手だと思うが)ヒソヒソ
菫(照だって、玄さんと深い関係を築くいいチャンスじゃないか?)ヒソヒソ
照(…あ、それもそうか)ヒソヒソ
照「玄ちゃん、ホントに私のこと覚えてない?」
玄「はい、すみません…」
照「玄ちゃんはね、私の従順なペットだったんだよ」
玄「あ、そうだったんですか」
菫「!?」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:07:06 ID:M2F2a+WK0
菫(待て待て待て!それはやりすぎだろう!?)ヒソヒソ
照(最初に言い出したのは菫だよ?)ヒソヒソ
菫(いや、それはそうだが、でもペットってお前…)ヒソヒソ
照「ところで、行方不明の宥ちゃんを探さなくていいの?」
菫「…そうだった、こうしちゃおれん!」
菫「きっとどこか遠い土地で、私の助けを待っているに違いないんだ…知らないけどきっとそうだ!」
菫「はっ!?も、もしかしたら宥は、卑劣な悪漢にかどわかされているのかもしれない…」
菫「そこへ私が現れて宥を救い出す!そしたら宥は私が好きになる!」
菫「まいっちゃうなもう!まいっちゃうなもう!」バンバン
照「…菫、大丈夫?」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:09:40 ID:ePnVCckW0
これあかん方の菫さんや
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:13:02 ID:M2F2a+WK0
以下、菫の妄想
宥「私は宥。悪漢に襲われています。どうかお助け」
悪漢A「俺は悪漢。今日からお前は俺のカキタレとなるのだー!」
そこへ颯爽と現れる私
菫「そのへんにしてやりなせぇ、お兄さん方」
菫「その娘っ子も嫌がってるじゃあありませんか」
悪漢A「なんだ手前は。引っ込んでやがれ!」
悪漢B「構わねぇ、こいつも犯してや…ぐわぁ!」
悪漢A「なんてこった。仲間が一瞬にしてシャープシュートされちまった!」
菫「口で言ってわからねぇなら、こうするしかねぇやな」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:16:17 ID:M2F2a+WK0
悪漢A「ちくしょー覚えてやがれ!」スタコラ
悪漢B「勝ったと思うなよ!」サッサ
菫「命あるだけ、ありがたく思いな!」(決め台詞)
はだけた着物を押さえて震える宥
菫「安心しなせぇお嬢さん、うるさい子蝿は追い払いましたよ」
宥「ありがとう旅の人。結婚してください」
菫「やれやれ。人生という旅路に、とんだお荷物ができちまったもんだ」
夕日をバックに将来を誓い合う二人
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:19:15 ID:M2F2a+WK0
菫「とか言ったりして!とか言ったりして!」バンバン
照「落ち着いて菫、いろいろ設定がおかしい」
菫「というわけで私は宥を探す旅に出る。玄さんのことは頼んだぞ」
照「どこか当てはあるの?」
菫「そうだな…とりあえず北へ向かう」
照「…?どうして北なの?」
菫「寒さに凍えて震える宥を抱きしめてやりたいからだ!失敬!」ドヒューン
照「あぁ、行っちゃった…」
玄「」ポカーン
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:22:59 ID:M2F2a+WK0
照(玄ちゃんと二人きりになっちゃった…)ドキドキ
照「えっと、玄ちゃん、ホントに何も覚えてないの?」
玄「はい、気がついたらこの病室にいて…」
照「覚えてる人もいない?お姉ちゃんの宥ちゃんとか」
玄「覚えてる人は…貴女だけなのです」
玄「ミヤナガテル、胸囲72センチ、頭に角が生えた人…」
玄「この世界で他には誰も知らないのです」
照「……!」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:26:26 ID:M2F2a+WK0
照(どうしよう、玄ちゃんが可愛い)
玄「」グー
照「…玄ちゃん、おなかすいたの?」
照「ちょうどよかった。私お見舞いにお菓子いっぱい買ってきたから」
照「はい、まず仙台名物のごま蜜団子」ドサ
照「それに仙台名物のずんだ餅に」ドサ
照「仙台名物の萩の月も」ドサ
玄(なんで仙台名物ばっかり…?)
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:29:40 ID:M2F2a+WK0
照「ずんだ餅はおもちだから、のどに詰まらせないように気をつけて」
玄「…『おもち』?」
照「どうしたの玄ちゃん?」
玄「おもち……おもち……うっ、頭が…!」
照「玄ちゃん!大丈夫!?」
玄は 何かを 思い出そうとしている!
照(そうか!『おもち』が記憶を取り戻すキーワードなんだ)
照(お餅をいっぱい食べさせれば何か思い出すかもしれない…)
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:32:16 ID:M2F2a+WK0
照「玄ちゃん、あーんして」
玄「えっ」
照「はい、あーん」
玄「あ、あーん」
パクッ
照「何か思い出した?」
玄「いえ、何も…」モグモグ
照「そっか、じゃあもっと食べないと」
玄「えっ」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:34:35 ID:M2F2a+WK0
照「はい」
玄「もぐもぐ」
照「はい」
玄「もぐもぐもぐ」
照「はい、どんどん」
玄「もぐもぐもぐもぐ」
玄「も、もふはいひゃないのへふ(もう入らないのです)」
照「何言ってんの、早く食べなさいよ」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:36:57 ID:M2F2a+WK0
照「はい」
玄「もがもご」
照「はい」
玄「もうひゃめへぇ(もうやめてぇ)」
照「え?もっと食べさせて欲しい?」
玄「も、もふおなひゃいっぴゃい(もうお腹いっぱい)」
照「いいから全部食べなさいよ」
玄「のみほへにゃい(飲み込めない)」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:39:28 ID:M2F2a+WK0
玄「もがもご」(息ができなくて涙目)
照(頬を膨らませて涙目ながら私を睨む玄ちゃん可愛い…)
照(玄ちゃんを眺めてると、他のことなんかどうでもよくなる…)
照「…」ポヤーン
照「…あれ?」
照(そういえば私、なんで玄ちゃんにずんだ餅を食べさせてるんだっけ?)
照(…どうしても思い出せない。…まさかこれって!?)
照「記憶喪失!?」
玄「もがもご」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:40:26 ID:mRoozUiY0
どっちも記憶喪失とかどうすんだ
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:42:15 ID:M2F2a+WK0
照「どうしよう玄ちゃん!私、記憶喪失になっちゃった!」
玄「もがもご」
照「どうしよう…」
照「…そうだ、菫に電話して助けてもらおう」
照「あっ、菫どっか行っちゃったんだっけ…」
照「……」
照「…淡でいいや」ピポパ
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:45:52 ID:M2F2a+WK0
とぉるるるるるるるる
淡「はい、もしもしー」
照『あっ、淡?』
照『私、記憶喪失になっちゃった。助けて』
淡「えっ、ホント!?わかった、すぐ助けに行くよテルー!」
照『奈良の病院にいるからね。それじゃ』ガチャン
淡(待っててねテルー、今すぐ助けに行くから!)
淡(…この、今読んでる『刃牙』を読み終わったら、すぐに行くから!)
淡「あ、ドッポ負けちゃった…渋川さん強いな~」ペラペラ
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:48:36 ID:M2F2a+WK0
淡、病室に到着
淡「テルー!遅くなってごめん!」
照「ううん、お菓子食べてたから」モグモグ
玄「もがもご」
淡「テルー、記憶喪失になっちゃったってホント!?」
淡「私のことは覚えてる?大星淡!」
照「オオホシアワイ…うぅっ、頭が…」ズキン
照「…ごめんなさい、どうしても思い出せないの」
淡「ううん、無理に思い出さなくていいよ」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:51:40 ID:M2F2a+WK0
玄「もが!もが!」
淡「あれ?どうしてこんなところに松実さんがいるの?」
淡「ま、いいや!松実さんもテルーの記憶を取り戻すために協力してよね!」
玄「もががっ!?」
淡「そうそう、テルーは麻雀がすっごく得意だったんだけど…覚えてない?」
照「まーじゃん…?」
淡「そうだ!一度麻雀を打ってみれば何か記憶が蘇るかも!」
淡「…あ、でもメンツが一人足りないね…」
照「じゃあ、電話で妹の咲でも呼ぼっかな」ピポパ
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:54:26 ID:M2F2a+WK0
とぉるるるるるるるる
咲「もしもし。どうしたの、お姉ちゃん」
照『あ、咲?実は麻雀のメンツが一人足りないんだけど』
咲「そうなんだ。じゃあ私入るよ」
照『奈良の病院にいるから。早く来てね』ガチャン
咲「奈良!?なんで!?…あ、切れちゃった」
咲「まぁいいや、早く行こう…」
咲「…今読んでる『月下の棋士』を読み終わったら、すぐに行こう」
咲「で、でた!因縁の向かい飛車!一体どうなるんだろう…」ペラペラ
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 18:57:06 ID:M2F2a+WK0
咲、病室に到着
咲「ごめんねお姉ちゃん、遅くなっちゃった…」
淡「サキー!久しぶりー!」ダキッ
咲「淡ちゃん!久しぶりー!」ダキッ
淡「大変なんだよサキー!テルーが記憶喪失になっちゃったの!」
咲「そうなの!?お姉ちゃん、私のことはわかる?妹の宮永咲だよ?」
照「ミヤナガサキ…うぅっ、頭が…」ズキン
照「…ごめんなさい、どうしても思い出せないの」
咲「ううん、無理に思い出さなくていいよ」
玄「もごご…」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 19:01:38 ID:M2F2a+WK0
淡「ま、それは置いといて麻雀しようよ!」
照「あ、今雀卓の用意するから」ゴトゴト
咲「すごーい!病室にも雀卓があるんだ!」
照「玄ちゃんはベッドに寝たままでいいから」
玄「もがもご」
玄「ほんなほほより(そんなことより)」
玄「ふひのあにゃのおほひ、どーにかひて(口の中のおもち、どうにかして)」
咲「え?ウチの姉のおもち、同人化して?」
照「何言ってるの玄ちゃん…」ドンビキ
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 19:06:01 ID:M2F2a+WK0
照「よし、用意できた」
咲「ルールはどうしよっか?」
淡「ルールは東風赤12枚入りアリスビンタヤキトリ割れ目アリアリのチップ万券デカウーピンね!」
照「負けない」ギュルルルルルル
淡「私だって!」ゴゴゴゴゴ
咲「麻雀って楽しいよね!」(靴下を脱ぎながら
玄「…」
玄(…何故か、体の震えが止まらないのです…)ガタガタ
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 19:11:44 ID:M2F2a+WK0
時間が経つのも忘れ、麻雀に興じる四人
淡「ロン!18000点と1万!」
照「ツモ、12000点と2万円オール。あ、割れ目は24000点と4万円」
咲「カンカンカンツモ48000点と6万円の責任払いです」
玄「」スッカラカン
照「あ、玄ちゃんトンじゃった」
咲「大丈夫だよ!懇意の金融屋を紹介してあげるから!」
淡「夜明けまではまだ時間あるよね?」
玄「だえかはふへてぇ…(誰か助けてぇ…)」
※賭博行為は法律で禁止されています!良い子は真似しないように!※
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 19:14:32 ID:M2F2a+WK0
すっかり夜も明けて…
淡「あー楽しかった!」
照「結局徹夜しちゃった…」
咲「お姉ちゃん…私、もう眠いよ…」ウトウト
照「ごめんね咲、奈良まで呼びつけちゃって」
照「…あれ?ところで私たち、なんでこんなところで麻雀してるんだっけ?」
淡「ほえ?…そういえば、なんでだっけ」
咲「うーん、なんでだっけ…思い出せない…」
照「どうしても思い出せない…はっ!?まさかこれって!?」
照咲淡「「「記憶喪失!?」」」
玄「ひーかげんにひほ!(いい加減にしろ!)」
終 わ り
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/24 19:17:11 ID:M2F2a+WK0
終わりです
ご支援ありがとうございました